こだま348号 2007年5月号


  目次
視点…1
雨のメーデー! …4
春本番 ― ブロック活動あれこれ…7
立ち向かう病マ連運動! …17
首都圏ICカードシステム「パスモ」と「スイカ」の相互利用について(2)…19
【読者投稿】 「6年を費やした走り旅」…24
【連載36】「失敗の末やっと手に入れた漢字の使えるパーソナルコンピュータ(1)…26
情報アラカルト…28
ありがとうコーナー…34
役員会だより…34
日程情報…37
編集後記…40


  視点
 今年は、憲法施行60周年の年である。私の手元に童話屋編「新しい憲法の話(2001年復刊)」という本がある。この本は、憲法が施行された1947年に文部省(当時)が中学1年用社会科の教科書として編纂したものだという。これによると、例えば「国際平和主義」は以下のように説明している。
 「自分の国のことばかりを考え、自分の国のためばかりを考えて他の国の立場を考えないでは世界中の人が仲良くしていくことはできません。世界中の国が戦をしないで仲良くやっていくことを国際平和主義といいます。」
 教科書では、これに続き、この国際平和主義の考え方が憲法前文や第9条に力強い言葉で書いてあるとも述べている。実に明快であり、安倍首相やブッシュ大統領に読んでもらいたい資料である。
 憲法9条は、一切の戦争と戦力の放棄 交戦権を否定している。世界では今、国際社会の平和秩序を作っていく上での指針として9条を評価する動きが広がっている。例えば、Gパック「武力戦争予防のためのグローバルパートナーシップ」の国際会議が採択した「世界行動宣言」(2005年7月)」や国際民主法律家協会第16回大会が採択した「日本国憲法第9条についての決議(同年6月)」などである。
 ところで我々国民にとって、もっとも関係深いのが憲法25条である。
 「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国はすべての生活部面について社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に勤めなければならない」
 我々はこれまでに朝日訴訟、堀木訴訟をはじめ、社会保障裁判を国との間で闘ってきた歴史を持っている。そして、この拠りどころとなったのが憲法25条の「生存権保障」の規定である。昨今の生活保護家庭、母子家庭、高齢者や障害者関連予算の削減に対し、我々は今こそこの25条を高く掲げて「権利としての社会保障の実現」を迫っていく必要があるだろう。
 私は、去る5月3日に開催された日比谷公会堂での憲法施行60周年記念集会に、全視協の仲間たちと参加した。今年の参加者は6千人ということで、例年より多かったようであるが、その理由は改憲の動きを強める自民・公明政権に対する危機感の表れであろう。今、開会中の国会では国民投票法案(改憲手続き法案)の強行採決がねらわれている。政府案は最低得票率の規定すらなく、2割程度の賛成で改憲がなされるという。これは国の「最高法規(98条)」としての憲法をあまりにも軽視した思想ではないか。更に安倍首相が「自分の内閣で改憲への道筋をつける」と公言したのは明らかな憲法違反の行為である。すなわち、憲法99条は首相をはじめ、公務員に憲法尊重擁護の義務を課しているのである。
    編集委員会  田中 章治

