1998年7月27日発行(第2・4月曜日発行)


News Source of Educational Audiology

聴能情報誌 みみだより 第3巻 第350号 通巻435号


編集・発行人:みみだより会、立入 哉 〒790−0833 愛媛県松山市祝谷5丁目2−25 FAX:089-946-5211
購読料照会・新規購読申込・記事内容照会などは、郵便かFAXでお問い合わせいただくか、
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立入 哉 :h-tachi@ma4.justnet.ne.jp


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【目次】第350号

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第11回 フィッティング・フォーラム'98 開催予告

開催日:10月17日(土) 9:00〜16:00[全日聾研福岡大会 終了翌日]

内容: 周波数圧縮変換型補聴器臨床検討会
耳かけ形トランソニック=「インパクト」の参考展示と動作解説
補聴援助システムの展示・試用・紹介(=どなたでも参加できます)
会場: 大手門会館(福岡市中央区大手門3−47)地下鉄 大濠公園駅下車スグ

【目次】



字幕付き映画
  ポケットモンスター・ミュウツーの逆襲
  ピカチューのなつやすみ

  日本語字幕付きプリント上映のお知らせ
 
 


 上映劇場   上映予定   場所   TEL/FAX番号 

 北海道   札幌東宝プラザ   8/8〜12   狸小路5丁目   011-231-3388   231-8268 
 函館東宝   8/17〜19   玉光堂松風店裏   0138-22-2471   22-2477 
 旭川東宝   8/22・23   オクノデパート隣   0166-22-3935   22-1710 
 宮城県   仙台日之出会館   8/29・30   仙台駅前日之出ビル   022-223-2964   223-2989 
 東京都   ニュー東宝シネマ   7/23〜29   有楽町マリオン前   03-3571-1946   3571-1783 
 上野宝塚   8/4〜7   上野駅不忍口   03-3831-2859   3835-1751 
 新宿ビレッジ2   8/17・18   伊勢丹前・明治通り   03-3351-3127   3356-6835 
 神奈川   川崎シネチッタ   8/21・22   川崎駅東口   044-211-6125   223-2968 
 横浜東宝会館   8/25〜27   関内駅 馬車道通   045-681-7410   641-8533 
 静岡県   静岡東宝会館   8/30・31   CINE7ビル   054-252-5181   252-6639 
 愛知県   名宝スカラ座   8/17〜23   伏見駅 ヒルトンホテル西隣   052-231-7152   211-6884 
 岐阜県   岐阜衆楽劇場   8/25・26   柳ケ瀬 高島屋北   058-263-0096   263-5522 
 石川県   金沢ニュー東宝   8/29〜31   金沢駅前都ホテル地下   076-264-7411   264-7415 
 京都府   京都宝塚劇場   8/29〜9/4   河原町三条   075-221-5151   241-0656 
 大阪府   敷島シネマ   7/25〜8/4   なんば千日前   06-641-2219   633-0737 
 梅田劇場   8/22〜26   ナビオ阪急8F   06-316-1314   316-1359 
 兵庫県   三宮OSシネフェニックス   7/25〜30   三宮センタープラザ東6F   078-392-0270   392-0275 
 広島県   広島宝塚   8/7〜9   広島新天地   082-247-2090   247-2790 
 香川県   高松東宝   8/2〜4   高松市田町   0878-31-4020   37-0936 
 高知県   高知東宝   8/12〜14   帯屋町   0888-72-1080   75-1603 
 愛媛県   松山シネマサンシャイン   8/17〜19   松山市三番町3-7-1   089-932-2288   932-2286 
 福岡県   天神東宝   7/25〜30   岩田屋Zサイド前   092-762-6666   762-5400 
 長崎県   長崎宝塚   8/2〜4   思案橋   095-822-6122   822-6122 
 熊本県   熊本東宝   8/8〜10   新市街サンロード   096-352-1718   351-8887 
(※FAX番号は市外局番を省いています)  

