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平成21年6月3日

厚生労働省社会援護局障害保健福祉部

 障害福祉課長殿

きょうだい支援連絡会議

 

障害や疾患のある人のきょうだい支援に関する提案

〜きょうだいの立場から〜

 

 私たち「きょうだい支援連絡会議」は、障害や疾患のある人の“きょうだい”(*)への支援活動を行っている団体(以下、「きょうだい支援団体」と表記する。)の連絡組織です。

障害や疾患のある人やその親に対しては不十分ながら様々な支援がありますが、今まで、“きょうだい”への支援についてはほとんど認識されませんでした。しかし、平成20722日付の厚生労働省「障害児支援の見直しに関する検討会 報告書」で、子どもの“きょうだい”について、初めて支援の必要性がうたわれ、平成201216日付の「社会保障審議会 障害者部会の報告書」に反映されました。これは、わが国としては初めてのことであり、その内容も十分に評価できるものと考えます。

 

この提案は、上記の「障害児支援の見直しに関する検討会 報告書」および、「社会保障審議会 障害者部会 報告書」で述べられていることについて、“きょうだい”の立場からの具体的な提案です。併せて、上記の報告書で触れられていないこと等についても提案させていただきます。

(*)障害や疾患を持たないきょうだい を「“きょうだい”」と表記します。

 

□“きょうだい”の位置づけ

障害や疾患のある人を支える親は途中でいなくなり、福祉関係者は交代しますが、“きょうだい”は、同じ時期を生きていきます。成人後は、きょうだい同士は、独立し、それぞれの生活を営む中、お互いの心の支えとして良好な関係を結ぶことが重要と考えます。きょうだいにとって「保護者」であることを求められることは障害や疾患のあるきょうだいへの対応を、自身の生活や家族より優先せざるを得ない場面があるということであり、一方、障害や疾患のあるきょうだいにとっては、きょうだいに依存して生きることを意味します。しかし、それは本来の良好なきょうだい関係を損なうことにつながります。障害や疾患のある人は社会が支えるのが福祉国家の原則と考えます。

 

□“きょうだい”の状況

“きょうだい”は、次のように年齢によって様々な悩みや課題を抱えています。

(主に幼少期)

@親にかまってもらえず、寂しい思いを我慢する事が多いが、それを親には言えない。

A聞き分けの良い、良い子を演ずる。

B親が、障害のある子どもを優先的に扱うことに不満を感じる。

☆上記のような状況が続くと、自分に対する親の愛情を疑ってしまうことがあります。親と“きょうだい”がしっかりと向き合うことが少なく、家族が家族らしさを失ってしまうのです。親が障害のある子どもに向き合えない場合は、さらに深刻です。親も不安を抱え精神的にも時間的にもゆとりがないためです。

 

(主に学齢期)

C学校などでいじめにあう。

D障害のあるきょうだいから辛い行為(暴力や虐待、大事なものを壊される等)を受けることもあるが、その辛さを親に分かってもらえない。

E障害についての知識がなく、不安や疑問に思ったことを親も誰も教えてくれない。

F将来に不安を感じるが、親には言えず、相談する人もいない。

G D〜Fのようなことから、孤立感、孤独感を持つ。

H親から過度な期待をかけられたり、進路を押しつけられたりして辛い。あるいは、それに応えようと必死になる。

☆上記のような状況が続くと、自己肯定感が十分に育たず、うつ的な傾向を持つ場合や、大人になって人生のさまざまな問題を乗り越える力に課題が生じることが多いと、私たちは実感しています。

 

(主に青年期以後)

I就職先を選ぶ時に、障害や疾患のあるきょうだいの影響で、親から制限を受けたり、自分から制限をすることがある。

J結婚に消極的になることがある。相手や相手の家族の理解不足、親亡き後の過度な負担への不安、遺伝の心配などのため、結婚に結びつかない場合がある。

K障害や疾患のあるきょうだいへの対応に追われ、自身の日常生活が成り立たないほどの多大な時間的、経済的、精神的負担を強いられることがある。

L親の高齢化や親亡き後には「保護者」としての役割を担うことを強いられ、実生活に多大な負担がかかる事が多い。

M I〜Lのような悩みを持っていても、相談するところがない、あるいは相談しても理解してもらえないと思う。

☆上記のように、実生活上で大きな影響を受けます。自分らしい人生を送ることが難しくなることさえあります。

 

