こだま 2005年7月号 (第326号)


 視 点
  梅雨の谷間、真夏日の日比谷野外音楽堂は、「このままの障害者自立支援法案では私達は自立できません!7・5緊急行動」参加者で溢れた。5・12集会をはるかに越える1万1千人は、野外音楽堂と周辺、厚生労働省前で想いを一つにして、「応益負担の導入反対―」「憲法25条を守れー」のシュプレヒコールの波を国会にぶつけた。この行動は、同法案に反対する共産党・社民党・民主党に大きな励みとなり、障害者の願いに背を向け13日の衆院通過を狙う自民・公明に有効なボディブローを見舞った格好だ。
 ご承知のようにこの障害者自立支援法案は、ホームヘルプサービスや補装具給付などに応益負担の名による定率(当面1割)負担を強制し、ガイドヘルプサービスや日常生活用具給付の実施などを自治体任せにするものである。視覚障害者の就業率が23.9%(厚生労働省推計)に過ぎない情況やガイドヘルプ・ホームヘルプ・日常生活用具の利用など福祉サービスが生活そのものである実態を真っ直ぐに見ない施策である。同時に、社会福祉の向上、障害の軽減、社会参加と平等に向かってきた日本の障害者福祉の歯車を弱肉強食の方向に回転させようとする戦後最大の大改悪である。
 視覚障害者の福祉を守り進めることを旨とする東視協、そしてそのもとに団結する全視協にとって、同法案成立を阻止する運動は、第一義の課題だ。一月余の会期の中で、会員の声と力を集め束ねて国会にぶつける取り組みが求められている。
 1万1千人のデモの先頭が国会についた頃だろうか。僅か5票差で郵政民営化法案が衆議院を通過した。国民の預貯金を銀行の利益のために差し出し、国民のための郵政を銀行と大企業の利益の道具にする郵政民営化、民営化する必然性のかけらも見当たらない悪法である。自民党政治のつけというべき700兆円にも及ぶ借金と不況、そのもとで国民の生活権を大企業の利益のために剥ぎ取る施策がいよいよ露骨になっている。そこには、執行者としての小泉首相と自民党以上に自民党を支える公明党の姿が見えている。
                    (編集委員 山城完治)


