北アルプス針ノ木岳、蓮華岳 山行報告 




雪渓での集合写真

  催行日 2009年8月7日(金)〜9日(日)
  参加者 19名
  視 障 7名(会員7名)
  晴 眼 12名(会員11名、非会員1名)
  コース 8月7日(金)
  JR京都駅前22:30発〜バス〜8月8日(土)扇沢05:30着
  扇沢登山口06:25発〜大沢小屋〜大雪渓末端〜大雪渓上端〜
  針ノ木小屋14:40着 14:50発〜針の木岳15:40着15:50発〜
  針ノ木小屋16:50着 針ノ木小屋泊
  
8月9日(日)
  針ノ木小屋04:40発〜大雪渓上端〜大雪渓末端〜大沢小屋〜
  扇沢登山口12:30着 扇沢13:00発〜バス〜大町温泉郷
  薬師の湯で温泉入浴〜タクシー〜JR大町駅前15:10発〜バス〜
  JR京都駅前23:15着 解散
  感 想

  扇沢でバスから降りると「新潟あいゆーの」Sさんが待ち受けておられました。
  早くから、今回のかざぐるまの例会登山に参加申し込み頂いておりましたので、お会いする
  のを楽しみにしていました。
  
  挨拶もそこそこに、Wさんの指示で、輪を作ってストレッチ体操を15分間。
  小雨も止み、太陽もちょっぴり顔をだしたので、雨具を脱いでバスターミナルを出発。
  登山口横にある、登山届受付所に、用意しておいた登山届書を提出して入山した。
  
  大沢小屋までは、比較的歩きやすい道だった。
  ところが、森林の中のゆるい傾斜の登山道を20分ほど登って行くと、段差の大きな道になり、
  手も使って登るようになる。
  大雪渓が見えるようになって、すぐに岩場のトラバース。
  この場所の通過のために、今年の4月から8回のトレーニングを芦屋ロックガーデンで実施
  してきた。
  
  ロックガーデンで、三点確保をしての上り下りと、トラバース訓練、アイゼントレ。
  今回は、その成果が遺憾なく発揮されたので、危なげなく通過することができました。
  もちろん、念のために岩場の二箇所でO、Kの2名がハーネス装着で自己ビレイし、
  フィックスロープを張って、視障の参加者に簡易ハーネスを着けてもらい、クイックドローを
  フィックスロープにかけて、通過するのをサポートしました。
  この場所だけは、晴眼者はサポートせず、自身の岩場通過に専念してもらいました。
  
  大雪渓のノドの部分が、幸いにも切れていなかったので、右岸の大岩横まで雪渓上を楽に
  登ることができました。
  しかし、大岩横でアイゼンをはずし登り始めると、結構厄介な登山道でした。
  大きな段差、ザレタ細い「つずらおり」予定以上の時間を費やしてしまいました。
  
  小屋に着いて、針ノ木岳登山班の4名は休息もそこそこに針ノ木岳を目指し出発。
  残留の15名は、部屋に入つてのごろ寝班、テラスでビールで乾杯の飲んべー班、所かまわ
  ず話しまくるおしゃべり班と、夕食まで適当にリラックス。
  小屋の周囲からは、富士山、槍ヶ岳、八ヶ岳、南アルプス、黒岳(水晶岳)、赤牛岳、鹿島槍、
  白馬岳を確認できました。
  
  夜は、寝ると隣の人と肩と肩がくっ付く程度の混雑度でした。
  翌朝3時に起床するも、小雨が降ったり止んだりしていたので、蓮華岳登山は取止め。
  濡れた岩場は危険なので、早めに下山を開始し、急がずゆっくりと下ることにした。
  問題の岩場の通過は、昨日と同じ方法で通過したが、岩が濡れていた分、困難だった。
  大沢小屋に到着し、少し気が楽になった。
  結局、下山の所要時間は、登りと同じ8時間だった。
  扇沢のバス乗り場に着いてほっとした。
  全員無事に下山できて本当に良かった。
  
  今回、Sさんには大変お世話になり、また楽しかったです。
  ありがとうございました。
  薬師の湯に入って、昼食の冷えたビールは最高にうまかったです。
  でも、盆前の日曜日、高速道路は大渋滞、2時間以上の延着でした。
  参加者の皆さん、お疲れ様でした。 
  






