こだま347号 2007年4月号


  目次
視点…1
東視協結成40周年事業 ― 新事務所開設にあたって…4
会の名称に関するアンケート結果について…12
東視協役員選挙公示のお知らせ…16
異議申し立てをしました!…17
「あはき運動交流集会」に参加して…20
対話に花見にカラオケに ― 私は途中でバタンキュー…22
「パスモ」と「スイカ」について (1)…23
東視協40年を振り返って(3)…27
【読者投稿】娘のウエディングドレス…30
【連載35】絶望的環境に陥った点字の実験と救いの恩人(2)…33
教養講座に参加して…35
情報アラカルト…37
ありがとうコーナー…40
役員会だより…41
日程情報…45
編集後記…48


  視点 
 4月8日投票の東京都知事選挙は、石原知事が再選される結果となった。今回は、東京都知事選挙と東視協の取り組みについて考えてみたい。
 東視協は、福祉切り捨てではなく、障害者福祉を大切にする都政を目ざして革新都政をつくる会に結集し、吉田万三候補を先頭に今回の都知事選挙を闘った。結果は第3位であったが、吉田候補には、629,549票「得票率は11.43%」が寄せられた。みなさんのご支援・ご協力にこの場を借りて感謝するものである。私はここに都政の改革と都民要求実現への確信と財産をみる思いがした。
 吉田候補と革新都政をつくる会は、豪華海外視察など石原知事の都政私物化と無駄遣いを追及し、税金の使い方を大型開発でなく暮らし・福祉優先にすること、憲法を都政に生かすことの大切さを訴え、都民の福祉と暮らしの問題を選挙戦の争点に押し上げた。これに加えて東視協は「吉田万三さんに託して視覚障害者の要求を実現させましょう」の11項目の政策を訴えながら吉田候補への支持を広げた。
 選挙戦で石原候補は、都政私物化の批判に対し弁解と言い訳にまわり「都民の目線による医療と福祉を進めます」と発言せざるを得ない状況となった。一方、浅野候補は、オリンピック問題に対してはっきりしない態度から選挙終盤に反対に転ずるなど公約が次々と変わった。反石原と言いながら、都議会では石原都政の与党となっている民主党の「全面支援」を要請し、オリンピック推進の民主党とちぐはぐな関係をさらけ出した。
 安倍内閣の改憲策動強化のもと「憲法9条を守り東京から平和を発信しよう」との吉田候補の呼びかけは都民のための都政をつくる責任者にふさわしい主張であった。
 東視協は、石原知事の都政私物化を告発し、吉田万三さんを知らせるビラ、吉田候補の政策ビラ(いずれも点字・活字版)を発行すると共に、国立・中野・高田馬場での駅頭宣伝行動、各ブロックで拠点を設けての電話による支持拡大に取り組んだ。
 テレビ・ラジオなどのマスコミが吉田候補の政策と足立区長時代の実績を封じ込める中で、革新都政をつくる会の活動と政策は、都民に広がらなかったと言える。しかし、圧倒的な知名度のハンディを事実と道理、そして運動が石原陣営を震撼させたのは事実だ。
 選挙戦と東視協の要求運動は、都営地下鉄大江戸線の可動式ホーム柵の設置計画の事業化を約束させた。知事選挙を有利に進めようと石原都政がつくった10年後の東京計画を具体化せよと迫った運動であった。
 オリンピックの名による大型開発など都民を犠牲にする石原都政と私たちとの矛盾は深まるだろう。だからこそ私たちは、視覚障害者の平等と社会参加、その具体化を目ざして歩もう。
      編集委員  山城 完治

  東視協結成40周年事業 ― 新事務所開設にあたって ―
      事務所建設委員会 代表  鈴木 彰
 会員・こだまの読者の皆さん、東視協は今年結成40年を迎えます。これを記念して11月には記念行事とレセプション、記念誌の発行を予定しています。と同時に、昨年12月のこだまでもお知らせした通り東視協として新事務所を持つということになりました。このことについて、改めて皆さんにご報告し、東視協活動の新たな1歩をつくっていきたいと考えています。