 「私の要求」実現求めて ─ 対都交渉に!
 3日に投開票された都議会議員選挙は、民主党議席の大幅増という結果に終わりました。石原知事提案の予算と議案の殆どに賛成してきた同党と、これに勝るとも劣らない自民・公明も加わって、福祉破壊の都政が更に暴走しそうです。
 しかし、「私の要求」実現を求めて対都交渉に同席してくれた共産党の議員も13名が当選。その一人で私の職場出身の議員も「また東視協の皆さんとお付き合いが続けられて嬉しいです」と握手してくれ、ちょっと気落ちしていた私に活力を与えてくれました。
 都営地下鉄三田線や新宿線に車両・ドア番号の車内点字表示を実現させたり、音響式信号機の設置、点字ブロックの敷設など、数々の要求を実現させてきた対都要請行動に多くの皆さんの参加とこれらの議員さんの同席で、8月1日からの交渉を実りあるものにすると共に、都民の福祉と暮らしを守り、税金の無駄遣いを止めさせ、平和と民主主義が輝く東京を作るための一歩にしようではありませんか。
                        (編集委員 野島 潔)
(特集) 夏です! どこかへ出かけませんか!
☆ 梅雨も今月後半には明けます。本格的な夏。暑さをふっとばし、気分をリフレッシュ、何処かへ出掛けましょう。今月はお二人の旅行記を掲載します。皆さんも色々と計画して見て下さい。
      山陰旅行の思い出
                     東部ブロック  沢 禎浩
 私が結婚したのは5年前のこどもの日です。それ以来、結婚記念日を兼ねて毎年連休の旅行に行くようになりました。今年は5月1日から山陰方面に4泊5日で出かけました。
初日は雨模様でしたが、後は好天に恵まれて、山陰ののどかな風景や人情にふれ、名産品をたくさん食べて来ました。
 1日目は、新幹線で西へ行くと雨になりました。岡山駅から伯備線の特急スーパーやくもで米子駅へ行き、境線の「鬼太郎列車」に乗って終点の境港駅で降りました。境港は、漫画家水木しげるの出身地で、駅前から続く水木しげるロードには「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する妖怪のブロンズ像がずらりと並んでいます。ねずみ男や豆腐小僧などと、傘をさしながら記念写真におさまりました。
 翌朝目をさますと晴れていました。ホテルから観光タクシーに乗りました。少しお金はかかりますが、見所が散らばっている時などはバスで回るより迷わないし、ずっと便利です。大山(だいせん)の中腹にある大山寺や安来(やすぎ)のお寺をめぐりました。親切な運転手さんの話を聞きながら楽しく回れました。午後は松江駅前から周遊バス「ぐるっと松江レイクライン」に乗りました。レトロ調の赤いバスです。小泉八雲記念館や松江城などへ行きました。大手前(おおてまえ)広場から遊覧船「ぐるっと松江堀川めぐり」に乗船。定員12名の小さな舟で、船頭さんの話を聞きながら松江城の周りを約45分でめぐります。途中16の橋をくぐりますが、中には橋桁の低い橋があってお客さんが背をかがめるところもあります。宍道湖畔(しんじこはん)のホテルに泊まりました。夜は静かで、窓からは波の音だけが聞こえてきました。
 3日目の朝、ルイス・C・ティファニー庭園美術館に行きました。きれいな花々が庭園一面に咲き誇り、温室やチャペルもありました。ここからタクシーに乗り、一畑(いちばた)薬師をへて出雲大社へ行きました。大きな鳥居の前の店で出雲そばを食べました。出雲市駅から特急スーパーおきに乗り津和野駅で降りました。宿泊したホテルは玄関を入るとうっすらとお香の香りがただよい、廊下やエレベーターの中、大浴場が畳張りで、部屋の中の照明や洗面台も純和風の落ち着いた造りになっていました。運良く、3部屋にしか付いていない個室露天風呂のある部屋でした。料理もおいしくて、とても印象に残る宿になりました。旅行から帰って数日して、お礼の手紙も届きました。
 4日目は、ホテルに荷物を預けて、津和野の街を歩きました。しっとりとした町並みで、メインストリートの殿町(とのまち)通りは白壁を映した堀割りが続き、錦鯉が泳いでいました。しばらく歩いて、森鴎外や西周(にしあまね)の旧宅を見学しました。津和野バスセンターから東萩駅行きバスに乗りました。JRだと益田駅での接続が良くなくて、バスの特急便だと1時間20分ほどで行かれます。菊ヶ浜に面したホテルに泊まりました。窓からは萩城跡のあるこんもりとした指月山(しづきさん)が望まれました。萩の人たちは数多い料理でお客さんをもてなすのだそうで、夕食を食べ終わったと思っていたらまだ次の料理が出てきてびっくりしました。
 いよいよ最終日となりました。朝食の後、宿の貸し切り無料バスツアーに出かけました。宿の「会長」という80歳近い?元気なおじいさんがバスガイドで、萩の歴史や観光地の見どころなどについて熱心に話してくださいました。約40分で宿にもどりました。観光タクシーで城下町や松陰(しょういん)神社などへ行きました。萩の名所をすべて見て回るには最低二日はかかるとのことで、機会があったらまた訪れてみたいと思いました。
萩焼と夏みかんのお菓子をお土産に買いました。萩バスセンターから新山口駅行きのバスに乗り、新幹線で東京へ戻りました。

