こだま345号 2007年2月号


  目次
 視点…1
 新年の集い ー 50数名で大成功…5
 全視協第7回弱視者交流集会報告…10
 永続可能な全視協の基盤を確保するための財政提案…16
 駅ホーム転落事故ゼロの日行動に参加して…20
 東視協40年を振り返って (1)…23
 【読者投稿】「音声ガイドによる上映会」…29
 教養講座に参加して…35
 情報アラカルト…38
 ありがとうコーナー…41
 役員会だより…42
 日程情報…45
 編集後記…48


   視点
 1973年2月1日、上野孝司さんはJR高田馬場駅で転落し死亡されました。当時、その駅には点字ブロックはありませんでした。痛ましい事故をばねに、外出の自由、一人歩きの自由を確保したいという願いが急速に高まり、ホームに点字ブロック等の安全設備と適正な駅員の配置を求めて、全国に運動は広がりました。
 その結果、首都圏の鉄道駅のほとんどの駅ホームに点字ブロックが敷設されています。私たちが一人歩きをする時に、必ず利用します。しかし、点字ブロックは方向や警告を示すもので、100パーセント安全とはいえません。ブロックの上を歩いていても、勘違いをしたり、ぶつかったりすると方向がわからなくなり、1歩間違えば危険への道になります。
 1991年に、東京メトロの南北線にホームドアが設置された時、本当にすばらしいと思いました。それを機に私たちがよく利用する都営三田線に、「可動柵」を付けて欲しいという運動が、東視協まちづくり委員会を中心に始まりました。そして対都要請行動でも、可動柵の設置を毎回要求項目に掲げ、安全性と必要性を訴え続けました。ついに2000年9月に既存の路線では初の可動柵設置の三田線が実現したのです。
 私は3回ホームから転落しました。落ちた時のことを考えると、身の縮む思いと恐ろしさでたまらなくなります。そんなことがあっても、街へ出かけたいのです。可動柵があれば、視覚障害者のみならずすべての人の転落事故を防ぐことができます。
 「落ちる」ことだけ回避されればいいということではありません。ぶつかる・つまづく・迷うバリアはいっぱいです。どんな状態でも可動柵のホームでは、落ちる不安がないのはとても大きいことです。東視協の運動が認められ、福岡・仙台・名古屋・北海道にも可動柵設置が広がり、都内でも東京メトロ丸の内線のすべての駅にも、まもなく可動柵が設置されます。
 昨年12月より施行されたバリアフリー新法に基づく国土交通省令で、可動式ホーム柵(可動柵)の設置が位置付けられました。東京都が発表した「これからの10年」の公約に、「都内の全駅にホーム柵を設置する」とあるそうです。具体策は一言も示されていませんが、東視協はこれまでも可動柵の設置、車内ドアの点字表示、男女の区別で方向がわかるホームのアナウンスなど、粘り強い運動で数多い要求を実現させました。落ちない駅ホーム、安心して利用できる駅を求めて、仲間と力を合わせ歩み続けましょう。
                編集委員  織田 津友子

   新年の集い ー 50数名で大成功
 1月14日、恒例の新年の集いが開かれました。今年は南部ブロックの担当でオカリナやピアノ演奏、全員合唱と盛り上がりました。お酒もカンパで飲み助の皆さんはさぞ満足されたことと思います。
 テーブルも4つに分け、それぞれのテーブルに名前をつけ、その代表者に感想を述べていただきました。
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 (プリンセステーブル)板垣さんが、自称プリンセスだからという理由で名付けられました。
 板垣敦子(東部):グループごとに名前をつけるように指示があり、私のグループは女性が比較的多かったので、プリンセスと名付けました。私には似合わないと言われましたが、「そうなりたい!」という望みをこめて言わせていただきました。今年は、プリンセスになれるようにがんばります。お弁当、お菓子、みかんなどが出されておいしかったです。 今回、お酒を飲めない人のためにシュークリームを用意していただいたことがうれしかったです。残念だったのはゲームができなかったことです。みんなで楽しめるクイズやゲームがあったらよかったと思いました。