 上映時間等については直接劇場に問い合わせて下さい。
 入場料=一般1,800円 障害者1,000円 子ども1,000円 付き添い1,000円(1名まで)

 また、上映予定のない地域の方は、ぜひ「見たい!」という声を集めて、下記に要望して下さい。東宝(株)映画営業部 FAX:03−3591−5352。
 どんどん、「字幕付きで見たい」との声を送り、今後も字幕付きフィルムでの上映が続くように運動をしていきましょう。


【目次】



 字幕付き映画上映 
 シネ・ヌーヴォでの字幕上映

上映会場: シネ・ヌーヴォ(大阪市西区九条:FAX.06-582-1420)
地下鉄中央線「九条」駅6番出口下車 大阪ドーム 方向へ徒歩2分。

1.「秘祭」字幕上映
  上映予定 8月9日(日)午後1回のみ予定
【作品の内容】
 原作・脚本:石原慎太郎、主演:倍賞美津子・大鶴義丹。
 南西諸島・八重山の人口わずか17人の過疎島を舞台に、島に息づく秘密の祭りを知ろうとした青年の悲劇を描く。
○料金、一般1800円、大高生1500円、中小シニア1000円
 身体障害者手帳提示で介護人1名とも1000円に割り引きしていただけます。

2.「アンパンマン〜てのひらを太陽に〜」字幕上映
同時上映「クリームパンダとおかしの国/おむすびまんとおばけやしき」

上映予定 8月26日(水)9:10〜、10:50〜の2回上映
原作:やなせたかし。
内容   映画化10年及び日本テレビ開局45年記念作品。行方不明のシャイン王子を探すため、くらやみ谷へと向かうリナちゃん。そのころくらやみ谷では、ばいきんまんが、ブラック大魔王を閉じこめていた壺を開けてしまって、さあ大変。アンパンマン、みんなを助けて!
○料金:一般大高生1800円、中小シニア1000円、幼児900円(2歳〜)
 身体障害者手帳提示で大人1000円、幼児〜中小生800円。
 また介護人1名も1000円に割り引きしていただけます。

大阪で字幕付き邦画を上映する会ニュース(9号)より転載   


【目次】


HP(ホームページ)開設
★ 秋田の難聴幼児通園施設「グリーンローズオリーブ園」
  http://home.interlink.or.jp/~rose/

★ 全国公立学校難聴・言語障害教育研究協議会
  http://plaza29.mbn.or.jp/~nangen/

★ パソコン要約筆記がわかるホームページ
  http://www02.u-page.so-net.or.jp/kb3/haruyasu

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字幕付きビデオ
  爆 笑! 吉 本 字 幕 ビ デ オ

爆笑! 吉本字幕ビデオ

 吉本興業の桂文珍による落語、大木こだま・ひびきの漫才、吉本新喜劇のそれぞれが字幕付きで収録されている。聴覚障害児の母親が設立した字幕挿入会社、(有)ルルベ文字システム による字幕で、字幕の色やタイミングに工夫が見られ、実に楽しい。


 購入はイーピーエスに御連絡を。
 イーピーエス吉本プロジェクト 〒560-0026 豊中市玉井町2-2-30
      TEL:06-849-0444 FAX:06-849-1934 価格 1本 1,500円
      商品代金(1,500円)+税(75円)+送料(872円)=2,447円の着払い。


【目次】


静寂の叫び

新刊図書紹介
  静 寂 の 叫 び

 聾学校の生徒と教員を乗せたスクールバスが、カンザス州を走行中に3人の脱獄囚に乗っ取られた。彼らは食肉加工場に、生徒たちを監禁してたてこもる。人質解放交渉の知られざる実態を描いた新感覚サスペンス。

 私なりに読破を試みたが、あまりの厚さに断念。サスペンスものがお好きな方であれば読めるのかも知れないが・・・。

 ジェフリー・ディーヴァー著。
 早川書房 本体 2,600円 ISBN:4-15-208085-X。


【目次】


ミニ・ニュース
 飯田電子の字幕配信サービスが、いよいよ現実化に。サービスの名称も「テロップ・オン・デマンド」と呼ばれるようになり、新聞にも紹介されるようになった。受信用アダプタは10万円以下に設定し、NTTの課金システムで1件につき300円程度の受信料が必要とのこと。大手ビデオテープレコーダの製造メーカーからも引き合いがあるそうで、もし、実現化すれば、さらにコストダウンも可能か?

