こだま365号 2008年10月号


  目次
視点…1
全視協文化の集い「ゆめはまフェスタ」に参加して…4
陳情不採択となる…8
全国委員会報告…11
手をつなごう集会の報告…12
24年目の行動に参加しました…15
組織委員会からの報告…16
中国縦断鉄道の旅(前編)…17
【連載48】副都心線ホームドアの「車両番号・ドア番号点字案内表示」とその問題点
…21
久しぶりに自転車に乗りました…26
教養講座で学びました…27
ありがとうコーナー…29
役員会だより…30
日程情報…31
編集後記…34
(目次 終わり)

   視点
 9月1日夕に行なわれた記者会見で福田康夫首相が辞任を表明し、昨年の阿部首相に続き2代連続の政権投げ出しには多くの国民が驚嘆させられた。ご承知のようにその後、麻生首相誕生までの期間はマスコミの大半を自民1党が乗っ取ったような総裁合戦が披露され、画面と紙面の私物化というべき扱いに不快感を覚えた国民も少なくはなかっただろう?
 今回の「政治ショー」というべき辞任劇もそもそもは昨年行なわれた参議院選挙の自民大敗により、与野党が逆転したいわゆる ねじれ国会が出現したことに始まっていた。国民の多くは「早晩、総選挙」とみていたものの自公政権は首相交代劇で国民の要求をかわして政権の延命を図ってきたもののそれも押し通せなくなったところが現在の姿なのだろう。これからの政治 日程は 今、開かれている臨時国会での論戦と与野党の力関係で選挙の時期が決まってくることだろうが、年内の遅くない時期になるであろうことは まちがいないところか?そこで今、私たちはこの選挙に当たってどう臨むべきかについて考えてみたいと思う。
 3年前の「郵政解散」で大きく勢力を伸ばした小泉内閣による構造改革の嵐により医療、福祉、年金、雇用などなど国民の弱い 部分に対する犠牲を強いる一方でインド洋での軍事給油とガソリン税(特定財源)開発はそのままに、低率減税はやめ、大企業への法人税割引は進めるなど国民(庶民)にとっては踏んだりけったりの攻撃を浴びせつけている。
 昨今の選挙で必ずといっていいほどマスコミの間で唱えられる論法に2大政党論があげられるが、果たしてこの二つの政党のどちらかが次に挙げる国民本位の政策転換が可能かどうか考えたい。
 (1)日米同盟に縛られる日本政府がアメリカ言いなりから脱却できますか?
 (2)野放しの、企業献金をそのままに、政・財・官の癒着を断ち切って大企業の横暴を規制できますか?
 筆者が思うには、おそらく二つの政党とも決してそのような転換は不可能でしょう。
 それでは最後に真に国民本位のやさしい政権誕生に期待して、私たちの具体的要求をいくつか掲げておきたい。
 (1)後期高齢者医療制度は廃止されたい。
 (2)年金加入記録を正すとともに基礎年金を大幅に増額されたい。
 (3)障害者自立支援法を見直し、応益負担は廃止されたい。
 (4)消費税の増額はせず生活必需品にたいする消費税は免税とされたい。
 (5)輸入食品の安全チェックは怠らず、食料の国内需給率を大幅に高める農政へ切り替えられたい。
            編集委員  菅井孝雄

   全視協文化の集い「ゆめはまフェスタ」に参加して
 10月4日・5日に行われた全視協文化の集い「ゆめはまフェスタ2008」に東視協からも20名近い人が参加しました。盛りだくさんのメニューに参加者は一様に満足して帰ってきました。東視協からもオカリナ演奏やステッキーズの合唱、湘南亭鈍行(加藤厚実)さんの落語など参加者を大いに楽しませてくれました。詳しい内容については「点字民報」をご覧いただければと思います。