 (さくらテーブル) もしかしたらウバ桜の間違いかもしれませんね。
 加藤弘之(西部):さくらグループの親分は東視協結成の時にはピカピカの若者だった黒岩さんです。名付け親は都知事候補と同姓の吉田さんです。どうして「さくら」なのかというと新春だから、そして散り際が潔いという単純な理由です。テーブルの顔ぶれは、皆さん、名が体を表しています。

 (せっかちテーブル) 鈴木会長がせっかちだからだそうです。
 風間巳津弘(北部):今年の新年の集いは、4グループに分かれて行い、僕は「せっかち」グループになりました。久しぶりに会う人もたくさん来ていて、話もして、西原さんのオカリナ演奏も華を添えて、とても楽しい集いでした。南部ブロックの皆さん、お疲れさまでした。

 (ばらテーブル) 名付け理由はよくわかりません。花のバラではなく、グループがばらばらだからですかね…。
 平井久子(東部):明るくて楽しい会でした。司会の下奥さんご苦労様でした。よく食べよく飲みました。杉田さんの甘酢と焼酎割り、内田さんのイチゴワイン、おいしかったです。ボランティアさんがよく動いて下さったので、私もゆっくり楽しみました。神作さんの「トルコ行進曲」の演奏、素敵でしたね。皆で歌った「タンポポ」の歌も心に残りました。今年も福祉には厳しい年、都知事選・参院選も控えています。心を引き締めてがんばりましょう。

   全視協第7回弱視者交流集会報告
        西部 栗山 健
 1月27日・28日、沼津市南本郷自治体会館で46人が参加して行われました。1日目は、講演と基調報告、2日目は分科会とまとめ・今後へ向けての提案がありました。
 講演では「弱視者の視覚特性とまちづくり」というテーマで弱視者問題研究会の田辺泰弘氏が、たくさんの「バリアフリー事例写真集」も紹介しながら、弱視といっても視力・視野・色覚など見え方は千差万別であり、まちづくりに対する私たちのアピールはまだまだ少ない。もっと自分たちの要求を反映させるためには、新しい法律やまちづくりの計画が立てられる時こそ積極的に意見を述べ、まちづくりに反映させようと述べられました。
 分科会では私は第1分科会「制度・就労等」に参加しました。今まで出されている日常生活用具・医療・教育・雇用・生活などに関する要求項目を1つずつ読み上げ検討しました。雇用支援や代筆、弱視者のシンボルマークなどの意見が出されました。
 全体会では、今後 @ 兵庫大会で参加者総会を開催する、A 暫定委員会を作る、B 準備金予算を移行する、C 予算を獲得する、ことが提起されました。会場が畳であったため腰が痛く、また移動に時間がかかったため、私にとっては少しハードな集会でした。
 以下、参加者の感想を記します。
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 加藤厚実(西部):私は第2分科会(まちづくり・生活全般)の分科会に参加したものの当会の「まちづくり委員会」には参加していなかったため、何をするべきなのかわからず、思わず山城さんに電話をしてしまいました。そして、当会のまちづくり委員には弱視の参加者が山城さん1人しかいないこと、弱視者からの切実な要求は特に出ていないこと、などを教えていただき、私はこのことを発言しました。他の参加者からは「弱視はちょっとした工夫や人に聞くなどして、自分がやりたいことが割と容易に出来てしまうので要求が出て来ないのでは」や「人間関係が密にとれていれば助けてくれるので要求が出て来にくい」といった意見も出されていました。確かに単独めがねや拡大読書機があれば、それなりのことは出来てしまいますからね。つまりそうした弱視者自身の問題意識の低さが、弱視者の運動が衰退している理由になっている、ということのようです。
 ですから、弱視運動を進めるにあたってはまず「弱視ゆえに起きる日常の問題は個人の悩みではなく、弱視全体の問題として捉え、意識を高めることが必要、そしてその意識を弱視者全員に掘り起こしをしていくことが必要、その掘り起こしが出来ないと弱視者の運動は成立しない」や「一般の社会には弱視者の問題があるということを意識してもらうためのツール(車いすマークのようなもの)が必要なのでは」というようなことが出されていました。

