こだま2006年5月号(第336号)


目次
視点・・・1
障害者メーデーに参加しました!・・・6
国民平和大行進に参加しました!・・・9
「トクマ」の活動報告・・・14
野外バーベキューに参加して・・・18
障都連総会に参加して・・・23
「小笠原航海記」(その2)・・・26
「ブロックあれこれ」・・・34
教養講座に参加して・・・42
(連載28) 「OCRではじめて自動点訳したのは「特許公報」だった・・・45
情報アラカルト・・・51
ありがとうコーナー・・・54
事務局だより・・・56
日程情報・・・58

視点
5月3日の憲法記念日にちなんで、改憲の焦点となっている9条について考えてみたい。
日本国憲法は、悲惨な戦争とその基盤となった専制政治への反省から、人々の平和と民主主義への願いを込めてつくられており、まさにその中心が「戦争の放棄・戦力不保持」を定めた9条である。日本は、戦争で1人の人間も殺すことなく、1人の戦死者も出さずに今日を迎えている。これは、9条の働きであり、世界に誇る日本の宝である。
しかし、今日、武力攻撃事態法など戦争を準備する法整備が着々とすすんでいる。全国の自治体では、国防計画策定の手続きが始まっている。9条を改悪し、日本を「戦争する国」に変えてしまう動きは極めて早い。事態は重大な局面を迎えている。昨年秋には、自民党の「新憲法草案」が示され、憲法改悪への地ならしとなる「国民投票法案」などが今国会に上程されようとしている。さらに、自民・公明の与党は、戦争をする国民づくりをねらう「教育基本法改定案」もあわせて提出しようとしている。国民が冷静な判断の材料を持つ前に、衆議院3分の2の数で押し通そうとしている。
しかし、各種の世論調査に共通して現れているように、9条を変えることには圧倒的多数の人々が反対している。
「2度と戦争はごめんだ」という思いは若い世代の人々にも引き継がれ、広く日本社会に定着している。この思いの自覚的な推進者である「9条の会」は、呼びかけ以来、運動が急速にすすみ、全国で4700余が結成され、集会はどこでも満員だという。そして全視協は視覚障害者の分野でのその動きを広げる取り組みをすすめている。
米軍再編に対して日本は、3兆円もの巨費を提供すると発表された。財政難が叫ばれ、障害者自立支援法など福祉が切られるもとでの、このニュースに私はあっけにとられた。国民の声を聞かずアメリカの戦争政策に国民の血税を湯水のようにつぎ込む政策、議論すれば世論の反対にあうから、小泉首相のトップダウンとなるのだろう。9条と民主主義、人権を守る憲法を活かすことこそ、今必要ではないだろうか。障害者も平等に暮らし、社会参加をすすめる私たちの願いと運動の道を、9条の光が照らしているのではないだろうか。(編集委員会 山城)

障害者メーデーに参加しました!
北部 織田津友子 
 5月1日は、30度を越す真夏の暑さの中、第77回中央メーデーには4万4000人、第39回障害者メーデーには200人が参加しました。この障害者メーデーは、39年前に、障害者が自分たちの要求を実現していくために、労働者と団結していこうという思いからおこなわれるようになったそうです。
 話をされた皆さんの共通することは、4月から施行された障害者自立支援法のことでした。これは障害者の生きる権利を奪うものである、障害を持ちながら人間らしく暮らしていくためのサービスに対して「利益だ・利益だ」と言ってお金を払わなければいけないのか。それは憲法違反だと言うことでした。
 今回の参加者もかなり減っていました。それは施設への補助金が利用人数分日割りで支払われるため、参加を見合わせた人たちが多かったようです。また、戦争のできる国にするために、憲法9条改悪に反対することなど、私たちの要求を具体的に掲げて、国に向けての取り組みが大変重要であると話されました。「福祉」は障害者だけの言葉ではなく、多くの国民の幸せを願うために行うものと辞書にあるそうです。私は「そうだ!」と思いました。そしていつものように「憲法九条改悪反対」「福祉切り捨てをやめろ!」「障害者自立支援法反対」などなど、シュプレヒコールを大合唱しながら恵比寿までデモ行進しました。