   〈集い参加者の感想〉
 石原みよさん:私は初めてオカリナの演奏で参加しましたが、演奏中はパニック状態でした。でも物真似や音楽で横浜の紹介はとても楽しかった。
 梅村秀さん:短期間で楽器が操れるようになるということに感心した。小森先生の講演は、わかりやすく大変良かった。
 織田津友子さん:東視協は18名で参加。出演された皆さんも多かったです。交流会で、第9のメロディーで憲法9条を歌うのはすばらしいアイディアだと思いました。芸術の秋のひとときを楽しみました。
 織田洋さん:いつも行事に参加して感じることは、その組織の色が出て、そしてその組織のあたたかさを感じます。音楽についてはよくわかりませんが、演奏している皆さんの真剣さがこちらにもよく伝わりました。
 加藤厚実さん:歌、楽器演奏、講演と充実した二日間でした。また、久しぶりに神奈川守る会の皆さまにお会いできて、とても嬉しかったです。4日に参加された皆さまには、私の下手な芸にお付き合いいただき、ありがとうございました。
 川井由美さん:私はオカリナを吹いて出場しました。さすがに「文化の集い」というだけあって、私のようなにわか文化人が参加するにはもったいないというのが、第1に感じたことです。横浜の歴史と音楽とをわかりやすく講演されたのも大変勉強になりました。
 栗山健さん:コーラス、楽器演奏、物真似、落語など、レベルの高い催しを楽しみました。二日目は「平和のために、今 何をなすべきか」と題して小森陽一氏に、9条に対する世論の動向「紛争は武力では解決しない」、「9条の会」の運動の役割などを話していただきました。
 杉田直枝さん:私たちはオカリナ演奏での参加でした。あまり緊張もせず、私としてはまあまあの出来かな?皆さんの楽しい演奏を聴いて、日本は平和で幸せな国、本当にありがたいなあと思いました。
 田中章治さん:全視協の文化の香りの一端を味わうことができました。懇親会で、大阪の堀部さんより「第9のメロディーに合わせて憲法を歌うので、9条の条文をコールして」と言われ、あわてました。次の機会には、コールできるようにすると約束しました。
 田中禎一さん:生出(おいづる)氏の講演は、ステッキーズ出演準備で客席に置いてあったMDに録音し、帰ってから聴いた。集い参加者数も多く、交流会も大変盛り上がって楽しかった。
 西原和子さん:いやあ、プログラムが盛りだくさんで、ほんと よかったっちゃ! みんな絶対参加した方が良かったと思うよ。私たち「オカリナ同好会」もチャンスをいただき出演してきました。今後は、グループで重奏がしたいです。
 野島潔さん:誰とは言わないがあのぐらいのレベルなら私でも舞台に立てそうな気がしてきて、次の文化の集いに向けてチャレンジパワーをもらいました。ようし、ギターの猛練習をするぞ。
 山城完治さん:庶民の武器は記憶。小沢氏は、元 自民の幹事長、福田 前首相と大連立を画策した人物、麻生首相が初当選した時の自民党の先輩指導者だということを忘れないことが大切だと語った小森陽一さんの講演が印象的でした。