□“きょうだい”に必要な支援

“きょうだい”には、その年齢(子どもから大人まで)と個々の状況に応じて、以下の支援が必要です。

@同じ“きょうだい”という仲間を得て心の安定を得るための支援

A必要な情報を得るための支援

B特に子どものうちは、家族問題の調整も含めた家族全体への支援

C障害や疾患に対する知識・理解を深め偏見を除く教育や啓発

D母親不在の際に子どもの“きょうだい”の世話をする等、“きょうだい”に直接に関わる支援。

 

☆上記の他に、障害や疾患のある人(子どもも含む。以下同じ)や親への支援も“きょうだい”への支援につながります。

そして、それらが有効な支援となるためには、良い福祉人材と十分な予算、そして省庁の垣根を超えた連携が不可欠です。

 

以下に、特に“きょうだい”に関する具体的な提案をいたします。私たちきょうだい支援団体が、委託を受けて行うことができるものもあります。

 

1、“きょうだい”への支援(全般)

@“きょうだい”の持つ課題について調査し、その支援の方策について研究すること。

A“きょうだい”の持つ課題と対応への理解を促進するために、マスコミや福祉、医療関係機関・団体(特に、障害児の早期発見・療育、保育に関わる機関)、親の会などに対して広報や研修等を行うこと。

B幼年期から中高年期まですべてのライフステージのきょうだいに支援が行き届くように、都道府県単位での総合相談窓口で、“きょうだい”についても対応すること。

C“きょうだい”の抱える悩みについての電話相談事業等を実施すること。

D必要な人には、カウンセリング等の専門的サポートを受ける機会を提供すること。

E親からの相談(早期療育相談を含む)やカウンセリングの中に、親の状況を配慮しつつ、“きょうだい”についての視点を入れること。

Fきょうだい支援団体の存在を、マスコミや福祉、医療関係機関・団体、親の会などを通して広報すること。

Gきょうだい支援団体の育成(創設を含む)、交流等への支援を行うこと。

H家族(親、"きょうだい"等)の負担を軽減し、安定した生活を守るために、障害や疾患のある人の保護などについて行政が必要な手段を講ずること。

I障害や疾患についての知識・理解を深めるための、市民向け講座等を開催すること。

(説明)

@について(調査・研究)

“きょうだい”の持つ課題については、きょうだい支援団体や福祉団体、大学などによる調査がありますが、国が政策を立案する立場からの調査・研究が必要です。

Aについて(理解促進)

“きょうだい”の持つ課題については、福祉、医療、教育関係者はもとより、親も十分に認識していないのが現状です。特に、障害児の早期発見・療育、保育に関わる機関については、“きょうだい”への早期な対応が重要なため、周知が望まれます。

療育機関や医療機関の職員がこのことを十分に理解していないことに加え、職員が家族(親、きょうだい等)とじっくり対応することが難しい現状もあります。親を最も必要としている子どもの時期にこそ家族への支援が必要です。

Bについて(相談窓口)

きょうだい児のことについては、現在一部の療育センターや特別支援学校の教育相談が対応していますが、それは保護者からの相談です。“きょうだい”自身が、家族のことや自分の悩み、将来(親亡き後)の計画などについて相談できる専門の機関がありません。きょうだい支援団体と、それに参加したい人がなかなかつながらないという現状もあります。橋渡し役となって支援が必要な人に支援が届くような仕組みが必要です。

Cについて(電話相談)

地理的な条件や心理的な状況から、支援を求めにくい“きょうだい”が多くいると考えられます。その方たちへの支援方法の一つが電話相談です。

 そのために、電話相談対応マニュアルの作成、電話相談員の育成、相談体制及び福祉・医療・教育・法律などの専門家のネットワークの構築などが必要です。

Dについて(“きょうだい”へのカウンセリング)

きょうだい支援団体による、自助的な支援だけでは解決が難しいような悩みを持っている場合には、精神科などによる専門的なサポートが必要となります。

Eについて(親の相談での、きょうだいへの言及)