 小原寿賀子(北部):いろいろな人に会えて、いろいろな意見を聞くことができ、私もがんばらなければと思って帰ってきました。

 穂苅友未(東部):私は、今回初めて全視協の弱視者交流集会に参加しました。まず1日目は、弱問研の田辺泰弘氏を迎えて「弱視者の視覚特性とまちづくり」というテーマで講演を聴かせていただきました。奥深い弱視の真実を知ることができてよかったです。2日目は分科会で私は文字・情報等を選び、参加しました。いろいろな人の困っていることなど知ることができてよかったと思いました。
 今回、弱視者交流集会に参加して一番強く思ったことは、若い世代の人がいなくて話し相手が見つけられなかったことです。今後、若い世代の人も全視協の会員になっていただけるように宣伝をがんばっていきたいと思っています。

 吉田洋子(西部):長い間、弱視部設立に当たり、いろいろな問題が山積みになって討論だけで終わってしまう今の現状…これではいつまでたっても平行線のままです。資金の問題、部活運営の問題といろいろありますが、思いきって活動してみませんか? 2ヵ月に1度「弱視部ニュース」を発行、名簿などを作り、必要ならばカンパを募り、皆さんで部会を立ち上げましょう。

   永続可能な全視協の基盤を確保するための財政提案について
 全視協執行委員会は、点字民報の全会員配布による一般会計の悪化及び専従職員と事務所を確保しながら活動していける全視協の財政をつくるための以下の提案を2月17・18日の全国委員会に提案しています。これは、2005年の福岡大会において兵庫大会(今年)に提案するよう決議されたことによるものです。
 会活動にとって大切な問題です。ご意見を役員もしくは事務局までお寄せください。

 「提案内容」
 1.点字民報を隔月発行とし、単年度の支出を約200万円削減する。うち100万円を全視協の一般会計に、残り100万円を全視協事務所等基金に繰り入れる。
 2.全視協事務所維持カンパ(年額会員1人当たり1,000円)を事務所維持費と改めるとともに、年額1人当たり1,500円とし、これに団体会員の数を乗じた額をその組織の負担金として義務づける。

  「提案理由」
 1.会の機関誌である点字民報の全会員への配布は、会の方針を会のすみずみに行き渡らせ、団結を確保するために有効に機能している。しかし一方、その費用が本会計支出の約7割を占め、他の活動や事業の円滑な遂行の妨げとなっている。
 2.これらの状況を打開するためにまず考えられることは会費の値上げであるが、全国委員会や大会において会費の値上げはできないとの声が圧倒的である。
 3.提案1.の実行によって得られる増収のうちの100万円を一般会計に繰り入れることによって、本来行われなければならない執行委員の会議の開催など必要な活動に資金を充当することができる。
 4.専従職員及び事務所確保のために毎年500万円が必要であり、事務所維持カンパを含めての270万円と事務所等基金からの230万円で維持している。事務所等基金は、2,400万円しか残っておらず、8年後には枯渇する現状にある。
 5.提案1.のうちの100万円と提案2.によって得られる60万円を事務所等基金に充てれば、目減りする額が230万円から70万円となり、それだけ全視協運動の財政基盤が継続することになる。

