こだま357号 2008年2月号


  目次
視点…1
2008年度東京都予算案について…5
駅ホーム転落事故ゼロの日行動…10
【特集】お正月の風景あれこれ…12
特養マッサージ師の国と東京都に対する要請行動報告…18
全国委員会に参加して…21
「反改憲」連続学習会のご案内…22
新会員紹介…24
教養講座受講…25
情報アラカルト…27
ありがとうコーナー…29
役員会だより…30
日程情報…34
編集後記…37
(目次 終わり)

  視点
 今年4月から後期高齢者医療がスタートする。高齢者ではないので、自分には関係ないと思っていた読者もおられたと思う。ところが、私たち障害者にも大きな影響を及ぼすことが、少しずつ明らかになってきており、その内容を皆さんとみていきたい。
 それは、医療改悪反対署名約二千万人の願いを無視し、2年前の国会で自民・公明によって強行されたことに起因するが、その内容は、@70歳以上の高齢者の負担を1割から2割に引き上げる、A75歳以上が対象の後期高齢者医療制度を創設する、B療養病床を6割の23万床に削減し、患者追い出しを図る、C混合診療の本格的導入により保険のきかない医療を拡大する、などが決められた。
 これらは、現在でも高い医療費負担で、高齢者をはじめ多くの患者さんは、生活費を削って何とか医療費を工面している中で、これ以上の負担増とベッドの削減は、必要な医療が受けられないという深刻な事態をもたらそうとしている。
 これら一連の改悪のうち、全く新しく創設され、私たち障害者の医療に最も密接に関わる後期高齢者医療制度についてみてみると、
 @後期高齢者は現在加入している国保や健保を脱退させられ、後期高齢者だけの独立保険に組み入れられる。このため、家族に扶養されていた人を含め、すべての後期高齢者が保険料を負担させられ、医療にかかればかかるほど、長生きすればするほど保険料が上がる。
 A年金が月15,000円以上の人は、年金からの天引きで保険料を徴収されるようになり、この結果、保険料額は政府の試算で全国平均 月6,000円にも上り、東京の場合はこの額を上回る負担となることがいわれており、介護保険料4,000円と合わせて毎月1万円を超える額が天引きされる。
 B従来、75歳以上の高齢者は、障害者や被爆者などと同様、保険料を滞納しても保険証を取り上げてはならないとされてきたが、短期保険証や、取りあえずは受診ごとに10割の医療費の支払いを必要とする資格証明書が発行されることになる。
 C後期高齢者とそれ以下の世代で、病院・診療所に払われる診療報酬が別立てとなり、後期高齢者の医療に取り組むほど経営が悪化し、高齢者の粗悪医療と病院追い出しにつながりかねない。
 では、なぜ後期高齢者医療が障害者の医療に関係するかというと、65歳から74歳の障害等級1級から3級の人などが、この制度の対象となるからである。対象者は自動的に、高齢者医療保険に移行するが、脱退および再加入が可能なので、脱退の今年度中の選択を急ぐ必要はなく国保などの保険料や医療費の3割負担と、高齢者保険料と医療費1割負担の違いは本人の所得で異なるのでどちらが有利かを確認してから決めればよい。
 ただし、障害者が高齢になればなるほど障害も重くなり、病院にかかることも増えるので、治療内容が粗悪になることが予想される、後期高齢者医療制度そのものを撤回させなければならないことは言うまでもない。
 この2年間の間、とりわけ、昨年の参議院選挙以降、国民の反撃が強まり、後期高齢者医療制度の一部の実施時期を、半年程度延期せざるを得ないところまで自公政権を追いつめてはきたが、このような小手先のその場しのぎの対策に惑わされることなく、東京をはじめとする各地域の障害者医療制度の存続と拡充を求めていくと共に、さらに闘いの手をゆるめず、国民全てが安心して医療にかかれる制度の充実を求めていくことが課題となろう。
      編集委員  野島潔

