<表紙> 2019.12.5 JDFフォーラム  障害者権利条約の完全実施をめざして 私たちの生活を変えるために −精神障害者と家族の生活から− 全国精神保健福祉会連合会 みんなねっと 副理事長 岡田 久実子 <スライド2> 自己紹介・・・ ☆長女22歳で統合失調症発症、19年経過  発症から10年の間に2度の再発 ☆発症から2年後に地元の家族会に入会 現在:さいたま市精神障がい者もくせい家族会    埼玉県精神障害者家族会連合会 会長    全国精神保健福祉会連合会みんなねっと副理事長 統合失調症になってもだいじょうぶな社会 <スライド3> 全国精神保健福祉会連合会とは 精神に障害がある人の家族会の全国組織 ・46都道府県連合会が正会員 ・約1200の家族会が活動(2019年11月現在) 【主な活動】 ・医療・福祉制度など施策をよくするための活動 ・『月刊みんなねっと』を発行し情報を伝える活動 ・精神障がいについて啓発・普及をすすめる活動 ・相談を通して家族と当事者を支援する活動 ・全国組織を運営する活動 <スライド4> 精神障害者と家族の生活 ・正しい情報もなく突然に出会う精神疾患=精神障害 ・病気とわかるまでに時間がかかる ・医療が必要と気づいても本人は拒否 ⇔ 病院からは「連れてくれば診ます」 ・家族が必死の思いで医療につなぐ ⇒強制入院(医療保護入院・措置入院) ・病状の回復とは無関係に:かつては『長期入院』  今は『3ヶ月退院』 ・保護者制度はなくなっても退院先の第1選択肢は家族の元 【家族の声】 何の情報も支援もなく家族の元に帰されたら、 家庭に隔離収容されているのと何も変わらない 取り残された課題:精神科医療と家族依存 <スライド5> 精神科医療について ・重度化してからつながる医療  =回復までに時間がかかる・・・希望が奪われる ・医療との出会い=強制的な入院制度  医療保護入院:家族等の同意 ・尊厳を奪う治療という名の暴力的対応=隔離・拘束 ・「社会的入院」から「3ヶ月退院へ」 【入院した時の本人の思い】 自分の人生は終わったと思った <スライド6> 家族依存について 激しい病状が消失したから 3ヶ月が経過したから と家族の元へ退院 ・病気の知識も今後の見通しも持たず ・家族だから面倒見るのが当たり前 ・再発しないように一生服薬が必要 →家族が丸抱えの生活に 【当事者の声】 「精神科病院からの退院は、突然に海に突き落とされたような状態だった。助けの船もないから、島にたどり着くこともできない・・・ただ波間を彷徨うしかなかった・・・こんな風に突き落とされたら、また戻る(入院)しかない』 <スライド7> 私たちが求める生活のために 精神科医療について  安心と希望のある精神科医療のために ・社会治安の役割を捨て人が生きるための精神科医療  ⇒精神科特例の廃止・人権擁護の仕組みづくり ・インフォームドコンセントの徹底・共同意思決定を  基本とする治療 ⇒必要最低限の隔離・拘束へ ・入院中心、服薬一辺倒でない精神科医療  ⇒訪問医療の充実・心理社会的治療の充実 <スライド8> 私たちが求める生活のために 家族依存について 社会的支援の充実のために ・すべての国民に精神疾患の正しい知識を学ぶ機会を  ⇒当事者・家族も含め偏見から解放 ・地域にワンストップの相談窓口を  ⇒困ったら気軽に相談・地域で生活しながら回復 ・医療保護入院の家族同意を廃止  ⇒入院は必要最低限に、医療者判断と本人の意思で   必要な時は司法が関与する体制を 精神障害がある人の力を信じる支援 <スライド9> 偏見を考える 「閉鎖病棟」の解説から  傷害事件を起こした人について「精神科にかかっていた云々」というコメントが、時々新聞やテレビで伝えられる。いったい、そうしたコメントを付け加える必然性が、どこにあるのだろうか。そのような報道は、≪精神科の患者イコール危険≫という誤解を助長するだけで、読者に知らせるメリットは何もない。なるほど、精神科の患者の中には、確かに危険性、凶暴性を伴う病の者もいるけれども、それは法を取り締まる警察機構の中にも悪い警察官が存在するのと同じで、どこの世界にも見られることである。 逢坂剛 1997年3月 <スライド10> ご静聴ありがとうございました