全国脊髄損傷者連合会 山形県支部 脊損山形

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『あふれる可能性を信じて~』

押切圭子

 令和元年5月20日(月)に、米沢市の九里学園高等学校の福祉クラス(3年生)で授業を行いました。2年生の後半から3年生の前半にかけて、初任者研修資格を取得するためのクラスで、これまで概論を学んで来た延長として障害当事者の想いや考えを学ぶという時間です。今年の受講者は、男子が7名、女子が10名で、いずれも尊い志を持ち、真剣に授業に臨んでいます。





 受傷当時から入院生活、在宅生活、現在までの身体と気持ちの移り変わりを話していると、皆さんが身を乗り出すように聴いてくれる姿勢に、その熱心さが伝わってきました。とりわけ、自助具の具体例を紹介するコーナーでは、興味深く関心を持った様子でした。

 2時限目は昇降口での車いす介助の体験をしていただき、その難しさや、声掛けの手法を学びました。こちらの学校には、スロープやエレベーターや車椅子トイレも完備してあり、バリアフリーに秀でた環境にありますが、在校生はあまり認識がないようです。今回、あらためて価値やありかたを述べさせていただき、彼らの意識付けになったかと思います。

 最後に自動車の改造部分や仕組みを見ていただき、若さ沸き立つ授業を締めくくりました。男女比が拮抗している昨今、今日ほど全員のまなざしが熱く感じられた事はなかったかもしれません。爽やかでマイルドな生徒たちから車椅子と心を押され、青春のワンシーンに交ぜてもらいました。




 このクラスで学んだ生徒が、卒業後、福祉施設で活躍されていることを聞くにつけ、大いなる意義を感じます。これから大切な進路決定の時、私の話したことが、何らかのヒントにしていただけたらうれしいですね。