 聴覚障害者の中で、携帯電話使用者が増えている。音声での会話が目的ではなく、多くは、文字通信サービスを利用している。ポケベルと違い、文字で送受信ができることと、本体・通信費が安いこと。NTTドコモ中国では、聴覚障害者の来客が多いことから、手話講座を開講し、手話での接客を目指している。

 わかこま自立生活情報室では、「大学案内98障害者版」を編集、発行している。これは、1997年7月に全国601大学に送付した「大学における障害者の受け入れの現状に関する調査」に対する回答を集約したもの。回収率56%、339大学からの回答を整理して掲載している。1冊 2,500円(送料別)。
 照会先:〒192-0907 八王子市長沼町916-2-102 TEL&FAX:0426-32-7273

 朝日新聞主催「@デジタル」シンポジウム
 9月12日 10:30〜13日 17:00、デジタル情報とマルチメディア時代に関して、外国人パネラーなど多数を招き、メディアシンポジウムを開催する。往復葉書で〒104−8011 中央区築地5−3−2 朝日新聞フォーラム事務宛に応募する(締切8月10日着信分)。@住所・氏名(返信用にも)、A電話番号、B年齢・職業(勤務先または学校名)、C聴講希望日(12日のみ、13日のみ、両日)。日英仏の同時通訳の他、聴覚障害者向けにリアルタイム字幕が付く。

 鳥塚しげきの「手話ミュージックビデオ」
 鳥塚しげき氏の家族によるコンサートのライブを中心に構成。歌に併せた手話が付く。かなり趣味的。1本 2,500円(送料別途)。 購入は、下記の「鳥塚しげき事務所」まで。〒145-0071 東京都大田区田園調布2-56-5 FAX:03-3721-6639。

【目次】



Extend-Ear Q&A
  販 売 価 格 一 覧

:Extend−Earには、いくつかの器種とオプションがあるそうですが、良くわかりません。オプションによる定価の違いを含めて、価格を教えて下さい。

:価格は下記の通りです。
受信器関連 標準小売価格 福祉対応価格 説明・備考
パワータイプ
 RX LIN/P
 RX AGC/P
 RX LIN/PK
 RX AGC/PK
173,000
190,000
173,000
190,000
156,300
−  
−  
−  
リニア増幅
AGC回路:発注受注
パワー高音急墜用:発注受注
パワー高音急墜用:発注受注
標準パワータイプ
 RX LIN/M
 RX AGC/M
 RX LIN/MK
 RX AGC/MK
173,000
173,000
173,000
190,000
−  
−  
−  
−  
販売停止→AGC/Mに切替
AGC回路
高音急墜用リニア:発注受注
高音急墜用AGC:発注受注
 Tコイルオプション付き リニアは LIN/P のみ選択可能
  RX LIN/P
  RX AGC/P
  RX AGC/PK
  RX AGC/M
  RX AGC/MK
183,000
198,000
198,000
198,000
198,000
−  
−  
−  
−  
−  
パワー /リニア:受注発注
パワー /AGC:発注受注
パワーK/AGC:発注受注
標準  /AGC:発注受注
標準K /AGC:発注受注
クリスタルブーツ 12,000 −   チャンネル切替用ブーツ
送信器関連 標準小売価格 福祉対応価格  
 MTX−10pro 47,000 42,300  
 logicom TX7 67,000 42,300  
 ラペルマイク 8,400 −    
  発注受注の器種は、納期に1カ月必要。


