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全難聴高岡理事長挨拶

宮城の仲間へ、大きな飛躍を。

(社)全日本難聴者・中途失聴者団体連合会 理事長 高岡 正

 
宮城の仲間の皆さん、今回の大震災ではいかがでしたでしょうか。テレビや新聞等で報道される悲惨な状況に対し、どのような言葉をかけたら良いのか分かりませんが心からお見舞いと今後の復興に向けて声援を送ります。

 宮城難聴災害対策本部を立ち上げ、いち早く安否確認を進めておられたことに敬意を表します。これは従来から災害時の聴覚障害者の情報保障の活動に実績のあるプラスヴォイス社の手厚いご支援の賜物です。プラスヴォイス社には全難聴の対策本部が入仙した際に三浦社長以下社員総出でフォロー頂きました。この場を借りて、厚く御礼申し上げます。

 全難聴は、地震発生後事務所から地震と津波の情報を刻々と発信し、被災地の協会との連絡に務めました。幸い、すべての会長や事務局長と連絡が取れ、青森県で全員、宮城県、福島県では2人程残し会員全員の安否が確認されております。しかし岩手県では元会員も含め正会員の67%しか安否が確認されていません。

 全難聴はテレビの記者会見に手話通訳が付いたことが歴史的なことを喜ぶと同時に字幕の付与が必要とNHKや総務省、厚生労働省などに緊急の要望書を出しました。東電の計画停電の問い合わせ先にFAX番号の併記を求め実現しました。日本補聴器販売店協会と日本補聴器工業会に補聴器の電池と訪問の協力を求めました。厚生労働省からは地震当日のうちに避難所の視聴覚障害者への情報・コミュニケーションの配慮を求める文書がだされ、逸失した補聴器や日常生活用具の即時再給付、再交付の通知も出ています。

 地震から3週間後の2日に全難聴災害対策本部現地訪問団がプラスヴォイス社に着くと松本理事長、松?副理事長、菅井事務局長、村田災害対策部事務局長の元気な顔を見て安心しましたが、皆ヒゲぼうぼうで頬がこけているのを見てまだ耐久生活が続いているのだと胸が詰まりました。

 今回の訪問はかつてない甚大な被害の発生した支援をどのようにすすめるかを検討するために実情と現地のニーズを探ること、お見舞いが目的でした。合同対策会議の後、亘理郡と志津川の会員と避難所を訪れました。調査目的からそれますがそこで見た光景は被災者だけでなく支援者のこころにも大きな傷跡を残すものでした。松本理事長と宮城県庁、仙台市、JDF宮城現地本部、宮城県聴覚障害者救援本部を訪問し、厚生労働省の3回の通知等も示しながら避難所の難聴者等の支援を要請しました。

 3月6日の山形新聞の共同通信配信の「消えた"音"深まる孤立」の宮城県石巻市の71歳の難聴男性の記事は支援を必要としている難聴者の多いことを示しています。

 今後の対策で大事なことは正確な情報と正しいニーズの把握です。宮城難聴が行った会員アンケートこそがその基礎となります。

 全難聴は義捐金(救援金の性格です)を呼びかけ、3県にお見舞い金として一部お渡ししました。全国の仲間は自主的に筆談ボードや電池などの提供を行っています。全国の仲間が宮城の仲間を我がことのように心配し、声援しています。7日の余震で毎日がさらに厳しい状況ですが春が来ています。一緒に頑張りましょう。


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