国民平和大行進に参加しました
南部 黒岩 瀧市
 「核兵器を世界中からなくそう! 平和をまもろう!」と1958年に始まった国民平和大行進は、今年は59回目を数えました。
 東京から広島まで85日間歩くコースの出発点の江東区夢の島にある第5福竜丸展示館前を5月6日午後1時半に1日目のコース、港区役所に向けて歩き始めました。
 通し行進者の高木さん・箕輪さんの2人の男性を先頭に労働組合・民主団体・宗教者など約800が隊列を組み、その中に全視協・東視協の阿部正文さん、佐藤直子さん、田崎さんご夫妻、黒岩、岡村さん(埼玉)上村さん(千葉)が港区役所までの12キロを5時間近くかけて行進しました。
 5月7日は港区役所から川崎市役所までの約19キロを、南部ブロックの参加呼びかけに、阿部正文さん、田崎さんご夫妻、田中章治さんと晃一くん、野島さん、山中さん、黒岩が参加しました。
 小雨模様の中、午前9時港区役所前を出発し、ピースコールで「核廃絶 ノーモア ヒロシマ・ノーモア ナガサキ・ノーモア ヒバクシャ」「憲法九条をまもろう」「教育基本法改悪反対」など訴え、歌を歌いながら11時に東海寺に到着しました。休憩後、東京で亡くなられた被爆者の方々の慰霊碑の前で慰霊式を行い、11時20に次の昼食休憩地の大森貝塚児童公園に向かって歩きはじめました。次の休憩地で、田中さんと晃一くんジョエルくんが解散、ジョエルくんも相当くたびれた様子でした。ご苦労様でした。
 午後の出発の頃には風雨が強まり、太田体育館で休憩をしたのち、六郷橋を渡り、神奈川の皆さんの出迎えを受け、合流して川崎市役所まで約1時間、4時過ぎに到着しました。そこで東京から神奈川への引き継ぎ集会が行われ、2日目の行進を無事に終えました。
 行進に初めて参加したという野島さんは、いつものマラソンより疲れたと言っていました。山中さんは、前日21キロを歩いたにも関わらず元気で行進されました。昨年に続き、阿部さん、田崎さんご夫妻、そして私も無事行進することができました。

「トクマ」の活動報告
東部 稲垣 実
 私たちの特養マッサージ師の会を通称「トクマ」と呼んでいます。17年度のトクマの活動は、5月と12月に東京都交渉を行いました。また、8月の東視協対都交渉と2月の雇用連の厚労省交渉にトクマの要望を入れてもらいました。その他念願のホームページを作り、広く皆さんに知ってていただくことにしました。7月には、親睦旅行にも行きました。
 成果としては、平成16年に東京都社会福祉協議会に要望した民間社会福祉施設モデル給料表にマッサージ師を職種として入れるようにという要望が、17年度から取り入れられるようになりました。17年度の重点目標であった介護予防についての要望であった運動器の機能向上という新しいサービスにマッサージ師を入れてほしいという要望がかないました。4月からは、デイサービスでマッサージ師が機能訓練指導員として個別機能訓練加算と介護予防の運動器の機能向上の両方ができるようになりました。
 一方では4月から介護保険の見直しで機能訓練加算が個別機能訓練加算に変わりました。これは、今まで機能訓練指導員を配置していればよかった体制加算であったものが、体制を整えたうえ利用者全員の個別機能訓練計画をたて同意をもらい計画的に実施しなければならないようになりました。今回の見直しにより私たちの仕事は読み書きが大量に増えました。また、基本的な介護以外は個人負担にしようと考えているようです。見直しについては現在も大勢の仲間から相談を受けています。
 厚労省は、制度や政策を作る時に障害者が多数働いていることなど頭にないのです。同じ省庁で視覚障害者の雇用拡大で機能訓練指導員の雇用マニュアルを作っていて、一方で視覚障害者を働けないようにしているわけです。彼らの頭の中をバリアフリーにしなければなりません。
 施設の介護報酬が抑えられる中、東京都の視覚障害者マッサージ師に対する補助金事業が今後一層重要になってきました。今後も東視協の皆さんのご協力をお願いします。