  〈経過〉
 この事務所開設は、昨年会員のある方が5千万円を東視協と非営利法人視覚障害者・サポートゆい(以下、サポートゆいという)にいただきました。
 寄付していただいた方の意向は、「法人を持たないと公的機関の代表になれないのなら法人をつくり、社会的地位をもってほしい。そのために事務所をもち、一人前の組織をつくってほしい、東視協とゆいが協力して視覚障害者の運動と事業を行い視覚障害者のために発展してほしい、そのためにこのお金を使ってほしい」とのことで、新事務所を借りるのではなく、買って運動を発展させてほしいとのことでした。
 東視協とサポートゆいで上記の建設委員会を東視協の役員会の承認のもと設置し、昨年秋より活動をしてきました。

  〈審議の過程〉
 東視協では役員会で、事務所建設の必要性や今後の活動について話し合いを行いました。役員会では、新しい事務所をつくり、会員に役に立つ事業を行い、財政的、運動の発展を行なっていくということでこの取り組みを進めてきました。役員会の中にも、今、新宿の事務所があるのになぜ新しい事務所をつくるのか、財政的裏付けがないと新事務所での活動は難しいのではないかという意見も出されましたが、今の事務所では手狭であること、40年の記念の年に新しいこと(事業)を行うのに絶好のチャンスであるから進めようということになりました。事務所運営での財政的基盤についても新たな取り組みの中で解決することがよいのではないかということで前向きに捉えるとのことで話を進めてきました。
 サポートゆいでは今回の話を受け、理事会で話し合いをした結果、事業を行うのに事務所の存在は不可欠、例えば視覚障害者のパソコン教室や各種機器の勉強会、点字やガイドヘルパーボランティアの養成など、法人としての事業が行えるということで事務所取得に大きな期待をしています。

  〈これからのスケジュール〉
 昨年秋頃から物件探しを行い10ヶ所ちかくを回ってみましたが、建設委員会の事務所取得のための条件「山手線沿線から歩いて5分以内、全盲が1人で歩いて行けるところ」という基準で不動産屋等に話をしていました。
 本年3月、事務所取得にかなう条件の物件が見つかりました。事務所建設委員会では下見等繰り返した結果、購入することとなりました。場所は山手線大塚駅より歩いて3分、晴眼者でしたら歩いて1分以内という駅前です。部屋数は会議室(役員会ができる程度)を含め、4つの部屋と台所があるマンションの2階です。
 東視協とサポートゆいで話し合いを進め、新事務所開設のための準備に入りました。東視協の事務所移転の時期は5月の総会前後を考えています。現在、事務所備品の選定や財政的負担の割合などをサポートゆいと話し合っています。

  〈財政的裏付け〉
 東視協の場合、会員の皆さんにこれ以上の負担をかけないようにするために以下のようなことを考えています。
 現在、新宿の事務所に光熱費等で27万円(年間)、全視協に支払っています。これとは別に今年度から事務局員行動費が30万円ほど減ることが予想されます。現在の財政状況で60万円ちかくが新事務所に充てることができます。
 新事務所の経費として光熱費3万円(ちょっと高いとは思いますが)、管理費等が6万円、固定資産税1万程度です。これらの金額をサポートゆいと半々で払っても1組織の分担は5万円程度で先ほどの60万円の範囲でまかなえると考えています。管理費等については5千万円の残りの財産から出すということも考えられますが、これは両組織の財政状態等を考えながら決めればよいことだと考えています。
 サポートゆいの場合ですが、現状ではゆいの会員の会費、講師派遣の謝礼、簡単な点字印刷などで細々とやっていますが、事務所開設を機に新たな事業を行い財政的基盤をつくることが求められています。東視協に負担がかかるのではないかと役員会で指摘を受けましたが、サポートゆいとしてはそのようなことのないよう事業の拡大と寄付集めを行いながら新たな発展を考えています。

  〈今後の問題〉
 あ.事務所の備品の購入と費用の分担について取り決めを行う。
 い.事務所の具体的な使い方について取り決めを行う。
 う.会議室をサポートゆい・東視協以外に貸すかどうか、貸す場合の取り決めを決める。
 え.今後の長期的な見通しを、事務所運営委員会をつくり決める。事業の拡大や財政問題など。

  〈事務所のあらまし〉
 住所: 〒170−0005 豊島区南大塚 2―43―7 サンサーラ大塚 201
 部屋数等: 洋室2、和室2、ダイニングキッチン1、バストイレ付き
 交通: 山手線大塚駅南口から3分 ―― 南口交差点を渡って巣鴨方面に行く途中。
 開設時期:5月の総会の前後(それまでに備品等をそろえます)
 この件についてのお問い合わせ: 鈴木 彰(3980−8155)もしくは織田 洋(3944−0736)までお願いいたします。