「ちょっとご近所への気分で、韓国ツアー、2泊3万円の旅に」
                         南部 大楽スミヨ
さそってくれたのは、ピアノで知り合った二人の女性です。2泊といっても5月15日の昼に出発し、17日の昼には帰ってくるというもの。福島空港でアシアナ航空に乗ってびっくり!これが国際便?とは思えぬ程の可愛らしい飛行機で、信仰を持たない私ですが思わず祈りの言葉を捜してしまいました。
無事ソウル空港には約2時間で着いてしまい、日本との時差も無く気候も変わらず、空気だけが韓国の香りをたっぷり漂わせていました。私達のホテルの部屋は、板敷きに布団が2枚だけ敷いていっぱいの狭い所で、3人で川の字に寝るようにということのようでした。
ぐずぐずしていてはいられません。先ずは夕食に焼肉です。食べきれない程注文し満腹になったところで、唯一韓国文化に触れるべく、8時半からの芸術舞台に駆けつけました。楽器は沖縄での宮廷音楽に似たものでした。見える人には扇子の踊りや帽子のてっぺんから出ているリボンをくねくねさせながら、太鼓を叩く様子が楽しめたようです。
演奏が終わり私達は9時半からのエステに急ぎました。その店のすべてのメニューを体験し、ホテルに着いたのは夜中の1時を回っていました。美しくなったというよりぼろ雑巾になったような気分で、布団に3人とも倒れ込んでしまいました。
エステの中身はいくつものサウナ、垢すり、睫毛パーマなどなどで、その内、よもぎ蒸しは穴の間の椅子に裸で腰掛けていると、その椅子から熱い熱い湯気が上がってくるというもので、余りの熱さに悲鳴が出てしまった程です。
二日目は買物三昧であっという間に1日がたちました。100円の物を買うにも、色が形がといいながら買い、値切り上手な一人が
支払いの交渉をしてくれました。免税店でも二人がバッグや化粧品を買うので、私も記念にマニキュアと口紅を買いました。
 その夜は11時ごろにホテルに着き、買ったお土産を荷造りしたり、眺めたり取りかえ
っこをしたりで過ごし、私は大好きなビールを二日とも飲まなかったことに気付きましたが既に遅く三日目は起きたらすぐに空港に、そして福島に帰ってきてしまいました。今度はもう少しのんびり行ってみたいものと思っています。

ヒューマンアシスタント制度延長を求めて
                          雑草の会 内田邦子
 ヒューマンアシスタント制度延長の運動では皆さんに大きなご協力を頂きありがとうございました。
 現在の情況を報告したいと思います。
 昨年視障雇用連、東視協役員会に要請をしてから1年半が経過し、この間厚労省への陳情、シンポジウム、リーフレット作り、署名・国会要請と運動を積み重ねてきました。
 問題は簡単なのですが、他の助成金との関係もあり、この10年の壁を打ち破るのはとても難しく、当初は、諦めかけたこともありました。
  (今日までの運動の流れ)
 厚労省と交渉(2004年6月、9月)
 雇用連介助者問題でシンポジウム(助成課課長を講師にシンポジウム10月)
 東視協、雇用連で「ヒューマンアシスタント制度を良くする会」として対策会議を発足。(12月)
 対策会議の中で広く一般の人に訴えるため、リーフレット作りが発案され、4月下旬にできあがる。
 リーフレットだけでは運動が弱いとの観点から国会請願署名をするよう提案され、リーフレットと共に全視協や雇用連など色々な団体に発送する。(5月)
 4月27日最初の国会議員要請行動始まる。
 以来、5月10,16日(八代議員)、24、31日に議員要請を行いました。
 この他、高田馬場、代々木駅頭にて署名行動を行い、マスコミ対策として赤旗や毎日新聞、点字毎日に取り上げてもらいました。
 現在署名は、普通字5311、点字340、合計5651筆集まりました。
 紹介議員は衆議院31名、参議院16名が請願を提出して、全会派の賛同を得ています。
 国会の中では、山口富男(共産党)、阿部知子(社民)、坂本由紀子(自民)が質問に立ち、大臣は答弁の中で「前向きに検討する」との回答を得ました。
  (これからの運動)
 請願が採択されたとしても、私達の要望が聞き入れられたわけではありません。そうしたことから今後も足を緩めず、厚労省との交渉など積み重ねていく予定です。ご協力宜しく御願い致します。
 