  雨のメーデー!
    北部  織田 津友子
 第78回中央メーデー、第40回障害者メーデーは、あいにく雨模様となりました。私たちは400名が参加した障害者メーデーに参加しました。
 障都連の小林会長から、石原知事の再選により、「新たに私たちの闘いをスタートさせなければならない、障害者や社会を支えている人たちが気持ちを一つにして、がんばっていこう」と話がありました。また憲法改悪を許さないという狼煙を大きく上げていこうではないかと言われました。そして色とりどりの傘の花を開き、「憲法改悪反対、9条を守れ、応益負担を中止せよ」などとシュプレヒコールしながら、デモ後進しました。
 さて東視協の参加者は、代々木公園でシートを敷いて行事が始まるまでおしゃべり談義! 今回初参加を楽しみにしていた杉田さんは、なぜかガイドヘルパーさんとの待ち合わせの時間を間違えて、参加を断念。それを受けて「晴れ女の杉田さんが来ないから雨降っちゃった」「雨が降るのを察知して、杉田さん、来なかったんじゃないのかなあ」と井戸端会議の1番手に乗せられる。前日のかなりの暑さをそのまま引きずって、薄い半袖上着の織田洋さんに対し、「風邪ひくよ」と言われ、「山城さんの2代目になるから」とすかさず切り返すものの、負け惜しみ見え見えでした。「ビール飲むか?」と黒岩さんは誘いをかけるが、誰も乗らない。(山城さんはビラ撒きでいなかった) たこ焼きと作業所のクッキーを食べてしばし寒さグッドバイ! 私は山城さんから連帯の挨拶の準備をしておくようにと言われ、さらりと簡単に話そうと準備していたが出番はなかった。ほっとするやら、私のことをちゃんと見極めているのかなあと思った一瞬だった。
 今回は本来のメーデーの様子だけではなく、参加者がどんなふうにしていたかを紹介しました。いかがでしたか?
 メーデー参加者は(敬称略)、織田津友子・織田洋・黒岩瀧市・佐藤直子・田崎博芳・田中章治(ジョエル)・西原和子・山城完治、他1名でした。

  春本番 ― ブロック活動あれこれ
 (やっと暖かい春がやってきました。時々雨が降ったり、急に寒くなったりしますが、ブロック活動も春を迎えたようです。今月は、各ブロックのブロックならでわの活動を紹介いたします。)

  南部ウォーキング ― 平和行進
    南部  田崎 博芳
 南部ブロックのウォーキングは、昨年は港区役所から川崎市まででしたが、今年は夢の島から港区役所まで行いました。
 5月6日雨の中、12時30分から国民平和大行進の出発式が行われました。
 今年は1958年の第1回平和行進から50回目の国民平和大行進が、第五福竜丸展示館のある江東区夢の島から広島へ向けて出発しました。今年の通し行進者は広島までの竹田昭彦さんの1名でした。この人は今回で5回の通し行進をやっているそうです。全体の参加者は800人でした。若い人が参加していたのが、目につきました。
 南部ブロックからは、黒岩さん、山中さん、田崎の3人と北部の阿部さん、ボランティア1名、全視協からは岡村さん(埼玉)、上村さん(千葉)の2名でした。
 雨の中、港区役所まで、「ノーモア 広島、ナガサキ、被爆者」「核兵器をなくせ、非核の日本を」「被爆者の原爆症を認定せよ」「憲法9条を守れ」のシュプレヒコールとともに行進しました。途中からは傘が雨漏りするような状態で、港区役所には約30分遅れて18時に到着しました。
 到着後、岡村さんの「団結、がんばろう」を唱和して終了しました。

  多摩川お散歩会
    西部  中丸 忠次
 4月30日(日)25度くらいはあったでしょうか、汗ばむくらいの暖かな一日でした。連休で行事が立て込んだせいもあってか? 参加者はチョット寂しい会員5名、他3名の計8名でした。小板橋・加藤・吉田・樽谷・平山そして中丸&淳子&恵理菜です。
 待ち合わせは、吉田さんの我が家のある中河原に10時30分に集合。さすがに最もお近い吉田さんは遅れませんでしたね!!??
 「府中郷土の森公園」へいざ出発。鎌倉街道を歩きながら途中でホカホカ弁当を購入して、関戸橋付近から多摩川沿いのサイクリングロードに入りました。左側は道路、右側は多摩川なのですが、なにぶん視覚のない私たちには川の存在は確認されず、川風が僅かにそれと感じられるだけでした。おまけに歩いている右側をブンブンと自転車が走り回っていますので、イライラして早く公園に着かないかなあーと気をもんでしまいました。小板橋さんも、確か 看板には歩行者優先と書いてあるのに自転車族め、とぼやいておりましたね。
 約1時間弱で公園に到着。そんなに広い公園ではないけれど博物館やプラネタリウム、道路を挟んだ向こう側は、多摩川沿いに広場があり、そこではたくさんのバーベキュー族で押すな押すなの大にぎわいでした!! 吉田さんが、今度はぜひバーベキューで一杯やりたいなあーと、つぶやいておりました? (おっと 一杯は私の付けたしでした。)公園に着いた時、武蔵野太鼓の公演を聴きました。
 お昼になったので、芝生で各自のお弁当を広げてワイワイがやがや楽しく昼食をいただきました。恵理菜も徐々に皆さんと打ち解けて、特に吉田さんと加藤さんには可愛がってもらいました。携帯で写真を撮ってもらったり吉田さんと飲み物を買いに行ったり、本当にありがとうございました。
 昼食が済んでから戦前から使用していた市役所や郵便局、その他昔の民家などを見て歩きました。帰りは府中まで約40分程歩きましたが、途中、武蔵野線の府中本町のイトーヨーカ堂で休息しました。それから大国魂(おおくにたま)神社の境内を歩いて抜けました。境内では関東三大祭りの一つ「暗闇祭り」の準備をしている様子でした。子供の頃からこのお祭りには、毎年のように家族で来ておりましたので、視力があった昔の映像を思い浮かべてちょっぴり感傷にふけってしまいました。
 最後に吉田さんの案内でカラオケに行きました。私の家族は武蔵野線で西国分寺に出て帰宅しましたが、カラオケに行きたがっていた恵理菜でしたので、ちょっと心残りでした。