   陳情不採択となる
        東部  稲垣実
 9月16日、東京都議会厚生委員会において「特別養護老人ホームで働く視覚障害マッサージ師の就労の支援を求める陳情書」について審議が行われました。
 傍聴した時の審議内容は、はじめに自民党議員が発言に立ち「陳情の主旨に誤解があり、東京都の対応で特養で働く視覚障害マッサージ師の人数が減少しているわけではない」「障害者の雇用は障害に応じた雇用が必要だ」と意見を述べました。次に共産党議員が発言に立ち、視覚障害者の就労の現状や特養マッサージ師の就労についての問題点を指摘した質疑応答がありました。
 質疑応答の内容は「現在の補助金制度は、サービス維持が目的なのに補助金を受けていた視覚障害マッサージ師が退職した後に視覚障害マッサージ師を雇用しても補助金が出ないのはサービスの低下になるのではないか」と矛盾点を指摘しました。その回答は「介護保険制度の中で行うことが望ましい」と東京都の今までの考えを繰り返しただけでした。
 また、視覚障害者の就労における特養での就労の意義や必要性について質疑があり「特養などで視覚障害マッサージ師が就労できるよう働きかける」と回答しました。
 審議の結果は、厚生委員総数14名で共産党2議員と生活者ネット1議員の3名が採択で、残念ながら不採択となりました。
 審議の内容を聞いていると質疑がかみ合わず不採択の具体的な理由がわからず終わってしまいました。採決にいたっては質問や意見も述べない議員が不採択の意思を表すのは、はじめから審議結果が決まっていたような何か政治的な印象が残りました。
 私の感想として都議会は東京都の施策に追随するだけのようで本当の審議がなされていないことが傍聴してわかりました。
 今回の運動でわかったことですが、文京区と台東区の特養では地域のマッサージ協会と「常勤のマッサージ師を雇用しないでその代わりに協会のマッサージ師が非常勤などで働くことができる」という協定が交わされていることです。このことについては、今後調査などをして検討していきたいと考えています。最後になりましたが、東視協の皆さん、街頭署名や職場などで多くの署名を集めていただき本当にありがとうございました。

   全国委員会報告
        事務局長  織田津友子
 9月6・7日に、全視協全国委員会がありました。1日目は、全視協「トータルビジョン」の見直しについて、3分科会に分かれて討議しました。二日目は、会員・点民拡大、全視協財政の確立について、第29回石川大会の進捗状況、重点目標達成の取組みなどについて論議されました。詳しい報告は、点民10月号に掲載されていますのでそちらに譲ります。
 ここでは財政問題について報告します。
 (1)執行部から、駒込にビルを持っている方から、全視協に提供したいという申し出があったと話がありました。
 (2)税金等の関係でどのように活用するか、検討することとなりました。
 (3)法人格取得を視野に入れながら、税金対策を考えることとなりました。

   手をつなごう集会の行動報告
        北部  山城完治
 9月8日、65名の参加者と7名のボランティアで行なわれた今年2度目の「手をつなごう すべての視覚障害者全国集会」の全国統一行動は、五つの班に分かれての要請行動、「裁判員制度と視覚障害者への対応の講演、及び要請報告会の内容でした。

   〈いくつかの前進〉
 午前中の要請行動は、厚生労働省(福祉及び就労)、国土交通省(道路建物及び鉄道)、最高裁判所、内閣府、経済産業省への交渉でした。
 運動の前進面としては、厚生労働省(福祉関係)の要請においては、
 (1)障害者自立支援法における個別減免を受ける際の預金通帳の提示の中止については、今、検討しており、近いうちに結論が出る。
 (2)ホームヘルプ事業の通院等介助の自動車の利用については、厚労省が本年4月26日に「通院等介助に関する取扱いの通知」を出して、対象を病院だけでなく官公署や指定相談事業所等にも拡大されている。ホームヘルプサービスの利用時間が1.5時間を超える場合には、事業所に連絡し、サービス計画を変更することができることを改めて確認した。
 (3)ハローワークによる職業紹介による障害者の就職件数のうち、視覚障害者の状況については、平成19年度で、1820件、前年度は1908件だったので4.6%減であること。職種別では、あんま はり 灸が827件(43.4%)と 最も多く、生産工程労務337件(17.7%)、事務227件(11.9%)、医療関係225件(11.8%)、施術院471件(24.7%)、ヘルスキーパー94件(4.9%)、機能訓練指導員31件(1.6%)などであることを確認した。
 (4)特別養護老人ホームの視覚障害をもつ機能訓練指導員の働き続けることを困難にしている個別機能訓練計画書の作成については、国で書式を決めているわけではないので、各都道府県で自由な様式にしてもよいことを確認した。
 経済産業省へのテレビの地上デジタル放送に関する要請では、三菱とビクターから一部、音声読上げ対応の地上デジタルテレビが発売されていること、松下から機能を限定した リモコンが発売されていることの紹介を受けました。

