<表紙> キリンのCSV・社会福祉向上の活動 〜キリンのCSVと財団の活動を通して障害者権利条約について皆さまと更に理解を深める機会として〜 2019年12月5日 公益社団法人キリン福祉財団 常務理事・事務局長 太田 健 (機密性区分 D: 一般  開示範囲 ご出席者限り  保存期間 2020年12月31日  複製可否 ご出席者限り) <スライド1> 公益財団法人キリン福祉財団 概要 ■キリン福祉財団(以下ザイダン)は、麒麟麦酒設立75周年(昭和57年2月)及び国際障害者年(昭和56年)を記念して、昭和56年(1981年)7月21日に設立。 【設立の趣意】 「当社の成長の土壌となった社会に感謝の一端を表し、社会との連帯調和の経営方針をより明確な形で具現するために財団を設立。」 【概要】 資産総額:50億円 出捐者:キリンホールディングス株式会社 目的:障害児・者福祉、高齢者福祉、児童・青少年福祉、地域社会福祉向上等に関する諸活動に 対して助成等を通じて、わが国の社会福祉の発展に寄与することを目的としています。 体制:評議員会9名 理事会9名  事務局:三宅理事長と4名の事務局(常勤者)で運営 【活動の特色】 ザイダンの30周年記念誌「ともに歩んだザイダン君の30年」より ダメ出しの少ない財団:チェックポイントは緊急性と先駆的・開拓的か? 一番困っている人を探し法人格が無くとも新しいやり方や困難に道に踏み出す団体を応援して来ました。制度の谷間に目配り:制度の谷間にも目配りをし、政府が補助できない団体も応援して来ました。例えば、キミの隣にザイダン君がいる:専門のプログラムオフィサーを置かず、キリンで働いている普通の社員が財団に来るので、「福祉の素人集団」です。それなので@現場に行き、A助成先から学び、Bいつのまにか団体に寄り添いおしゃべりしたり、喜んだり、悩んだり、と言う寄り添った活動をしています。 見張るのではなく支援します:助成金が適正に使われるよう見張るのではなく、助成先とヒザを詰めて話しをし支援します。 <スライド2> キリングループ 沿革 1870年 明治3年、後にキリンビールに引き継がれることとなるビール醸造所スプリングバレー・ブリュワリーが、横浜の山手にノルウェー生まれのアメリカ人ウィリアム・コープランドによって開設される 1877年 メルシャンの前身となる日本最古の民間ワイン会社である大日本山梨葡萄酒会社が山梨県の勝沼で設立 1885年 明治18年事業を引き継いだジャパン・ブルワリーが横浜に設立(麒麟麦酒の前身)。のちに同社重役となるトーマス・グラバーの尽力で、岩崎彌之助(三菱社社長)をはじめ9人の日本人が株主となる 1888年 明治21年ドイツ風ラガービールを「キリンビール」として発売 1907年 明治40年ジャパン・ブルワリーの経営を引き継ぎ、麒麟麦酒株式会社が創立 1928年 麒麟麦酒の横浜工場内に清涼飲料工場完成、炭酸飲料「キリンレモン」発売 1949年 商標「キリンビール」を復活して販売開始 1963年 自動販売サービス株式会社(現キリンビバレッジ株式会社)設立 1981年 昭和56年麒麟麦酒株式会社設立75周年及び国際障害者年を記念して財団法人麒麟記念財団が設立 2010年公益財団法人となる 2006年 メルシャン株式会社と業務提携 2007年 「キリンホールディングス株式会社」に商号変更し、純粋持株会社制に移行 2013年 国内綜合飲料事業会社 キリン株式会社設立 CSVを経営コンセプトの中心に据える 日本のビールの歴史は大変面白いのでご興味がある方は、 キリンのホームページ⇒エンタメ・レシピ゚⇒キリン歴史ミュージアム をご参照下さい <スライド3> CSV ■社会的価値と経済的価値の両立による共通価値の創造 強みを活かして社会課題に取り組むことが、発想の転換や創意工夫を促し、さらなるイノベーションを生み出す 社会的価値(お客様の幸せ) 健康増進、環境負荷低減、地域活性化… →両立→ 経済的価値 ROE/EPSの持続的拡大、バランスシートの堅牢化、見えない資産の強化… CSV:Creating Shared Value 社会的価値と経済的価値の両立による共通価値の創造 米国ハーバード大学経営大学院 マイケル・ポーター教授(写真左)が2011年に提唱した 経営コンセプト <スライド4> キリン 一番搾り ■地元の誇りを、おいしさに変えて  2016年〜2018年の取り組み 東京に乾杯・北海道づくり など *道産米と環境省の名水100選「ナイベツ川湧水」を源流にもつ内別川の水を使用 北海道千歳工場限定醸造。千歳工場は内別川の水質を守る活動を永年に渡り実施 地元うまれの 一番搾り 「47都道府県」一番搾り 全国9工場の醸造長および全国の支社長が、地域の食・文化・情報などに精通されているお客様と一緒に商品コンセプトやその楽しみ方などの共創活動を行い、47都道府県のお客様の要望に応えていきます。 <スライド5> 持続可能な調達とカテゴリーの育成 ■地域社会や環境への貢献のみならず、成長戦略や競争力の強化に繋がる 国産ホップ栽培の持続 遠野、横手他 新規就農者のリクルート等の活動、農業と地域の衰退等の課題、安定調達等の経済的価値 日本ワインの育成 上田、塩尻、勝沼他 ワイナリーの新設等、農業と地域の衰退等、販売単価アップ等 レインフォレスト認証取得支援 スリランカ 環境保全等、森林破壊等、安定調達等 <スライド6> 公益財団法人 キリン福祉財団 ○地域社会福祉分野  地域におけるネットワークの形成等地域社会福祉の向上に寄与する活動への支援を行っています。 →キリンのCSVパーパスの「地域社会・コミュニティ」と同義 <スライド7> 平成30年度からの公募を新プログラムへ これまで社会課題ごとに縦割りであった公募のプログラムを「地域を元気に」のキーワードで新プログラムとして一括りのものに刷新しました。これにより、キリンは事業ではCSVとして「飲みもの」で、事業がリーチできない「福祉」ではザイダンが「地域を元気に」したい、と言う役割分担を整理することによって、ステークホルダーにより理解と共感を頂ける様になりたいと思います。 計画事業(変更なし):@障害児・者支援、A高齢者支援、B児童青少年育成 公募事業(新プログラムへ):@キリン・地域のちから応援事業、Aキリン・地域のちから応援事業 <スライド8> 計画事業 ザイダンが解決したい事業領域において、全国規模・中長期的視点で活動してくれるパートナーを探しだし、協働により社会課題の解決を目指す事業。現在30団体(本年度期中に1団体追加)を応援。 障害者・障害児 11団体 全国自立生活センター協議会、ピープルファーストジャパン、セルプサポートセンター浦河、現代人形劇センター、障害のある子どもの放課後保障全国連絡会、ジョブコーチ・ネットワーク、難病の制度と支援の谷間を考える会、日本障害フォーラム、DPI日本会議、TUMUGU BITTO Project、ヤンブル依存症を考える会 <スライド9> 計画事業:障害児・者支援事業  キリンが皆さんと共に実現したい社会 障害があってもなくても、高齢者でも子どもでも、日本人でも外国人でも、同じ地域やコミュニティで生活する一員として、共に理解し合い・支え合う共生社会の実現です。 <スライド10> 計画事業:障害児・者支援事業  No.8 JDF日本障害フォーラム 助成財団センター:田中皓専務理事の音頭で、住友財団・損保ジャパン日本興亜福祉財団・ヤマト福祉財団(敬称略・順不同)と共に、キリンは平成16年度より共同助成により、障害者権利条約の批准・啓発・パラレルレポートの作成等を応援。 ⇒本フォーラムをはじめ、パラレルレポートの為の準備段階から活動を応援しています。 <スライド11> No.9 DPI日本会議 DPI日本会議との協働は平成20年から。DPIの活動への応援のほかに、キリン本社に来社〜直接レクチャー頂き助けてもらったりしています。 ⇒平成28年4月の障害者差別解消法施行を前に、キリン中野 本社ビルにて関係する12の事業会社(BtoCに関連する事業) 50名の企画・総務担当者向けに、DPI副議長:尾上 浩二さん、崔 栄繁さんより不当な差別的取り扱いの禁止と合理的配慮の提供について解説頂く。  助成先の団体から当事者の立場で、内閣府障害者制度改革担当室・政策企画調査官として法の整備に携わられた尾上さんから直接企業の担当者にレストランやスーパー・マーケットにおける合理的配慮等について解説頂いたことにより、理解が進みお客様への情報提供にも役立った。 車椅子の人でも入り易いお店への動線やレイアウト、盲導犬入店可のサインについても詳しく説明頂きました。⇒これらは、高齢者やみんなに優しい売り場づくりにつながるものです。 ちなみに全国42店舗に展開しているキリンシティは全店「盲導犬同伴可」のスッテッカーを掲げお客様をお待ちしています。 <スライド12> 計画事業:障害児・者支援事業 No.9 DPI日本会議 インクルーシブまるごと実現プロジェクト 成果報告集会 平成30年3月27日 衆議院会館講堂にて開催 70名参加(国会議員含む) ⇒午前の部:ソーシャルインクルージョンの視点に基づく障害者文化芸術報告会(バリアフリー映画の解説と体験、及び10月8日三重県人権センター・1月20日清水テルサ上映会の報告) ⇒午後の部:インクルーシブな子ども時代づくりプロジェクト報告(中学校普通学級での合理的配慮〜名古屋市での実例と課題〜、インクルーシブな放課後づくりのしくみ) <スライド13> もう少し詳しくCSV等をお知りになりたい方のために 「マイケル・ポーター著 戦略と競争優位」 「赤池学+水上武彦 CSV経営」 「三菱UFJリサーチ&コンサルティング CSV経営による市場創造」ほか ほか「CSV キリン 太田健」で検索されますと4ページ程度太田が取材を受けた記事・登壇記録等がヒットします、ご参照下さい。 また一般社団法人CSV開発機構のホームページでも各種の事例が参照可能です。 キリン福祉財団の活動については、当財団のホームページか、公益財団法人助成財団センターのホームページよりオピニオン誌VEWS No.91に「深堀りセミナー」の内容が特集されていますのでご覧ください。