   駅ホーム転落事故ゼロの日行動に参加して
          北部  織田 洋
 東視協は今年も2月1日に「駅ホーム転落事故ゼロの日」行動を行いました。今年は、東京都に対し可動柵設置を中心に要請行動をしました。
 要請内容は、@ ホームからの転落を防ぐために、都営地下鉄全線に可動柵を設置してください。特にワンマン運転の大江戸線に早急に設置してください。A 可動式ホーム柵のない大江戸線・浅草線・新宿線は、事故の防止と対処のためにホーム要員を配置してください。 B 大塚駅のように、都電・電停の前ドアと後部ドアの間に転落防止柵をつけてください。の3点でした。
 これらの要請に対し都は、可動柵については、必要性は認めるが技術的にまだ不可能、要員は朝夕、カーブのホームには配置している、都電については付ける気がない、と私たちの要請に対し、聞く耳を持っていないという感じでした。特に可動柵については、技術的には三田線で試され済みで今さら言うことはないと思うのですが、都は今まで技術面ではなく、お金がないと言っていましたが、今年は5千億円もの黒字だということを知ってか知らずか口には出さず、上記の理由で拒み続けています。理由が二転三転するというのは、まあ! 視覚障害者の転落などあまり関係ないと思っているのだなあとつくづく感じました。ホーム要員についても視覚障害者の安全対策より合理化の方が大事といわんばかりでした。ここにも石原都政の障害者切り捨ての政策が反映しているんだと、頭にきて帰ってきました。やはり障害者の社会参加が認めていただけるような知事が必要だなあと痛感しました。
 夕方からは高田馬場駅で献花、その後交流会で1日を終えました。交流会では日頃会えない方と会えて、その人たちの近況を聞くだけで交流の意義深さを感じました。

   東視協40年を振り返って (1)
 東視協も結成40年を迎えます。今号から数回にわたり、東視協の40年を支えていただいた方々に想いを述べていただきます。トップバッターは皆さんご存知の橋本宗明さんです。

   「走るべきレースでした!」
          西部  橋本 宗明
 (1) 家庭・商売・活動、この3つをどれにも偏らず、「過不足なく」しかも高水準でこなしていくことは40年前の私の義務でした。会議2時間・往復2時間で4時間、これを半日1コマとすれば、午前・午後・夜、1日3コマで、ひと月は90コマです。私は活動のために、月30コマを使う覚悟をしていました。毎月少しずつでこぼこはありましたが、振り返ってみると年間これはほぼ守られました。
 (2) 会議や集会の時、私はいつも弁当を持っていきました。活動には関心の全くない妻にしてみれば、めったやたらにしかもイキイキと出かけていく亭主の行動は理解できません。こういう心理状態を放置すれば、妻は自分と亭主との間に糸の切れた凧のような空しい距離感を感じるようになるだろうと、私はその危険を感じ始めたのです。「亭主は私の作った弁当を食べているのだ」と思えれば、細い糸1本のつながりは保てるはずです。私はにぎり飯を包んだラップやトマトジュースの空き缶を出先のゴミ箱には捨てずに必ず持って帰りました。食べたことの明確な実感を残すことは、彼女の安心感により有益でした。
 (3) 夕方から始まる会議のため、私は「あの資料、どこにおいたっけ」と段ボールの中をかき回しながらの準備をしていました。電話が鳴りました。受話器を取り私はゾッとしました。「○○だけど、今夜8時来てもらえるかね?」このお客は前回と前々回2度断っているのです。それを踏まえているから相手は明らかに横柄です。3回目断ったら、このお客(貴重な上得意)は怒って、もうかからないかもしれません。受話器を握ったまま私は絶句し、一瞬のうちに頭の中で激しくあれこれの可能性を思案します。今夜の会議、私が行かないと釜のフタは開かないのです。対外関係で東視協の方針を決めるための日取りのゆとりは、この日を除けばもうほとんどないのです。流れればみんなはもちろんブーブー言うでしょう。「橋本さん、どうする?」と詰め寄るはずです。
 (4) 東視協結成当時、私は「失われている人権の回復」を基調としていました。しかし今は少し進歩しました。人格の尊厳、という普遍的理念と、現代の具体的生活との接点(出会い)の中から、人権は新たに「生み出される」ものなのです。パソコンは現代の生活にはすでに不可欠です。そして盲人は貧乏です。とすれば、盲人用のソフト購入に公費が支出されることを要求することは、人権思想にかなっているのです。
 (5) 回顧は展望を惹起します ー 高橋哲也が「茶色の朝」(大月書店)という現代寓話の後半に一文を寄せています。言っていることは1つ、(自分で)「考えること」です。新聞や雑誌の切り抜きで格好の良い意見をつくるのではなく、一人ひとりがたどたどしくても自分の理屈で、自分の言葉で自分の意見をつくることです。間違っていたらみじめだけど、取り消すしかないです。そうならないため一生懸命「考える」のです。これこそ東視協の更なる活性化の秘訣です。