  2008年度東京都予算案について
      事務局  山城 完治
 東京都は1月17日に、2008年度予算知事原案を発表し、その後この原案に200億円の復活予算を組み込んで、6兆8560億円の予算案を編成しました。この予算案は、2月20日から3月28日まで行なわれる議会で審議され、正式な予算となる予定です。
 2008年度の東京都の財源は豊富です。都税収入が5兆5千億円で過去最高。これに、2007年度末にも4千億円近い黒字が出るといいます。都民の血と汗でつくったこのお金を使えば、増税と社会保障の負担増や、原油・物価高騰などから都民を守り、切実な願いを実らせる大きな力になるはずです。
 ところが石原都政には、その気配はみえません。福祉・暮らし・教育などの予算はできるだけ抑えて、オリンピックを口実にした三環状(首都圏中央連絡自動車道、東京外郭環状道路、首都高速中央環状線)の建設、さまざまな名目をつけての基金と称するお金のため込みに力を集中しています。
 福祉保健局の予算をみると、見かけは今年度より3.2パーセント増えてはいますが、実質は現状維持というところです。この予算には、今年4月から始まる後期高齢者医療制度に関わる費用が含まれています。これをのぞくだけで伸び率は1.3パーセントになります。自立支援法による私たちや障害者施設の負担増を軽減する施策は、国以上のことは全くありません。教育庁予算は減額、中小企業対策費もピーク時の55パーセントに抑えられています。「福祉・教育・都民生活にはぜんぜん、高速道路とオリンピック・ため込みにはどんどん」という感じです。
 一方で、巨額を必要とする投資的経費を7年ぶりに7千億円台に伸ばすなど、オリンピックをテコにした大型開発には予算を惜しげもなく注ぎ込んでいます。中でもオリンピック関連の予算には驚かされます。毎年1千億円ずつ積んでいる基金はいよいよ3千億円に。それ以外にも、社会資本等整備基金2613億円などなど。石原都政の10年後の東京計画のゴールは、2016年です。高速道路建設など批判の強い事業は、全てオリンピックの名で強行しようという構えです。
 もう一つ目立つのは、基金と称するため込みです。オリンピック準備基金やインフラ整備などのための基金に6964億円が充てられています。基金が全て悪いとは言えないものの、石原都政のそれは異常です。この2年間で2.6倍にふくらみ、過去最高の2兆9千億円になろうとしています。2兆9千億といえば、年間予算の42パーセントです。
 こうした中でも、都民の運動の予算への反映もあります。
 東視協が要求している都営地下鉄大江戸線への可動式ホーム柵設置に係わって、ホーム転落防止対策として5千万円が、特別養護老人ホームの視覚障害マッサージ師に対する補助金も予算化されています。また、精神障害者の都営交通パスの発行手数料の無料化、東京大気汚染訴訟の和解に伴う医療費助成31億円が予算化されています。
 石原都政は、オリンピックと共にパラリンピック開催を悪政の口実にしています。パラリンピックには誰も反対できないと踏んでのことでしょう。しかし、障害者のスポーツ環境はまだ貧しいというべきです。障害者のスポーツセンターは都内に2カ所しかありませんし、一般のスポーツ施設はなかなか障害者に開放されません。東視協の水泳サークル「かーなづーち」も講師謝礼の補助のために利用していた障害者スポーツ振興助成事業は、額が減らされ、申請の要件も厳しくなっています。庶民のスポーツをないがしろにして、オリンピック・パラリンピックは成功するのでしょうか。アスリートだけのものでなく、私たちのためのスポーツ振興を! この機会に大きな声で叫びたい、そして運動しようではありませんか。

