はがき通信ホームページへもどる No.167 2017.10.25.
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も く じ
ballごあいさつ 編集担当:藤田 忠
ball「はがき通信」からのお知らせ
ball膀胱炎の顛末(てんまつ) 福岡県:Y.I.
ball刺激性下剤からの脱却 編集担当:戸羽 吉則
ball腸閉塞の原因と対策 東広島市:Y.O.
ballベンチレータユーザ Jeanette Andersen の生涯と功績 千葉県:松井 和子
< 特集! 身体的苦痛について(その2) >
☆ 左右上腕の痛み 宮崎県:k.h.
☆ 肩と腕の痛み 北海道:mosra
ball近況<胆管炎と血圧の乱高下> 佐賀県:K.N.
ball痛恨のきわみ——シートベルトをし忘れて—— 東京都:F川
ball『臥龍窟日乗』 -49- 『天空からの招待状』 千葉県:出口 臥龍
ball頸損になって34年、今考えること 東京都:T.F.
ballこの夏の肌トラブルと膀胱ろうの剃毛 編集担当:瀬出井 弘美
ball全員参加企画『いいモノ見つけた!』〜27〜 コガメ
ball電車に乗る日常 神奈川県:M.K.
★★★ ひとくちインフォメーション ★★★ 

ごあいさつ

 熊本地震発生後の昨年9月に、ハートネットTV(NHK)・「熊本地震(9)また、取り残されるのか—障害者支援・東俊裕さん」が放送されました。ご自身が障害者(小児麻痺に罹り車イス使用)であり、震災から4ヶ月経ち、復興から取り残された障害者に寄り添い、支援される様子が映った内容です。その東さんが、震災時に障害者のおかれた状況を、少し前に地元にてご講演なさり、拝聴してきました。
 印象に残ったのは、避難所生活でのことです。「一般避難所では、多くの障害者はさまざまな理由により長期間の利用が難しく、結果的に排除されていきました。では、どこに行ったかというと、仕方なく、崩れかけの家、親戚宅を転々、車中泊を余儀なくされました。避難所は支援物資や専門的な人材・情報の拠点であり、避難所にいないということは、障害者は見えない存在になり、支援の網の目からこぼれ落ちる存在」になったそうです。
 そして「福祉避難所は、ほとんどが入所施設で、職員も被災し、満杯の入所者の支援に手一杯で、あまり当てにしない方がいい。なので一般避難所を地域の人が点検して、障害者や高齢者が避難生活を送れるように、改善に向けていくことが重要」だと話されました。個人的に(2次避難所の)福祉避難所が、災害弱者にとっての頼みの綱だと思い込んでいただけに、とても驚き現実を知りました。
 思っていたより過酷な障害者の実態に、被災された方のことを思うと、胸が詰まります。また災害に備えて、自分にできることはしていこうと思いました。被災された方には、心よりお見舞いを申し上げます。
 さらに熊本県と大分県の公式サイトから閲覧できる、地震対応検証報告書(要配慮者への対応、福祉避難所の運営など)から、講演内容を裏付けることが、読み取れました。

ハートネットTV(NHK)・「シリーズ熊本地震(9)また、取り残されるのか—障害者支援・東俊裕さん」
http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/calendar/program/index.html?id=201609012000

編集担当:藤田 忠




 「はがき通信」からのお知らせ 


1. バックナンバーの有効活用について 

 「はがき通信」の有効活用として四肢マヒ者とつながりのあるところ(病院の待合室や病棟のデイルーム・談話室、看護・医療・福祉系の専門学校・大学の図書資料室、障害者センターなど)に、2穴B5ファイルに綴(と)じたバックナンバーを、了承を得て置かせていただいています。



 どなたかそういう四肢マヒ者とつながりがある施設をご存じでしたら、無償にて送付させていただきますので、施設側と交渉していただいて置かせてもらえますように、皆さんの力をお貸しください。また、福祉関連だけではなく、何かのイベントなどで配布、ご活用いただいてもかまいません。
 その後、最新号を(スタッフで話し合い)無償で定期的に送らせていただくことも可能です。
 ご希望やご都合に合わせて、バックナンバーを送らせていただきますので、お気軽に 藤田忠 までお問い合わせ・お申し込みください。新規購読者を増やすために、どうぞご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

2. ご寄付のお願い

 皆さんお気づきのように、毎号振込用紙を同封させていただいております。2015年の横浜懇親会の最終日の「はがき通信」会議で、財政難のお話から『寄付もしたい』というありがたい発言があり、編集スタッフでその後話し合った結果、「それなら毎号振込用紙を同封したらよいのではないか」ということになりました。
 「はがき通信」の存続のためにも厳しい社会情勢ではありますが、些少なりともご寄付を賜りますれば幸いです。ご協力のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 なお、ご寄付を振込みいただいた際は、お手数ですが、会計担当占部までメールでご一報いただけますようお願いいたします。

3. ご投稿後の返信メールの不着について

  ほとんどのご投稿は電子メールにて届いておりまして、届きましたら100%必ず編集担当者からお礼のメールを返信しております。
 もし、ご投稿メールを送信いただいてから1週間経っても返信メールがないときは、何らかの不具合で編集担当者がご投稿メールを確認できていないおそれがあります。そのときはお手数ですが、 編集担当の3名(瀬出井弘美・藤田忠・戸羽吉則)全員あて に再送信をよろしくお願いいたします。