   【読者投稿】 「音声ガイドによる上映会」
         西部  樽谷 明
 去る1月13日(土)練馬区にあるユナイテッドシネマとしまえんで音声ガイドによる上映会が行われました。これは初めての試みです。上映されたのは山田洋次監督・木村拓哉主演の「武士の一分(いちぶん)」。
 映画の中では役者の動きやその場の情景がわかりやすく説明されていて、ちょうど朝の連続テレビ小説などの副音声と同じような感じでした。音声ガイドは直接フィルムに録音したものだそうで、そんなことができるようになったのかと映画館のスタッフの説明を聞きながら感心しました。
 「武士の一分」は木村拓哉が演じる海坂藩(江戸時代・山形県庄内地方)の下級武士・三村新之丞が最愛の妻・加世(檀れい)と慎ましいながらも幸せに暮らしているところから始まります。彼は早めに隠居して子供たちに剣術を教えたいという夢を持っていました。平和な日々が続いていたある日、藩主の毒味役を務め、貝の毒にあたり失明した時から彼の人生は狂い始めました。禄を召し上げられないようにということで妻・加世が夫の上司である島田藤弥(坂東三津五郎)に家禄を保つことを頼み込んだが、加世の弱みにつけ込んで島田は言葉巧みに言い寄り、ついに加世と不貞の関係になってしまいました。
 それを知った新之丞の怒りは激しく燃え上がり、(一分)を賭けた復讐を心に誓います。しかし島田は藩きっての剣の使い手、盲人である新之丞の果たし合いは無謀なものでありました。そこで緒形拳が演じる剣術の師に教えを乞い、やがて馬場の河原での果たし合いとなります。新之丞は見事、島田の片腕を切りますが、とどめの一撃は加えませんでした。そして離縁した加世とはよりを戻すという山田監督ならではのこの映画の温かな結末となりました。
 この映画の中で印象に残ったことがいくつかあります。剣の使い手・島田に果たし合いを申し出た時に「盲人だからといって侮るな」と言うところがあります。江戸時代ならさしづめ「めくら」と表現するところでしょうが、そこはさすが山田監督の配慮が感じられました。次に新之丞が失明した時、妻・加世に心配をかけたくないがゆえに、その事実をひた隠しにしていましたが、加世は夫婦だから何事も隠さないで欲しいと言ったことに感動しました。最後に離縁していた加世が下男・徳平の計らいで飯炊き女として屋敷に入り、新之丞の食事を作る、それを口にした新之丞、これは…加世の味付けだと気づき、加世と涙の再会をするところであります。
 私は今年11月23日に結婚することになりました。妻になる人は家庭的で作ってくれる料理に胸がいっぱいになることがあります。結婚しても妻の作ってくれる料理はおいしいおいしいとほめ、家事に関してはちゃんと評価し感謝できる人になりたいと思いました。
 この度、織田さんから音声ガイドによる上映会について書いて欲しいと頼まれたのですが、これではまるで武士の一分についての感想文を書いているような感じがしますね。しかし、それだけこの音声ガイドが自然に耳に入ってきて、まるで自分の目で観ているような感じで映画を楽しめたのであります。もっとも中には音声ガイドが邪魔に思える人もいるかもしれませんが、そこでそのような人たちに配慮してヘッドフォンで聞けるような設備がどこの映画館にも備えられたら素晴らしいことだと思いました。当日は視覚障害者がたくさん来ていました。いつか近くの映画館で一般のお客様に混じって視覚障害者がさりげなく音声ガイド付映画が観られるような時代がくればいいなあと思いました。