  駅ホーム転落事故ゼロの日行動
      事務局  織田津友子
 上野孝司(たかし)さんが高田馬場駅ホームから線路に転落し、電車に巻き込まれて亡くなられてから今年で35年です。孝司さんの事故をきっかけに始まった点字ブロックの普及活動は、私たちの社会参加を拡大させました。東視協運動で実現した可動柵は、全国に広がっています。上野孝司さんの死を無駄にせず、忘れず伝えていきましょう。
 東視協は、全視協と共催で東急電鉄、国土交通省と交渉しました。以下に簡単に報告させていただきます。
  〈東急電鉄〉
 東急は民営鉄道の中で最も使いにくいと言われていましたが、交渉を重ねるうちに私たちの要求が少しずつ実っています。
 今回の交渉の最大の成果は、都営三田線、東京メトロ南北線に乗り入れている東急目黒線の車両にもドアの合わせ目に車両・ドア番号の点字表示が付くことになりました。三田線にドアシールが付いた時からの要求でしたが、やっと実現したのです。
 2つ目に、東急では有人改札口をなくし、誘導ブロック自動改札に案内していましたが、これからは駅改良等に伴い、カウンター式の有人改札を設け、そちらに誘導ブロックを敷設するとのことでした。有人改札は自動ドアの向こうですが、人を配置するということは画期的な成果だと思います。
 東急は交渉をする度に、私たちの思いが伝わっていくようです。
  〈国土交通省〉
 国土交通省では主にエスカレーターへの点字ブロック敷設について話し合いをしてきました。成果は全くといっていいほどありませんでした。省は「エスカレーターへの誘導は危険という障害者の声がある」といい、いつも利用している私たちの声を無視し続けています。いまやエスカレーターを利用しないと街を歩くことが困難なところもたくさんあります。この問題では、私たちが視覚障害者にアンケートをするとかして利用実態を知らせる必要があるようです。次のバリアフリー法改正までに何とかしなければと思います。
 行事の締めくくりとして、高田馬場駅でのけんか、その後の交流会と20数名の仲間が参加して無事行動を終えることができました。

【特集】お正月の風景あれこれ
 あっという間に2月になってしまいました。早いものです。今月は、年々変わるお正月の風景を3人の方の思い出を含めて書いていただきました。とても興味あるものばかりです。お楽しみください。
   ・・・・・・・
もういくつ寝るとお正月 ー そんな風景の子供のころのお正月
      東部  新井 康代
 岡山県の山の中の小さな村の正月。
 暮れになるとどこの家でも餅つきをします。秋に収穫した餅米で丸餅やあんこ入り丸餅、大豆の入った豆餅などをつくります。つき立てのお餅にあんこをまぶしたものを重箱に詰めて、近所2、3軒に配ります。しばらくすると近所からも同じものが届きます。そうやってお互いの味を楽しみます。
 我が家では、父と妹の3人で、大きな石臼に父がつくった大きなきねで餅つきをしました。こねるのは私だったので、きねに打たれるような気がして怖かったです。
 元旦にはお雑煮を食べますが、みんなで丸餅を食べる分だけゆでてから、どんぶりにお汁、野菜、そして必ずブリ・するめが入っていました。
 小学校低学年のころは、子供たち3、4人で近所を回りながら、変な声で「あけましておめでとうございます」と一斉に言います。すると戸が開いて、おばさんがみかんとお菓子を持って配ってくれます。それがお年玉だったんです。遊びでは、奴凧を揚げたり、バドミントンをしたり、女の子は鞠つきをすると、庭から飛び出した鞠は坂道からだんだん畑を転がってどこへ…!
 こんな田舎の正月を、もう 何十年も味わっていません。今はどんなお正月でしょうか。

  戦後茨城のお正月
     東部  高山 米子
 暮れの25、26日から近所が寄り合い、餅つきが始まる。餅米を洗い 蒸かし、大きな臼ときねで2人、小さなきねは3人から5人でかけ声をかけ合いつき上げる。まずは各家のお供え、餅米のお握り、あんこ餅、黄な粉餅、大根おろし餅、納豆餅とみんなでにぎやかにつくり食べる楽しい1日です。
 大晦日は、正月三が日は物を使わないということで、三日間のお雑煮とご馳走の準備です。元旦から三日間は男性の仕事で、井戸から若水を汲み上げ、それでお雑煮をつくる。女性はのんびり食べるだけ。
 言い伝えはいろいろありますが、うれしい三日間です。
 子供たちは足袋、げた、着物と真新しいものを着せられ、わずかなお年玉をもらい、カルタ取り・羽根つきに夢中で遊びました。お手つきなどで顔に墨を塗られたりしましたが、寒さも忘れて過ごしました。貧しい時代でしたが、心温かな古き良き時代の思い出です。