   〈裁判員制度の講演会〉
 また、午後に行なった「裁判員制度と視覚障害者への対応」と題する講演会には、最高裁判所刑事局付の小野寺あきら氏を講師に招き、制度の内容と点字等の資料や移動の介助など視覚障害者の裁判員、裁判官への対応について講演していただきました。
 裁判員制度については、午前の要請には全く応えず、単に要請を受けるだけという対応だったことを考えると、来年5月の制度実施ありき、後は野となれ 方式の制度設計を感じるものでした。
 尚、この講演会の模様と野島潔さんのコメントを、この日のNHK首都圏845とラジオのニュースが報じました。

   24年目の行動に参加しました
        北部  大楽 スミヨ
 私は「手をつなごう」集会に久しぶりに参加しました。各交渉先に向かう仲間を見送り、私たちの順番がくるのを待ちながら、以前、基礎年金に変わった時、児童扶養手当がなくなった時、母子家庭に対する金額の引き下げはとんでもないと交渉して成果があったこと。ヒューマンアシスタント制度が3年から5年、10年へと延長されたこと。現在の私があるのも、この「手をつなごう」のおかげであるとしみじみ思いました。
 私は雇用の交渉に参加しました。そこで感じたことは、今 切実な要求を持っている人たちに、もっともっと参加してほしいということです。目が見えなくてもやれる仕事はたくさんあると、どんどんアピールしてほしいと思いました。
 裁判員制度の学習にも出ました。手当が出るらしいと聞き、「小遣いになる」なんて、ちょっと不謹慎な気持ちがよぎったものの、万が一そんなことになったら「疑わしきは罰せず」の言葉を肝に臨むつもりです。

   組織委員会からの報告
        担当  栗山 健
 今年度は、役員担当栗山、各支部から神作(東部)、樽谷(西部)、下奥(南部)、仙波(北部)の委員と事務局で運営することになりました。
 8月と9月の委員会で次のことが決まりましたので報告します。
 (1)昨年リーフレットを置かせていただいた病院・医院・福祉施設に今年も置かせていただくようお願いする。
 (2)新たにリーフレットを置かせていただける病院・医院・施設などがあるかどうか、支部会議で話し合う。
 (3)東視協会員にも配布し、有効に活用してもらうようお願いする。
 (4)会員拡大についての提案は大いに歓迎する。

