スライド1 当事者の立場からディスレクシアとは 2022年11月26日 小澤 彩果 支援技術開発機構研究員 スライド2 DAISY、EPUB3(アクセシブルなEPUB)の特徴 ナビゲージョン機能目次移動、ページ移動、フレーズ移動等) 文字のハイライトと音声の同期 画像の説明 ルビの有無設定(ソフトにより、各学年用に付与) 画像、文字サイズの変更 行間の変更、文字間の変更 文字、背景、ハイライトの変更 …など スライド3 自己紹介 DAISY教科書第1期生 DAISYとの出会いは、2007年11月ごろ、小学校5年生の冬 「DAISY教科書の有効性に関する実証研究」(ATDO)のモニターとして活動 その後、中学生までモニターを継続 高校は、DAISY製作ソフトのモニター 大学・大学院でもDAISYを活用 現在、支援技術開発機構でDAISYに関わる仕事をしている スライド4 今日の話題 ディスレクシアについて 読みやすい 見せ方・見え方 DAISY教科書を利用して良かった点 最後に:私からのメッセージ スライド5 1)ディスレクシアについて スライド6 いくつかの文字は、左右上下反転していたり、右や左に45度回転していたり、文字の位置が上下したりしています。 スライド7 スライド5の文章が通常の表記で表示されています。 スライド8 上部にきょうの平仮名、下部にきのう平仮名があります。「の」と、「よ」の一部分を同時になぞるアニメーションが付いています。 「の」の形は、中央上から始まる開始点からそのまま下におろして、左側に大きく円を描くように開始点を通り、そのまま円を描きながら、右下まで続いてます。 スライド9 「お」と「む」が書かれております。2文字の共通点は、最初の十字に交わっている箇所、丸を書く箇所、そのあとの上下に曲がっている部分また、右上に点を打つところです。 スライド10 左に「さ」、右に「ち」が書かれています。 スライド11 左に「く」と、中央に左右反転した「く」と、右に「つ」が書いてあります。 スライド12 文字を長い間見ているとピントが合わなくなる 文字が2重になっている文章が表示されています。 スライド13 絵本の頁を読むのに、小学校2年生の夏、10分かかった!←両親が私の読み困難に気づく! 「わかったさんのクレープ」、作者:寺村輝夫、絵:永井郁子、発行所:あかね書房という絵本で左下に絵が描かれた見開きのページの画像があります。 スライド14 2)読みやすい 伝わりやすい 表示例 サブタイトルが「〜情報アクセシビリティについて〜」 スライド15 ナビゲーションとテキスト検索(2/2) マニュアル(説明文章) 論文 会議資料   など (利点) 自分の必要な箇所のみ見たい場合は、ナビゲーションが役に立ちます。 横巻の図形の中に「必要な情報にアクセスしやすく」書いてあります。 スライド16 ルビ スライド上部 スピーカー画像の横に「私は後悔しました」と書いてあり、後悔にルビがあります。複数の丸を線で結んだ折れ線グラフのようなものが、「私は」と「後悔のルビ」と「しました。」の箇所に丸があり、線で結ばれています。 スライド下部 私は後悔しました。と書いてあり、アニメーションで後悔の漢字が消えて、こうかいのルビだけが大きくなる文章があります。 困った顔の上で、吹き出しが3つあり、船での航海、公衆に開放する公開、過去を反省する後悔のどれかで悩んでいます。 横巻の図形の中に「ルビなし!音あり!!」書いてあります。 スライド17 文字列の方向 縦書き 左側に、目があり、黒目が上下に動くアニメーションが付いています。 中央に、横顔があり、視野の幅を台形で表現しています。 右側に、あ行からは行までが縦書きで書いており、あいうかきさしたちなにはまが濃い色で表記されており、それ以外は薄い色になっています。 横書き 左側に、目があり、黒目が左右に動くアニメーションが付いています。 中央に、上から見た顔があり、視野の幅を台形で表現しています。 