親からの相談の中には、“きょうだい”に関することもありますが、親が気がつかない場合も含めて、親に“きょうだい”についての理解を促す取り組みを行うことが必要です。しかし、その時点で親がそれを受け入れる余裕がない場合は、受け入れる状況が整うのを待つなど、配慮することが必要です。

Fについて(きょうだい支援団体の広報)

特に思春期以後の“きょうだい”には、同じ“きょうだい”という立場の自助的な関係を中心とした支援が必要です。これは、親に親の会があるのと同様です。

思春期以後の”きょうだい”は、自分の進路や就職、結婚で悩むことが多くあります。これらの課題を乗り越えるためには、“きょうだい”自身が様々な情報やノウハウを持つとともに、精神的な力を強めることが重要です。それを助けることができるのは、”きょうだい”の自助団体である「きょうだい会」です。「きょうだい会」やその他のきょうだい支援団体の存在については、親や福祉・医療・教育などの関係者にもほとんど知られていません。また、きょうだい支援団体は、単独でその存在を知ってもらうために広報活動を行っていますが、各団体の力では広報に限界があります。そのため、きょうだい支援団体の存在があまり知られておらず、きょうだい支援団体に所属している“きょうだい”は、全国の“きょうだい”の1パーセントにも満たないと推定されます。きょうだい支援団体の存在や内容についての周知が必要です。

Gについて(きょうだい支援団体の育成)

このようにきょうだい会やその他のきょうだい支援団体は重要ですが、現在あるきょうだい支援団体のほとんどは、親と違って働き盛りの会員が中心であり、会の活動に関わる時間が多くとれず、財政力もないため、十分な活動ができていません。また、きょうだい支援団体は、全国各地の身近なところにあることが重要ですが、現状は不十分です。そこで、現在ある団体の育成とともに、各地の独自のきょうだい支援団体の創設なども重要です。

そのために、きょうだい支援活動に関する調査・研究、運営マニュアルの作成と広報、きょうだい支援団体の交流への支援や創設への支援などが必要です。すでに、高松や名古屋で、そのような活動が実施・予定されています。

Hについて(家族や"きょうだい"の負担軽減)

  障害や疾患のある人の行動が、家族(親や"きょうだい")だけで対応できる範囲を超えていたり、生活に過大な影響を及ぼす場合があります。医療に的確につなげるための方法が社会的な仕組みとして確立されていないため、特に精神障害・疾患のある方の家族(親や"きょうだい")に多大な負担をかけています。そのような場合には、行政が家族の要望をくみ取り、障害や疾患のある人の保護などについて、医療と福祉が連携して積極的に介入できる手段を講ずることが必要です。

Iについて(障害や疾患についての知識・理解促進)

市民の障害について知識・理解が不足しているために、障害や疾患のある人やその家族(親や“きょうだい”)が辛い思いをすることがあります。親も知識・理解が不足なために適切な対応が遅れることもあります。障害や疾患(精神疾患、小児慢性疾患等)についての知識が必要です。

☆人は、障害や疾患があってもなくても、それぞれの個性を尊重して、互いに補い合いながらともに生きる「共生社会」を作ることが基本にあることを、十分に理解することが何よりも重要です。

 

2、きょうだい児への支援

*幼少期を中心とした年齢の「“きょうだい”」を「きょうだい児」と表記します。

@療育機関や医療機関などで、親が障害児に対応している間にきょうだい児が充実した時間を持てるように、きょうだい児がいられる場所ときょうだい児を見守るスタッフを確保すること。

Aきょうだい児支援活動を行っている「事業所等」を支援すること。

Bきょうだい児支援活動を行っている「市民団体」を支援すること。

 

(説明)

@について(きょうだい児への対応)

長期入院を必要とする子どもとその親が病室等で過ごしている間、きょうだい児は居場所がなく、病院の廊下で待っていたりします。病院内できょうだい児支援を始めようとしても、責任の所在、事故発生時の対応などが壁となり実現できないことがあります。病児・障害児が利用する病院・療育センター・施設などが、常駐の保育士のいる、きょうだい児のための部屋を確保できるような仕組みが必要です。

Aについて(きょうだい児をサポートする事業所などへの支援)