:349号で補聴援助専用電波を使ったE帯のExtend-Earが市販されることを知ったのですが、受信器もE帯対応の器種が販売されるのですか?
Extend-Ear
:E帯対応の器種には、右写真のように EW1=E帯 ワイド 1チャンネルという意味の表示がされています。価格は上記の通りです。

【目次】



新刊冊子
 CID人工内耳装用児のための聴能スキルカリキュラム

 聾学校に人工内耳装用児が在籍していることが当たり前になりつつある。養護・訓練の枠組み、聴能・発音発語・言語指導という三本柱の中で、特に聴能に関する事項は、聾学校ならではのノウハウを持っている、いや持っていなくてはならない技術と言えよう。補聴器装用児に対する聴能スキルを育てる上で、聾学校は長い歴史と経験を持っている。そして、「訓練」から脱出し、「学習」による手法を築き上げてきた。

 本書は、札幌聾学校が人工内耳装用児を受けるにあたり、アメリカのCID(聾中央研究所)のカリキュラムを翻訳したものである。このようなカリキュラムは、学習的な書き方が難しいので、訓練的内容の羅列になってしまう傾向がある。本書もその傾向に近いだけに、利用者の腕=聴能の発達を学習的手法で考えながら、頭の中では、発達の道筋をとらえる腕が、問われよう。

 日本聴覚障害・教育工学研究会刊。同研究会の会員には無料配布。会員外で入手希望者は、残部限りで入手可能。1冊800円、送料1冊あたり240円が別途必要。10月20日までの入手申込先=FAX:089−946−5211。
 同会の会員で届かなかった場合は、同会事務局=FAX:0298-58-9391にご連絡を。


  CID人工内耳装用児のための聴能スキルカリキュラム申込書

  お 名 前:

                 

  送 付 先:

(〒 □□□−□□□□)←必ず7桁郵便番号をお書き願います。

                                      

  電話番号:

              FAX番号:              

  希望冊数:

      (職場などでとりまとめると送料が安くなります)


【目次】


記事訂正
349号3ページ logicom TX7のチャンネル選択可能数は4つではなく3つ
  logicom TX7のD帯モデルは、D1・D3・D4の3つのチャンネルからの選択

 D帯モデル  D1  74.58MHz  (旧 FCC:Cチャンネルに対応) [D11・D31]
 D3  74.70MHz  (旧 FCC:Iチャンネルに対応)※[D12]
 D4  74.76MHz   [D22・D32]


349号4ページイメージ波に関する説明で(誤)625kHz→(正)62.5kHz。
使用する2本のマイク 

E2 E3
75.3250MHz 75.3875MHz
差は、62.5kHz

イメージ波の周波数  −62.5kHz=75.2625MHz  +62.5kHz=75.4500MHz
 =E1チャンネルと重複  =E4チャンネルと重複


(誤) EW帯については、規定されたグループがないようなので独自に作りました。
  E帯モデル  EW1  [EW11]   [EW21]
 EW2  [EW12]   [EW31]
 EW3    [EW22]  [EW32]
 EW4  [EW13]   [EW23]
 EW5  [EW14]   [EW33]

 E帯モデルの方は、最大4本が同時使用できると思われます。D帯同時使用2本、E帯同時使用4本で、合計6本まで同時使用できます。西日本に多い固定制難聴学級でも各学年に1本を割り当てることができそうです。



 EW帯のグループ分割は、ARIB STD-T54、19ページに掲載されています。
  E帯モデル  W01  [EW11]
 W02   [EW21]
 W03     [EW31]
 W04  [EW12]
 W05   [EW22]
 (なお、ARIBの規格にはEW××という表記はなされていません)