野外バーベキューパーティー
女性部 沢 真由美
 前日から降っていた雨も上がり、まさにアウトドア日和となりました。前準備すべてを高安ファミリーにお願いし、私たちは自分の好きな飲み物だけを持って、会場の足立区舎人公園に行きました。
 昨年東部ブロックで行った時は予約は必要ありませんでした。今年度から予約制となり、高安さんがインターネットで調べてくださり、ラッキーなことに女性部が計画した日だけが空いていました。
 会場はものすごい人で、風に乗って焼肉のいい匂いがしてきました。持ち寄った飲み物はビール・酎ハイ・ワイン・日本酒・お茶エトセトラ。用意してもらった枝豆・炭火焼肉・フランクフルト・野菜・カボチャスープ・焼きうどんと盛りだくさんで、おなかは大満腹。その後、花水木の花に触ったり、池の水に触れたりしながら、公園内を散歩しました。
 今回の行事は高安ファミリー、ガイドヘルパーさんのきめ細かな協力があったからこそできました。本当にありがとうございました。参加者の一言を書き記します。
 板垣敦子:暑かったです。でも焼肉やカボチャスープは、おいしかったです。
 内田邦子:天気がどうなるか心配でしたが、さわやかな初夏の風につつまれて、幸せ気分になりました。炭火焼肉やワイン・ビールとともに、カボチャスープまで出てきてびっくり!! また計画しましょう。
 神作悦穂:お天気もよく、おいしい肉やソーセージなどを頂いて、すてきな思い出のひとつになりました。
 菅井茂子:すばらしい五月晴れの下、命の洗濯が十分すぎるほどできたかなあ!!
 菅井孝雄:もう何回か、やりたい気がするなあ!!
 高安弘晃:公園の鯉のぼりが風に気持ちよさげに泳いでいた。「鯉のぼりは赤いのが上?それとも黒いの?」と幼い子供が聞いた。おとうさんは「そうだな、うちでは赤いのが上だな」と言う。お母さんは「こいのぼりに上下の隔てはないのよ」とはっきりと言った。皆さんに満足して頂いて本当によかったです。
 滝沢由紀子:私の希望をかなえて頂き、本当にうれしかったです。おいしい松坂牛などを食べて、心ゆくまで楽しみました。
 西原和子:楽しみにしていたとおり、すばらしい天気とおいしい食べ物で、とても幸せな時間を過ごしました。

障都連総会に参加して
都連担当 鈴木 彰
 さる4月16日(日)、障都連総会は参加団体・出席者もこれまでより多く参加し、自立支援法の問題を中心に活発な発言が多く出されました。加盟団体外からの出席もあり、この問題の大きさを感じました。
 2005年度障都連の活動の大半は障害者自立支援法を巡っての活動でした。障害者団体として歴史に残る運動と行動に力を入れました。これからの運動として、区市町村における負担軽減を求めて運動を強めなければならないことを確認しました。
 利用者負担の増額と並び、事業所でも年間1千万もの減収が見込まれ、これからの運営が大変になるなどの発言も多く出されました。
 40回都民集会を2007年2月に、記念集会を参加者400名を目標に、参加者アップを積極的にすすめる方針を確認しました。
 役員改選では、これまで20年間会長を務めた若宮康宏氏が顧問に就任し、新会長に小林良廣(ろう重複者の会)氏が選出されました。我が東視協でも引き続き西原清松さんが副会長として選出され、障都連活動に積極的に関わっていくこととなりました。