   中国縦断鉄道の旅から
        南部  西原 清松
 去る9月20日から1週間「五感で楽しむ旅」と銘打ったツアーに参加した。行ったところは中国の旧満州と呼ばれた地域、すなわち瀋陽、長春、ハルピン、大連といったところである。
 中国は国土が日本の26倍、2005年の推計人口が13億ということで、これまたすごい数である。今の胡錦濤国家主席はこれらの人たちにどのような指導をしているのか気になるところだ。行ったところはほんのわずかではあったが、それなりの体験をした。
 午後1時25分発 日本航空5180便にて成田空港から最初の都市瀋陽に向かった。所要時間は約2時間50分ほど。瀋陽に着いたのが15時30分(日本時間で16時30分)であった。
 あくる日の21日は瀋陽の市内観光からスタート。918歴史記念館、これは満州事変勃発の地になる。世界遺産瀋陽故宮博物院。北京入城以前の王宮となる。張氏師府(ちょうしすいふ)旧奉天軍閥の私邸とホウテイ福陵女真族の大王ヌルハチの陵墓などを見学した。
 遼寧省の省都である瀋陽は漢民族を中心に29の民族が住む東北3省の中で最大級の都市の1つであると言われている。
 次の日の9月22日は7時50分、瀋陽駅より列車にて長春へ向かった。所要時間は約3時間ほど。旧満鉄路線の列車の旅のスタートである。10時54分、長春駅到着。実はこの企画に参加したのは向うの鉄道に乗ってみたかったという極めて単純な気持ちからであった。向うの駅は日本よりも電車とホームとの間がかなりある。よほど注意しないともろに落ちてしまう。
 もちろん点字ブロックなどはない。列車の乗り心地はまあまあといった感じで、日本の新幹線を思わせるような雰囲気だった。
 午後は長春市内観光の始まり。偽満皇宮(ぎまんこうきゅう)博物院、ラストエンペラー「溥儀」という人の住居などを見学。旧満州帝国の国民軍事部司法部、交通部、旧関東軍司令部なども観光したが、ほとんどが写真で、ガイドの人の案内もあまり飲み込めなかったというのが正直な気持ちだった。
 吉林省の省都・長春は都市としての歴史は比較的新しく中華人民共和国建国以後は、中国有数の自動車メーカー 中国第一汽車集団コンソーを設立。現在ではトヨタやマツダとも提携し、中国自動車産業界をリードしていると言われている。
 次の23日は10時15分、長春駅より旧満鉄路線の列車にてハルピンへ。13時7分、ハルピン駅到着。その後、ハルピン市内観光がスタート。松花江(しょうかこう)の遊覧、黒龍江省の大河の遊覧を楽しんだ。
 ハルピンの見所はほとんど市街区に集中されている。まずは中央大街と言われている東京の銀座通りを思わせるような通りを見物した。通りの端から端までが石畳になっていて、両側は商店街みたいになっており、かなりの買い物客でにぎわっていた。
 その他、ソフィスカヤ寺院、アムールトラの飼育場なども見学。バスで飼育場まで行き、その先は専用車にて飼育場に入った。見える人たちは、アムールトラを見た瞬間、思わず歓声を上げた。手は出さないようにとの指示があった。えさやり専用車が来て、トラにえさをやっていたのを見た人たちが一瞬びっくりした様子だった。アムールトラの赤ちゃん抱き体験も予定されていたが、体調との関係でキャンセルされた。
        (前編 終わり、次号をお楽しみに)

   【連載48】副都心線ホームドアの「車両番号・ドア番号点字案内表示」とその問題点
        北部  長谷川 貞夫
 「六点漢字の自叙伝」は、私が1995年3月まで筑波大学附属盲学校に勤めていたまでのことを東京ヘレンケラー協会の「点字サイエンス」に書いたものを基にして「こだま」に度々書かせていただきました。古いことは種切れですので、10月4日に東京メトロのホーム柵を点検してきましたので、それを紹介させていただきます。私は、もう寄る年なみですので、そろそろ「こだま」を引退と考えています。
 以下は、既にMLに書いたものの要点です。
 駅における安全のための「可動式ホーム柵」については、全国的に見ればまだまだ都市の一部の路線の問題のように思われるかもしれませんが、ホームの端の転落予防のいわゆる点字ブロックも30年前には大都市の鉄道駅を含め、全国的にはほとんど敷設されていませんでした。ところが、現在では私の知るかぎり鉄道のほとんどの駅に転落防止のための点字ブロックは敷設されています。これは、いわゆる「上野訴訟」の裁判結果によるものです。
 東視協の働きかけなどによりホームドア(可動式ホーム柵)についても、都営地下鉄大江戸線、JR山手線にもその設置予定があり、やがては可動式ホーム柵も点字ブロックのように全国に普及するものと考えます。そこで、全国に普及する前に問題点があれば指摘し、より安全で便利な鉄道にしていく必要があると考えます。
 本年6月14日に東京メトロ副都心線が営業を開始しました。
 実際に利用してみて、ホームドアがあるので安心して利用することができました。そして、都営地下鉄三田線やつくばエクスプレスのように、ホームドアにいつ「車両ドア番号・ドア番号」が表示されるかを注目していました。特に、この線は8両編成と10両編成の電車が混在します。それをどう表現するかについてです。
 それで、一部の駅に「車両番号・ドア番号」が表示されているということを聞き、10月4日にそれを確認しに行きました。確かに、小竹向原駅から渋谷駅に向かい、終点の渋谷駅を除き全駅のホームドアの左側に「車両番号・ドア番号」が表示されていました。