 E帯モデルの方は、最大2本が同時使用できます。
 D帯同時使用2本、E帯同時使用2本で、合計4本まで同時使用できます。


付記 :Wチャンネルは 75.2625MHz 75.3250MHz 75.3875MHz・・・・と、62.5kHz間隔に設定されている。一方で、Wの占有周波数帯幅は ±40kHz、つまり、隣のチャンネルと80kHzの間隔がないと混信する恐れがある。このため、W01とW02は同時使用を避けた方がよい。349号の記事は、このことを考えていなかった。すみません。

【目次】



映画紹介
  「ビヨンド・サイレンス」上映日程(追加)

 地域   映画館   上映日程   TEL   FAX 

 兵庫   宝塚   10/17・18       
 熊本   熊本電気館   9/12〜25   096-352-2121    
 大分   中津銀映   11/21〜27   0979-22-0631    
上映に関しての照会先 潟pンドラ TEL:03-3555-3987 FAX:03-3555-8709
   〒104−0041 東京都中央区新富2−5−11 正福寺ビル2F

【目次】



紹介
 アメリカ製 補聴援助機器の日本販売元

テレボイス総合カタログ

 「みみだより」345号にて、アメリカ GLOBAL ASSISTIVE DEVICES社の補聴援助システムを紹介した。この会社の振動式時計には定評がある。特に、L'IL BEN の振動子は他社製品に比べ、強力なので有名。これらの製品に加え、「ノックセンサー」「アラートマスター」といった製品を日本で販売している会社があった。総合カタログを用意している。ここには、機器の概要が掲載されているので、参考になる。

 潟eレボイス
 〒 150−0043
 渋谷区道玄坂2−16−8
 TEL:03−3476−2160
 FAX:03−3476−2425

 なお、テレボイス社で扱っている機器は、厚生省による日常生活用具「聴覚障害者用屋内信号装置」に指定されている。
 給付については、各福祉窓口にご相談を。


【目次】



新刊図書紹介
  「どんぐりの家」のデッサン

「どんぐりの家」のデッサン

 アニメ映画化された「どんぐりの家」の漫画家山本おさむ氏による書。 「どんぐりの家」を描くに至った経緯を、氏の差別観・障害者観から切り込んでいる。「遙かなる甲子園」「わが指のオーケストラ」などの執筆を通して、氏が考えてきた道筋が読みとれ、参考になる。もちろん、ろう教育に関する考察も含まれる。教育のあり方について、氏が係わってきた成人ろう者から得たバランス感覚、「どんぐりの家」に登場する教育像など、教育関係者が学ぶものも多い。

 岩波書店刊、1,500円。ISBN:4-00-024109-5。



【目次】



補聴器新製品
  Panasonic : FMワイヤレス補聴システム

Panasonic;FMワイヤレス補聴システム

 329号331号335号に掲載した、松下通信工業のFMワイヤレス補聴器に新機種が追加された。従来のAX200/AX100に比べて、出力があがり、ポケット形補聴器として使用するに十分なパワー(最大音響利得 50dB)を持っている。受信機WH−AX101が片耳用(写真左)、WH−AX201が両耳用(写真右)。性能・価格とも満足できるものであり、「子どもにも使える補聴器」である。人工内耳との接続、体育館アンプなどとの接続、シルエットインダクタ、タイループなどとの接続用ケーブルも用意できるので、応用範囲がグンと広がった。

 基本的性能 
 片耳用・両耳用のどちらも送信機は同じ=WH-TX100(以前から販売されている器種)
 受信機は2器種に分かれる。片耳用受信機=WH-AX101、両耳用受信機=WH-AX201
 送信機は15ch切替式(補聴援助専用周波数帯)
    AX100/AX200(従来品)=FOG60 41dB、SSPL90 124dBSPL(ピーク)
    AX101/AX201(新製品)=FOG60 50dB、SSPL90 135dBSPL(ピーク)
    FM受信機 AX-101 39,000円、AX-201 59,000円:送信機 TX-100 25,000円

