はがき通信ホームページへもどる No.164 2017.4.25.
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も く じ
ballごあいさつ 編集担当:瀬出井 弘美
ball「はがき通信」からのお知らせ(会計監査報告他)
ball車いすで初の北海道へ 埼玉県:K.E.
< 特集! 四肢マヒ者の排便 > 
☆ 乳酸菌で有形軟便 東京都:K.F.
☆ 排便、私の場合 福岡市:Y.I.
☆ 盲腸ポート造設から6年目の近況報告 福島県:T.S.
☆ ストーマ造設手術後のこと 広島県:Y.O.
☆ あれから4年、その後のストーマ生活 東京都:T.F.
☆ 人工ストーマにして8年経って 匿名希望
☆ 人工肛門造設にあたって(保険が効かない?) H.S.
☆ カマで高マグネシウム血症に? 静岡県:ロッツォ
ball介護ヘルパー×安定×不安定 匿名希望
ball全員参加企画いいモノ見つけた!〜26〜 コガメ
ball『臥龍窟日乗』-46-主婦力 千葉県:出口 臥龍
ballひとくちインフォメーション

ごあいさつ

 今年の冬は気温のアップダウンが激しかったせいか、「寒さ疲れ」のような状態(とはいえ、横須賀は雪が降らない温暖な気候なので、雪国の方たちからしたら楽なものなのですが)で特に外出すると疲労感が大きく、夏より食欲が湧かずあまり食べられないときがありました(しかし、体重は落ちず……苦笑)。昨年末に軽い風邪を引いただけで、身体は痛いものの、何とか乗り切ることができました。
 ちょこっとアルコールを飲む楽しみを覚えました。日本酒が好きなのですが、洋食ならワインやビール、焼酎も少々。外食時には、昼間から飲むのもおいしい。
 2月に、またひとつ歳を重ねました。28歳で受傷し、とうとう同じ歳月が車いす生活になってから流れました。受傷してKリハ病院に入院中、頸損歴20年という方がいて「20年! 長いな〜!」と思ったものでしたが、過ぎてしまえば30年近く、とても短ったように感じます。
 人生は一度きり、現在の生活は穏やかな日々とはとても言い難いですが、険しい山道も一歩でも歩みを進めれば山頂に近づきます。足元を見つめればそこには小さな花が咲き、耳を澄ませば小鳥のさえずりも、遠く沢の水の流れの音も聞こえてきます。
 私の人生がいつ終わりを迎えるかはわかりませんが、東京オリンピックはできれば直接観に行ってみたいものです(前回は3歳)。
 早朝にベッドから起き、部屋のカーテンを開ける……庭のしだれ桃の木の先の東の空が明るさを増し、日の出の時刻。今日も一日が始まる……小さな希望を胸に、自分自身に気合いを入れる毎日です。
 

編集担当:瀬出井 弘美




 「はがき通信」からのお知らせ 


1. ご寄付のお礼

 「はがき通信」に寄せられた寄付金を公表させていただきます。どうもありがとうございました。寄付金や購読料の多少にかかわらず、読者すべての皆さんのおかげで「はがき通信」は続いています。それは「はがき通信」スタッフの励みです。今後も皆さんの期待に応えてがんばっていきますのでどうぞよろしくお願いいたします。
 あとの注意書きを読んで、間違いがあれば会計担当の占部までご連絡ください。

 ※ゆうちょ銀行の振込用紙には通信文欄がありません。購読料か寄付金かの内訳のご連絡もしていただけますと、会計管理がスムーズにいき大変助かります。メールを歓迎いたします。

 ※特に購読料か寄付金かのご連絡がない場合は、すべて購読料としております。
 ※送金後に、その内訳として寄付金○○円とご連絡された金額のみ、寄付金としております。

 ※購読料を納めたかどうか、問い合わせ先は会計担当の占部までお願いいたします。メールを歓迎いたします。

 <ご寄付をいただいた方>
 ※寄付者リストは、誌面版のみ掲載

 [会計担当:占部]
E-mail:makotti-u-666@jcom.home.ne.jp

 2.会計監査報告
※寄付者リストは、誌面版のみ掲載

 (2016.1.1〜2016.12.31)

