<スライド1> 皆さんこんにちは。 今日は難病当事者からのお話ということで、15分ほど。 お話をさせていただきたいと思います。 今スライドに映っている。 縞模様のリボンは、希少疾患のシンボルリボンになります。 初めて見る方もいらっしゃるではないでしょうか? どうして縞模様のリボンかというと、大きな大地にはいろんな動物がいます。 パカラパカラ(擬音)と蹄の音を聞いたとき、おそらく皆さんは、馬だと思います。 医療の世界でも、同じように珍しい病気の場合、最初の頃は、一般的な病気と診断されることがあります。 でもでもよーく考えて、よーく見てみると、それは、馬ではなく、シマウマです。 つまり、この人間の世界も、一生懸命に探しているつもりなんだけれど、見つけることができない時もあるですよね。 ですので、シンボルマークは世界共通で、簡単には判断する事が難しい「シマウマ」のようにって意味でシマウマリボンなんだそうです。 <スライド2> では私の病気を説明する前に、少しだけ自己紹介をしたいと思います。 改めまして皆さんこんにちは、そして初めまして。 私の名前は佐藤萌(はじめ)といいます。 結構珍しい、呼び方だと思います。 そして、現在は熊本学園大学で、福祉の勉強をしています。 大学1年生です。 現在は、全ての人が安心して暮らすことができる地域を目指して、中学生の頃から勉強している手話を活かして子供から大人の人たちに手話の魅力と面白さを教えています。 今日は短い時間ですが、よろしくお願いします。 <スライド3> 今日はですね、1.病気の説明 2.大学で受けている支援、3.日頃の経験を踏まえ、今後の社会や制度に求めたいことの3つを順番にお話したいと思います。 <スライド4> まずは、私の病気についてです。 私の病気はエーラス・ダンロス症候群と言います。 この病気はコラーゲンに関わる体の部位に影響が出てくる難病です。 皆さんはコラーゲンと聞いて、どんなことをイメージしますか。 最近であれば、化粧品に含まれている成分がコラーゲンていうのはよく聞きますし、お肌にいいやつなんだろうなって、イメージする人が多いと思います。 そうです。 そのコラーゲンに、関わる部位に影響が出てくる難病なんです。 コラーゲンに関わる部位ってどこかというと、皮膚そして関節、筋肉、内蔵 これは意外と思われるかもしれませんが、実は骨もコラーゲンと関係があるんです。 そういうところに影響が出てくる病気なんだなぁーって思ってもらえると大丈夫です。 日本には、おそらく、2万人ほどいるだろうと言われていますが、詳細な人数は分かっていません、そして、治療法は今のところありません。 <スライド5> このエーラス・ダンロス症候群 僕の場合は、次のような症状があります。 一つは、1日に何回も指だったり、肩だったり、肘、そして手首、膝のお皿がズレたりと とにかく、関節が脱臼します。 それが意外と痛いんですよね。 もう、1日に何回も脱臼するっていう生活が前から続いているのですが、やっぱり痛みは慣れません。 そして、脱臼とは別に、他の痛みもあります。 それが 24時間身体中の関節だったり、筋肉だったり、骨だったり、皮膚だったり、痛い! そして、皆さんもあるかもしれません。 台風とか雨の日だったりとか、天気によって体調や痛みが変わるんです。 僕はこの3つで今、すごく悩んでいます。 はい、そして対のスライドです。 <スライド6> 現在、私は熊本学園大学というところに通っています。 その大学は熊本県内でも、ちょっと名は知れている大学で、障害がある学生さんがたくさん在学しています。 そこで私が受けている合理的配慮なんですが、僕の場合、いっぱい文字を書くとすぐに脱臼したりとか、指が痛くなるので、試験時とか、レポートの時には手書きではなくて、パソコン入力という配慮をしてもらっています。 そして、授業中にパソコンだったり、カメラだったりスマートフォンの持ち込みもOKしてもらっています。 そして僕の場合、顎が急に動かなくなるときがあるんです。 脱臼だったり別の要因で、顎がロックされてしまって、水も飲めない食事も取れない。 そして喋ることもできなくなってしまうんです。 そのときには、筆談っていう対応をとってもらってます。 これが意外と皆さん面倒くさがるんですね。 <スライド7> そしてちょっとせっかく大学の話をしたので話の脱線してもいいですか? 私は熊本学園大学で社会福祉士と、精神保健福祉士の二つの資格を取るために勉強をして います。 すこーしだけ大学生活の様子を紹介したいと思います。 友達が僕の車椅子で遊んでるとこだったり、先生と学生みんなで、もし、近くの川が氾濫して、高齢者や障がい者、外国人の人たちは、どこに避難したら良いんだろう? という授業をしている様子です。 フィールドワークといって、現地で実際に困っている人の意見を聞いて、そこから今後どうすればいいのか課題を見つけるための授業をしているところの写真になります。 <スライド8> そして、友達と目の見えない人、視覚障害って何だろうっていうのを、点字ってあったり、また実際に疑似体験をして、学習を深めている様子になります。 コロナの影響で、ほとんど遠隔授業で、対面は週に2時間ほどしかありません。 ですが、この病気には、無理せずに体調が悪くても、自宅のベッドだったり、机に座って受けたりすることができるので、すごく助かっています。 <スライド9> そして最後に、日頃の経験を踏まえて、今後この社会や制度に何を求めたいか、をお話しようと思います。 僕は車椅子ユーザーです。 バスに乗っても、電車に乗っても、常に2人分のスペースを取ってしまいます。 混んでいるときに車椅子の人が来たら嫌ですよね。 運転手さんからは、嫌な顔をされて、周囲の人からは、冷たい視線を浴びます。 そんなことが毎回乗るたびにあったら、外に出ようって思わなくなってしまいます。 そのときにいつも思います。 「共生社会」ってなんだろうって思います。 障害があっても、なくても、外国人だろうが日本人だろうが、全ての人が安心して地域で暮らすことができる社会を目指して、この日本という国は、頑張っています。 ですが、まだまだ壁はたくさんあります。 <スライド10> だからこそ、車椅子ユーザーや、白状ユーザー、補聴器ユーザー他にも、見た目ではわからない病気や難病の人が当たり前にいることを知ってもらうために、ヘルプマークの普及や学校教育現場での講演会や体験をすることが重要であると考えています。 ご清聴ありがとうございました。