はがき通信ホームページへもどる No.146 2014.4.25.
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 特集 詩に想いをこめて[詩] 


「幸せな音」

 マウススティックを口にくわえて
 「ピコピコピコピコ」
 パソコンのキーボードを打っている
 覚えの悪い年になったけれど
 毎日、毎日、勉強中
 窓の外に夕闇がせまる頃
 疲れた身体を
 車椅子からベッドへ移してもらう
 やがて、台所から聞こえてくる
 「とんとんとん」
 「ガチャガチャガチャ」
 包丁の軽やかな音
 夕げの支度をしている音
 ただそれだけなのに
 幸せな音が心にしみとおる



 「なみだ発、ふるさと行き」

 身体の調子は良いですよ。
 元気に過ごしています。
 笑って
 精一杯生きています。
 それでも、辛くなったら
 「ふるさと行き」列車に乗って
 元気な子供のころに帰ります。


〈1〉どういう創作ですか?
 詩を書いています。詩と言っても自分の障害に関わることが題材です。
〈2〉はじめたきっかけは? 頻度は?
 1996年第2回NHKハート展を見に行って感動してから。障害者のことを少しでも分かってもらえばと言う気持ちから。
 頻度は月に2篇程度創ります。
〈3〉よかったことは?
 自分の障害や生き方を見つめることができる感じがします。
 ◇大変なことは?
 内容が同じようなことばかりになってきます。
〈4〉気持ちの変化はありましたか?
 過去ばかりふり返ることが多くなりマイナスなときと、気持ちを奮い立たせるプラスな部分もあります。
〈5〉何かに発表する機会は?
 毎年募集されているNHKハート展に投稿しています。毎月更新している自分のHPにて掲載しています。
〈6〉工夫や便利グッズは?
 心に感じたことをメモります。
 
 

熊本市:K.I.


 特集 水彩画 



          「ハワイの夕陽」

〈1〉どういう創作ですか?
 水彩画を描いています。
〈2〉はじめたきっかけは? 頻度は?
 口で絵を描く人の絵を見て。
 頻度は、年に1枚程度。
〈3〉よかったことは? 大変なことは?
 絵を描いて自信になったこと。
 大変なことは:首や肩の凝りが酷くなったこと。
〈4〉気持ちの変化はありましたか?
 絵の深さが分かり、絵を描ける喜びを知った。
〈5〉何かに発表する機会は?
 年1回の絵画展や講演会で披露しています。


             「秋」
 時間をかけて描き込みました。

〈6〉工夫や便利グッズは?
 水彩用紙は磁石でとめ、筆を口にくわえて描くために長くしてパレットは立てて利用。


            「夜桜」
 想像の絵です。


           「南の島」
 沖縄旅行の思い出に描きました。

〈7〉他に何かありましたら。
 描き溜めたら個展を開きたいと思っています。
 
 

横浜市:M.I.



 特集 趣味と実益を兼ねたフラワーアレジメント

C8レベル・受傷歴25年目

〈1〉どういう創作ですか?
 フラワーアレジメント
〈2〉はじめたきっかけは? 頻度は?
 受傷前、小原流の生け花を習っていました。フラワーアレジメントをやってみたいと思っていたところ、ひょんなきっかけから今の先生と巡り合うことができました。月1回のお教室です。その他、花の宅配サービスを利用して、自宅でも生けています。
〈3〉よかったことは? 大変なことは?
 季節の花々を生けることはとても楽しいですし、花のある生活は、心も豊かにしてくれます。“忘痛法”にも役立っています。
 大変なことは:特にありませんが、力がないため、オアシス(園芸用スポンジ)に花材によっては挿せない場合があり、そのときは先生にお手伝いいただいています。
〈4〉気持ちの変化はありましたか?
 「今日はどんなお花かな」と思うだけで、何だかワクワクした気持ちになり、「どう生けようかな」と思っている時間が、充実していてとても楽しいです。
〈5〉何かに発表する機会は?
 発表する機会はありませんが、主に玄関に飾っているので、来訪者(近所の方・訪看さん・ヘルパーさんなど)にほめていただけるとうれしいです。


           ●お正月に

 それから、個人的にお祝いのときなどに作って、差し上げたりしています。



 ●秋の野に咲く自然の花のようにイメージして




      ●フラの先生へのお礼に

〈7〉他に何かありましたら。
 習い始めて8年くらいになりますが、月1回のお教室なので、なかなか上達しません。でも、クリスマスリースを作り、お正月花を生けて玄関に飾ると1年が無事に終わり、「ああ、これで新年を迎えられるな」という、清々しいシャッキとした気持ちになります。