 ※購読者数は232名、そのうち未納者数は42名です。(3/18現在)

3.バックナンバーの有効活用について

 「はがき通信」の有効活用として四肢マヒ者とつながりのあるところ(病院の待合室や病棟のデイルーム・談話室、看護・医療・福祉系の専門学校・大学の図書資料室、障害者センターなど)に、2穴B5ファイルに綴(と)じたバックナンバーを、了承を得て置かせていただいています。
 どなたかそういう四肢マヒ者とつながりがある施設をご存じでしたら、無償にて送付させていただきますので、施設側と交渉していただいて置かせてもらえますように、皆さんの力をお貸しください。また、福祉関連だけではなく、何かのイベントなどで配布、ご活用いただいてもかまいません。
 その後、最新号を(スタッフで話し合い)無償で定期的に送らせていただくことも可能です。
 ご希望やご都合に合わせて、バックナンバーを送らせていただきますので、お気軽に 藤田忠 までお問い合わせ・お申し込みください。新規購読者を増やすために、どうぞご協力のほどよろしくお願い申し上げます。




4.ご寄付のお願い

 皆さんお気づきのように、毎号振込用紙を同封させていただいております。2015年の横浜懇親会の最終日の「はがき通信」会議で、財政難のお話から『寄付もしたい』というありがたい発言があり、編集スタッフでその後話し合った結果、「それなら毎号振込用紙を同封したらよいのではないか」ということになりました。
 「はがき通信」の存続のためにも厳しい社会情勢ではありますが、些少なりともご寄付を賜りますれば幸いです。ご協力のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 なお、ご寄付を振込みいただいた際は、お手数ですが、上記占部までメールでご一報いただけますようお願いいたします。

5.ご投稿後の返信メールの不着について

 ほとんどのご投稿は電子メールにて届いておりまして、届きましたら100%必ず編集担当者からお礼のメールを返信しております。
 もし、ご投稿メールを送信いただいてから1週間経っても返信メールがないときは、何らかの不具合で編集担当者がご投稿メールを確認できていないおそれがあります。そのときはお手数ですが、 編集担当の3名(瀬出井弘美・藤田忠・戸羽吉則)全員あて に再送信をよろしくお願いいたします。

 7.ご投稿のお願い

 (購読者でないかたの投稿もお受けしております)
 本誌は、四肢マヒ者本人や家族および関係者が、さまざまな四肢マヒにまつわることを投稿して情報交換するため隔月発行しております。
 多くの方から持ち寄られる四肢マヒ者の経験に基づいた情報は、より多いほど生活の糧になるかもしれないことから、購読者でないかたの投稿もお受けしております。インターネット版を閲覧されている四肢マヒ者の方々にもぜひご自分の経験されたことのご投稿を心よりお待ちしております。どうぞよろしくお願いいたします。
 ※宛先はトップページ下部のいずれかの編集担当者のメールアドレスまで、差し支えなければ、年齢・都道府県・四肢マヒ者歴を明記のうえお送りください。氏名表記については、誌面版は本名、ネット版はイニシャルを基本(ペンネーム・イニシャル・匿名もあり)とさせていただいております。