  会の名称に関するアンケート結果について(07年3月18日)
      規約検討委員会
 今年の総会において会の名称について決めなければいけません。この会報でも皆さんからいろいろとご意見をいただきました。これらを踏まえ、規約検討委員会では会の名称変更について新たな資料を皆さんに提起します。下の結果も参考にしながら総会での発言をお待ちしています。

  [解答数 41]
1.「東京視覚障害者協会」など略称東視協に合わせた正式名称とする…24名
  @ 20代から30代…3
  A 40代から50代…9
  B 60代以上…12
  ア. 入会直後から10年ぐらいの入会歴…5
  イ. 10年から20年ぐらいの入会歴…7
  ウ. 20年から30年ぐらいの入会歴…4
  エ. 30年以上の入会歴…8

2.「視力」のみを変更し、「東京視覚障害者の生活と権利を守る会」(通称東視協)とする…11名
  @ 20代から30代…1
  A 40代から50代…5
  B 60代以上…5
  ア. 入会直後から10年ぐらいの入会歴…4
  イ. 10年から20年ぐらいの入会歴…2
  ウ. 20年から30年ぐらいの入会歴…1
  エ. 30年以上の入会歴…4

3.「東視協」のみを正式名称とする…5
  @ 20代から30代…0
  A 40代から50代…1
  B 60代以上…4
  ア. 入会直後から10年ぐらいの入会歴…1
  イ. 10年から20年ぐらいの入会歴…0
  ウ. 20年から30年ぐらいの入会歴…0
  エ. 30年以上の入会歴…4

4.名称変更は必要なし…1名
  B 60代以上…1
  エ. 30年以上の入会歴…1

5.その他、名称に関しての具体的ご提案など、ご意見がありましたらお書きください…0

6.その他の意見
  A. 「東視協」と言う通称が正式名称のように浸透しており、短くて覚えやすく言いやすい。これを何とか生かした名称にして欲しい。
  B. 「生活と権利を守る会」の箇所を残したいと思います。若い頃は、いやでした。今でも面倒ではあります。しかし、会の目的を的確に表しています。自立支援法の施行、憲法改悪の危検な時期だからこそ、「生活と権利を守る」の箇所が会の名称に必要です。
  C. 会の名称について、私の最終意見を述べます。会の名称…東京視覚障害者協動会です。
  D. 東京視覚障害者協会
  E. 私は今までの「視力障害者」を「視覚障害者」に改め、且つ、名称は「東京視覚障害者協会」もしくは「東京視覚障害者協議会」にすると良いと思います。
  F. 基本的には名称変更の必要は全くないが、変更希望者が多ければ、妥協案として略称を正式名称にすることには、承知してもよい。現在の名称は、本会の本質を言い表している。東視協には歴史を通して会の本質がにじみ込まれているので許容する。変えるならこれしかない。他の名前になったなら辞めたくなるくらいだ。
  G. 名称変更を、ぜひして欲しい。

  東視協役員選挙公示のお知らせ
 東視協規約第20条の規定に基づき2007年度役員選挙を総会において行います。したがってこの紙面を通じて役員の立候補を受け付けます。
  ― 記 ―
 立候補受付期間:4月19日から5月18日まで。
 立候補の役職:会長1名、副会長2名、事務局長1名、事務局次長2名、会計1名、運営委員7名、会計監査委員2名
 立候補の時の項目:氏名、年令、職業、立候補する役職、現役職、抱負など。
 ★ 立候補届は、委員長の小日向庸子さん(5606−4882)に電話か郵送、事務局宛にメールでも結構です。
 メールアドレス: toshikyo@shogaisha.jp