 ★ 事務局より ー この映画を観られた方、感想などありましたら事務局までお知らせください。この映画の副音声解説のお手伝いを事務局では試写会等を通じて行ないました。松竹関係者の皆さんにお知らせしたいと思っています。

   教養講座に参加して
         南部  大楽 スミヨ
 「統合医療」とは、あはきのような伝統医療と、西洋医療を行うこと。
 1月の教養講座は「統合医療」に取り組んでおられる川嶋朗先生のお話でした。先生は内科医として20数年腎臓の研究をする傍ら、鍼や漢方薬の研究もされて、2003年に自然治療のクリニックを開設されました。
 技術は進み、専門分化していく西洋医療、薬の効果と副作用、それらの良いものを取り入れた医療ということで始められたそうです。1人の患者に30分以上かけてカウンセリング、先生自らが行う鍼治療や漢方薬の処方など、自由診療をやっておられるそうです。
 たとえ治療内容が先生にとって不本意であっても、患者が望む治療内容を尊重します。例えば、風邪の熱で受診した患者には、解熱剤や咳止めは症状をただ止めるだけで病気は治らないことを説明し、それでも患者が望めば処方するというお話でした。
 生命力、自然治癒力にあはき治療は、効果を発揮することも力説しておられました。
 歯に衣着せぬお話はおもしろく、あはきがきちんと評価されない今、先生は大きな理解者でもあり、手強いライバルでもあるのだろうかなどと考えてしまいました。またサプリメントは誤読しないことが重要で、値段や効果をきちんと聞いて欲しいと言われました。
 熱があってもお風呂に入ってよいそうですが、寝る直前に38から40度の湯にじっくり浸かり、しっかり水気をふき取ってすぐに寝ることと言われました。

   情報アラカルト
 1.税額等を点字でお知らせします
 東京都では、目の不自由な方のために、納税通知書をお送りする際に点字で作成したお知らせを同封しています。対象となる税金は「自動車税」「個人事業税」と23区内の「固定資産税・都市計画税」です。お知らせする内容は「税金の種類」「納税義務者氏名」「納税通知書番号」「納期限」「税額」。「問い合わせ先」は、封筒にも「都税納税通知書在中」の点字シールを貼付します。
 申し込みは、電話で住所・氏名・電話・希望する税金の種類をお伝えください。2月末日までにお申し込みいただければ平成19年度分からの点字のお知らせを同封します。尚、すでにご利用されている方は、改めてご連絡いただく必要はありません。
 申し込み・問い合わせ先:主税局総務部総務課相談広聴係 電話03−5388−2924

 2.こんな商品はいかがですか!
 @「手ぴかジェル」は、水を使わずに手指を消毒できるアルコールジェルです。使い方は適量のジェルを手にとって、手のひらや手の甲、指の間にすり込みます。これだけでインフルエンザウイルスやO157などの病原菌をすばやく除去します。有効成分はエタノール、300ml入りのポンプ式1,050円。マツモトキヨシやダイエー、セブンイレブンなどに置いてあります。
 A 簡易三角コーナー「くるポット」は台所の野菜くず入れやスポンジ入れに使える水切り容器です。組み立て式でポリプロピレン性の板をくるっと丸め、切り込みにフックを差し込みます。容器は円錐形になり、端に付いた吸盤で流しに固定します。使用後は元の平らな状態に簡単に戻せるので、すみずみまできれいに洗えます。組み立てた時の大きさは直径13cm、高さ27.5cm 525円。東急ハンズやロフトに置いてあります。

