はがき通信ホームページへもどる No.123 2010.6.25.
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 全員参加企画 いいモノ見つけた!〜3〜 

商品名:オートネイルクリッパー (自動ツメやすり)
 商品紹介:ツメを切らずに削るのでやすり仕上げ不要。ツメを傷めず安全。
 ダイヤモンドコーティングを施したヘッド部分(ツメを削る部分)は半永久的。
 値段:1,974円(税込)送料別
 会社名・連絡先:輸入品(福祉情報雑誌を見て購入)
 サイト:http://item.rakuten.co.jp/tamachi/679586/#679586
 (検索したところ上記のサイトが一番安いように思います)
 

紹介者:コガメ(神奈川県)



 『臥龍窟日乗』 9・10台湾大地震 


 揺れが尋常ではなかった。
 どしんという大きな衝撃で目が覚め、ベッドの縁に腰をかけたが、体感での振幅は1mもあっただろうか。右へ左へと体が大きく移動し、ブランコに乗っているような気分だった。建物の奥深くからミシッミシッといううなり声が聞こえる。
 「今回はだめかな」と暗やみの中で考えていたら、隣の部屋で寝ていた長女が千鳥足で駆け寄ってきて、私の背中にしがみついた。
 しばらくぼう然としていた。余震が危険だと気付き、サイドテーブルに入れておいた懐中電灯を取り出した。明かりをつけると壁に大きな亀裂が入っていた。
 個室から大部屋に出た。コンピューターやCDプレーヤーなどがテーブルから転げ落ちていた。スチール戸棚も前に倒れ、足許には書類が散乱していた。ここは事務所にしている部屋だ。
 マンションの7階から階段を手探りで1階まで下りた。向かい側は国民中学校の校庭でコンクリートの塀で囲まれている。塀際には大勢の人たちが避難していた。パジャマに革靴という人もいた。
 表情も判らないくらいの闇であったが、機転のきく人がいて、自分の車のラジオをつけた。皆車の周囲に寄ってきたが、私たちには理解できない。高校生くらいの女の子に英語で尋ねると、台北で大きな地震があったことを繰り返し伝えているということだ。しかしここは数百kmも離れた台中である。
 東の空が白むころいったん事務所に戻った。奥の食堂ではGE製の大きな冷蔵庫が2mも移動していた。この日私たち親子は午前10時の便でドイツに出張することになっており、6時にタクシーを予約しておいた。来ないかなあと思っていたら定刻通りにやってきた。飛行機は大丈夫かと尋ねると、ラジオで聞いたのだろう、OKだという。食卓にパンが置いてあったので、いぶかしく思いながらもそれを朝食にした。
 空港に向かう高速道路から見た東の山は、頂上からごっそりと土塊(つちくれ)がすべり落ちていた。地震の凄まじさに改めて驚いた。空港は自家発電によってかろうじて息付いていた。カウンターで訊いても、台北で大きな地震があったとしか分からない。
 10数時間のフライトを経てアムステルダムに到着。午前5時の静まり返った空港ロビーでは、大画面のテレビが台湾の惨状を放映していた。林立したビルがなぎ倒されていた。
 乗り継ぎでボンに着き、ホテルにチェックインしてすぐ日本に国際電話を入れた。すでに台湾支社に数回にわたって電話しているがつながらないという返事だった。重ねて社員全員の安否を確認するよう指示した。
 1週間後台中に戻ると、総経理の劉さんがメモを手渡してくれた。かわいい花のイラストの付いたメモには「気を付けていってらっしゃい 洪」とあった。劉さんは「食卓の下に落ちていました。洪小姐(シャオチェ、さんの意)の消息だけが分からないんですよ」と涙ぐんだ。
 台中市の北東に東勢という集落があった。客家(ハッカ)という質素で勤勉な少数民族の村である。洪小姐はそこにマンションを借りて住んでいた。早速劉さんと車で急行した。風光明媚な部落なのだが、惨状は見るに堪えなかった。真新しい10階建てくらいのマンションが45度の角度に傾き、倒壊するのを防ぐため下に土砂が埋め込まれていた。「中にまだ大勢の人が残っているのに、危険だからって救助活動もできない」と、遠巻きに見守っていたおばさんが目にいっぱい涙をため呟いた。
 実家がパン屋の洪小姐は私が台湾支社に行くたびに、朝食のパンを届けてくれた。気遣いの細やかな社員で、早朝出発の私たちのため前夜用意してくれたのだろう。
 1999年9月21日午前1時47分、台湾中部をマグニチュード7・6の大地震が襲った。死者2444名。その中に洪小姐の名前が加えられた。