1.受信機本体の周波数特性は
   AX-101にはイヤホン内に受信器用マイクがあり、M:受信器マイク、M+F、Fのみの3つのポジションスイッチにより入力音を選べるようになっている。下の特性は内蔵マイク使用時の周波数特性。100dB以内の高音漸傾難聴であれば本器での補聴が可能。
上から、
 ・SSPL90(TONE=N)
 ・FOG60(TONE=N)
 ・FOG60(TONE=H)

受信機の周波数特性

2.受信器マイクとFMマイクからの音の違いは
   恒例により、受信器側マイクに65dB入力時の周波数特性と、FMマイクに80dBを入力した際の周波数特性を比較してみた。なお、FMマイク側には「出力」と書かれたボリュームと、受信器側には受信器側マイクとFMマイクからの入力音とのバランスをとるための「FM音量」トリマがある。オプションのタイピンマイクを使うとほぼM入力(65dB)=F入力(80dB)となる。
測定条件:
  送信機 M.V.=4
  受信器 M.V.=4
     (TONE=N)
  FM音量=小

受信機マイクとFMマイクの比較

3. FMマイクのオプションに注目
   FMマイクには「外部入力」という端子が付いている。ここにオプションのタイピンマイク(RP-VC3)を接続することで、今までのFMマイクのようにも使用できる。
 また、テレビと接続すれば、テレビ補聴システムとしても使用できる。この場合は電池駆動ではなく、AC電源(アダプタ使用)が使用できる。
 製品のカタログなどではテレビの横に置いて使うような設計になっていて、今までのFMマイク→FM受信機のようなシステムとしては使いにくいような印象を受ける。しかし、別売のタイピンマイクを利用すれば、アンテナも上手く処理でき、普通のFMマイクと同じような使い方ができる。
 ところが、別売のタイピンマイクのプラグだと、写真のように横に出っ張り、ポケットに入れづらい。
 そこで、プラグをL字形のものに替える。そうすれば、ポケットにスムースに入り、携帯性も良いFMマイクとなる(右下)。
 詳しくは、335号参照。
  タイピンマイクのプラグ

4.Panasonic FMワイヤレス補聴システムと補聴器との接続
   このシステムだけで補聴器として使用する場合には、だいたい聴力90dB前後が適用の限界。しかし、以前から利用されている「FM受信機+補聴器」という接続方法をとれば、聴力を越えて利用できる。受信器には、専用のマイク内蔵レシーバが付いてくるが、これを使わず、その替わりに専用ケーブル(図)を使用する。335号では自作する方法を紹介したが、専用ケーブルを使えば、ケーブルの途中にマイク(図中ECMと書かれている箇所)があるので、補聴器としての機能も利用できる。
 写真は、シルエットインダクタとの接続例。専用ケーブルを使うことで、シルエットインダクタの使用が簡単になる。
シルエットインダクタの接続 シルエットインダクタの接続

5.Panasonic FMワイヤレス補聴システムは、人工内耳でも使えるの?
   人工内耳装用児者に対するFM利用については、「みみだより」322号 p.2で紹介した。ここで紹介しているFMシステムはパナガイドだが、もちろん、この替わりに、TX-100→AX-100のシステムが使用できる。スピーチプロセッサとの接続ケーブルは以下のようなもの。コクレァ社の製品で動作の確認がとれている。
 TX-100→AX-100と接続ケーブルのセットで、基準外交付を申請し、交付決定された実例もある。人工内耳装用児にとっても、学校の体育館等のPAシステムと混信の可能性があるパナガイドより、福祉用専用周波数帯使用のTX-100→AX-100システムの方が安心して利用できるメリットがある。
 教室で学ぶ人工内耳装用児にはFMシステムの併用が欠かせない。ぜひ、教育の責任でFMシステムを適切に導入する必要がある。
スピーチプロセッサとの接続ケーブル
専用ケーブルなど照会は、下記のパナソニック補聴器(株)へ。
パナソニック補聴器 〒224-8539 横浜市都筑区佐江戸町600 FAX:045-939-1408
                    http://www.panasonic.co.jp/mci/phocho