  今年のお正月に考えたこと
      北部  朝居 和歌子
 今年の私のお正月休みは、昨年祖母が亡くなったこともあり、静かなものでした。図書館で何冊も借り、お餅と少しのお節を用意して、駅伝や見逃していたドラマやアニメを見たり、のんびり過ごしました。主婦らしいことといえば、年末の掃除とお雑煮をつくったぐらいでしょうか…。
 この時期 患者さんと話題にするのがお正月料理、特にお雑煮のことで、中身を聞いてみると、その方の過ごされてきた場所やご家族によって少しずつ違いがあり、なかなかおもしろいです。私の実家は広島なので、かきが欠かせませんが、お醤油 味で、丸く切った大根、ニンジン、ゴボウ、しいたけなどの野菜、牛肉、かまぼこと、あれば穴子を入れて丸餅も煮てしまう、まさに雑煮(ざつに)でした。
 夫の方は、鰹だしのおつゆに正月菜と焼いたお餅を入れ、上から鰹ぶしをかける、わりとシンプルなものです。こちらの方がつくりやすいので、この頃はずっとこれです。
 今回 たくさんあった白菜で試してみたら大失敗。たぶん私が下手なだけだと思いますけど、ベーコンを入れた洋風の方がおいしくいただけました。いつかは母のような味が出せるようになりたいです。
 クリスマスを祝い、除夜の鐘を聞き、初日の出を見てお宮参りをする、八百万の神を祈るいかにも日本人的考え方が、なんか好きです。実家の近所に除夜の鐘をつかせてくれるところがあり、108回を超えても続けられていました。その足で氏神様にお参りにも行きました。9条があるからこそ平和に過ごせるのでしょう。お互いの違いも認め 尊重しながら議論し 前に進む、そういう社会が広がればよいなと思います。まずは、身近な人と仲良く過ごし、小さな幸せを積み重ねながら、今できることをがんばっていきたいです。

  特養マッサージ師の国と東京都に対する要請行動報告
      特マの会  稲垣実
 1月21日に東視協と特養マッサージ師の会で東京都と厚生労働省に対し要請行動を行いました。参加者は、16人(うち東視協会員6人)で千葉や静岡からも参加がありました。東京都には、特別養護老人ホーム経営支援補助事業の継続・拡充と、視覚障害者マッサージ師が働き続けることのできる環境づくりについて要請しました。また、それぞれの職場の現状を参加者が訴えました。
 担当課長の回答は「視覚障害者マッサージ師の補助事業についての予算は復活予算の対象になっている」とのことでした。回答を聞いて全員、あ然ぼう然となりました。原案では通らず復活に回されているとは、単年度事業になって初めてのことです。全員 意気消沈して席を立ちました。しかし午後になり東京都から連絡が入りました。担当課長が「補助事業について私のまちがいで、視覚障害者マッサージ師補助事業の予算は原案通り通っていました。申し訳ありませんでした。」と謝罪の電話でした。
 どうしてまちがいがわかったかというと、私たちが要請の後、各政党に要請の報告をしたとき、復活予算に回されていることを訴え予算が通るよう協力を依頼しました。政党の受付担当が関係議員に報告し議員から原案通り通っていることを指摘されたようです。議員からは「団体の皆さんが心配しているから説明をするように」と言われてあわてて何回も連絡をしたようです。
 担当課長がこのありさまでは、もし要請に行かなければ補助事業は自然消滅してしまうと感じました。それと同時に継続して要請行動を行なっているので、私たちの要請内容について知っている議員もいるのだと思いました。
 厚生労働省には、個別機能訓練加算の介護報酬単価の引き上げや視覚障害者が働く現状について訴えました。個別機能訓練加算制度になってからは、マッサージや訓練の人数が増え 記録を自宅に帰って書いている。墨字の記録を書いてもらえるような協力体制がとれるような職場環境ではない。現在の介護保険制度の問題が職場環境を悪化させ、弱い立場の私たちに影響していることを訴えました。担当係長の回答は「介護保険の問題点については来年の介護報酬の見直しで検討されるでしょう」との回答でした。