編集担当:瀬出井 弘美



 特集 生きていく大きな支え[水彩画] 


〈1〉どういう創作ですか?
 花の絵を水彩絵の具で描いて、絵はがき、カレンダーを作成しています。
〈2〉はじめたきっかけは? 頻度は?
 18年前、リハビリ目的で絵を描き始めました。
 描き始めた当初は、毎日描いていましたが、今は、体調のこととか相談しながら、描けるときに描いています。
 1枚描くのに、1ヶ月〜1ヶ月半のペースです。
 退院後、入院中お世話になった医療ソーシャルワーカーの勧めで、絵はがきができました。16年前のことです。カレンダーの作成は、14年になりました。
 カレンダーは年に1度作成し、販売の他に病院等へ届けさせていただいています。
〈3〉よかったことは? 大変なことは?
 体の痛みや嫌なことを忘れさせてくれる、無心な時間を持てること。やさしい気持ちになれること。
 絵はがき、カレンダーになったこと。
 絵はがき、カレンダーの作成を始めた理由は、同じ障害を持たれた方のお役にたてたらいいな、ということでした。でも、内科疾患を始めいろんな病気で病んだ方、悩みを持たれた方、そうでない方まで、「ありがとう」の声をたくさんいただきます。嬉しいです。私まで元気が出ます。
 カレンダーについては、それ以外の理由があります。1ヶ月のこん睡状態から覚めたとき、


「椿」真っ白い雪。"ぽとり"と赤い足跡がまた一つ……。


「アネモネ」撫でるように、やさしくやさしく通り過ぎる春の風。


私のベッドの上に腕時計とカレンダーがぶら下げてありました。どうしてか? と看護師さんに尋ねると、こう言われました。「入院されると不安になりますが、そのとき、時間と日にちが支えになるそうです。だから、時計とカレンダーは必要なんですよ」そのことがずっと頭にあって、私の絵がカレンダーになったら、季節感のない病室に、季節の花の絵のカレンダーを、ぜひ届けたいと思っていました。



 「ひまわり」『元気になるよ』と毎日持って来たあなた、病室がひまわり畑になったよね。


 「アメリカ楓」赤い葉っぱのコンチェルト。北風の指揮棒に揺られながら…。


 カレンダー作成費用分、売れるかどうか毎年ドキドキします。お陰様でなんとかぎりぎり黒字で助かっています。続けられる限り続けたいと思っています。

〈4〉気持ちの変化はありましたか?
 絵を描き始めたのは、入院中のリハビリ目的でした。それが今では、絵はがき、カレンダー、本の表紙、挿絵となりました。感謝です。
 大きな収入はありませんが、私にとっていろんな意味での仕事だと思っています。
 誰かに喜んでいただけることによって、自分の大きな力になって、私も元気をいただいています。
 いろんなことで落ち込んだり、体調不良で絵を描くことができなくなるときがありますが、そこから救い出してくれるのも絵を描くことなんですよ。
 描きたいのに描けない……でも来年のカレンダーが……とか、考えているうちに、ある日突然「頑張らなくては」という気持ちになって、描き始める。そして元気になる。私の生きていく大きな支えとなっています。
〈5〉何かに発表する機会は?
 ギャラリー、病院等で、何回か個展を開かせていただきました。
 1年間、「病院」という月刊誌の表紙になりました。
 毎年「医療福祉総合ガイドブック」「日本医療ソーシャルワーク研究」の表紙、挿絵に使っていただいています。
〈6〉工夫や便利グッズは?
 鉛筆や筆の自助具。両方とも手に固定します。固定するベルトなどに、鉛筆は鉛筆の滑り止めをくっつけて鉛筆を固定、筆はクリップをくっつけて筆を固定しています。どちらも左手につけますが、筆のときは筆先を安定させるために、右手を添えて支えます。


 ●いつも描いている、絵のセッティング。




 自分1人で、色の調合ができるように、固形絵の具を使っています。絵の具、パレットの大きさも腕の可動域に合わせて、携帯用を使用。パレットは絵の具の蓋になっていて、つながっています。パレットから絵の具までの長さは、16.5cm×12cm、スケッチブックは、23cm×17cmです。
〈7〉他に何かありましたら。
 ほんとうにたくさんの支えの中で、ここまで活動を続けることができました。
 感謝の気持ちを忘れずに、これからも可能な限り頑張りたいと思います。

広島県:M.K.

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