   ありがとうコーナー(省略)

  役員会だより
 1. 3月3日から4日に行う石和温泉への「のんびりゆったり温泉旅行」には、現在約30人が申し込んでいます。大型バスでゆったり行けるうえに参加者が増えれば、1人当たりの費用が安くなります。晴眼者のボランティアも4人参加します。参加申し込みをお待ちしています。尚、直前に参加をキャンセルした場合は、5千円のキャンセル料を納めてください。バス代など諸経費がかかります。あらかじめご了承ください。
 2. 2月17日(土)に障都連の都民集会が行われます。午後1時から、新宿区牛込箪笥区民ホール(都営地下鉄大江戸線「牛込神楽坂」駅そば)、参加費2千円。
 3. 手をつなごう集会の統一行動を2月19日(月)午前9時から午後4時まで行います。内容は、要請行動、海外における視覚障害者の就労の現状(講師・指田忠司氏)、要請行動の報告会です。要請先は、厚生労働省(障害者福祉・あはき)、国土交通省(道路・建物、鉄道)、総務省(放送、参政権)、金融庁、全国銀行協会などです。この行動は、午前午後の行動であり、東視協からの参加費等補助の対象の取り組みです。参加される方は、必ず事務局までお知らせください。
 4. 東京都障害者福祉会館パソコン室のパソコンが新しくなります。東視協の数年越しの運動に押されて福祉保健局が重い腰を動かし実現しました。使い方などについての説明会を行なって3月から使えるようになるとのことです。
 5. 3月18日に役員研修会を行い、今期の運動と来期の方針について検討します。東視協の運動や取り組みについての意見や要望を事務局もしくは各ブロック長までお寄せください。

   日程情報
2/14(水) 障館相談(担当・山城完治)
  同  事務局会議
  同  こだま2月号テープ版発行
2/15(木) こだま2月号活字版発行、事務局作業
2/17(土) 事務局作業
  同  「ステッキーズ」レッスン
  同  青年学生部例会
2/17(土)・18(日) 全視協全国委員会
2/19(月) 手をつなごう集会統一行動
2/21(水) 障館相談(担当・鈴木彰)
  同  事務局会議
2/22(木) 事務局作業
  同  まちづくり委員会
2/24(土) 事務局作業
2/25(日) 吉田万三革新都政をめざす国立駅宣伝行動(予定)
  同  教養講座「障害年金の基礎知識」、13時30分、多摩障害者スポーツセンター
2/28(水) 障館相談(担当・栗山健)
  同  事務局会議
3/1(木) 事務局作業
  同  こだま編集委員会
3/2(金) 雇用をすすめる会
3/3(土)・4(日) 東視協 石和旅行
3/7(水) 障館相談(担当・織田津友子)
  同  事務局会議
3/8(木) 事務局作業
3/10(土) こだま3月号点字版発行
3/12(月) 南部ブロック会
3/14(水) こだま3月号テープ版発行
3/15(木) こだま3月号活字版発行
3/18(日) 東視協役員研修会
3/25(日) 教養講座「視覚障害者とパソコン等のメディア」講師 長岡英司氏

   編集後記
 久しぶりに開かれた「弱視者交流会」には東視協から6名が参加し、今後の弱視者の要求実現に向けて積極的に話し合われたそうです。要求といえば大体全盲の要求が多い東視協ですが、弱視者の会員を増やすためにも、この面での要求実現が大事だと参加者の皆さんが言っていました。期待したいです。
 今年は東視協40周年の行事が目白押しです。会結成当時からおられる方、それに近い時期、東視協で活動されている方がたくさんおられます。ぜひその活動を思い出して投稿をお願いいたします。よろしくお願いいたします。