  全国委員会に参加して
      西部  栗山健
 「ただ今の提案について、発言のある方」…
 「大阪」、「茨城」、「新潟」…
 重点要求の実現目指す運動の提案に、次々に発言を求める声。
 今回、初めて参加しましたが、出席したほとんどの全国委員がそれぞれ活動の経験や成果、今後の課題、提案に対する質問・要望などを発言しました。
 「障害者自立支援法」では、「応益負担中止」署名を、「集約数」を上回る活動をしたこと。あはき無資格営業を告発した山梨・埼玉の発言、「まちづくり」での「大都市以外の、地方のまちづくりの政策を」求める発言。「情報保障」での銀行との交渉(広島)など、活発な討論でお互いの取り組みに確信と勇気を与えた会議だったと思います。
 みんな積極的で、発言は保障したいし時間はオーバーするし、もう議長はコリゴリです。

  「反改憲」連続学習会のご案内
      視覚障害者9条の会  橋本 宗明
  〈開催の趣旨〉
 「9条問題」に対する人々の態度は、おおよそ3つに分かれます。
 @9条を守ろう、守れる、と考える私たちのような立場です。
 A自衛軍を持つことが日本の安全保障に不可欠だと主張する人々です。
 Bそしてここが最も多いと思うのですが、「まだよくわからない」と思っている人々です。
 私たちは、こうした特にまだ態度を決めかねている人々に訴えかけることにより、武力を持たずに平和をつくり出す大きな民意の流れをこの日本につくらねばなりません。はたらきかけるため理論武装し、元気を出すため、とても良いテキストがありました。これを勉強して、特に「よくわからない人々」に話しかけていきましょう。点字またはDAISYのテキストを買ってもらうこと、2カ月に1回学習会に出てくること、この2つで良い準備ができます。ぜひこの集まりにご参加ください。
  〈実施要項〉
 主催:視覚障害者9条の会
 日時:2008年2月23日(土)午後6時〜8時。これ以後、原則として偶数月の最終土曜日に行い、5回を予定。
 場所:東京都障害者福祉会館
 テキスト:『武力で平和はつくれない ― 私たちが改憲に反対する14の理由―』(市民意見広告運動編) 点字全3巻 1,000円、FD 500円、DAISY 1,000円。
 申し込み・連絡先:事務局の田中(電話048−285−9935)まで。
 進め方:各自前もって下読みし、みんなで読み合わせをしながら話し合いを深める。

  新会員紹介
 今年、東視協に新しく入られたお二人に自己紹介をしていただきます。今月は 駒形美智子さんです。皆さん、よろしく。
    ・・・・・・・
 こんにちは! 1月から入会させていただきました駒形です。昨年8月の姉の葬儀の際は皆様のご厚情に熱くお礼申し上げます。百箇日が済み静かな生活に戻りました。我が家は二人姉妹でしたのでこれからは私が両親の心配をしなければなりません。今までのように会社で電話交換手の仕事をして、余暇は自分だけの時間という訳にはいかなくなりました。
 思案している時に歌声喫茶があると知り参加し、皆さんに元気を分けていただきました。多数の皆さんと交流しながら知識や情報を得るのが良いと気づき、入会させていただきました。先日の新年の集いに参加しましたが、とても楽しい雰囲気で良い判断をしたと実感しました。事情で行事などにどの程度参加できるかわかりませんが、よろしくお願いいたします。