  異議申し立てをしました!
      北部  松本 広子
 昨年10月から、地域生活支援事業が始まりました。私の住む北区では、移動支援が身体介護ありとなしに分かれました。それまで平等に受けられた制度に差をつけたのです。そして私は「身体介護あり」になりました。「身体介護って何するの?」 わかっているのは料金が今までの倍以上になることです。
 北区の障害福祉課長によると、車イスやトイレの介助だとのことです。私には必要ないので、「介護あり」の取り消しを求めました。しかし決定したことは取り消せないと言われたのです。どうしても納得できないので、弁護士にも相談して異議申し立てを12月1日に出しました。2月の「手をつなごう集会」で厚労省に行き、これらのことを話しました。すると「それは取り消されるはずですよねえ」と世間話ふう。「だめだから申し立てまでしたんです」と私。「だったらいいですね」「何がいいんだ、ばかやろう」とは言えませんでした。怒り心頭のまま交渉は時間切れです。
 3月12日に異議申し立ての回答が来ました。身体介護は取り消せないとの通知です。これに不服があれば裁判しろとのことでした。この決定は障害認定区分調査・医師の意見書・専門家による審査会を経ており、何の問題もないとのこと。しかし調査のときに、担当者からホームヘルプとガイドヘルプ両方の調査を兼ねているとは知らされませんでした。それでも私は家の中と、移動時のヘルプの違いを詳しく話しました。
 調査では、食事・トイレ・移動が一部介助で医師の意見書には移動時に「転倒・骨折・打撲などに注意」とあるので、適切な決定だと理由付けています。
 食事やトイレの介助とはそれぞれの位置を説明することで、移動時の注意点を防止するのはガイドヘルパーの仕事そのものです。
 106項目の調査も専門家とやらの審査会を経ても、障害者のニーズは把握できないのです。なぜなら調査項目には視覚など感覚障害に該当する項目はなく、またこの調査では、内と外でのニーズの違いを把握できないからです。内と外をはっきり区別した調査が必要です。これらニーズの違いは、私たちにしかわからないのではないでしょうか。
 自立支援法の合言葉は「自分たちのことは自分たちで決めたい」です。
 調査項目を作り、厚労省に示してはどうでしょうか。
 最後に私はこんなくだらないことで裁判はしません。「取り消されるはずです」と言った厚労省に解決させてあげようじゃありませんか。

  「あはき運動交流集会」に参加して
      東部  小日向 光夫
 3月18日、大阪の障害者センターで全視協あはき開業者委員会主催のあはき運動交流集会が、9都府県から25人の参加で開かれました。
 この集会は、東京モード学園が新宿西口に50階建ての医療職種を網羅した大規模な養成校の設置計画をうけて行われたもので、その中には、鍼灸の課程と併せてあんま科の課程も準備しているものです。
 当日は、第1部が模擬交渉で全視協あはき委員長の東郷進さんが厚労省の医事課長補佐役を演じ、参加者全員が交渉団という形式で進められました。
 医事課長補佐の報告によると、2006年4月1日時点での全国のあはき師養成施設は91施設、そのうち14施設が視覚障害者施設で28都道府県に設置され、1学年の定員は、あんまマッサージ指圧師が2,556人に対し、鍼師灸師は6,574人に上ります。
 参加者からは、「無免許対策があいまいじゃないか」「接骨院に患者を取られ仕事が減って死活問題だ」「柔整に適正な業務指導を」など意見が出されました。
 第2部では点字民報の「あはきファイル」に執筆者から報告がされ、不肖私めも「開業者の現状」を報告させていただきました。
 今後、あはき19条を守る上でもこれ以上、養成施設の設置は認めるわけにはいきません。

  対話に花見にカラオケに ― 私は途中でバタンキュー
      西部  栗山 健
 4月1日は、朝からポカポカの好天気に恵まれ、午前中は、栗山、小板橋、小林、中丸の4人で、「吉田万三」都政の実現に向けて、電話での対話を行いました。
 吉田さんの実績と政策を話し、支持を訴えました。電話は1台しかなかったけれど、3人で交代で41人と対話。初めて参加した中丸さんも、「最初は心臓がバクバクした。」と言いながら「暮らし・福祉優先の東京をつくりましょう。」としっかり訴えていました。
 午後は、10人が参加して障害者スポーツセンター中庭で花見。めったに飲めない幻の銘酒「熊鯨」や鯵のマリネ、鳥の唐揚げ、お団子など各々が持ち寄って、楽しいひと時を過ごしました。
 8月の教養講座のテーマや5月のブロック会の日程も決めました。
 後は恒例のカラオケへ。私は1次会で気持ちよく酔っ払って、家へ直行、気がついたら真夜中でした。

  首都圏ICカードシステム「PASMO(パスモ)」導入と[Suica(スイカ)」との相互利用について(1)
      西部  加藤 厚実
 (3月18日より首都圏で始まった「パスモ・スイカ」の新しい利用法について、鉄道のことなら何でもござれ! の加藤厚美さんに解説していただきます。長文ですので、今月と来月に分けて紹介させていただきます。なお、詳しいことは、加藤さんに直接お電話するかJR東日本、東京都交通局などにお問い合わせください。)

