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これは、医学的診断名ではありません。児童福祉での行政上の措置を行うための定義(呼び方)です。
その判定基準は、国は明確に示していませんが、現在では、大島の分類という方法により判定するのが一般的です。
重症心身障害児(者)の数は、日本ではおよそ43,000人いると推定されています。 |
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(1)大島の分類 * |
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80 |
(IQ) |
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23 |
24 |
25 |
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70 |
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20 |
13 |
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16 |
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50 |
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19 |
12 |
7 |
8 |
9 |
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35 |
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18 |
11 |
6 |
3 |
4 |
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20 |
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17 |
10 |
5 |
2 |
1 |
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0 |
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走れる |
歩ける |
歩行障害 |
座れる |
寝たきり |
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1. |
1,2,3,4の範囲に入るものが重症心身障害児 |
2. |
5,6,7,8,9は重症心身障害児の定義には当てはまりにくいが、 |
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@絶えず医学的管理下に置くべきもの
A障害の状態が進行的と思われるもの
B合併症があるもの
が多く、周辺児と呼ばれています。 |
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元東京都立府中療育センター院長大島一良博士により考案された判定方法 |
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(2)障害の原因 |
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重症心身障害の発生原因は様々です。現在広く用いられている原因分類には、生理的要因、病理的要因、心理・社会的要因の三つに分別する考え方があります。
また、出生前の原因(胎内感染症・脳奇形・染色体異常等)、出生時・新生児期の原因(分娩異常・低酸素・極小未熟児・重症仮死産等)、周生期以後の原因(脳炎などの中枢神経感染症・てんかんなどの症候性障害)に分類することもあります。
重症心身障害児の発生数は、医学・医療の進歩充実により、減少するよりもむしろ増加しているといわれています。その理由として、超低出生体重児や重症仮死産などで、かつては救えなかったいのちが救命できるようになったことが大きな要因と考えられております。
幼児期の溺水事故や交通事故の後遺症に起因するものも多くなっております。 |
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(3)特徴(障害状態像) |
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☆姿勢 |
殆ど寝たままで自力では起き上がれない状態が多い。 |
☆移動 |
自力では困難、寝返りも困難、座位での移動、車椅子など |
☆排泄 |
全介助(知らせることが出来ない(70%)。始末不可(76%)) |
☆食事 |
自力ではできない。(スプーンで介助)、誤嚥(食物が気管に入ってしまうこと)を起こし易い。
食形態=きざみ食、流動食が多い。 |
☆変形・拘縮 |
手、足が変形または拘縮、側彎や胸郭の変形を伴う人が多い。 |
☆筋緊張 |
極度に筋肉が緊張し、思うように手足を動かすことができない。 |
☆コミュニケーション |
言語による理解・意思伝達が困難、表現力は弱いが、笑顔で応える。 |
☆健康 |
肺炎・気管支炎を起こしやすく、70%以上の人がてんかん発作を
持つため、いつも健康が脅かされている。痰の吸引が必要な人が多い。 |
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(4)超重症児(者) |
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常に医学的管理下に置かなければ、呼吸をすることも栄養を摂ることも困難な障害状態にある人をいいます。在宅でも生活しています。 |
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☆呼吸管理
レスピレーター(人工呼吸器) 装着、気管内挿管(気管に酸素を送る管を入れる)、
気管切開(カニューレ設置)などの呼吸管理を要する。
☆ 食事機能
中心静脈栄養(口から栄養摂取できない場合に、静脈などから点滴投与する)、
経管・経口による栄養補給を要する。 |
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