  教養講座受講
      西部  橋本 宗明
 1月27日三田の障館で「後期高齢者医療保険制度の解説の講義があるというので、本当に久しぶりに参加しました(何しろ私も夏には77歳になるのですから)。講師は都側推薦の参院法制局第2部第2課長小林仁さんという方でした。内容は医療保険制度の基本説明と、それを踏まえた新制度の説明でした。向こうサイドの人がここまで言うかと思うくらい良い話でした。
 病気には多額な医療費がかかる、だからみんなで病気でない(若い)時から少しずつ出し合っておき、いざという時に備える、それが保険の基礎だというのです。(もっともです)さらに言います。「年をとれば稼ぎはなくなる、逆に病気は増える、そういう人たちを集めて1つの保険制度をつくることにはそもそも無理があると私は思う」とはっきり言うのです。
 またこうも言いました。「行政は転がしてみて少しずつ手直しをしてゆく訳だから、現場から声を上げないとよくならない」と。私はこの課長さんに「人間の完成」を明確に感じました。「人が仕事をしている」と思いました。
 多くの役人は仕事の向こう側に人間を感じません。まるで「ロボットが仕事をしているような無表情な、というより無機質な機械的な「仕事」です。
 帰りにもらったアンケート用紙に希望項目を書く欄があり、私は靖国神社の概論をそれも神社側からの立場のコメントが欲しいと書きました。取り上げられる可能性は皆無でしょうけれど。

  情報アラカルト
 1.演劇情報
 (1)「歌わせたい男たち」 朝日舞台芸術賞グランプリ・読売演劇大賞最優秀作品賞 受賞作
  出演:戸田恵子 他
  場所:新宿東口 紀伊国屋ホール
  公演日:2月29日から3月23日(火曜日は休演日)。
  料金:一般 5,000円(前売り開始しています)
 この芝居は、「入学式、卒業式等における国旗掲揚および国歌斉唱実施について」という通達によって、これに反対する先生たちの大量処分を受けたことを舞台劇にしたものです。
 お問い合わせは二兎社 03−5638−4587
 (2)「長崎ぶらぶら節」
 日時と場所:3月4〜10日、東京芸術劇場中ホール
 料金:A席 4,000円、ユースチケット 3,800円(全席指定、税込み)
 この作品はなかにし礼のものです。

 2. 2月の教養講座のご案内
 日時:2月24日(日)13時30分から16時
 場所:国立ハンセン病資料館
 テーマ:誤解や差別を超えて ― 施設見学とハンセン病患者・回復者の歩みから学ぶ
 説明者:佐川修氏 国立ハンセン病療養所 多摩全生園(ぜんしょうえん)自治会長
 講座では、施設見学とお話をいろいろ聞きます。
 直接行かれる方は、西部新宿線久米川駅もしくは西部池袋線清瀬駅からバスに乗り、国立ハンセン病資料館前で下車、午後1時までにおいでください。一緒に行かれる方は、午前11時20分 JR高田馬場早稲田口においでください。11時45分発西武新宿線に乗りますので時間厳守でお集まりください。連絡は担当の織田津友子(080−1027−9836) または山城(090−9012−3532)にお願いします。

 ありがとうコーナー (省略)