貴方の周りの身近な差別
                         西部 加藤 厚実
 私は今年の5月5日に、西部ブロックのレクで江ノ島にハイキングに行きました。レクは無事終わり、私を含めた5名(全盲3名・弱視2名)は最近、江ノ島の弁天橋のたもとにできた民間の日帰り温泉施設「江ノ島アイ
ランドスパ(エノスパ)http://www.enospa.jp/ に遊びに行きました。ところがです。
ここの入り口で私たちはなんと、入場を拒否されてしまったのです。最初、受付係と思われる女性の方が出てきて「視覚障害者の入場はお断りしております」とのこと、その言葉を聞いて私は唖然としました。まさかこんな事を言われるとは?。で、その係員では埒が空かなかったので当該施設の支配人に出てきてもらい直接交渉、なんでもあちら側の言
い分(視覚障害者の単独入場を認めていない理由)は、                  (1) 施設がバリアフリー構造でないため安全が保障できないこと、
(2)視覚障害者を介助するだけのスタッフがいないこと、 (3)他の客からクレームがつくなど、色々なことを言い、結局入れてもらえませんでした。私たちは全盲3人、弱視2人という構成だったので、「弱視がいてもだめですか?」とか、「自分たちで責任を取るから入場を認めて欲しい」と言ったところ、「弱視の方がどのようにお見えになるのかが、こちら側で判断できないので責任がもてない」などの理由を連ね。たとえ弱視がいたとしてもだめとのことでした。今時こんな施設があることにこの時は大変驚き、腹立たしい思いで帰ってきました。
 その後、たくさんの方々が当該施設に対して電話やメールで抗議してくださったり、山城さんをはじめとする東視協の皆様により電話や文章で改善を要求、更に6月1日には東視協と神視障守る会の代表5人で現地に赴き、直接話し合いをしたにもかかわらず進展は見られず、最終的には新聞報道という手段を用いる事でようやく改善が見られるというお粗末な対応、いったい当該施設は、障害者の利用に関して、どのような考えで臨んでいるのか、その理解の無い姿勢に怒りさえ感じてしまいます。
 結局、新聞報道という手段が功を奏したのか、全盲者の単独入場こそ認めてもらえなかったものの、弱視者の入場及び弱視が介助者となる事などについては認められるなど、多少の改善が見られた事は、一応評価できる事
ではないかと感じています。
 今回の経験は、現代の社会においてもまだ、障害者差別の問題が根強く残っているのだという事を実感させてくれる出来事でした。
また、日本にも早く米国のADA法に準ずる法律が必要ではないかと言う事を、強く感じさせる出来事にもなりました。誌面の都合でこれ以上、詳細がご報告できないことをご容赦ください。

朗読の素晴らしさを楽しみました
                         北部 織田津友子
 6月の教養講座は、「朗読を味わい声の力と表現力を考える」のテーマで行われました。講師の丸山詠ニ先生は名刺に「貴方のお役に立つ役者丸山詠ニ」と記しておられると、東京で生まれてずーっと好きな道を歩んでこられたそうです。私達が若い頃に放映されたテレビドラマやアニメにも出演し、ニュース番組でもニュースを読まれていたそうです。
丸山先生の声を聞かれたら「あっ!あの声だ!」と思われる方が多かったでしょう。
 朗読とお話しを通して戦争・平和について考えようという講座でした。戦争中の広島で兵隊さんが訓練をしている様子を描いた詩、原爆を落とされた広島の様子を描いた詩の朗読は本当に素晴らしいものでした。聞いていると自然の流れのように先生の声が聞こえました。また、「テレビと馬」の詩の朗読は感動しました。テレビがお金持ちのうちにしかない頃に見せてもらうためにやってきた子供が、馬になって子供を背中に乗せながらテレビを見ている、その光景を目撃した親は、頑張ってテレビを購入するのです。
 3時間足らずの講座を紹介しきれませんが、とても素敵な講座でした。録音テープがありますので、興味のある方は織田までご連絡下さい。