  みんなでバーベキュー!
    東部  古川 ゆり
 レディース、アンド、ジェントルマン! お待たせいたしました。東部ブロックの古川です。
 5月6日、雑草の会事務所でボランティアさんを含む総勢15名の紳士淑女が、バーベキュー大会という餌につられて、席についたのでございます。
 以下各賞受賞者を紹介します。
・・・・・・・・・・・
内藤 勉さん:日本酒の買い出しに出かけて、しっかり道に迷って携帯電話で救助、「内藤さんで賞」。
梅村 秀さん:お酒が入っても最後まで大きな羽目を外す事なく、いつも皆さんが頼りにしておりますので「縁の下の力持ちで賞」。
菅井さんご夫婦:場を盛り上げ、夫婦漫才だったお二人には「ご馳走様でした賞」。
平井久子さん:差し入れに秘蔵のワインをご提供、パーティの品格を一気に上げて下さったので「宴の彩りで賞」。
滝沢由紀子さん:再就職に向けて決断し、職業訓練を始めたので「人生の花道切り開きま賞」。
神作悦穂さん:こちらも再就職を始められ、研修期間中とのこと、「めざせ社員権獲得で賞」。

 さて、宴も後半に差し掛かり、北から南まで、日本列島縦断故郷お国自慢ならぬ、民謡大会となりました。
望月義永さん:知ってるヤツは歌えー!とばかりに、お酒の入りが良かったためか(?)出るわ出るわ民謡尽くし!「人間民謡国宝で賞」
内田邦子さん:見事なアルトで参入、切り込み隊長を務め、合戦の幅を広げたので、「鶴の一声で賞」。
中山さん(ボランティア):慣れない土地で北に迷子の盲人が有れば一緒に迷い、南に倒れた酔っ払いの盲人が有れば付き添いサポート、「功労賞」を授与。
高安さん:本日の腕利きのシェフ。ステーキで「素敵で賞」。
高安さんの奥さん:笑顔で雑事のサポートにいそしんで「大黒柱で賞」。
お父さん:「あんたが大将で賞」。
板垣敦子さん:明るい会話でパーティを盛り上げてくれたので、「コミュニケーション潤滑油で賞」。

 高安さんの料理は前菜があまりに美味しかったので、焼肉にまで届かない焼肉難民も出しました。(えっ? 私だけ?)焼肉パーティで素人の焼く肉に期待したことのなかった古川ですが、この日のお肉は一味違う! やわらかーい! ミディアム! と、男女を問わず皆さんの熱い絶賛を一人占めしていました。
 最後に古川の近況をひとこと。この原稿を書いているさ中、就職の2次面接に。この次は就職ということで、皆さんにご報告できればと思っています。