参加者からの感想文

8月例会針ノ木岳、蓮華岳山行に寄せて
 
  今回は北アルプスの針ノ木岳[2810m]と蓮華岳を目指して7日JR京都駅22時半発[爽やか
  新集合バス]で出発。
  しかし残念ながら、この企画を一番楽しみにしていたOさんが体調を崩して、参加出来ず20名
  のところ19人となる。
  
  一同は翌朝5時ごろ登山口到着。
  爽やかな山の空気、野鳥たちのさえずり、そしてどうやら天気も晴れ、どれもが私たちの訪問を
  北国の山々が歓迎しているようで、一層心が浮き立つ。
  其処へ新潟あいゆうのSさんが応援に掛け付けて戴き100人力を得たようで、懐かしさも手
  伝って心強い。
  
  一行は第1目的地の山小屋目指して6時過ぎ出発。
  第1休憩地の大木沢小屋までの30分ぐらいは意気揚々と進んだが、さて其処を通過後、足下
  は山らしく複雑な石や岩の階段とともに急勾配が延々と続き、尚且つKさんやOさんが準備して
  待ってくれていた、ごうごうと流れる沢の上の巨大な岩場のところでは、一人一人が身体にカラ
  ビラを巻きつけ、岩にしがみつきながら、Kさんの指導に従って、3点確保し、はいつくばったり、
  更に狭いトラバースを蟹歩きながら慎重に進み、又激流のすぐ上に掛かった幅の狭い丸木を
  何本か這わせて架けた橋や、何箇所かの沢の流れに足を救われそうになりながら2時間ほど
  歩いたと思った頃、今回の最大のメインと思われる雪渓の場所に到着。
  持参したアイゼンをシューズにしっかりと装着して足を踏み入れる。
  雪渓はしっかりと固まっているが、これが又思いの他急な登りで、うっかり転ぼうなら冷たい雪の
  上を何処までも転がりそうで自然緊張を強いられる。
  だがこの道、ベテランのKさんの適切な誘導のお陰で、私はこの難局を何とか突破出来た。
  
  時間はもう12時過ぎ、昼食休憩。
  気が着けば真夏の太陽がぎらぎら照り付けているが、すぐ前の雪が冷房の役をしているせい
  か、空気が良く、其の上高山植物のレイジン草やヒレンソウ、ジュウニヒトエなどの面白い草花
  の名前もSさんに教えて貰ったり、又私にとっては興味深い駒鳥やルリビダキ、メボソムシクイ
  などの小鳥たちのさえずりも嬉しかった。
  
  30分ほど休んで、今夜宿泊予定の山小屋に向け出発する。
  雪渓までの山道のような厳しさを感じさせる道ではないが、不安定な石ころや岩をくりぬいたよう
  で油断すると膝などをぶっつけそうなきわどい箇所や、つずらおれの道を数え切れないくらい繰り
  返しながら、急な石の階段をふうふう、やっとこさ小屋の前に到着、ほっと安堵すると同時に、み
  んなの顔が疲労感に満ちているようだ。
  
  そして予定ではこれより針ノ木岳頂上を目指すはずになっているが、出発して8時間歩いたせい
  なのか、はたまた小屋で販売されているビールの誘惑に負けたのか、体力の限界と見られた
  か、リーダーの判断でストップとなるが、それでも4人の有志が山の頂目指して登って行く。
  残った者は小屋の庭で他の登山客らと雑談するもの、部屋に入って昼寝するもの、思い思いに
  楽しんでいるうちに5時前4人は無事帰還、その後7時ごろ夕食、8時に床に就く。

  翌朝3時起床してみればあいにくの雨。
  濡れた岩や山道は危険とのリーダー、Kさんの判断で蓮華岳登頂は断念。
  そして4時半、一行は身支度を整え、お世話に成った小屋の皆さんに別れを告げ、昨日登って
  来た復路を足下に気を配り下りだして間も無く、運良く雲が切れて空を染める月光に加え、東の
  方から陽光も合わせて、南に富士山を初め、劔岳や北岳、そして去年登った唐松岳など四方
  八方の有名な山々の大パノラマに皆大歓声を上げる。
  