4. ご投稿のお願い

(購読者でないかたの投稿もお受けしております)
 本誌は、四肢マヒ者本人や家族および関係者が、さまざまな四肢マヒにまつわることを投稿して情報交換するため隔月発行しております。
 多くの方から持ち寄られる四肢マヒ者の経験に基づいた情報は、より多いほど生活の糧になるかもしれないことから、購読者でないかたの投稿もお受けしております。インターネット版を閲覧されている四肢マヒ者の方々にもぜひご自分の経験されたことのご投稿を心よりお待ちしております。どうぞよろしくお願いいたします。
 ※宛先はトップページ下部のいずれかの編集担当者のメールアドレスまで、差し支えなければ、年齢・都道府県・四肢マヒ者歴を明記のうえお送りください。氏名表記については、誌面版は本名、ネット版はイニシャルを基本(ペンネーム・イニシャル・匿名もあり)とさせていただいております。







 膀胱炎の顛末(てんまつ) 

男、65歳、C4、頸損歴32年

 5月9日の夕方から、突然、血尿と血のりのようなものが出てびっくりしました。こんなことは初めてだったので、翌朝一番に総合せき損センターの泌尿器科を受診しました。
 診断は、1×2cmの膀胱結石の可能性があるとのことでした。善は急げということで、受診日の翌日に入院と決まりました。
 すべてが寝耳に水のことで、とても不安でした。そうだ、こんなときの「はがき通信」だということで調べてみると、瀬出井さんの投稿が見つかりました。知りたいことがズバリ載っていてありがたかった。予備知識を持って治療に臨むことができ、不安が安らぎました。
 入院して検査してみると、エコー検査、CT検査ではたしかに結石はあるのですが、意外なことに、膀胱の内視鏡検査では結石は見つかりませんでした。ただ、膀胱の壁に盛り上がっている箇所(コブ)とびらん箇所がありました。
 結局、最終的な診断は、膀胱炎でした。また、膀胱の壁のコブの中に石灰化したものがあり、それが結石に見えているという結論でした。
 膀胱炎は、抗生物質がよく効いてすぐに治り、とてもラッキーでした。コブは、定期的に経過観察をしていくことになりました。5月19日に退院しました。
 膀胱炎のその後をお知らせします。1回目は抗生物質が効いてすぐ治りましたが、その後、また膀胱炎で出血して今度は別の抗生物質で治療しましたが、効きが悪くなっていました。
 そこで、排尿方法が変更になりました。夜間だけ留置カテーテルにして、昼間は今までどおり圧迫殴打による排尿になりました。この方法は、うまくいっているようです。膀胱炎は起こりません。
 コブの箇所は、組織検査の結果、癌(がん)ではないとのことでした。しかし、正体は不明で、さらに経過観察ということになりました。
 膀胱炎とは別に手足のむくみがありました。この原因は、水分の取りすぎと言われて2000cc/日以上とっていたのを1800cc/日以下にしました。すると2〜3週間程度でむくみはなくなり、体重が2kg減りました。しかし、水分摂取量の減少で尿のにごりがつよくなりました。尿のにごりもなく、むくみもないような水分摂取量を見つけて、うまく折り合いをつけたいと思っています。

福岡県:Y.I.



 刺激性下剤からの脱却 

C5、頸損歴11年、53歳

 私の排便は、10年前から、月曜日と木曜日に毎週2回のペースでおこなっています。朝食の30分ぐらいあとに、看護師に浣腸液120mlの注入、摘便をしてもらいます。
 下剤は、排便の前日の夕食後にアローゼン1mgを服用していましたが、「はがき通信」131号の特集記事「けい損者の排便管理と便秘」を読んで、刺激性下剤アローゼンを服用し続けることに危機感をおぼえました。
 「はがき通信」164号の特集記事「乳酸菌で有形軟便」を読み、非刺激性下剤、腸内細菌、オリーブオイルと便秘をキーワードにネット検索で数日をかけて調べて、それぞれの効用などについて勉強しました。そのうえで、主治医と相談をして、6月中旬から、次のようにすることにしました。

◎1日3回食後にマグミット錠330mgを1錠服用。
◎1日3回食後にビオフェルミン錠剤を1錠服用。
◎排便前日の夕食後にオリーブオイル(エキ ストラバージンオイル)10mlを飲用。
●排便前日のアローゼンの服用を中止。

 変更してから2ヶ月半ほど経過したところですが、排便は以前よりも少し出やすくなったと思います。
 しかし、いいことばかりではありません。便が直腸に下りてきやすくなったことによる自律神経過反射のせいだと思いますが、排便日の前日と当日、顔の肌荒れがひどくなりました。
 今後、マグミット錠の量を調整するなどして、様子を見ていこうと考えています。
 166号の「『腸科学—健康な人生を支える細菌の育て方』から学ぶ」も参考になり、とても面白かったです。
 それぞれの記事をご投稿いただいた松井先生とFさんに感謝申し上げます。

●「乳酸菌で有形軟便」http://www.normanet.ne.jp/~hagaki-t/pcc164a.html
●「『腸科学—健康な人生を支える細菌の育て方』から学ぶ」
 http://www.normanet.ne.jp/~hagaki-t/pcc166a.html

 編集担当:戸羽 吉則

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