  新宿御苑で交流会!
    北部  織田 洋
 4月30日、北部ブロックは森林浴とおしゃべり交流が目的で新宿御苑に出かけました。当日はかなり暑く、参加者の野口さんを待たずに出発したために、公園の入口付近で足止め状態となりました。
 参加者がそろって、「さあ! 楽しくやろう」ということで大きな木の下にシートを広げ、まずはゲーム。自分がすわっている場所から動かず何人の人と握手できるかというゲーム、歌に合わせてお隣さんの肩をたたくゲームなどで少しの間、子どものように楽しみました。その後持ってきたお弁当タイム。おしゃべりしながら何と美味しかったこと。満腹状態になったところで園内の散策にレッツゴー!! 花や木に触ったり、団子屋さんのところでは店先の階段に腰をおろし、美味しい串団子にかぶりつく。これまた最高(野口さんは餅や団子が大嫌いなので恨めしそう)でした。
 今回、南部の西原清松さんが参加してくれたことと、会員外の伊藤さん、吉田さんが参加してくれました。また一緒に出かけましょう。参加者13名(うち北部7名)

  立ち向かう病マ連運動!
    南部  大楽 スミヨ
 4月8日の日曜日、豊島区立雑司が谷地域文化創造館において、病マ連総会が行なわれました。
 総会では、病院マッサージにかかわるこれまでの運動はもちろん、特養老人ホーム介護施設のマッサージ問題にも取り組む提案と、それに伴う規約改正や、国会請願署名の見直しが、全会一致で採択されました。
 また、民医連マッサージ部会の協力で、全国の民医連から署名の協力が得られるようになったという嬉しい報告もありました。
 役員改選では残念ですが、小日向光夫さんが一身上の理由でおり、岩手の菊池弘さんと、東京の野口忠さんが新たに加わってくださいました。
 総会後は実技実習に移り、中沢進先生による「劉勇(りゅうゆう)のマッサージテクニック」から50肩の手技療法を学び盛り上がりました。
 9日月曜日は、国会議員要請の後、午後2時から厚労省交渉でした。そこで収獲が一つ。厚労省は視覚障害でマッサージ師として勤める人の事務処理に介助制度があることを、企業に指導するようにと、全国のハローワークに通達を出すことになったとのことです。4月中に出すということでしたから、今頃は各ハローワークに届いた頃でしょうか。
 私も早速、問い合わせをしましたが、まだ返事をいただいていません。皆さんもぜひ行動を起こしてみませんか?

  首都圏ICカードシステム「PASMO(パスモ)」導入と「Suica(スイカ)」との相互利用について(2)
  西部  加藤 厚実
 3.お得なサービス
 PASMOを発行する事業者によってサービスの内容は多少異なりますが、電車やバスを利用するごとに、また各私鉄のグループ加盟店で買い物をする度にポイントが付与され、一定のポイントが貯まると、PASMOチャージ額として還元されるサービスを行なっている事業者もあります。私鉄やグループ加盟店などを多く利用される方にとっては、お得なサービスといえるのではないでしょうか。
 また、これとは別にPASMO・Suica共通のサービスとして、指定されたバス事業者のバスを利用した時に、その月の利用額に応じてポイントが付与され、一定のポイントが貯まるとやはり、カードチャージ額として還元されるバス利用特典サービス「バス特」等も設けられています。詳しくは、最寄りの駅、またはバス事業者にお問い合わせください。

 4.バスでの利用方法
 鉄道での利用方法についてはすでにSuicaでおなじみかと思いますが、バスでICカードを利用する際は、次のような方法で取り扱います。
 あ。運賃前払い方式(均一運賃制)の場合
  乗車時に1度だけ、PASMOをカード読み取り部にタッチさせてください。
 い。運賃後払い方式(区間運賃制)の場合
  乗車時と降車時にそれぞれPASMOをカード読み取り部にタッチさせてください。いずれの場合もうまくタッチできれば「ピピッ」、エラーした場合は「ピピピピッ」という音がします。尚、PASMOで身障者割引を利用する場合は、運賃を支払う前に必ず、乗務員に身障者手帳を見せて申告してからPASMOをタッチさせてください。