●「車両番号・ドア番号表示」の点字案内に西武線方面の案内が欠けている。
 副都心線には、東武鉄道東上線と西武鉄道池袋線の二つの路線が相互乗り入れしています。ところが、川越駅方面など、東上線への案内はあるのですが、西武池袋線の所沢駅方面へ行く案内は、小竹向原駅のホームドアだけにありましたが、他の駅には点字の案内はありませんでした。これでは視覚障害者は、西武線方面には行けないものと思ってしまいます。視覚のある人なら、駅のいたるところに書いてある行き先案内で、東上線だけでなく西武線にも行けることがすぐにわかります。

●点字案内表示の最初に、ここがどこの駅かを表示する。
 視覚障害者の場合、車内のアナウンスがよく聞こえないとか、聞き落として降りる駅名が不確実のままに降りざるを得ない場合があります。また、難聴の人なら車内の放送が聞こえない場合が多いかとも思います。ところが降りてみて、自分で今いる駅の駅名を確認する方法が現在はありません。
 そこで、点字案内表示の最初に、ここが何線の何駅で何番線であるかを示す必要があると思います。これは、非常に重要なことです。

●8両編成、10両編成の詳しい点字案内表示がありました。
 電車の編成が8両であったり10両であったりしますと、乗る電車の停車位置がずれて変わってしまいます。
 ところが、今回の表示では、各扉について10両編成なら何号車、8両編成なら何号車と案内してありました。
 もし、電車の先頭や最後尾で、電車が止まらない位置ですと、乗車するには、矢印の方向に行くようにの案内がありました。これは非常に親切な表示だと思います。
 可動柵のある鉄道で、8両編成、10両編成など複雑な相互乗り入れは、ここが最初かと思います。その意味でこの表示は、将来の基本的な表示になるかと思います。

   久しぶりに自転車に乗りました
        北部  織田津友子
 北部支部が毎年行なっている「タンデム車でサイクリング」は、朝 小雨が降っていたので心配する人もいました。雨も私たちの味方をしてくれて、やることが出来ました。東部支部、南部支部、千葉からも参加がありました。自転車でサイクリングを楽しんだ後、昼食はバーベキュー。ボランティアさんに焼いてもらい、私たちはビールやお茶を飲みながら舌鼓を打ちました。豚汁も作っていただき大満足でした。今回大楽さんの同僚である薄井忠さんが、初めて参加。感想を寄せてくれました。
 薄井忠さん:自分、初めて参加させていただきました。とても楽しい1日でした。どうもありがとうございました。一番印象に残っているのは20年ぶりに自転車に乗れたことです。とても気持ちよかったです。もう1つはバーベキューでいろんな人と食べながら話ができたことです。また参加したいです。これからもよろしくお願いします。