きょうだい児の抱えている問題に対応する、母親・父親・祖父母等の障害受容の手助けをするなど、障害児支援を行っている事業所や病院がきょうだい児支援、家族支援を行うことが必要です。

Bについて(きょうだい児をサポートする市民団体などへの支援)

きょうだい児支援プログラムに参加することで、きょうだい児は同じ立場の子どもと出会え、遊びや学習などを通して心理的にも楽になり、正しい知識を得て、障害や疾患のある兄弟姉妹がいることで生じる問題に、より的確に対処していけるようになります。子どもは大人と違って自分たちでは同じ立場の人と出会う場を作れません。そのため、周囲の大人が支援プログラムを提供する必要があり、身近な場で行われるきょうだい児支援プログラムがもっと増える必要があります。

きょうだい支援のための恒久的な助成金を設けるなど、市民団体がきょうだい支援プログラムを運営する際に財政的補助と社会的配慮を受けられる仕組みが必要です。

 

3、大人の“きょうだい”への支援

@“きょうだい”が「保護者」の役割を強制されないような制度を創設すること。

A“きょうだい”が障害や疾患のある人の成年後見人になった場合に、精神的および生活上の負担があまりかからないように制度を運用するとともに、これを支援すること。

Bきょうだいが障害のあるきょうだいのために介護休暇を取れるように制度を改善すること。

 

(説明)

@について(「保護者」に代わる機能):

親が保護者としての役割を果たすことが難しくなった場合に、“きょうだい”が「保護者」になることがよくあります。しかし、それは本意ではない場合もあります。“きょうだい”が保護者になるということは、きょうだい同士の対等な関係がくずれることになります。障害や疾患のある人の権利擁護の観点からも、望ましいことではないはずです。いわゆる「保護者制度」は、障害や疾患を抱える人のサポートは身内がするものとの意識を社会に植え付け、きょうだいだけでなく親も含めた身内の人間に多大な負担をもたらしていることから、早急に撤廃し、社会こそが、保護者に代わる機能を果たすという空気を醸成していくことが必要です。

そこで、保護者の役割とそれに代わる公的な機能を持つ制度についての研究を行い、制度を作ることが必要です。例えば手術への同意権など、成年後見制度の機能の拡充などで対応することができるのではないでしょうか。

Aについて(成年後見制度の弾力的運用)

“きょうだい”が障害や疾患のある人の成年後見人になった場合にも課題があります。親族後見の場合は特に家庭裁判所の運用が厳しく、また、“きょうだい”の立場への理解も不十分なため、“きょうだい”の精神的および生活上の負担は大きいものがあります。実際、成年後見制度もまだ使いにくく、利用率は低迷しています。

そこで、“きょうだい”が成年後見人になった場合の課題についての研究とその結果に基づく成年後見制度の運用改善と利用促進の支援が必要です。

Bについて(介護休暇の適用)

きょうだいが、障害や疾患のあるきょうだいの介護や世話をすることがありますが、現役の働き盛りのきょうだいにとっては両立することが困難で精神的にも生活的にも厳しいことがあります。介護が必要になった老親と障害や疾患のあるきょうだいの世話を同時にしなくてはならない場合もあります。障害や疾患のあるきょうだいや老親との同居・扶養の有無を問わず、必要なときにはきょうだいが介護や世話、事務手続きのために介護休暇を取れるように制度を改善することが必要です。

 

☆障害や疾患のある人の自立は、”きょうだい”にとっても重要です。しかし、自立に向けた取組は十分ではありません。また、障害や疾患のある人の生活で、特に地域生活においては、十分に生活を支えるだけの経済的な保証はなく、制度はあっても、そこから漏れるニーズについては、家族(親、“きょうだい”)等が対応せざるを得ないのです。経済的にも精神的・時間的にも家族(親、“きょうだい”)に依存しているのが現状です。

成人した障害や疾患のある人は、社会全体で支えるのが福祉国家としての原則であると考えます。「保護者に代わり、障害や疾患のある人の行為を代行し、権利を守る機能」「24時間365日、隙間なく生活を支える機能」「常に近くから見守るとともに、障害や疾患のある人の気持ちを支援者に伝える機能」が必要です。福祉職員の人材不足のために、形式的な対応になっていることが多々あります。上記の課題について、その改善方法について研究が必要です。地域社会の理解が進むことも不可欠です。