[連載21]
東洋ハイブリッド製点字装置までの14年間の空白 (1)
                          北部 長谷川貞雄
 前号で述べたように、岡崎氏による国産で最初の点字ラインプリンターは、昭和 51年度中に金沢工業大学と筑波大学(筑波大)学術情報処理センターに納品された 。 当時の筑波大学術情報処理センター長は中山一彦先生であった。
 先生が点字に関心を持たれていることを知り昭和50年に、2年前に新設されたばかりの筑波大へ先生をお訪ねした。その際、先生が点字についての実験をして下さりそうに感じたので、点字ラインプリンターを開発中の岡崎氏をご紹介しておいた。そのような経緯で、点字ラインプリンターが筑波大に納入されたのである。
 現在の筑波大附属盲学校は、昭和53年4月から筑波大の附属になったのだから、当時は私の勤務校は、まだ東京教育大学附属盲学校であった。しかし、後にこの中山先生が、現在の筑波技術短期大学が設置される時、その準備室が筑波大学に置かれ、中山先生は、そこの室長になられたと聞いている。
ところが大変なことが起こってしまった。当時の東京教育大学附属盲学校の職員が障害者の短期大学構想に反対の立場に立つことになった。  それはそれは激しい反対運動になった。そのため、中山先生と私は連絡を取れなくなってしまった。もし、私が中山先生と連絡を取り共同研究をしていることが分かれば、私は事実上附属盲学校には勤務できなくなってしまったであろう。  これは、今だからこそ言えることなのである。  その激しさの例として、日本アイ・ビー・エムが継続的に行なっていた障害者のための「ウェルフェアセミナー」の何回目だったかが、この障害者短期大学に協力するものであるという強い反対が予想され、急遽中止されたぐらいである。今は亡くなられているが、日本盲人職能開発センターの松井新次郎先生以外で、このことを知っていたのは私ぐらいであろう。このセミナーの中止で、石川県の複数の大学の先生に大変なご迷惑をおかけしてしまったことは生涯忘れられないことである。
 このような状況で、私は点字ラインプリンター開発において14年間の空白を生じてしまったのである。 この障害者短期大学に関係する話を、一応ここまでにしておく。
 私はその筑波大に納められた岡崎式点字ラインプリンターにより、点図で漢字の形の印刷をお願いした。漢字を含む墨字の文を、そのまま点図として触覚で読めるようにするのも私の実 験目標の一つであった。それを行なうには、文字の形をコンピュータのディスプレーやプリンターで表わすために必要な文字フォントがなければできない。中山先生のところには、その漢字印刷のできる文字フォントが既にあったのである。 現在ならどんなに安価なワープロも、それよりはずっと進んだフォントを持っているが、当時は漢字の文字フォントを備えている汎用コンピュータは、まだ少なかった。
昭和52年2月のことである。私のところへ、点字本が10冊ぐらい入る大きさのダンボール2個が送られてきた。それぞれの中身は、明朝体とゴシック体で印刷された点字図形であった。  点字用紙の各1ページに上下左右の形で4文字ずつ点図で漢字が印刷されていた。24ドットの点字印刷であるから、元になった墨字のフォントが、現在のような高品質のものではないが、点図で縦線が太く、横線が細いという明朝体の特徴と、縦、横の線が一様な太さであるゴシック体の特徴がよくわかった。この各漢字に六点漢字が合わせて点字印刷されているはずであったが、残念ながらプログラムミスで間違った点字の無意味符号になっていた。返す返す、惜しいことである。
 以上の製本されていない点字用紙約750枚ずつのこの資料は、今も大切に保存してある。  視覚障害者の文字の歴史において史料になり得るものだと思っている。

