障害者総合福祉法(仮称)等の早期制定を求める意見書 わが国では、平成18年4月、障害のある人も障害のない人とともに、 地域社会で生活できるための仕組みを目指した「障害者自立支援法」が施行された。 しかし、法の施行直後から、新たに導入された応益負担制度をはじめ、 さまざまな問題点が指摘されてきたところである。 その後、政府は平成22年1月に、障害者自立支援法訴訟の71人の原告との間で、 速やかに応益負担制度を廃止し、遅くとも平成25年8月までに障害者自立支援法を 廃止し新たな総合的な福祉法制を実現するとの基本合意を交わした。 一方、国連では、平成18年12月に障害者権利条約が採択され、 既に90ヵ国以上が批准を終えているが、わが国は、国内法が未整備のため、 いまだ批准できていない状況にある。 これらの問題解決に向けて、障害者制度の集中的な改革を行うため、 平成22年1月に、内閣府における「障がい者制度改革推進本部 (本部長:野田佳彦首相)」の下に「障がい者制度改革推進会議」が 設置された。 ここでの検討を踏まえて、平成23年7月には障害者基本法の改正が行われ、 また8月には同推進会議の下に設けられた総合福祉部会において、 「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」が 取りまとめられたところである。 障害の種類や程度、家族の状況、経済力、居住する自治体にかかわらず、 障がい者自らが選んだ地域で自分らしく暮らせる社会を実現するためには、 障害者基本法や今般の骨格提言に沿って「障害者総合福祉法(仮称)」を 着実かつ速やかに立法化する必要がある。 以上の観点から、障害者総合福祉法(仮称)の確実な成立・施行を求め、 国会および政府に対し以下について要請するものである。 1.障害者総合福祉法(仮称)制定にあたり、 推進会議総合福祉部会が取りまとめた 「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」を最大限尊重し、 反映させること。 2.障害者総合福祉法(仮称)制定にあたり、制度を円滑に進めるための地方自治体の財源を十分に確保すること。 3.国連総会で採択された障害者権利条約の批准に向け、 早期に国内法の整備を行うこと。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 平成23年12月20日 滋賀県東近江市議会 議長 畑 博夫 衆議院議長 横路孝弘 様 参議院議長 平田 健二 様 内閣総理大臣 野田 佳彦 様 厚生労働大臣 小宮山 洋子 様