右側に、あ行からは行までが横書きで書いており、あいうえおが濃い色で表記されており、は行までが徐々に薄い文字になっています。 横巻の図形の中に「縦書きより、横書き」書いてあります。 スライド18 行間 縦書きのあ行からは行が漢字で表記したものが左右に2つ並んでいます。 右側には、複数の丸を線で結んだ折れ線グラフのようなもの、他の行の文字に遷移しながら、上から下に、1文字の上にある丸が線でつながるアニメーションがあります。 左側には、複数の丸を線で結んだ折れ線グラフのようなもの、他の行の文字に遷移しながら、左から右に、1文字の上にある丸が線でつながるアニメーションがあります。 下矢印で2.0行、あいうえおが赤い枠で囲っています。 横巻の図形の中に「行間は広く」書いてあります。 スライド19 強調線 あいうえおを漢字表記で書いております。 左側に、行間が1.0で、縦書きのさしすの右に強調線がある文書と、横書きのさしすの下に強調線がある文章があります。 中央に、行間が1.5で、縦書きのさしすの右に強調線がある文書と、横書きのさしすの下に強調線がある文章があります。 右側に、行間が1.5で、横書きのさしすが赤文字になった文章があります。 横巻の図形の中に「強調線は、文字の色を変えて」書いてあります。 スライド20 ハイライトと音 ごんぎつねのDAISYの画面が見えています。 横巻の図形の中に「文字と音声が連動して?」書いてあります。 スライド21 3)DAISY教科書を利用してよかった点 スライド22 私のDAISY教科書の使い方 小学校(5, 6年生)  国語でのみ利用 中学校 (1?3年生)  国語、社会、理科、英語で利用 小学校時代は、毎日、読みの宿題でDAISY教科書を活用 中学生になると、上記の各科目でDAISY教科書は期末試験の準備に不可欠となる スライド23 私にとってのDAISY教科書の利点 DAISY教科書によって漢字の読み方が理解できた ←日本語で漢字はたくさんの読み方がある 例えば    今日は= こんにちは,きょうは 教科書の各単元の内容理解が早く簡単にできた DAISY教科書は、語彙力アップにも貢献した DAISYでは、文字と音とが対応しているため、 その利用のたびに、脳を刺激し、読み能力がある程度改善されてきた スライド24 DAISY教科書の重要性 DAISY教科書に接することで、もっと本を読みたいと思うようになった 少しずつ自力で勉強できるようにもなった 今までできなかったことにもチャレンジする積極性が育った 次第に定期試験の結果も、良くなっていった ⇒こうしたことが、自尊心の涵養に繋がった! スライド25 友だちづくりと本 友達の会話の中で、流行の本が話題になる 小学生の時に、「若おかみは小学生!」という本が流行った どのキャラが好きとか 今後のストーリの話 などをみんなで話していた DAISY版がなかったため、全23巻のうち1巻のみ自力で読み終えたころには、別なことが流行っており、話には入れなかった。 本が出るのと同時にDAISY(アクセシブルなEPUB)で読みたかった スライド26 5)最後に:私からのメッセージ スライド27 眼鏡をかければ、見れる、読める、学べる! 左に資料、真ん中にレンズ、右に目があります。 その下にレンズを上矢印で指し、「DAISY + ICTインフラ + 環境 (両親の姿勢, 先生の姿勢と技術、支援者) + 社会政策」 スライド28 私の場合、幸運なことにDAISYや他の要素の絶妙な組み合わせに支えられ、大学院を修了できた 実感的にDAISYの有効性を理解できた最初のDAISY世代といえるかもしれない DAISYを使うことで、「勉強が楽しい、もっと学びたい。」と思ってくれる人が増えることを望む 障害が障害と感じない世の中になるように貢献したい スライド2 小澤の発表の問い合わせ いつ どのような場所で 使用状況 ↓ info@atdo.jp ――――――――――――――――――― ATDOホームページ:https://www.atdo.jp/