 JR東日本では2001年11月18日より、ソニーのフェリカシステムを使った非接触型ICカード乗車券 Suica(スイカ)」が導入され、その後東京モノレール・東京臨海高速鉄道へと利用できる線区が拡大してきましたが、この3月18日からは更に、同様のシステムを使って首都圏の民鉄・地下鉄・バス・一部のタクシー事業者等で利用できる首都圏ICカードシステム PASMO(パスモ)」のサービスが開始されました。
 主な機能はJR東日本等で使用されている Suicaに準じていますが、改めてPASMOについてまとめておきたいと思います。

 1.PASMOの種類
 まず PASMOには Suicaイオカードに相当する「無記名 PASMO」と「記名 PASMO」(記名された本人のみ使用可能で、紛失時 再発行あり。但し再発行には手数料が必要)が、また Suica定期券に相当する「定期券 PASMO」があります。いずれの PASMOにも大人用とこども用があり、こども用 PASMOを購入する場合は年齢を証明できる物が必要です。
 なお、Suicaイオカードには今まで記名式およびこども用のイオカードは存在しませんでしたが、今回 PASMOと相互利用が開始された3月18日より「My Suica」という形で同種のカードが登場しています。

 2.オートチャージサービス
 次に PASMOには「オートチャージサービス」があるのが特徴です。この機能は、PASMOにチャージされている残額が2,000円以下になった時に青色に点灯している自動改札にタッチした際、指定されたクレジットカードを通じて銀行口座から自動的に3,000円がチャージされる機能です。この機能を利用するには、指定された利用代金支払い用のクレジットカードを併用した「オートチャージ機能付きPASMO」が必要です。ですから、このサービスを利用したい場合は必ず、駅窓口やクレジットカード会社を通じて、事前に申し込む必要があります。
 なお、2006年10月1日より Suicaにも、チャージされる金額や残額の設定こそ違いますが、同様のサービスが開始されています。
             (次号につづく)

  東視協40年を振り返って(3)
      南部  黒岩 龍一
 私が東視協結成に参加したきっかけは、1966年2月末まで働いていた渋谷区恵比寿の鍼灸マッサージ治療院を辞め、3月に渋谷区広尾で一間を借り、開業と同時に始めた革新運動です。気概を持って過ごし始めたその夏に、福岡県立柳川盲学校の先輩に「点字民報」という雑誌があるが読まないかと勧められ、パンフレットのような薄っぺらな本を渡されました。それが「点民」でした。表紙をめくると、民主的視力障害者の全国組織結成の呼びかけがありました。私はこの呼びかけを読んだとき、1960年福岡の片田舎の町から東京に来ることになったことを思い出し、本当なら今頃は仲間達と福岡で共同治療所を作り、鍼灸マッサージ業界・盲人界の改革をと息巻いていたろうと思いました。その思いも込めて点民社に手紙を出したら西岡さんから返事をいただき、その中に東京に「点民支局」が東京都特殊学校教職員組合「特殊教組」(現、東京都障害児学校教職員組合)にあると書かれてありました。私は特殊教組を訪ね、そこで華表(とりい)さんが点民支局長と教えられました。華表さんと12月暮れにお会いしました。東京には点民読者のほか、「山の会」「25日会」で活動している人がおられ、この方たちに呼びかけ、組織結成の準備会を開きたい、そのための段取りは私がしますと華表さんが言われ、準備会の日時・場所が決まったら連絡をくださることを約束しました。
 組織の準備会には後輩の松本(元事務局長)も出席しました。準備会結成総会については、すでに何人かの方が触れていますので、30数名の会員で始まった活動を、私なりに印象に残っているものを書きます。
 5月の全視協結成大会に参加して正式に加盟しました。8月に全国障害者問題研究会の結成、秋に前年に続き障害者の都民集会、12月には障害の種別を超えた全国集会がありました。
 1968年明けて東視協と同時期に誕生した革新都政の美濃部都知事と障害者との対話集会。5月には第1回障害者メーデーに参加するなど、統一行動に積極的に参加するとともに、独自の活動として東京都と交渉を行い、点字ブロックの敷設、手引き(現、ガイドヘルプ)制度をつくれ、都立施設の無料開放、障害者会館建設など多彩な要求を出し、毎年夏の交渉をしました。実現したこととして、高田馬場駅周辺をモデル地域として点字ブロックを敷設させ、東京体育館のプールを専用貸し切りにさせるなど、大きな成果がありました。
 会員を増やすためにも、都盲青年部と共催でバスツアー2泊3日の海水浴に若者を中心に多くの人が参加しました。鈴木英世さんの12チャンネル職場復帰闘争や上野裁判支援にも取り組みました。
 こうした東視協活動は私にとって、上京して4年数ヶ月の間希望の持てない悶々とした生活を払拭し、喜びにあふれた日を送れたことは良かったと思います。