【目次】



紹介
  全 国 盲 ろ う 者 協 会

 「盲ろう」=視覚・聴覚の双方に障害を持っている方々を対象にした協会が活動をしています。視覚障害にも「全盲」・「弱視」がありますし、聴覚障害にも「ろう」や「難聴」といった違いがありますから、協会の対象は、@全盲ろう、A弱視ろう、B全盲難聴、C弱視難聴という4つのタイプがあることになります。

 協会では、約2万人いると言われている全国盲ろう者に必要なサービス提供をするために、盲ろうの方(子どもを含む)に協会に登録をすることを奨めています。協会に登録を受けると、通訳・介助者の派遣(1〜2級以上)、相談、情報提供、専門誌「コミュニカ」の送付、点字タイプライターの貸出を受けることができます。協会への登録は下記にご照会願います。

     〒162−0051 新宿区西早稲田2−2−8 福祉財団ビル地下1階
     全国盲ろう者協会 TEL:03-5272-1691 FAX:03-5272-1692


 協会の目的に賛同する方は、「賛助会員」になることができます。団体賛助会員は1口5万円、個人会員は1口 3,000円からで、情報誌「コミュニカ」の送付希望(希望の場合は[墨字版]か[点字版]の指定)、送付を希望しないか、協会の紹介者名を記入し、下記に送金して下さい。

     郵便振替口座:00190−7−32546「全国盲ろう者協会」


全国盲ろう者協会では、下記のような会を開催しています。

1.全国盲ろう者大会 8月20日〜23日(参加申込期限 7月10日)
 [盲ろう者対話能力開発事業]
  分科会: @盲ろう者どうしのコミュニケ−ション
A盲ろう者福祉に対する要望
B地域の盲ろう者活動の現状と課題
C盲ろう者と手話

2.盲ろう者向け通訳者養成研究会 10月5日〜9日
  参加は都道府県・政令都市の推薦を受けた者
  内容: 盲ろう者福祉入門、盲ろう者と手話、盲ろう者と点字、
実習(手書き文字、手話、指文字、指点字)など

 その他、会は、訪問相談・通訳派遣事業、盲ろう者専門誌発行事業、盲ろう者福祉啓発事業、盲ろう者友の会活動支援事業、盲ろう者国際協力事業などを行っています。協会に関するご質問等は、上記の協会まで直接、ご照会願います。


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新刊図書紹介
  聴覚情報処理とその異常

聴覚情報処理とその異常

 聴覚情報の処理、機能、検査、障害とその所見、新しい展開などをまとめている。第T章の「聴覚情報処理」では、蝸牛有毛細胞から大脳までについて詳述し、第U章「聴覚情報における機能分化」では、周波数分析・語音弁別、方向感、両耳合成・分離能、大きさ感覚、先行音効果などおもしろいトピックスが取り上げられている。第V章「聴覚情報伝達と電気生理学的検査」では、蝸電図、耳音響放射、聴性脳幹反応、聴性中間反応、緩反応について、本書の特徴でもあるカラー図版を用いて、わかりやすく解説してある。第W章「聴覚情報伝達障害と聴力検査所見」、第X章「聴覚情報処理研究の新しい展開」で構成されている。第X章では、人工内耳と聴覚情報伝達にも書かれており、PETによる脳機能の解析など参考になる。

 神崎仁編集:メジカルビュー社発行、グロビュー社発売
 定価 9,500円。ISBN:4-89553-566-5。


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 学会誌 Contents  Audiology Japan 41(3),1998

(誌面都合で共著者は省いています)   