  役員会だより
 1.今月は、2月2日〜3日に障害者会館で行われた、全視協全国委員会の報告をします。今回、栗山さんと2人で参加し、栗山さんが議長をやってくれました。詳細については、点字民報で報告がありますので、ここでは役員会で討議して、東視協の意見として発言したものを記します。
 (1)会員・点民拡大について
 全視協 兵庫大会以降、6組織が会員を増やしたということで、拡大の方法が紹介されました。まず知り合いから声をかける、イベントを企画し誘う、飲み会の席で拡大をして、その後もフォローをきちんとする、毎月の役員会で必ず議題にするなどの発言でした。東視協の組織委員会の活動、リーフレットの作成と配布の状況を話しました。リーフレットは大変好評であることも付け加えて、参加者全員にさしあげました。点民の拡大については、この間 東視協が15部拡大したことをしっかりアピールしてきました。誌代の集金が大変なので拡大するのを躊躇してしまうといった発言もありましたが、重要な機関誌なのでいろいろな人に購読を勧めましょう。
 (2)事務所維持のための財政活動について
 ここでは、収入を増やし支出を減らすということが大きな議題です。東視協をはじめ、全視協予算の半分強が点民に支出されるのはおかしいとの意見が多く聞かれました。東視協からも高い印刷費をかけず、手作りにする、ページ数も減らして誌代を100円に値下げしたらどうかと意見を出しました。点民を再度有料にする、隔月化にして全視協ニュースのようなものを出すなどなど。全視協の会費値上げ、会議をスカイプでやったらお金がかからないなど発言がありました。
 (3)今後半年間の活動について
 憲法9条を守る運動は活発で、北海道が3月に視覚障害者9条の会が発足し、広島も間近ということでした。東視協が担当するまちづくり集会のことで、内容的に参加しようという気にならないと手厳しい意見が出され、まちづくり委員会を中心に、みんなですばらしい集会にするためにがんばりましょう。あはき関係では、東京モード学園のはり・灸科設置反対要請はがき運動が提起されました。私たちもこの 取組みを強めましょう。
 (4)点字プリンター購入について
 全視協事務所のプリンターが故障し、活動に支障をきたす状態です。これを改善するために、点字プリンター(400万円)を購入することを提案されました。高すぎる、もう少し安いものでもいいプリンターはある、カンパはなかなか集まらないなどのやり取りがされた結果、これまでにもらったカンパ170万円、雇用助成金150万円、残り80万円を全視協会員にカンパを呼びかけることに決まりました。
 最後に、東視協から議案書作成について要望を出しました。今回の議案書にも、「当日発言」とありますが、意見など出せないので できるだけ具体的に書いて欲しいと要望しました。
 2.第1回定例都議会開会行動日のお知らせです
 2月20日(水)に、第1回定例都議会が開会されます。昼休みの時間帯に開会日行動が行われます。東視協も参加しますので、都合のつく方は ぜひご参加ください。待ち合わせは午前11時45分 JR 新宿駅 西口改札を出たところです。参加できる方は、事務所03−6410−7118までお願いします。
 都には有り余るほどのお金があるそうです。豊かな財源を都民のために使わず、大型道路やオリンピック招致のための積み立てはばっちりです。私たちの怒りをぶつけましょう。

  日程情報
2/11(月) 障都連都民集会
2/13(水) 障館相談・織田津友子
2/14(木) こだま2月号活字版発行
2/16(土) 事務局作業
  同    ステッキーズレッスン
  同    青学部例会
2/17(日) 東視協役員会(事務所)
2/18(月) 南部支部例会
  同    革新都政をつくる会 都民要求実現を目指す集会
2/19(火) 事務局会議
2/20(水) 都議会開会日行動
  同    障館相談・鈴木彰
2/21(木) 事務局作業
2/22(金) 社会参加推進会議
  同    組織委員会
2/23(土) 事務局作業
2/24(日) 教養講座「誤解や差別を超えて ー 施設見学と、ハンセン病患者・回復者の歩みから学ぶ」
2/25(月) かーなづーちレッスン
2/26(火) 事務局会議
2/27(水) 障館相談・栗山健
2/28(木) 事務局作業
  同    こだま編集委員会
  同    まちづくり委員会
3/1(土)  東部支部例会
  同    ステッキーズレッスン
3/1・2(土日) 東視協1泊旅行
3/3(月)  点民編集委員会
3/4(火)  事務局会議
3/5(水)  障館相談・織田津友子
  同    障都連三役会議
3/6(木)  事務局作業
3/7(金)  雇用をすすめる会
3/8(土)  こだま3月号点字版発行
  同    北部支部例会
3/9(日)  西部支部例会(予定)
3/10(月) 南部支部例会
  同    全視協情報委員会(予定)
3/11(火) 事務局会議
3/12(水) 障館相談・山城完治
3/13(木) こだま3月号活字版発行
3/15(土) 青学部例会(予定)
  同    ステッキーズレッスン
  同    障都連代表者会議
3/15・16(土日) 東視協役員研修会

  編集後記
 2月17日は、東京マラソンの日です。障館は今年お休みとなります。皆さん、お気をつけください。
 2月より東視協事務所の部屋番号がサンサーラ大塚201から202に変わります。部屋そのものは変わりませんが、集合郵便受けの関係で変わるものです。よろしく。

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