【読者投稿】娘のウエディングドレス
      東部  稲垣 実
 私事で恐縮ですが5月に娘が結婚することになりました。
 先日、結婚式の衣装合わせに私もついて行った時の話です。結婚式場の衣装室で着替えて私の前にあらわれたウエディングドレス姿の娘をじっと見入ってしまいました。しばらくして、こともあろうに私は「天童よしみみたいだ」「ウエディングドレスの袖から出ている腕がボンレスハムみたいだ」と言ったとたん、娘は「お父さんはもう 連れて来ないで」と言い、妻からは「あなたはどうしてひとこと多いのよ」と怒られてしまいました。
 しかし、私がそう言ってしまうのには理由があるのです。私は、娘が1才の時重症の網膜剥離になり即入院、そして手術を受けました。その間、福島にある妻の実家に娘をあずけていました。退院後 娘を迎えに行った時、娘は私を見るなり怖がって泣きだしてしまいました。妻のお姉さんをママと呼んでいる姿に夫婦で呆然としたこと。視覚障害者になり病院の先生のアドバイスもあり、それまでの仕事を辞めて「鍼灸マッサージ」の資格を取りに身体障害者リハビリテーションセンターに行っていた時のことです。寄宿舎生活をしていて週末に自宅に帰り、月曜日の早朝にリハビリテーションセンターに戻る時、見送る駅で「また来てね」と言い、また妻が「お父さんでしょ」そう言うと、娘は「この お父さん?」と言っていた頃の娘のことが、ウエディングドレス姿をじっと見入っていた数秒の間に走馬灯のように思い出がめぐったからです。
 中途障害者になっても迷わず生きてこられたのもこの娘がいたからです。そんな娘が結婚するなんて! そんな娘のウエディングドレス姿を見て「きれいだよ」なんて言ったらきっと私は号泣してしまうにちがいないからです。結婚式当日にはどうなってしまうのでしょう。心配をしているのは号泣してしまうことではなく、涙がこぼれるのを抑えるよりも口を押さえていられるかが心配です。

  【連載35】 「絶望的環境に陥った点字の実験と救いの恩人」(2)
     北部  長谷川 貞夫
 前号において、私の汎用コンピュータ利用による点字キーからの日本語入力(ワープロや自動転訳実験)ができなくなったいろいろな事情があったと伝えた。
 最後の頼みは、昭和48年に設立された筑波大学学術情報処理センターのN先生であった。
 ところが、N先生がその後に計画された障害者短期大学構想の設立準備室長になられた。この短期大学は今は4年制になった筑波技術大学であるが、その基になる短期大学構想に附属盲学校が猛烈に反対したので、私はN先生と連絡をとれなくなってしまった。もし、私がN先生と連絡をとったことが分かったら、附属盲学校には いられなくなったであろう。
 附属盲学校の反対があったために、短期大学構想から音楽科をなくさざるを得なかった。だから、4年制になった今の筑波技術大学には音楽科がないのである。
 また、当時は、日本アイ・ビー・エムがコンピュータの中心であった。パソコンのマイクロソフトはまだなかった。日本アイ・ビー・エムは非常に福祉に理解があった。それで、毎年のように「ウェルフェアセミナー」を開いてくれていた。それで、ウェルフェアセミナーをいつものように開こうとしたが、どうしても短期大学構想とかかわるテーマになってしまった。
 このままいくと、セミナーの当日に反対派が会場に押し入って来る危険があった。それで、このセミナーを中止にせざるを得なかった。中止は事実であったが、その中止の理由は松井新次郎先生のいない今となっては私だけが知ることかもしれない。
 短期大学反対は、セミナーを中止させたり短期大学計画から音楽科をなくすなど、かなり激しいものであったことが分かる。