   教養講座で学びました
 9月の教養講座は、女性部が担当しました。池田澄子先生から、「生活の常識を学ぶ ー 冠婚葬祭」についてお話していただきました。冠婚葬祭を含め、日常生活の中で常識とされていることでも、その場に直面すると対応に困ることがあります。
 講座では、当たり前と思って暮らしていることについて、改めて確認したり、学ぶことができました。参加された中から、何人かの方が感想を寄せてくれましたので、編集委員会がまとめました。
 織田津友子さん:数珠の持ち方、献花の仕方、冠婚葬祭で最低必要なもの・常識を知ることができてよかったです。
 神作悦穂さん:祖父母の葬儀の時は家族任せ、友人の結婚式に行く時は友人任せでした。昔からのしきたりがたくさんあることを知り、私にとって貴重な学習の場となりました。
 杉田直枝さん:結婚式については、例えば花嫁より派手なドレスは着ないこと。葬祭の場合は、周りが静かなので尋ねたりすることにも気を遣うようだ。数珠を左手に持っていたが、そういう決まりであったかどうかを知らなかった。
 西原和子さん:献花の方法を学習できたのでよかった。講師の池田先生は素人っぽくて親しみを感じました。
 参考までに 通夜か告別式に参列する時に、香典袋は不祝儀洋の袱紗か地味な風呂敷に包んで持参する。結婚式に行く場合も同じ。通夜・告別式に参列する時に、黒いセーターは着ない。病気見舞いの場合、親しい間柄であれば、タオルやティッシュペーパーなど、身の周りのものでも喜ばれる。

 ★10月の講座は太極拳です。

   ありがとうコーナー (省略)

   役員会だより
 1.東京都障害者福祉会館図書室に新しい拡大読書器が入りました。東視協が要求してきたものですが、購入に当たり相談もありませんでした。
 2.「もう やめよう! 障害者自立支援法10.31大フォーラム」に参加します。
 10月31日午前11時、東京メトロ丸の内線 霞ヶ関駅 厚労省側改札 外 集合、各自昼食持参です。参加される方は事務所(03−6410−7118)までご連絡下さい。
 3.東視協慶弔規定を作りました。
 9月の役員会で決定しましたので、皆さんにお送りします。(別紙参照)

   日程情報
10/14(火) 鉄道の日交渉
  同     事務局会議
10/15(水) 障館相談・鈴木彰
10/16(木) こだま10月号活字版発行
10/18(土) 南部支部 日帰り旅行
  同     事務局作業
  同     ステッキーズレッスン
  同     青学部例会
10/19(日) 東視協役員会
10/20(月) 南部支部田町駅頭署名行動と例会
  同     手をつなごう代表者会議
  同     まちづくり委員会会議
10/21(火) 事務局会議
10/22(水) 障館相談・栗山健
10/23(木) 事務局作業
10/25(土) 事務局作業
  同     視覚障害者9条の会連続学習会
10/26(日) 北部支部カレンダー販売
  同     教養講座「太極拳」
10/27(月) かーなづーちレッスン
10/28(火) 事務局会議
10/30(木) 事務局作業
  同     こだま編集委員会
10/31(金) もう やめよう 障害者自立支援法10.31大フォーラム
11/1(土)  事務局作業
  同     東部支部例会
11/4(火)  サイトワールド見学
11/5(水)  障館相談・織田津友子
11/6(木)  事務局作業
11/7(金)  雇用をすすめる会
11/8(土)  こだま11月号点字版発行
  同     北部支部例会
11/9(日)  西部支部例会
11/10(月) 南部支部例会
  同     全視協情報問題会議
11/11(火) 事務局会議
11/12(水) 障館相談・山城完治
11/13(木) こだま11月号活字版発行
11/15(土) 事務局作業
11/16(日) 東視協役員会

   編集後記
 9月、10月と行事がたくさんあり、多くの会員の方が参加しています。文化の集いでは、オカリナ同好会、ステッキーズ、落語など大活躍でした。特に、落語の加藤厚実さんは、本物の落語家のようないでたちで会場を爆笑の渦に巻き込みました。
 文化の集いの感想を皆さんにいただいたのですが、紙面の都合上、1人6、7行(点字)にまとめさせていただきました。ご了承ください。また、好評の情報アラカルトも今月はお休みです。
 西原清松さんの旅行記は、いろいろなところに出かけている様子がよくわかり、勉強になりました。後半を来月号に掲載します。
 自立支援法見直しを求める「10.31大フォーラム」には多くの皆さんの参加をお待ちしています。(次号をお楽しみに)

(こだま365号 終わり)

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