平成24年3月23日 提出先 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 財務大臣 厚生労働大臣 内閣官房長官 あて 富山県議会議長 坂田光文 障害者総合福祉法(仮称)の制定を求める意見書 障害者の権利及び尊厳を保護・促進するための包括的・総合的な条約である 障害者の権利に関する条約が平成18年12月に国際連合総会において採択され、 平成20年5月に発効しているが、我が国では国内法が未整備のため、 いまだ批准するに至っていない。 こうした中、政府は、障害者に係る制度の集中的な改革を行うため、 障害者団体関係者を含めた障がい者制度改革推進会議や同会議の下に 総合福祉部会を設置し検討を進めた。 同部会では、障害者の権利に関する条約及び平成22年1月に 国と障害者自立支援法違憲訴訟原告団等で取り交わされた基本合意文書を指針として、 昨年8月に「障害者総合福祉部会の提言」がまとめられたところである。 しかし、厚生労働省が本年2月l8日に公表した障害者自立支援法に代わる新法の 厚生労働省案では、「提言項目」60項目のうち、取り入れた項目は3項目、 触れられていない項目が48項目あり、これでは、「障害者総合福祉法」の制定ではなく、 現行法の一部の改正にすぎないと、障害者団体や有識者が批判している。 一人ひとりの存在が大切にされ、誰もが排除されることなく社会的に包摂されるためには、 制度の谷間のない支援の提供、個々のニーズに基づいた地域生活支援体系の整備等を 内容とする持続可能な制度を早急に構築する必要がある。 よって、国会及び政府におかれては、障害の有無にかかわらず 国民が分け隔てられることのない共生社会の実現に向け、 次の事項について実施するよう強く要望する。 記 1「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」を最大限に尊重した 障害者総合福祉法(仮称)を制定すること。 2 本骨格提言が反映された障害者総合福祉法(仮称)が実効性のあるものとなるよう 十分な予算を確保すること。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。