 5.使い勝手について
 始めに、PASMOにはSuicaと同様、オプション(無料)で音声案内を設定することができます(音声案内の内容はSuicaと同じ)。
 PASMOとSuicaは相互利用ができますので、どちらか一方のカードを1枚持っていれば、運賃をあらかじめ知らなくても首都圏一円の公共交通機関は、ほぼ利用できるのですから、とても便利で画期的なことだと思います。
 電子マネーについても同様に、相互のエリアで共通利用できますので、PASMO対応の飲食店でSuicaを、その逆にSuica対応の自販機でPASMOを使うことができます。さらに自動券売機でチャージする場合も、双方のテンキー付き自動券売機で行なうことができます。
 また、バス車載機では、千円分のみチャージができます(但しICカード内残額が1万1円以上ある場合はバス車載機ではチャージできません)。
 尚、PASMOは当分の間、仙台及び新潟地区のSuicaエリアでは使用できませんのでご注意ください。また3社以上の路線を乗り継ぐ場合や、A線の駅から乗ってB線を経由して再びA線に乗り継ぐなど、複雑なルートで乗り継ぐ場合、磁気乗車券を購入した方が安くなるケースもありますので注意が必要です。
 せっかく小児用や記名式のカードができて便利になったICカードシステムですが、障害者が介護付きで鉄道を利用する場合は、相変わらず子供切符を買わなければならないのが難点ですね。このあたりの手間は、バリアフリーの考え方にいくらか反しているように思えるのは私だけでしょうか。
 尚、介護付きで定期券PASMOを購入する場合に限り、身障者割引が受けられるようです。詳しくは最寄り駅にお問い合わせください。
 以上、簡単ではありますがまとめてみました。少しでも皆さんのご参考になれば幸いです。
 インターネットをご利用になれる環境の方は、「PASMO」について、
http://www.pasmo.co.jp/
「Suica」について、
http://www.jr./co.jp/suica/index.html
も併せてご覧いただければ幸いです。

【読者投稿】 「6年を費やした走り旅」
    南部  野島 潔
 高曇りの5月末の朝6時、私の勤務する大田病院前を「みんなで走ろう 中山道」の横断幕を掲げた総勢20数名の職場の仲間は、五街道の起点であるお江戸日本橋に向ってスタートした。たぶん、これを見た地域の患者さんたちは、その異様な集団に目を覚まされたに違いない。これが、日本橋から京都三条大橋までの534キロの旧中山道にこだわって、走って行く旅の出発風景であった。
 東山道とも呼ばれる中山道は69次。日本橋から板橋、さらにJR高崎線に沿って北上、高崎を通過した頃は、柿の実が赤く空に映え、日が沈んだ碓氷峠(うすい)の山道では、山猿に囲まれ、翌朝軽井沢から第25回全視協 埼玉大会に参加したことを思い出す。
 全 行程の半分を過ぎたあたりの有名な妻籠(つまご)、馬篭(まごめ)では、観光客で賑わう石畳の道を脱兎のごとく駆け下り、「木曾路はすべて山の中である。」の書き出しの「夜明け前」の著者、島崎藤村記念館もあっという間に通り過ぎていた。
 天下分け目の決戦で有名な関ヶ原付近では、周辺の山々が初雪となった氷雨の中を震えながら走り抜けたことも、今となっては楽しい思い出となった。
 そしてついに、鯉のぼりが悠然と泳ぐ5日午後6時、私の白杖を露払いに、ランナーズ9条の会のユニフォームの一団は、京都9条の会ののぼりに迎えられ、三条大橋を渡り抜け、全 行程を走り通した2人を中心に、辺りにかまわず完走の喜びの雄叫びをあげ、そのまま加茂川の河原で完走祝賀会となった。
 明日からは、東海道53次を東京目ざして走り戻る旅がはじまる。病院の玄関前に到着するのは、あと何年後になるのだろうか。楽しみである。