小笠原航海記 その2
南部 伊藤 常雄(JBSA東京)
また海の女神は時々プレゼントをくれます。本航海でも鰹が5匹釣れました。船には必ず釣具が積んであります。クルーは皆釣り上手です。それにどういうわけか本物の漁師さんがトレーニーの1人として乗っていました。私にはまったく信じられないことです。早速さばいて、カツオのたたき、おいしかったです。でも切身が皿の中で泳いでいなかったら、醤油が波だっていなかったら、もっと良かったです。
 航海7日目の午前10時、小笠原父島に到着、もやいを結びました。滞在中は砂浜で形の良いきれいな石貝珊瑚を拾い集め、喜び、海に足をつけ、南国の海の感触を楽しみ、ゴムボートで海上散歩をし、沈船を見て、空想を描いてロマンに浸ったり、夜は、島民の人たちの踊りを見物し、一緒に踊りの輪の中に加わったりと、時を忘れて過ごしました。小笠原は人工的雑音のない、自然の合唱が聞こえる、どこまでも透明に近い、海の香りがするパラダイスです。許されるのなら長期滞在をして、都会ぐらしで傷つけられた神経を癒したいところです。
 私たちが滞在中、マグロを満載した大分県の水産学校の訓練船「しんよう丸」が入港してきました。お互いに船内見学をしました。しんよう丸は、総トン数700トンの今年竣工したばかりの船で最新の設備が備わっているすばらしいものでした。階段の手すりに点字表記がつけられており、艦内説明版にも点字が書かれていたのにはびっくりし、たずねたところ、訓練以外の時は、一般のイベントにも使われるとのことでした。夜、しんよう丸から寿司と刺身の差し入れがありましたが、訓練中は、アルコールは絶対禁止なので、お酒好きの私としては、なんとも残念でした。翌日、しんよう丸は午前8時小笠原を離岸し、一路、神奈川県三崎港へ向け旅立ちました。三崎で、取れたマグロをおろし、売っていくのだそうです。私たちは登唱礼で見送り、しんよう丸は登舷礼で答えてくれまして、心温まる光景が繰り広げられ、皆感動しました。
 午後2時島民の方の見送りを受けながら、憧れも楽しかった島の思い出を一杯積み込んで、もやいをときました。北へ登ると、ともに再び大波が船べりを叩くようになって来ました。ドドドドと大きな音が船内に響いて眠れない時もありました。
 航海12日目、朝、木の葉のごとく翻弄される船のフォアデッキで帆を操作する作業中、私は同じロープを握っていた他の仲間5人ほどと共に、甲板に叩きつけられるように、もつれ合いながら倒れ込み、膝をねじるように捻挫しました。幸い、軽くすみました。
 北上を進めていた本船は潮岬を周り、大阪に近づいていました。寒さが肌に厳しく刺さります。外洋と打って変わり、波は穏やかになってきました。帰ってきたのだという安堵感が胸をよぎります。
 訓練最後の仕上げともいうべきトレーニーデイが始まりました。私たち訓練生だけで船を操るのです。やってみると思ったより大変でした。全てにわたって、まだまだ分かっていないのです。でも三人寄れば文殊の知恵、なんとか大阪港に近づくことができました。船内の大掃除をして入港を待つばかりです。夕食にはステーキとエビフライが並び、缶ビールが各自1本ずつ支給され、ちょっと大げさですが、ビールという文字が涙でくもり、読めませんでした。
 家に帰って3日後、1通の封筒が届きました。開けてみると小笠原航海トレーニー有志の名簿と書かれたものが出てきました。2週間一蓮托生の生活をした、同じ釜の飯を食ってきた仲間たちは、いつしか強い絆で結ばれていたのです。友情の輪ができていたのです。私は、ひとりひとりの名前をなぞるように追っていきました。思い出が次々と、わき上がってきました。しだいに胸が熱くなってきました。今度は本当に落涙を禁じえませんでした。

「ブロックあれこれ」
 各ブロック長から最近のブロックの様子を寄せていただきました。
「東部」梅村さんが、都電のホームから転落し怪我をされたため、取材ができませんでしたので、教養講座の案内とさせていただきました。
 5月28日(日)に、東部ブロック企画の「田端文士村を訪ねて」と題した教養講座がありますので、ご紹介します。
 明治22年に、現東京芸術大学が上野に開校されると、田端に多くの芸術家たちが移り住むようになり、芥川龍之介(あくたがわ りゅうのすけ)、室生犀星(むろお さいせい)、萩原朔太郎(はぎわら さくたろう)、平塚らいてふ(ひらつか らいちょう)らもそれらのひとりでした。
 これら多くの芸術家、文士を田端文士村記念館に訪ねる企画で、同館研究員の方が講師を務めてくださいますので、参加される方は、JR田端駅北口(駒込寄り)改札口に、13時にお集まりください。
「西部」(小板橋さんからは、ディスクで原稿をいただきました)
 4月9日(日)に、多摩スポーツセンターの桜の木の下で、花はほとんど散りかけていましたが、「お花見気分」ということで、10名の参加の宴会となりました。
 参加者それぞれが、食べ物、飲み物、おつまみを持ち寄り、場所柄、大きな音や声がはばかられましたし、特に企画もありませんでしたが、それぞれ、飲み食い、語らって楽しい時を過ごし、二次会は、「西部恒例」カラオケボックスへとなだれ込んで、ここでも大いに盛り上がりました。
  「南部」(こだま編集委員でもある、野島さんが書きました)
 4月10日、JR田町駅点検を5名の参加で行ない、様変わりした駅を体験しましたのでご紹介します。
 障害者会館から来て2階の三田口からコンコースを芝浦口方向に進み、左側の北口改札を入ると、その突き当りにコンビニとそば屋、そして、左側のエスカレーター付き山型階段の間にトイレ、これと同型階段が右側の外回りホームにも降りていました。
 次に反対側の南改札を入ると、右の内回り側にコーヒーショップ、その先に東京方面に向かう降り階段が左側の外回りホームにも降りており、次も左右ホームに、東京方面に向かく上下エスカレーターの内回り側の、前述階段との間にトイレがあり、さらにこの上下エスカレーターの先に、電車に乗るのと同じ向きに乗り、ホームに降りると扉が品川方面に向くエレベーターと、その先に品川方面に向かう左右両側の降り階段となっていました。
 点検の結果、北か南かどちらの改札口に上がって来たかが分かる、音声案内が必要なことを感じましたので、要求していきたいと思います。
「北部」(織田さんの原稿はメールでいただきました)
 北部のお花見は天気もよく、雨にも風にも負けず、桜の花もまだ残った、光が丘公園でおこないました。この光が丘公園は広大な広さで、家族連れ・野球をするグループ・楽器の練習をする人などで混んでいるのに、ごみごみした感じがしません。
 私たちは大きな桜の木の下にシートを広げ、まずはフルーツワインで乾杯。一品持ち寄りだったので、握り・太巻き・いなり、串カツとチキン、から揚げ・卵焼き・かぼちゃなどの煮物、ソーセージやピーナッツとお茶・ビールに、桜の花が、はらはらと落ちてきて、とても素敵な雰囲気で、みんな大満足でした。
 満腹状態の中、参加者10人でトランプ遊びのババ抜きをやり「早くあがりたい」と、作戦をたてたりして、みんな真剣そのものでした。その後、広さを実感しようと、園内を散歩して帰ってきました。