     情報アラカルト
1. 演劇情報
(1)「赤い月」作者:なかにし礼、演出:鵜山仁、出演:南一恵他、日時・場所:8月23日(火)?9月2日(金)紀伊国屋ホール、料金一般5500円、学生3800円
 直木賞作家なかにし礼が実母をモデルに書いた自伝的小説を舞台化したもの。問い合わせ先:文学座03-3351-7265
(2)「谷間の女たち」作:アリエル・ドーフマン、演出:鵜山仁、日時:9月22・
25・27日、10月2・3日、場所は公演日によって異なります。料金一般4395円
ユース(学生及び20歳以下)2625円、問い合わせ先:青年劇場03-3352-
6922、公演場所を必ず聞いてお申し込み下さい。
2. 商品情報
 (1)かぼすのドレッシング:大分県特産のかぼすの果汁と果皮を使った風味豊かで円やかな味です。生野菜サラダやカルパッチョに最適です。1本190ml入り368円、送料負担すれば取り寄せできます。お問い合わせは0972-63-2111フンドウキン醤油まで。
 (2)「スプラック」:何度も使える食品用のラップです。優れた点は、何度も洗って使えること。また、よく伸びるので、様々なサイズや形の皿に対応。耐熱性・対冷性にも優れているので冷蔵庫・冷凍庫・レンジで使用可能。大直径19?30センチ用と小直径14?18センチ用の2枚セット2100円、送料を負担すれば取り寄せできます。お問い合わせは.054-265-4731フジショウまで。

今日は!雑司が谷・鈴木治療院です
                               織田 洋
皆さん今日は。治療院の織田です。
開業して3ヶ月がたちましたが、予想はしていたものの患者さんが来ません。ビラを配布した時などは電話があり、一人二人と来院してくれますが、永く続きません。しかし、固定の患者さんも少しずつではありますが、増えています。3ヶ月の実績はあまりふるいませんでしたが、この7月には毎週来られる方や隔週に来られる方、土日に来られる方など少しずつ成果が現れて来ています。
前回お知らせしましたこの治療院の名称のことですが、視覚障害者サポート・ゆい「雑司が谷・鈴木治療院」はゆくゆくはNPO法人をとり、その一つの事業として発展させたいと考えています。「ゆい」というのは、「むすび:農作業などで、互いに労力を交換し助け合うこと。田植えや刈り取りなどで、互いに雇ったり雇われたりすること」という意味で皆で何かをやろうというものです。 6月13日にNPO成立のための総会を開き、法人化への道をスタートしました。
 「ゆい」の目的は「広く一般市民に対して視覚障害者への理解を深める事業及び視覚障害者を対象とした就労支援、情報提供、相談に関する事業を行い、視覚障害者が地域社会の中で自立した生活が送れる社会の実現に寄与すること」で、東視協が運動団体であるのに対し、事業等を通じて、幅広い活動を行おうというのが私達の希望です。具体的には、
(1)視覚障害者の理解促進に関する事業
☆ 小中学校の総合学習等への講師の派遣
☆  視覚障害者の生活サービス利用状況に関する情報収集及び情報提供
☆ 視覚障害者による商品評価情報の提供事業等
(2)視覚障害者への情報提供及び相談に関する事業
(3)視覚障害者への就労支援に関する事業
(4)その他この法人の目的を達成するために必要な事業などです。
 東視協は運動団体としては一定成果も挙げ評価されていますが、企業や行政と対等に付き合うには、法人でなければ、社会的信用を得るにはこうした事業を通して視覚障害者の社会参加への新たな道を開くことも重要だと考え、法人成立を計画しました。
 事業といっても成功するのか、本当に法人化できるのかなどの不安はいっぱいですが、皆さんのご意見もお聞きしながら是非成功させたいと思っています。宜しくお願いします。