  教養講座に参加して
      北部  織田 洋
 3月の講座は、「視覚障害者の情報アクセス」と題し、筑波技術大学の長岡英司先生にお話いただきました。
 先生は、まず情報アクセスという言葉について、視覚障害者の社会環境とそれらを取り巻く情報をどのように知るのか、どのような手段を用いて情報を取得するのか、情報に接するということが情報アクセスであると最初に話されました。
 情報の7割とも8割ともいわれる視覚による情報の入手は視覚障害者にとって重要な問題です。最近ではパソコンをはじめ、多種多様な機器が視覚障害者にも利用できるようになってきました。(使いにくくもなりました。) これらの情報をどのように取得し、どう利用するのかが情報を得るために大事なことです。この意味でパソコンの利用は視覚障害者に新しい道を開きました。
 私は先生の話を聞きながら、80年代に資格障害者のパソコン利用についてさまざまな研究開発を行なってくれた東視協の会員でもある長谷川貞夫さん、音声ソフトの開発をしてくれた全視協の会員でもある石川県の斉藤正夫さん、高知県の有光勲さんたちの功績は大きいものがあると感じました。この方々がいなければ視覚障害者のパソコン環境は現在のようにはうまくいっていないのではないかと思いました。
 長岡先生の話は、視覚障害者用パソコン・周辺機器・ソフトのことなどさすがだなと思うほど詳しくていねいに説明されていました。私は先生のこの話の流れの中で、点字を大事にし、それをパソコンに生かすこと、機械を使うのが苦手な視覚障害者にも使えるような機器を開発することが大切であることを教えられた。

  情報アラカルト
 1.華麗なるストラディヴァリウスの響き ― 松野 迅ヴァイオリンリサイタル
 日時・場所:2007年5月15日(火)18時開場、19時開演。文京シビックホール(小ホール)。
 最寄り駅: @ 東京メトロ丸ノ内線後楽園駅4bまたは5番出口徒歩0分。
 A 都営地下鉄三田線春日駅文京シビックセンター前 文京シビックセンター連絡通路徒歩0分。
 チケット 3,000円「全席自由」
 プログラム:タイスの瞑想曲、恋のうぐいす、亜麻色の髪の乙女、他。
 お申し込み・お問い合わせ:松野迅後援会 電話03-3237-0113まで。

 2.あなたも読んでみませんか?
 3月号で紹介した「触ってわかる歯磨きの本 口臭編・歯周病編」の点字版を、小日向庸子さんと高山米子さんから、東視協にいただきました。読んでみたい方は、事務所(03−3207−6014)、または織田津友子(03−3944−0736)までご連絡ください。

 3. 100円で買える便利商品
 (1)ご飯1膳パック ー ご飯1膳を冷凍保存したり、そのまま電子レンジで解凍するのに使える。形は丸型でキャップつきのため、茶碗としても使える。大・小とあり、どちらも2個組みで100円。100円ショップキャンデュー。
 (2)レンジでお好み焼き ― ダイソー産業の100円商品で、油を使わずにお好み焼きができて、ランチやティータイムに手軽に作って食べられます。
 皆さんの近くに、キャンデュー・ダイソーの100円ショップがありましたら見てください。

  ありがとうコーナー(省略)

  役員会便り
 1.今年も青い鳥ハガキの配布がありますので、ご利用ください。
 配布対象は、身障手帳1・2級の方。受付期間は、4月2日から5月31日まで。配布は各集配郵便局の窓口で、身障手帳を提示して受け取るか、あなたのお近くの郵便局で申込用紙に記入して、申し込みをしてください。後日、郵送で送られてきます。申し込みの際、「くぼみ入り」か「無地」または「インクジェット紙」)のいずれか1種類を選択。
 配布枚数は、お一人につき20枚。但し、申し込みは、身障手帳を持って、代理の方でもできます。申込用紙は郵便局、福祉事務所及び児童相談所の窓口に備え付けてあります。

 2.教養講座の待ち合わせについて。
 4月の教養講座は、小石川植物園の散策です。東視協は待ち合わせをして、一緒に行きます。4月22日(日) 午後1時 都営三田線白山駅白山下方面改札を出たところです。こちらからいっしょに行かれる方は、織田(080−1027−9836)、山城(070−6647−9320)までご連絡下さい。なお、参加される方は入園料330円が必要です。