4月の教養講座に参加して
南部 西原 和子
 4月の教養講座は「酢の効用、見直してみよう酢の力」と題して全国食酢協会中央会の百瀬友美先生にお話していただきました。
 前半は、お酢の歴史、製法、分類、特徴、効用などを学び、後半は、お酢の試飲と参加者からの質問に答えていただきました。
 1.まず食酢とは、酢酸を主成分とする酸味調味料で、原料や製法により醸造酢と合成酢に、さらに、醸造酢は穀物酢と果実酢に分類されること。
 2.お酢が日本に入ってきたのは5世紀頃で、最初は贅沢品だったとか。一般に使われるようになったのは、江戸時代になってからだそうですよ。
 3.お酢の効用、これがすごい! 血圧やコレステロールの上昇気味の方には、毎日
15mlのお酢を2ヶ月間飲むと効果が現れるそうですよ。でも、決して原酢を飲まないように。また、お子様の好きなハンバーグを作る時、300gの挽き肉に対し大さじ1杯のお酢を入れると、いたみにくいそうです。その他、食欲増進、疲労回復、キッチン用品の殺菌などなど、ホントにいいことづくめです。
 後半の試飲会では、穀物酢、米酢、米黒酢、リンゴ酢の試飲をしました。さて、正解率は・・・?。
 今回はスッキリ爽やかな先生のお話と詳しい資料のおかげで、お酢の力を十分見直せたと思います。 

(連載28)−OCRではじめて自動点訳したのは『特許公報』だった−「公表できなかった実験」(その2)
北部 長谷川 貞雄
 当時、通産省の国家的開発プロジェクトに「日本語のパターン認識」に関するものがあった。
 これは、昭和46年から55年までの10年にわたる壮大なもので、具体的な目標のひとつは、漢字を含む日本語の文字認識であった。
 今日においては、「ヨメール」、「マイリード」、「よみとも」などで日常的に行なわれている、いわゆる日本語OCRについての開発である。
 昭和50年頃においては、その日本語OCRが国家的最先端の開発テーマであった。
 私は雑誌『エレクトロニクス』(オーム社)の記事で、その開発状況の一端を知った。
 そこで、記事の筆者を手がかりに早速、川崎にある東芝総合研究所にS氏を訪ね、日本語OCRによる磁気テープの1巻をいただいた。
 その磁気テープの内容は『特許公報』の一部で、文字数は1万字であった。
 この磁気テープは以前に紹介した、共同通信社などで用いていた「CO59コード」(Common Code 1959)で記録されていた。
 しかし、CO59コードでは電子技術総合研究所の既に使っているコードとは合わない。
 そこで、虎ノ門にある日本コンピュータセンターで「富士通漢字コード」に変換してもらい自動点訳ができた。
 今のJIS漢字コードが制定される以前の不便な話のひとつである。
 点字で点訳結果を確認してみると、特許番号、特許の日付、申請者、特許内容などが書かれていた。
 磁気テープとともに渡された墨字原文のコピーは、10ページ程度のものであった。
 これが紙に書かれた日本語から、直接自動点訳された最初の実験である。
 その時期は昭和51年の秋で、附属盲学校が夜まで文化祭準備にあわただしい最中、時間の合間をみて同僚の中口氏に虎ノ門までコード変換された磁気テープデータを受け取りに、一緒に行ってもらったことを懐しく思い出す。
 これで紙に書かれた文字からの自動点訳を行なったが、『特許公報』のOCRデータを提供してくれたS氏は、その後上司にひどくしかられたそうである。
 それは開発中のシステムの資料を外部に漏らしたからである。
 読み取り方法と精度、研究の進捗状況など、競争会社に対する秘密のこともあったであろう。
 また、開発元の通産省にも無断であったから、しかられるのも無理ないことで、私は申し訳ないことをお願いしたと思っている。
 だから、この事実はこれまで漏らさなかったが、それから22年を経た今日では時効であろうから、初めてここに公表する。(なお、この初めての紙に書かれた日本語からの自動点訳された点字印刷物の一部分が私の家にある。)