     ありがとうコーナー(省略)

事務局だより
 1.今期の対都要請行動を、8月1日、4日、8日、11日、22日、25日、29日に予定しています。
 多くの会員の力を合わせて一つでも多くの願いを実現させましょう。
 2.7月3日都議会議員選挙で、点字投票や投票所の対応など具体的な改善の要望がありましたら、投票所の名称と改善内容をブロック長または事務局まで御寄せ下さい。都選管要請の場で改善を求めたいと思います。
 3.江ノ島アイランドスパの視覚障害者利用拒否問題は、東視協と神奈川守る会の共同の運動、マスコミの報道なども追い風となり、①弱視者の利用を認める。②全盲と弱視同伴の利用を認める。③全盲者の同行者一人の利用料を免除するとの江ノ島アイランドスパの回答を得ることができました。運動の成果です。
 4.今年度も会員名簿を作ります。点字は氏名と、所属、使用文字、電話番号、活字はそれに住所を付けます。変更等ありましたら急いで織田までお知らせください。また、来年度に向け、名簿にメールアドレスを追加することを考えています。メールアドレス等掲載して欲しくない人は事前に事務局までご連絡下さい。

    日程情報
 7/13(水):障館相談、担当・山城完治
 7/14(木):こだま7月号活字版発行
  同:こだま7月号テープ版発行(予定)
  同:将来像委員会
 7/15(金):雇用を進める会
 7/16(土):「ステッキーズ」レッスン
 7/17(日):要求書・会員名簿発行作業
 7/18(月・休):「かーなづーち」自主トレ
 7/19(火):ヒューマンアシスタント延長、衆・参議員要請
 7/20(水):障館相談、担当西原和子
  同:東京都障害者社会参加推進懇談会
 7/22(金):女性部ラーメンなどの点字表示についてニッシン食品に要請
 7/23(土):青年学生部例会
 7/24(日):女性部会、全視協女性部代表者会議議案討議
  同:教養講座「焼酎の歴史・文化・味わい」
 7/25(月):南部ブロック会
 7/27(水):障館相談、担当・織田洋
 7/28(木):街づくり委員会、駅点検
 7/31(日):西部ブロック会
 8/1(月):対都要請行動、午後
 8/3(水):障館相談、担当・西原和子
 8/4(木):対都要請行動
  同:こだま編集委員会
 8/5(金):雇用を進める会
 8/6(土):北部ブロック、板橋花火見物
  同:東部ブロック、バーベキュー
  同;「ステッキーズ」レッスン
 8/8(月):対都要請行動 
8/11(木):対都要請行動
 8/13(土):こだま8月号点字版発行
 8/18(木):こだま8月号活字版発行
  同:こだま8月号テープ版発行(予定)
 8/22(月):対都要請行動
 8/24(水):障館相談、担当・織田洋
 8/25(木):対都要請行動
 8/27(土):青年学生部例会
 8/28(日):教養講座、「江戸東京建物園」見学
★事務局作業:7月14,16,21,23,28,30日
8月4,6,11,13,18,20,25,27日

    編集後記
 都議会議員選挙も終わりやっと一息、といかないのが東視協、これからが東視協の出番です。対都要請行動の準備、そして本番。
選挙で自・公・民の福祉切り捨て与党が増えましたが、恐れず堂々と要求を都にぶつけましょう。自立支援法や福祉切捨ての政治が益々横行してきますが、私達は私達の主張をあらゆる所で出していきましょう。
 もうすぐ梅雨明けです。体調に気をつけ、夏の計画をたて、大いに遊びましょう。遊びの中から新たな活力を産み出しましょう。
(来月号をお楽しみに!)