【連載36】「失敗の末 やっと手に入れた漢字の使えるパーソナル コンピュータ」(1)
     北部  長谷川 貞夫
 昭和54年の初め頃は、まだパソコンという言葉さえ一般には知られていなかった。一部の人には、アメリカにパーソナルコンピューターがあることが知られていた。それは、「パソコン」ではなく、はっきりと「「パーソナルコンピューター」と呼ばれていた。
 小型になったが、それは、今のパソコンではなく実用のコンピュータは、まだ数百万円以上するミニコンピュータ、あるいは、オフィスコンピュータと呼ばれる機械の時代であった。
 東芝による「JW‐10」という最初の日本語ワードプロセッサーが発表され、それがビジネスショーに出品されたのがこの年であった。
 私は、その5年前の昭和49年に、既に点字キーを用い、汎用コンピュータによる漢字入力の実験を行なっていた。そこで、このワープロを興味深く見学した。そして、展示場におられた開発者の森健一氏から、詳しく話も聞いた。
 この最初の日本語ワードプロセッサーである「JW‐10」(ジェーダブリュテン)は、アップライトピアノほどの大きさで、重さは約220キログラム、8インチのフロッピーディスク装置が付き、価格は630万円であった。
 私は、この頃何とか数十万円で、漢字の使える小型コンピュータが売り出されないかと、ひたすら願い待っていた。この日本語ワードプロセッサーにより専用ワープロ時代に入った。専用だから文書を書く以外には使えなかった。それでも100〜200万円もした。これは会社用であった。
 点字キーによるワープロを作るためには、昭和56年の富士通によるFM‐8(エフエムエイト)の発売をみなければならなかった。

  情報アラカルト
 1.今月は、憲法60周年にあたり、それに関係する映画上映会の情報をお届けします。興味のある映画を選んで観てください。尚、会場のリバティホールは、三田線神保町駅A5出口を出て、御茶の水方向にあります。

   映画祭 「被爆者は予言者・人類の宝」
 6月2日(土) リバティホール(1階ロビー正面)
 13時〜17時
 短編アニメ「ピカドン」
 劇映画「原爆の子」
 講演 「映画は原爆被爆をどう描いてきたか」山田和夫(映画評論家)

 18時30分〜21時
 記録映画「ビキニの海は忘れない」
 講演 森康行(監督)
 記録映画「生きていてよかった」

6月3日(日) 1001教室(地下1階)
 10時〜12時30分
 短編アニメ「おこりじぞう」 挨拶 山口逸郎(プロデューサー)
 劇映画「はだしのゲン」

 13時30分〜17時
短編アニメ「ながさきの子うま」
劇映画「せんせい」

 18時30分〜21時
 挨拶と作品解説 野田耕造(記録映画作協事務局長)
 記録映画「広島長崎における原子爆弾の影響」

6月4日(月) リバティホール
 18時45分〜21時15分
 劇映画「ゴジラ」
 講演「ゴジラと手塚治虫」 石子 順(映画評論家)

6月5日(火) リバティホール
 18時45分〜21時15分
 記録映画「歩く」 挨拶 山口逸郎
 劇映画「愛と死の記録」

6月6日(水) リバティホール
 18時45分〜21時15分
 劇映画「黒い雨」
 講演「『黒い雨』のロケに参加して」 大原(方言指導者)

6月7日(木)1063教室(ロビーからエレベーターで6階へ)
 18時45分〜21時15分
 記録映画「にんげんをかえせ」 挨拶 橘 祐典(監督)
 劇映画「八月の狂詩曲(ラプソディ)」

6月8日(金) リバティホール
 18時45分〜21時15分
 短編アニメ「つるにのって」 挨拶 有原誠治(監督)
 長編アニメ「NAGASAKI 1945 アンゼラスの鐘」
 講演 池田眞規弁護士(日本反核法律家協会会長)

6月9日(土) リバティホール
 13時30分〜17時
 記録映画「ビバクシャ世界の終わりに」
 講演 鎌仲ひとみ(監督)

 18時30分〜21時
 劇映画「父と暮らせば」
 講演 交渉中

 鑑賞料金:大人 1,000円(前売) 1,200円(当日) 2,700円(3回券)
 学生・子供 800円(前売) 1,000円(当日)

 2.お茶・素麺の販売を開始します。
 今年も東視協総会から、新茶と素麺を準備し販売します。お茶100グラム1,000円、素麺1キログラム入り1,400円、スープも用意します。よろしくお願いします。