  お天道様も名残惜しいのか6時ごろからまたもや雨が降り出して雨具の世話となる。
  8月9日午後12時半、全員無事故で下山完了と成り、その後大町温泉できれいさっぱり身も
  心も洗い流して疲れを癒し、美味しい生ビールと名物の信州そばで昼食を済ませ、15時10分
  バスで21時ごろ京都駅到着の予定が、途中から降り出した雨と、マイカー族のお盆帰省ラッシ
  ュのお陰で大幅に遅れてしまい、何とか23時過ぎようやく8時間に及ぶバス旅行に別れて23時
  29分の新快速電車に乗り、途中高槻で各停に乗り換えて帰宅したのは午前12時半でした。
  参加の皆さん、そして下見から準備企画された関係の皆さんご苦労様でした。
 

  
   
8月例会 針ノ木岳

   日本三大雪渓のひとつ針の木雪渓、まだまだ経験の浅い私が雪渓を登るとは参加するのは
  不安でしたが、芦屋ロックガーデンのトレーニング山行で、岩登りやアイゼンを装着しての数回
  の練習、暑い中皆様と一緒に丁寧な指導をして戴き、少しづつ楽しみに変わってきました。
  しかしピラロックの説明会で山行に参加する姿勢の甘さを痛感し、気を引き締めなおして当日を
  迎えました。
  
   梅雨は明けたというものの、連日雨が多くお天気を心配しながらの参加です。
  扇沢のバスロータリーからゆっくり入山、雪渓の上はひんやりしてとても爽快天然のクーラーで
  す。アイゼンを装着してベンガラの赤い道筋を踏みしめて、ザクザク夏山登山の醍醐味を味わう
  ことができました。
  しかし最後のジグザグ道はきつかったですが、花たちに元気つけられて頑張れました。
  ミヤマキンポウゲ、シナノナデシコ、ヨツバヒヨドリ、レイジンソウ、トリカブト、シモツケソウ、シシウ
  ド、キンコウカ、ノハラアザミ、ウツボグサ、ホタルブクロ、ジュウニヒトエ、ツリガネニンジン、まだ
  まだたくさんの花が咲いていました。
  雪渓での冷たくておいしい湧き水、下山してからの大町温泉で汗を流した後のビールがとても
  おいしかったです。
  
  天候も大きくくずれることなく楽しい山行でした。
  いろいろお世話してくださったKさん、Mさん、Sさん、それから新潟からお手伝いに来てくださっ
  たSさんたいへん有難う御座いました。
   


   
8月例会 針ノ木岳・蓮華岳山行を終えて

  当初御岳を予定していましたが、交通機関の都合で、針ノ木岳に変更されました。
  大雪渓やかなりきびしい箇所も有りそうなので、4月から8回にわたって、トレーニング山行が
  実施されました。アイゼンワークはもちろん、体力、脚力も向上しましたし、サポートする側、さ
  れる側の技術もレベルアップしたように思います。
  
  しかし、かなり厳しいコースだったせいも有り、扇沢から針ノ木小屋まで8時間ほどかかってし
  まいました。針ノ木岳の頂上には、数名の方だけが登られました。
  体力的にも時間的にもやむをえなかったのではないかと思います。
  
  翌日も3時起床で蓮華岳に登る予定でしたが、降雨のため中止し、明るくなると同時に下山し
  ました。下山も8時間ほどかかりましたが、何とか温泉で汗を流すことはできました。
  結果的には、蓮華岳をバスしたおかげで時間に余裕が出て、あわてずにすんだと思います。
  
  反省点としては、企画する際には、登ったことがある視障者や、実施した事がある他会からも
  情報を収集して検討するようにした方がいいのではないかと思います。それと、特に下山時、
  前後がかなり伸びて、先頭と最後尾との連絡ができなかったり、パーティー全体を把握するの
  が困難でした。やはり無線機かトランシーバーがあった方がいいのではないかと思います。
  
  大雪渓でアイゼンがはずれた方が何人かいらっしゃいました。冬までに装着の練習をしましょう。
  それから、これはかざぐるまの方では有りませんが、すれ違いのためこちらが路を空けている
  のに、「この足じゃま」とストックで靴をつついていった人がいたそうです。もうちっとましな言い
  方も有ると思うんですけどねぇ。お互い疲れているのですから、譲り合いとか思いやりの気持ち
  が大切ではないかと思います。
  いらいらせず、みんなが気持ちよく山行できるようにしましょう。
    


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