 3.議案書の印刷・発送作業にご協力下さい。
 4月29日(日)に障害者会館で、午前10時から午後5時まで東視協総会議案書の印刷・発送作業を行います。お手伝いいただける時間は午前中だけでも2・3時間でもかまいません。なお、昼食は会で用意します。準備の都合上、参加できる方は、必ず事務局織田津友子までご連絡をお願いします。

 4.第41回東視協総会の場所が決まりました。
 5月20日(日)午前10時から午後4時15分まで、港区立勤労福祉会館です。

 5. 2007年 5.3憲法集会&パレードに参加しませんか。
 日時:5月3日(木)12時開場、13時集会、15時銀座パレード
 場所:日比谷公会堂(都営地下鉄「内幸町」2分、日比谷公園内)
 スピーチ:植野妙実子(まみこ)さん(中央大学教授・憲法学)、浅井基文さん(広島平和研究所所長)、福島みずほさん(社会民主党党首)、志位和夫さん(日本共産党委員長)
 主催:5・3集会実行委員会(03-3221-4668)

  憲法施行60周年記念集会
 日時:5月3日(木)午後1時
 場所:日本教育会館(地下鉄「神保町」4分)
 主催:平和フォーラム(03-5289-8222)

  日程情報
4/18(水) 障館相談 担当・鈴木彰
  同  事務局会議
  同  こだま4月号テープ版発行(予定)
4/19(木) こだま4月号活字版発行、事務局作業
4/21(土) 事務局作業
  同  東視協役員会
  同  青年学生部例会予定
4/22(日) 教養講座
4/25(水) 障館相談 担当・栗山健
4/26(木) 事務局作業
  同  まちづくり委員会(予定)
4/28(土) 事務局作業
4/29(日) 第41回東視協総会議案書印刷・発送作業
  同  こだま編集委員会
4/30(月) 北部ブロック新宿御苑花見会
  同  西部ブロック有志多摩川ハイキング
5/1(火) 障害者メーデーに参加
5/2(水) 障館相談 担当・織田津友子
5/3(木) 憲法施行60周年集会
5/5(土) 事務局作業(予定)
5/6(日) 東部ブロックバーベキュー
  同  南部ブロック「平和大行進」に参加
5/9(水) 障館相談 担当・山城完治
  同  事務局会議
5/10(木) 事務局作業
5/12(土) こだま5月号点字版発行
  同  東部ブロック会(総会議案討議など)
  同  北部ブロック会(総会議案討議など)
5/13(日) 西部ブロック会(総会議案討議など)
5/14(月) 南部ブロック会(総会議案討議など)
5/16(水) 障館相談 担当・鈴木彰
  同  事務局会議
5/17(木) こだま5月号活字版発行(予定)、事務局作業
5/19(土) 事務局作業
  同  青年学生部例会
5/20(日) 第41回東視協総会
5/23(水)  障館相談 担当・栗山健
5/27(日)  女性部例会
  同  教養講座「楽しもう! アルパの演奏、 感じよう! アルパの世界」
6/1(金)〜3(日)  第28回全視協兵庫大会

  編集後記
 統一地方選挙の前半が終わりました。結果は石原知事の3選となりましたが、吉田万三さんへの62万票の重さを石原知事も感じてほしいものです。東視協は、この結果を悔やむのではなく、次の運動に結び付けるべく要求運動を進めていかなければいけません。皆さん、がんばりましょう。
 6月1日から兵庫で行われる全視協大会の参加者が例年になく少ないようです。いつもなら30人ちかくの仲間が参加するのに今年はまだ20人にも達していません。急いで申し込んでください。
 編集委員会から皆さんにお願いです。今月末からゴールデンウィークにいろいろなところにお出かけする方も多いことと思います。ぜひ旅行記や体験談をお寄せください。日頃、こだまを読むだけという方、ぜひお寄せください。
 それからお願いをもう一つ。新年度になりましたが、こだまの点字版の印刷・発送を手伝っていただける皆さんを募集しています。仕事の内容は、パソコンを使っての製版、印刷の紙の入れ手・取り手、シールやスタンプ押しなどです。毎月第2土曜日に障害者会館の印刷室で行なっています。飛び入りでも結構です。お問い合わせは、織田津友子(3944−0736)までお願いします。
 来月のこだまもお楽しみに!!