スライド1 当事者の立場からディスレクシアとは 2021年7月30日 小澤 彩果 支援技術開発機構研究員 スライド2 今日の話題 1.ディスレクシアについて 2.読みやすい 見せ方・見え方 3.DAISY教科書を利用して良かった点 4.最後に:私からのメッセージ スライド3 自己紹介 私は、DAISY教科書第1期生 DAISYとの出会いは、2007年11月ごろ、小学校5年生の冬 「DAISY教科書の有効性に関する実証研究」(ATDO)のモニターとして活動 その後、中学生までモニターを継続 高校は、DAISY製作ソフトのモニター スライド4 1)ディスレクシアについて スライド5 (*校正者注:ディスレクシアの疑似体験用に文章が書いてあります。文章内の文字は、いくつかの文字が、左右上下反転していたり、右や左に45度回転していたり、文字の位置が上下したりしています。) スライド6 (*校正者注:スライド5の文章が通常の表記で表示されています。) スライド7 (*校正者注:私の場合の読み困難 上部にきょうの平仮名、下部にきのうの平仮名があります。「の」と、「よ」の一部分を同時になぞるアニメーションが付いています。 「の」の形は、中央上から始まる開始点からそのまま下におろして、左側に大きく円を描くように開始点を通り、そのまま円を描きながら、右下まで続いてます。) スライド8 (*校正者注:「お」と「む」が書かれております。2文字の共通点は、最初の十字に交わっている箇所、丸を書く箇所、そのあとの上下に曲がっている部分また、右上に点を打つところです。) スライド9 (*校正者注:左に「さ」、右に「ち」が書かれています。) スライド10 (*校正者注:左に「く」と、中央に左右反転した「く」と、右に「つ」が書いてあります。) スライド11 文字を長い間見ているとピントが合わなくなる (*校正者注:文字が2重になっている文章が表示されています。) スライド12 絵本の頁を読むのに、小学校2年生の夏、10分かかった!←両親が私の読み困難に気づく! (*校正者注:「わかったさんのクレープ」、作者:寺村輝夫、絵:永井郁子、発行所:あかね書房という絵本で左下に絵が描かれた見開きのページの画像があります。) スライド13 2)読みやすい 伝わりやすい 表示例 サブタイトルが「〜情報アクセシビリティについて〜」 スライド14 ナビゲーション マニュアル(説明文章) 論文 会議資料   など (利点) 自分の必要な箇所のみ見たい場合は、ナビゲーションが役に立ちます。 横巻の図形の中に「必要な情報にアクセスしやすく」書いてあります。 スライド15 ナビゲーションなし (*校正者注:ナビゲーションなしの場合の動画があります。動画は、Wordで作られたコンテンツで作成されています。見出しがないので、読みたい箇所に飛べず最初から読み始めています。途中が倍速でながれており、読みたい箇所に差し掛かったところで、通常の速度に戻っています。また、他に読みたい箇所を探しており、上の方に戻りながら、探しています。) スライド16 ナビゲーションあり (*校正者注:ナビゲーションありの場合の動画があります。動画は、Wordで作られたコンテンツで作成されています。見出しがあるので、見出しを見て、読みたい箇所を探しています。途中がところどころ倍速でながれております。また、他の読みたい箇所に見出しから飛ぶことができます。) スライド17 ルビ (*校正者注:スライド上部 スピーカー画像の横に「私は後悔しました」と書いてあり、後悔にルビがあります。複数の丸を線で結んだ折れ線グラフのようなものが、「私は」と「後悔のルビ」と「しました。」の箇所に丸があり、線で結ばれています。 スライド下部 私は後悔しました。と書いてあり、アニメーションで後悔の漢字が消えて、こうかいのルビだけが大きくなる文章があります。 困った顔の上で、吹き出しが3つあり、船での航海、公衆に開放する公開、過去を反省する後悔のどれかで悩んでいます。 