 車いすで初の北海道へ 


 昨年春の北海道新幹線開通(新青森〜新函館北斗間)をきっかけに、同年9月、15年ぶりに、そして車いす生活になってからは初の北海道旅行に行ってきました。
 鉄道ファンの自分としては、上野−札幌間の寝台特急の廃止前にも一度行っておきたかったのですが(一部の寝台特急には車いすでも利用できる個室があった)、日時の制約などからなかなか実現できませんでした。新幹線開通で若干時間的余裕ができた(移動時間が短くなった)ので、ようやく鉄路(片道だけですが)で決行することができた次第です。
 時間的余裕といっても実際にはかなりの強行軍で、午前中に家を出て、東京から新幹線と在来線を乗り継いで夕方函館入りし、食事・観光して一泊。翌朝の特急で札幌に移動し、現地の車いすの友人と会って食事&プチ観光、そのまま新千歳から空路でその日のうちに帰宅、という1泊2日の慌しい計画になりました。札幌で友人やそのご家族と会う以外は、全て単独(家族やヘルパーの同行はなし)です。
 そして旅行当日。天気予報はいまいちでしたが、降っても小雨程度ということで予定通り出発。さっそく今回の目玉の一つである北海道新幹線に乗りましたが……東京から新函館北斗まで約4時間半、東海道・山陽なら広島の先まで行ける時間……好きで乗ったとはいえ、やはり遠い(笑)。当然在来線に比べ、トンネルが多く車窓も平凡です。しかし新青森を出て青函トンネルに入るときやトンネルの最深部を通過するときは、車内アナウンスと電光掲示板の表示があるなど、粋な演出もありました。新函館北斗で在来線に乗換えて函館駅へ。ここまで東京出発からちょうど5時間要しました。

 以下、<→ >欄でバリアフリー情報などを補足します。旅行中や下調べ・予約の際に気付いたことだけなので、不正確な情報があるかもしれません。ご了承ください。

 <→(1)北海道新幹線は基本的に1時間に1本しかない上、従来の東北新幹線と同じく、車いすスペースが東海道新幹線より少ないようです。従って他の車いすユーザーと競合してしまうと1時間前後するか、自由席つまりデッキで耐えしのがねばならないので、念のため早めの予約が必要だと思います。>

 函館に着いたのはすでに日没近く。この時間から観光といえば、やはり函館山。実は今回の行程は健常時代に大なり小なり訪れたことのある場所が多いのですが、函館山は初めてでした。少しガスがかかっていたものの、山頂から函館の壮大な夜景を満喫。函館山の標高は東京スカイツリーの展望デッキと同じくらいですが、屋外の自然の展望台はやはり臨場感・空気感が違います。しかし修学旅行生・ツアー客の多さには辟易(へきえき)しました(笑)。

 <→(2)函館山の山頂展望台は一部を除き完全バリアフリーです。アクセス方法は函館駅から、バスまたは市電→徒歩(自走)→ロープウェイがメインですが、ロープウェイの駅もバリアフリー。ロープウェイ自体も超がつくほど乗りやすく、乗り場との隙間・高低差もなく完璧です。ただし、その前のバスや市電はノンステップ・ワンステップ・低床車の割合が低く、ロープウェイ駅までの徒歩区間もかなりの急坂なので要注意です。
 もう一つのおすすめは函館駅から函館山山頂までの直通登山バスです(春〜秋限定運行、路線バスタイプ)。山頂やロープウェイから見えない津軽海峡方面の景色がちょっぴり見えるのが利点で、夜間は山道になると車内を消灯し、夜景を楽しませてくれます。ただしこちらも車いす対応の車両が限られているので、事前予約をおすすめします。また急坂・急カーブが連続するので、車いすはしっかり固定できるようにしましょう。>


 この日の宿泊先は函館駅近くの、バリアフリールーム(ユニバーサルルーム)のある普通のビジネスホテルです。出先ではベッドへのトランスも全介助でないとできない私が、単独でどうやって泊まるのか。私なりのノウハウがいろいろあるのですが、話が長くなるのでここでは割愛します。
 翌日、6時のチェックアウト早々、残念な連絡が。札幌で会う予定の車いすの友人が突然の体調不良とのこと。残念だけどまたの機会にと返答し、代わりに札幌市内在勤の学生時代の後輩に数年ぶりに連絡を取ってみました。この日は平日でしたが、幸い出張や会議の予定はないので、昼休み後に会ってくれることになりました。突然のアポにもかかわらず感謝です。
 函館駅前でこれまた有名な朝市のお店を物色し、豪華な「うにいくら丼」に舌鼓。観光地化した雰囲気が強いものの、コストパフォーマンスはなかなかです。

