障害者権利条約批准に向けた早期の法整備を求める意見書 わが国では、平成18年4月、障がいのある人も障がいのない人と共にに、 地域社会で生活できるための新たな仕組みをめざした「障害者自立支援法」が施行された。 しかし、法の施行直後から、新たに導入された応益負担制度を初め、さまざまな問題点が指摘されてきたところである。 この間、平成22年12月に障害者自立支援法の一部を改正する法改定がなされたところであるが、 当事者の声が十分に反映された法制度となっていない現状がある。 一方、国連では、平成18年12月に障がい者権利条約が採択され、既に90ヵ国以上で批准を終えているが、 我が国は、国内法が未整備のため、未だ批准できていない状況にある。 これらの問題解決に向けて、平成21年12月、障がい者の権利に関する条約の締結に必要な国内法の整備を 初めとする障がい者に係る制度の集中的な改革を目的として「障がい者制度改革推進本部」が設置され、 障がい者自らが政策立案を行い、 障がい者施策の推進に関する意見をまとめる「障がい者制度改革推進会議」が発足した。 また、平成22年4月には、この推進会議の下に、障がい者、障がい者の家族、事業者、自治体首長、 学識経験者からなる「障がい者制度改革推進会議総合福祉部会」が設置され、 「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」が取りまとめられた。 障がいの種類や程度、家族の状況、経済力、居住する自治体に関わらず、 障がい者自らが選んだ地域で、自分らしく暮らせる社会を実現するためには、 障害者基本法や今般の骨格提言に沿って法整備を着実かつ速やかに行う必要がある。 以上の観点から、障害者権利条約批准に向け、当事者の声が十分に反映された法整備を求め、 国会及び政府に対し以下について要請するものである。 記 1.障害者権利条約批准に向け、当事者の声が十分に反映された法整備を進めるにあたり、 推進会議総合福祉部会が取りまとめた「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」を 最大限尊重し、反映させること。 2.法整備に当たり、国の責任において制度を円滑に進めるための財源を十分確保し、 地方自治体の財政負担を軽減すること。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 平成24年3月21日 京都府向日市議会