千葉県:臥龍



 ひとくちインフォメーション 

 ◆『頸損解体新書2010ひとりじゃないよ』のお知らせ

 編集:全国頸髄損傷者連絡会
 頒価:2,000円
 このたび、実態調査によって把握できた情報を、広く頸損者や関係各機関に提供し、問題点を提起するために「頸損解体新書2010」を発刊しました。
 同じ障害をもつ者が全国どの地域に暮らそうとも同じ生活が保障される、また、得られた情報を共有し、セルフヘルプ活動に活用して問題点の解決に役立てていただけることを願っています。私たちにとっては情報は命を救う藁でもあります。

 [ご注文先]
 担当:東京頸髄損傷者連絡会 麸澤
 E-mail:tksfzw@gmail.com
 『頸損解体新書2010 申込』と明記し、冊数、氏名、送付先をご記入ください。
 振込用紙を同封してお送りいたします。



 <目 次>(概要)
頸髄損傷者の目指す自立生活と本書
頸髄損傷者の身体機能解説
第1部 人生をあきらめない、自分らしく生きる
 1—1章 失うということ、そこから始まる
      新しい人生
 【事例紹介—1〜4】受傷からこれまでの経緯
 【事例紹介—5〜7】在宅生活、そして家族との関係
 【事例紹介—8】施設から地域での
  自立生活へ
 【事例紹介—9〜10】結婚する、子育てする
 【事例紹介—11】学ぶ
 【事例紹介—12〜15】はたらく
 【事例紹介—16】楽しむ
 【事例紹介—17】仲間がなかまを支えるということ
 1—2章 これまでの活動、そして未来への伝言
 1—3章 頸髄損傷者を取り巻く課題
第2部 頸髄損傷者の自立生活と社会参加に 関する
    実態調査報告
 2—1章 全国頸髄損傷者実態調査の方法
2—2章 地域間格差
 2—3章 重度頸髄損傷者が抱える問題
 2—4章 高齢化と性別による問題
 2—5章 健康
 2—6章 生活環境
 2—7章 外出の壁
 2—8章 就労の壁
 2—9章 頸損実態調査票
第3部 頸髄損傷者の自立生活と社会参加の促進に
    向けた提言
 3—1章 頸髄損傷者を取り巻く社会状況
 3—2章 頸髄損傷者に残された社会的条件整備の
      課題
 3—3章 誰もが自立できる社会を目指して
第4部 資料編  



 ◆ご協力を

 NPO法人「日本せきずい基金」
 基金残高(2010年3月末現在) 41,789,897円
[お問い合わせ先] 
 日本せきずい基金事務局 〒183-0034 東京都府中市住吉町4-17-16
 TEL: 042-366-5153 FAX: 042-314-2753
 E-mail: jscf@jscf.org URL:



 ◆地デジ放送が未受信世帯への簡易 チューナー給付支援の申込み受付開始

 NTT−MEが、総務省の受信機器購入等支援事業として運営している「総務省 地デジチューナー支援実施センター」にて、経済的な理由等で地上アナログ放送から地上デジタル放送に移行することが難しい世帯に対して、地上デジタル放送を視聴するために必要な簡易チューナー1台の無償給付等を行う地上デジタル放送受信機器購入等支援の申込みを4月から受付開始されています。
 支援の申込みは、申込み書を地デジチューナー支援実施センターに送付して下さい。申込み書は、各市区町村及びNHKの窓口で用意しています。
 なお、この支援によるチューナー給付、アンテナ工事等の費用を請求されることありません。悪質商法にご注意下さい!

 [申込み受付期間]
 平成22年4月19日〜平成22年7月2日(消印有効)

 [支援の対象者]
 以下のいずれかに該当し、NHKの放送受信料が全額免除となっている世帯
 ⅰ.生活保護などの公的扶助を受けている世帯
 ⅱ.障害者がいる世帯で、かつ世帯全員が市町村民税非課税の措置を受けている世帯
 ⅲ.社会福祉事業施設に入所されている世帯

 [支援の内容]
 ⅰ.簡易なチューナー(1台)の無償給付(テレビは給付されません)
 ⅱ.アンテナ工事が必要な場合の無償工事(共同受信施設・ケーブルテレビの改修が必要な場合の経費負担等を含む)

 [支援の問い合わせ先]
 総務省 地デジチューナー支援実施センター
 ナビダイヤル:0570−033840 FAX:044−966−8719
 ※ナビダイヤルが利用できない場合は:044−969−5425
 (平日午前9時〜午後9時、土・日・祝日午前9時〜午後6時)
 http://www.chidejishien.jp

 [NHKとの契約、受信料免除手続に関する問い合わせ先]
 NHK視聴者コールセンター
 ナビダイヤル:0570−000588 FAX:044−888−4340
 ※ナビダイヤルが利用できない場合は:044−871−8441
 (平日午前9時〜午後9時、土・日・祝日午前9時〜午後6時)