 

 

 

これらの障害や疾患のある人への支援などについては、親の会、関係団体などの提案と同様のものが多いので、本提案では触れません。

 

◎文部科学省には、下記の提案をしています。

 

1、“きょうだい”への支援(全般)

@きょうだいの持つ課題と対応への理解を促進するための広報や研修等を、マスコミや教育関係機関・団体・PTAなどに対して行うこと。

 

A各学校に配置されているスクールカウンセラーや特別支援教育コーディネーターが きょうだいについての相談の窓口として対応できるように、研修の中に“きょうだい”のもつ課題と対応に関する項目を入れること。

 

B特別支援学校や教育センターで行われる教育相談できょうだいについての相談を行えるよう、相談員に対しての研修の項目に“きょうだい”のもつ課題と対応を入れること。

Cきょうだいへの支援活動を行っている団体の存在を、マスコミや教育関係機関・団体・PTAなどを通して広報すること。

 

.一般児童生徒に対して

  • 障害・疾患に対する偏見を除く教育を引き続き行うこと
  • 障害・疾患に対する知識を深める教育を行うこと
  • 障害・疾患に対する研修を教員(特に養護教諭・保健体育の教員)に対して行うこと




成年後見制度について(要望) (平成10年7月16日 法務大臣宛てに提出) 

    全国障害者とともに歩む兄弟姉妹の会   会長 山本 嘉子

 さまざま問題を含んだ現行の禁治産等制度に対して、三類型の創設、身上に対する配慮規定、任意後見制度の創設など、今回の改正案は従来の制度の矛盾の解決策の一つとして、大きな一歩となることと思います。この改正案は判断に援助が必要な人々の人権を守る意味からも、家族の抱える問題の一つの解決となる意味からも、その実現を強く望むものであります。 以下、きょうだいの立場から、要望を申し上げます。
                       記
1.成年後見人の決定にあたっては、家族の意思を尊重して下さい。家族であるという理由だけで、義務として自動的にその役割を決定することは避けるべきです。
 家族が希望する場合のみ、その役割を与えるべきものと思います。
 なお、家族が役割を負う場合でも、この制度の本旨を周知させる意味から、年1回程度の研修を受ける必要はあると思います。

2.公示方法については戸籍への記載をすることなく、登録センター(仮称)を新たに設けるなどして、簡便に処理できるようにするとともに、この制度を必要としなくなった場合は、記載が抹消できる制度として下さい。現行の戸籍制度は未来にわたって記載事項が残ってしまい、家族の結婚や就職の時に、不利益を被るトラブルが起きています。

3.成年後見人等への報酬、鑑定に要する経費については、障害者は年金のみの収入の人が大半ですので、少額で済むようにして下さい。お金がない理由で、この制度を利用できない人が出ないように、一定の公費による助成を制度化して下さい。
 なお、家族が役割を負う場合でも、この制度が新たな家族関係の出発である事を理解する意味からも、第三者があたる場合と同様に、報酬を家族に支払うことが必要と思われます。

4.この制度の実施にあたっては、本人の自己決定を尊重しながらも、本人の状況に応じて、生活の実態をつぶさに見聞して、判断されるべきものと考えます。日常をともにしている家族の立場から見ますと、表面的なやりとりだけでは判断しきれない実態が、生活の中にはあります。

5.身上に配慮する規定が有効に発揮できるような、制度的裏付けを保障して下さい。成年後見人の職務が、財産の管理や狭い法律行為のみに限定されることなく、障害者が幅広い援助を受けられるように実施体制を整えて下さい。

6.この制度は運用の仕方によっては、逆に障害者の人権を侵害することもあり得ますので、チェックシステムを充実する必要があります。成年後見監督人の必置、第三者機関による監査システム、関係者の研修などを制度化して頂きたいと思います。
 なお、直接処遇の関係にある法人は、法人後見とすべきではないと思います。

7.この制度の申請にあたって、身寄りのない障害者も増えていますので、公的機関も申請に関与できるようにして下さい。

8.成年後見人が地域に広く配置されることは、この制度の発展に欠かせないことですので、より多くの人がこの制度の趣旨を知り、参加してもらうための方策に力を入れて頂きたいと思います。