 <→(3)朝市のお店(飲食店含む)はおおむね平屋でバリアフリーです。やや手狭な店が多く、早朝からけっこう混んでいますが、座敷や高いカウンター席も少なく、1〜2台ならいきなり車いすで訪れても大丈夫でしょう。伊勢神宮のおかげ横丁などもそうですが、地方のこの手の観光施設は割とバリアフリーで、車いすユーザーの対応にも慣れた印象を受けます。>

 9時前発の特急「スーパー北斗」で札幌へ。北海道らしい雄大・牧歌的な車窓が広がり、15〜20年前に訪れたときの記憶もよみがえり、4時間近い移動時間も飽きませんでした。なお途中、半月ほど前に北海道を直撃した台風の影響で、沿線の原生林におびただしい数の倒木が見られ、爪痕の凄まじさを思い知らされました。

 <→(4)スーパー北斗もおおむね1時間に1本、車いすスペースは1台分のみ。予約時には多目的室(1室)の利用を渋られましたが、私の乗った車両はスペースが狭く、その場で多目的室に変えてもらいました(こっちも狭かったですが)。予約時に要確認です。>

 13時前に札幌到着。後輩と久々に再会し、一緒にお茶。急遽(きゅうきょ)仕事を抜け出してきてくれたので30〜40分の予定が、いろいろ話に花が咲き1時間以上に。おかげで楽しい時間を過ごせました。その後は結局一人で観光に。話が延びて時間が限られた上、ときおり小雨がぱらつく天気だったので、時計台・大通公園・道庁旧本庁舎といった超定番スポットを眺めながら巡るのみにし、すすきの方面や羊ヶ丘展望台等々は断念しました。またやはり時間がなかったので、適当に駅ビル内の札幌ラーメン店を見つけて入りましたが、正直ハズレでした。札幌駅近くにも有名店はたくさんあるので、本来は時間に余裕をもって、口コミサイトやバリアフリー情報も参考にして、目当ての店に行くのがベターですね。

 <→(5)最近、札幌〜大通公園間(地下鉄駅間)に立派な地下道ができ、ほとんどの出口にエレベーターが併設されており、雨や雪などの際は重宝すると思います。平日日中でしたが、ビジネスマンの往来が目立ちました。>

 その後は電車で新千歳空港へ行き、あとは空港で少し土産物を物色した以外は、ひたすら帰途へ着くだけでした。曇り空の夜のフライトだったので、景色がほとんどゼロだったのは残念でした。

 <→(6)新千歳は大きな空港なので、車いすでも利用しやすい(電車でアクセスできる、JALやANAの地上スタッフが慣れている)反面、平日でも利用客が多く、混雑を見越して早めのチェックインが必要と感じました。空港・飛行機利用については詳しい方も多いと思うので、詳細は割愛します。>

 今回の1泊2日の旅行、自宅を出発してから帰ってくるまでが約36時間。ざっと計算してみると、列車や飛行機での移動に要したのが、待ち時間も含めると約18時間。ホテルにいたのが8時間。よって純粋に現地での観光や食事、友人との話に費やせたのは10時間足らずでした。列車での移動が苦手な人・まったく興味のない人や、観光はのんびりと、あるいは現地のグルメは外せない、という方には決してお勧めできないプランです(笑)。そもそも誰もこんな個人の旅行記に興味はないかもしれませんが、もしバリアフリー情報などが少しでも参考になれば幸いです。私自身も今回得た情報・教訓を活かして、今度は日程を延ばしてまた行ってみたいと思っています。

埼玉県:K.E.

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