横巻の図形の中に「ルビなし!音あり!!」書いてあります。) スライド18 文字列の方向 縦書き (*校正者注:左側に、目があり、黒目が上下に動くアニメーションが付いています。 中央に、横顔があり、視野の幅を台形で表現しています。 右側に、あ行からは行までが縦書きで書いており、あいうかきさしたちなにはまが濃い色で表記されており、それ以外は薄い色になっています。) 横書き (*校正者注:左側に、目があり、黒目が左右に動くアニメーションが付いています。 中央に、上から見た顔があり、視野の幅を台形で表現しています。 右側に、あ行からは行までが横書きで書いており、あいうえおが濃い色で表記されており、は行までが徐々に薄い文字になっています。 横巻の図形の中に「縦書きより、横書き」書いてあります。) スライド19 行間 (*校正者注:縦書きのあ行からは行が漢字で表記したものが左右に2つ並んでいます。 右側には、複数の丸を線で結んだ折れ線グラフのようなもの、他の行の文字に遷移しながら、上から下に、1文字の上にある丸が線でつながるアニメーションがあります。 左側には、複数の丸を線で結んだ折れ線グラフのようなもの、他の行の文字に遷移しながら、左から右に、1文字の上にある丸が線でつながるアニメーションがあります。 下矢印で2.0行、あいうえおが赤い枠で囲っています。 横巻の図形の中に「行間は広く」書いてあります。) スライド20 強調線 (*校正者注:あいうえおを漢字表記で書いております。 左側に、行間が1.0で、縦書きのさしすの右に強調線がある文書と、横書きのさしすの下に強調線がある文章があります。 中央に、行間が1.5で、縦書きのさしすの右に強調線がある文書と、横書きのさしすの下に強調線がある文章があります。 右側に、行間が1.5で、横書きのさしすが赤文字になった文章があります。) 横巻の図形の中に「強調線は、文字の色を変えて」書いてあります。 スライド21 ハイライトと音 (*校正者注:ごんぎつねのDAISYの画面が見えています。) 横巻の図形の中に「文字と音声が連動して!!」書いてあります。 スライド22 3)DAISY教科書を利用してよかった点 スライド23 DAISY教科書の使用方法 小学校(5, 6年生)  国語でのみ利用 中学校 (1~3年生)  国語、社会、理科、英語で利用 小学校時代は、毎日、読みの宿題でDAISY教科書を活用 中学生になると、上記の各科目でDAISY教科書は期末試験の準備に不可欠となる スライド24 DAISY教科書によって漢字の読み方が理解できた ←日本語で漢字はたくさんの読み方がある 例えば    今日は= こんにちは,きょうは 教科書の各単元の内容理解が早く簡単にできた DAISY教科書は、語彙力アップにも貢献した DAISYでは、文字と音とが対応しているため、 その利用のたびに、脳を刺激し、読み能力がある程度改善されてきた スライド25 DAISY教科書に接することで、もっと本を読みたいと思うようになった 少しずつ自力で勉強できるようにもなった 今までできなかったことにもチャレンジする積極性が育った 次第に定期試験の結果も、良くなっていった ⇒こうしたことが、自尊心の涵養に繋がった! スライド26 5)最後に:私からのメッセージ スライド27 眼鏡をかければ、見れる、読める、学べる! (*校正者注:左に資料、真ん中にレンズ、右に目があります。) その下にレンズを上矢印で指し、「DAISY + ICTインフラ + 環境 (両親の姿勢, 先生の姿勢と技術、支援者) + 社会政策」 スライド28 私の場合、幸運なことにDAISYや他の要素の絶妙な組み合わせに支えられ、大学院を修了できた 実感的にDAISYの有効性を理解できた最初のDAISY世代といえるかもしれない DAISYを使うことで、「勉強が楽しい、もっと学びたい。」と思ってくれる人が増えることを望む 障害が障害と感じない世の中になるように貢献したい