Audiology Japan 発行元:
    日本聴覚医学会 〒108-0074 港区高輪2-14-14-707 FAX:03-3445-7880

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補聴器紹介
  小野測器 ク リ ア ト ー ン

クリアトーン

 日本で開発されたデジタル補聴器として有名な「クリアトーン」を紹介したい。

 クリアトーンは、東北大学が中心になって開発が進められた補聴器で、この中心的機能は、24チャンネルのラウドネス補償にある。ある同じ大きさの音でも、難聴者の難聴の程度や様態によって、人によってはちょうど良く感じるし、人によってはうるさく感じるということが起きる。クリアトーンでは、装用前に、250・500・1k・2k・4kHzについて、その人がどのように音の大きさを感じるか=ラウドネス補償関数を求め、これをもとに音の増幅特性を決定していく仕組みをとっている。ラウドネス補償関数を求め、増幅特性を決定していくフィッティングシステムと測定にかかる時間が必要なため、クリアトーンの購入にあたっては、仙台市の(株)クリアトーンでの相談が必要となる(予約が必要)。

 クリアトーンは、アルカリ単3電池4本で駆動し、電池寿命は約19時間。出力は、FOG(最大音響利得)=50dB、SSPL90=135dB(ピーク)ということなので、およそ100dBHL程度までの難聴が対象になるかと思われる。本体は写真のようにポケット形で、外部マイクと外部電源(ACアダプタ)が接続できる。定価 362,000円。

 (株)クリアトーン 〒980−0022 仙台市青葉区五橋1−2−28
 TEL:022−214−4024 FAX:022−214−4128

 クリアトーンを製造している(株)小野測器によれば、9月から直営店舗を通じ、大都市中心に、年に2〜3店の出店ペースで全国展開する意向ということであり、とりあえず、横浜に店舗を設ける予定と聞いている。詳しくは下記に照会を。

 (株)小野測器 〒226−0006 横浜市緑区白山1−16−1
 TEL:045−935−3888 FAX:045−930−1304


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補聴器紹介
 スターキージャパン プログラマブル・アナログ補聴器

 スターキージャパン社が、デジタルプログラマブル補聴器を販売している。その中でも、中心的な2器種を紹介したい。1つはK−AMP搭載ライン、2つ目はシークエルアンプ搭載ラインである。それぞれ、フルシェル・カナル・CICのサイズが用意されている。K−AMP搭載ラインにはミニカナルに相当するサイズも用意されているので、全部で7器種という計算になる。価格は178,000〜218,000円。CICサイズはオープンプライスで、販売店が価格を決められる。
スターキージャパン プログラマブル・アナログ補聴器  これらのデジタルプログラマブル補聴器は、スターキー社のノアベースのフィッティングソフト=PFSで調整する。視覚的にわかりやすく、I/O特性の設定も容易である。ぜひ何かの機会に触れていただきたい。

 照会先= 〒224-0041 都筑区仲町台5-2-20
 スターキージャパン社
 TEL:045-942-7226 FAX:045-942-7158。


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新刊冊子
 トライアングル5周年記念  本人の主張「ちょっといわせてよ」

本人の主張「ちょっといわせてよ」

 聴覚障害児と共に歩む会・トライアングルが今年5周年を迎えた。4月18日、5周年記念総会が開催された際、トライアングル修了生による 本人の主張「ちょっといわせてよ」の時間がとられた。本冊子は、この際、発表された13名と、投稿した18名の本人の主張が掲載されている。

 ここには、それぞれの経験をもとに、自分の障害を見つめ、何を伝えたいかが明確に書かれている。教える側に立っていて、ついつい聞き落としてしまう声に気付かさせる。

 ぜひ、お目通しを。1冊700円(送料別)
 照会先:トライアングル
 〒162-0051 新宿区西早稲田2-2-8-5F
 TEL&FAX:03-3203-9938 ホームページ=http://www.asahi-net.or.jp/~aq2t-ueym
 なお、トライアングルでは、賛助会員を求めている。入会は上記に照会を。
 また、基金への寄付も受け付けている 郵便振替:00310-5-762429 にご寄付を。

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