今回の震災のように、強い恐怖感や「何もできなかった」という無力感を伴う体験をすると、子どもでも、からだやこころに不調を生じるのが一般的です。
[子どもにあらわれやすい変化]
○そわそわしてじっとできない、やたらとおしゃべりになる
○無表情になる、泣くことができない
○赤ちゃん返り、甘えが強くなる
○現実にはないようなことを言う
当時のことを思い出すのがこわかったり、自分を責める気持ちや無力感が強くて気持ちを打ち明けられない子どももいます。無理に聞き出さず、安心させて包み込むことで、子どもが話をしたくなった時にじっくり耳を傾け、気持ちを受け止めてあげてください。
[家庭でできること]
○普段通りに声をかける
○家族が守ることを伝える
○子どもを一人にしない
○子どもが理解できる言葉で事実を話す
○子どもの質問には、繰り返し、簡潔に答える
○子どもが自分を責めるときは、「あなたが悪いのではない」と伝える
○遊びやお絵かき、作文などで自由に気持ちを表現させる
○負担にならない程度の手伝いをさせる
子どもの具合が悪いと、保護者の方も睡眠時間が取れなくなったり、「何とかしなければ…」と一人でがんばりすぎたりして体調を崩してしまいがちです。子どもを支えていくためにも、ご自身の体調管理はとても大切です。お子さんも保護者ご自身も、上の症状が強まるときや体調がすぐれないときは、専門の医師に相談しましょう。
参考資料:国立成育医療研究センター「こころとからだのケア~こころが傷ついたときのために~」
詳しくはホームページ http://kokoro.ncchd.go.jp/uploads/to_protected.pdf
「こころの健康相談」
こころの健康全般について電話相談を実施しています。
□岩手県
災害時ストレス健康相談受付窓口 019-629-9617(無休 9時~17時)
□宮城県
こころの健康相談電話 0229-23-3703(無休 6時~9時)/0229-23-0302(無休 9時~17時)/0229-23-3703(無休 17時~2時)
□仙台市
電話相談専用回線「はあとライン 022-265-2229(月~金 10時~12時、13時~16時/祝日を除く)
夜間電話相談「ナイトライン」022-217-2279(毎日 18時~10時)
□福島県
こころの健康相談ダイヤル 0570-064-556(月~金 9時~17時/祝日を除く)
◆編集部より
今回の第5号は、子ども向けの内容にしました。もちろん、例年のように、鯉のぼりも兜もないかもしれませんが、「こどもの日」をテーマに、楽しみながら、学び、遊んでいただければ、と思います。
一方、「こどもの日」とはいえ、震災で、かけがえのないご家族などを亡くされた方にとって、その悲しみは計り知れないものと拝察いたします。その中にあっても、今回の特別号が、大切な方々へのそれぞれの思いを致す一助となれば、と存じます。
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