 ◆生活福祉資金貸付制度の見直し

 平成21年10月より同制度の貸付利率の引き下げや連帯保証人要件の緩和等の見直しが行われました。資金の種類や貸付条件(貸付限度額、償還期限)等の問い合せ先は、お住まいの市町村社会福祉協議会です。

[貸付対象]
 障害者世帯/身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた者等の属する世帯 
 低所得者世帯/世帯収入が市町村民税非課税程度の世帯。
 高齢者世帯/65歳以上の高齢者の属する世帯

[貸付資金の種類]
 総合支援資金、福祉資金、教育支援資金、不動産担保型生活資金

[福祉資金・福祉費の貸付条件等の一部]
▽福祉用具等の購入に必要な経費、貸付上限額の目安170万円、償還期間8年
▽障害者用自動車の購入に必要な経費、貸付上限額の目安250万円、償還期間8年

[連帯保証人]
 原則、必要としますが、連帯保証人を立てない場合も貸付可能です。

[貸付金利子]
▽連帯保証人を立てる場合は無利子
▽連帯保証人を立てない場合は年1.5%
※緊急小口資金、教育支援資金は無利子
 不動産担保型生活資金は年3%又は長期プライムレートのいずれか低い利率

[実施主体]
 都道府県社会福祉協議会

[厚労省HP]
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/seikatsuhogo/seikatsu-fukushi-shikin1.html



 ◆介護職員の医療行為、法律での認可検討・・・厚労相

 長妻厚生労働相は15日、たんの吸引などの医療行為の一部を介護職員が行うことについて、現在のような通知ではなく、法律で認めることを検討する考えを表明した。
 医療行為の一部を行える場も、自宅と特別養護老人ホームだけでなく、グループホームや有料老人ホームなどにも拡大する。今秋までに行為の内容や条件などを詰め、来年の通常国会に提出したい考えだ。
 介護保険改正に向けて、利用者らから意見を聞く会合の場で明らかにした。
 医療行為は医師や医師の指示を受けた看護師らにしか認められていないが、特例として、自宅の療養患者らに、介護職がたんの吸引をすることが認められている。今年4月からは、特養で働く介護職員が、たんの吸引と、チューブで胃に流動食を送る「経管栄養」の一部の行為を行うことが認められている。
 しかし、これらはいずれも通知で例外的に認められているに過ぎず、事故が起きた時の責任問題などへの懸念が強い。そこで法律で規定した上で、医療行為の一部を行える場所を広げることも必要と判断した。
(情報提供:平成22年5月15日 読売新聞)








【編集後記】


 1日に何度か体位交換していて、左側臥位(左横向き)の時は、すぐ壁なので今までラジオを聴きながらカレンダーをボッーと見るくらいでした。それが音楽プレイヤーとしてタッチパネル式のiPod(iPhoneの携帯電話機能のないモノ)を購入して、はじめは音楽を聴くくらいでしたが、無線LANで接続すると劇的に変わり、いろいろ操作していると15万本あるアプリをダウンロードして使用できることが分かりました。
 ダウンロードして、YouTube(ユーチューブ)で動画を見たり、産経新聞朝刊の紙面と同じレイアウトのアプリで少しずつずらしながら読んだり、パソコンで録画しているワンセグ番組を無線LANで転送して見たり、パソコンサイト(iPhone用に整えているサイトでないと見づらい)を見たり、ウィキペディアというフリー辞書サイトで気になるキーワードの意味を読んで納得したり等々して楽しんでおり、すっかり退屈な時間にならなくなりました。ただ、メールはパソコンのキーボードでの文字入力の10倍は時間がかかるのでしていません。
 どうしても四肢マヒ者は、ベッドにいる時間が長くなると思います。みなさんはどのように(退屈解消の工夫をして)過ごしていますか?
 次号の編集担当は、瀬出井弘美さんです。



編集委員:藤田 忠







………………《編集委員》………………
◇ 藤田 忠  福岡県 E-mail:fujitata@aioros.ocn.ne.jp
◇ 瀬出井弘美  神奈川県 E-mail:h-sedei@js7.so-net.ne.jp

………………《広報委員》………………
◇ 麸澤 孝 東京都 E-mail:fzw@nifty.com

………………《編集顧問》………………
◇ 松井和子            
◇ 向坊弘道  (永久名誉顧問)

(2010.4.1.時点での連絡先です)

発行:九州障害者定期刊行物協会
〒812-0069 福岡県福岡市東区郷口町7−7
TEL&FAX: 092-629-3387
E-mail: qsk@plum.ocn.ne.jp

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