情報アラカルト
 1.企画展「触る文字・触る世界」開催のお知らせ
「触る文字・触る世界−触文化が作り出すユニバーサルミュージアム」です。古い時代の文字や、かわら文字など、視覚障害者が触って楽しめる催しものです。開催期間は9月26日まで。会場は大阪の国立民俗学博物館常設展示場。最寄り駅は大阪モノレール万博記念公園駅、観覧料420円(障害者と付き添い1名まで無料)この博物館で働いておられる広瀬幸次郎さんが説明してくれるそうです。詳しいお問い合わせは06−6876−2151まで。 
 2、労音情報 
 6/24「宮沢明子リクエストコンサート」東京文化会館小ホール、午後2時開演、
5500円
 同「ペギー葉山コンサート」中野ZEROホール、午後3時開演、S席6000円 A席5500円
 7/6「室内楽2006 ベートーベン バイオリンソナタ10曲をきく」第2夜、ティアラこうとう小ホール、午後7時開演、全席自由3000円。
 チケットの申し込みと詳しいお問い合わせは03−3204−9933労音まで。
 3.事業委員会からのお知らせ
 6月4日に行われる東視協総会で、素麺の販売を開始します。新茶も売ります。どうぞお楽しみに!  

ありがとうコーナー(省略)

事務局だより
1.6月4日(日)は、東視協の第40回総会です。ぜひご出席ください。出席と委任、昼食の準備が必要です。所属のブロック長まで連絡をお願いします。
2.障害者自立支援法が動き始めています。申請からサービスの状況まで不都合はなくしていかなければなりません。ブロック会などでも話題にしてください。
3.点字版「広報東京都」が5月号からエンボス式(紙に印刷した点字)となり、読みやすくなりました。また、いわゆるバリアフリー新法について参議院が付帯決議で、可動式ホーム柵設置の推進を明記しました。東視協運動の成果です。

日程情報
5/14(日) 「かーなづーち」レッスン
5/17(水) 障館相談(担当:鈴木 彰) 同 「こだま5月号」テープ版ダビング発送(予定)、同 山口 通さんの日の丸君が代問題審査会
5/18(木) 「こだま5月号」活字版発行、事務局作業
5/20(土) 事務局作業、 同 東視協2005度決算会計監査、同 「ステッキーズ」レッスン、同 東部ブロック会
5/21(日) 東視協役員会
5/24(水) 障館相談(担当:栗山 健)
5/25(木) 事務局作業、同 まちづくり委員会
5/27(土) 事務局作業、同 青年学生部例会
5/28(日) 教養講座「田端文士村散策」午後1時、JR田端駅北口集合
5/29(月) 将来像委員会
6/1(木) 事務局作業、同 こだま編集委員会
6/2(金) 雇用をすすめる会
6/3(土) 事務局作業、同 「ステッキーズ」レッスン、同 東部ブロック会(予定)
6/4(日) 第40回東視協総会、午前10時から午後5時、障館集会室A1〜2
6/5(月) 特養マッサージ師の仕事と身分を守る会・福祉保険局要請 同 点字民報編集委員会
6/7(水) 障館相談(担当:織田 津友子)
6/10(土) こだま6月号点字版発行 同 全視協関東事務局長会議
6/14(水) 障館相談(担当:山城 完治)
6/17(土)「ステッキーズ」レッスン
6/18(日) 東視協役員会 同 「かーなづーち」レッスン
6/19(月) 「手をつなごう集会」代表者会議
6/21(水) 障館相談(担当:鈴木 彰)
6/24(土) 青年学生部例会
6/25(日) 女性部例会、同 教養講座「障害者自立支援法とこれからの障害者福祉」
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