社会福祉基礎構造改革について(要望) (平成10年6月 関係省庁に提出) 

      全国障害者とともに歩む兄弟姉妹の会   会長 山本 嘉子

 現在の福祉の状況を考えるとき、私達としても社会福祉が充実する必要性を感じます。しかし、中間まとめの内容では、障害者やその家族に多くの負担がかかる事が予想され、障害者のきょうだいの立場から大変心配です。そこで、次のように要望します。

1.社会福祉は国や地方公共団体の責任であると思いますが、サービスの利用者と提供者の契約が強調されることで国などの責任が不明確になっているように思えます。
 国や地方公共団体が責任を果たすことが明確であるシステムにして下さい。

2.利用料などの適正な負担がうたわれていますが、所得の低い障害者でも十分なサービスが受けられるように公費助成をして下さい。現在でも福祉予算は充分とは言えません。公的負担金を現状より後退させないで下さい。

3.現状をしっかりととらえて、現在実効性のあることを改革し、実効性がないことは実効性があるようになった時点で改革するようにして下さい。例えば、契約の前提になるのは利用者の希望に添ったサービスを選択できることですが、入所施設などは施設が少なく選択できないのが現状です。契約の概念を導入するのは、選択できる状況が整ってからにして下さい。変革には痛みをともなうと言う人がいますが、弱いものが痛みを負うことがないように切にお願いいたします。

4.措置にかかる事業について、「契約による利用制度の適用が困難な理由」とはどのようなものか、また、「それぞれの特性に応じた適切な制度」はどういうものか、国や地方公共団体の責任という観点から例示的に説明を加えて下さい。

5.公費助成等により、事業の実施者に十分な収入が確保できるように強く求めます。社会福祉法人が「サービスが低下しないように配慮しつつ」「サービスの対価として得られる収入を施設整備に係る借入金の償還に充てることができる仕組みとする」とありますが、そのようなことが出来るだけの収入を確保できるのか疑問です。

6.障害者が地域の中で暮らすことは私たちとしても求めるところですが、「地域福祉」の美名の下に、公的責任をすりかえて障害者本人やその家族に過大な負担をかけることがないようにして下さい。白河育成園事件でも、地域に帰った障害者とその家族が予想以上の負担で苦しんでいますが、行政が責任をとっているとは言えません。
特にきょうだいは、自分自身の生活と障害者の世話等を両立させるのは困難であり、それぞれが独立した人生を歩んでいけるかが現在社会の課題です。成人した障害者は社会が支えるという原則をはずれないようにして下さい。

7.「福祉は人なり」と言います。福祉従事者が生き甲斐を持って業務に専念できる環境を整えて下さい。特に、天下りを禁止して下さい。施設長など施設管理者の人材の養成、確保がうたわれていますが、民間の福祉団体への行政からの天下りや出向などで良い人材が得られることはまれです。さらに、天下りや出向は、その団体固有の職員の意欲を大幅に減退させるものであります。これは現在の大きな問題点として認識すべきです。一般の社会福祉団体もそうですが、特に社会福祉協議会他の行政出資団体で顕著です。本改革の成否がかかっている問題と思います。

8.障害者などの権利を保障し擁護する「成年後見制度」の導入は必要不可欠ですが、充分に使いやすく有効性のある制度にして下さい。



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◎きょうだい支援連絡会議構成団体(順不同)(所在地):活動内容等

きょうだいの会横浜(神奈川県):きょうだい児支援

きょうだい支援の会(東京都):きょうだい支援全般

きょうだい支援を広める会(東京都):きょうだい支援全般

きょうだい会SHAMS(シェイムス)(栃木県):きょうだい児支援

きょうだいの会ライオンクラブ(東京都):きょうだい児支援

東京兄弟姉妹の会(東京都):精神障害や疾患のある人のきょうだい支援

全国障害者とともに歩む兄弟姉妹の会(東京都):きょうだい支援全般

  

◎連絡先(きょうだい支援連絡会議事務局:厚生労働省担当)

  全国障害者とともに歩む兄弟姉妹の会

 (〒136-0073)東京都江東区北砂1-15-8 地域交流支援センター内

メール:kyodainokai@yahoo.co.jp 

 

 


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