  ありがとうコーナー(省略)

  役員会だより
 今月は四つのお知らせ・お詫びをいたします。
 1.第41回総会に向け、先日議案書を発行しましたが、第2号議案、第4号議案にいくつかミスが見つかりました。項目がもれていて計算が合わないという単純ミスです。後日、第2号議案と第4号議案を送らせていただきましたので、そちらをご覧ください。不手際をお詫びいたします。

 2.第41回東視協総会は、5月20日(日)に行なわれます。参加される方は、東視協会費をお持ちください。併せて総会終了後に交流会を行なうことが役員会で協議、決まりました。場所は障害者会館2階洋室です。会費は実費とします。東視協の40年の思い出やこれからのこと、久しぶりに会った仲間と近況報告などしましょう。たくさんの方に参加していただきますよう、よろしくお願いします。

 3.第28回全視協兵庫大会の議案書討議を行ないます。5月26日(土)午後1時から、障害者会館2階和室Aにお集まりください。大会に参加する方もしない方もぜひ参加していただき、意見・要望をどんどん出してください。また議案書討議に来られない方も、事務局まで意見をお寄せください。

 4.全視協大会に、東視協から26名参加。全視協執行委員、代議員、活動交流集会参加者を合わせて26名となりました。大会終了後に、有志による旅行も準備しています。こだま6月号に感想ひとことを掲載します。参加する方は、点字5、6行程度、普通字100字程度の感想を、メール(織田 洋)、点字・普通字で、こだま編集委員(織田津友子・織田 洋・野島 潔・山城完治)に提出してください。よろしくお願いします。

  日程情報
5/13(日) 西部ブロック会
5/14(月) 南部ブロック会
5/16(水) 障館相談 担当・鈴木 彰
  同   事務局作業
5/17(木) 事務局作業
5/19(土) 事務局作業
  同   「ステッキーズ」レッスン
  同   青年学生部例会
5/20(日) 第41回東視協総会
  同   新入会員交流会
5/23(水) 障館相談 担当・栗山 健
5/24(木) 事務局作業
  同   まちづくり委員会
5/26(土) 事務局作業
  同   全視協代議員総会議案討議
5/27(日) 女性部例会
  同   教養講座 「楽しもう! アルパの演奏、感じよう! アルパの世界」 担当・東部ブロック
5/28(月) 「かーなづーち」レッスン
5/30(水) 事務局作業(予定)
5/31(木) こだま編集委員会
6/1(金)〜3(日) 全視協第28回兵庫大会
6/2(土) 「ステッキーズ」レッスン
6/6(水) 障館相談 担当・織田津友子
  同   事務局会議(予定)
6/7(木) 事務局作業
6/9(土) こだま6月号点字版発行
  同   東部ブロック会
  同   北部ブロック会
6/10(日) 西部ブロック会
6/11(月) 特養マッサージの会 東京都・厚生労働省要請
  同   南部ブロック例会
  同   点字民報編集委員会
6/13(水) 障館相談 担当・山城完治
  同   事務局会議(予定)、こだま6月号テープ版発行
6/14(木) こだま6月号活字版、事務局作業
6/16(土) 事務局作業(予定)
  同   「ステッキーズ」レッスン
  同   青年学生部例会
6/17(日) 東視協役員会(予定)
6/20(水) 障館相談 担当・鈴木 彰
  同   事務局会議(予定)
6/21(木) 事務局作業(予定)
6/23(土) 事務局作業(予定)
6/24(日) 教養講座 「視覚障害を持つ医師として歩む」講師・大里
晃弘、担当・南部ブロック

  編集後記
 憲法改悪の手続きを決める国民投票法案が昨日、参院の憲法調査特別委員会において自民・公明の賛成多数で可決されました。中央公聴会は開かず、参考人質疑に与党推薦の参考人は出席することなく、まず採決ありきの自民・公明に民主党もその流れに手を貸した形です。平和憲法を守り、障害者福祉を大切にする世論作りが急がれます。
 5月20日は、東視協結成40周年の総会です。総会を契機に新たな1歩を歩みましょう。