JANNET障害分野NGO連絡会  メールマガジン 第98号 2011年9月28日発行 + 3月11日の東日本大地震で被災された皆様、そのご家族様へ心よりお見舞い申し上げます。 JANNETの会員で、被災地にて支援活動を開始した団体の状況をお知らせしています。 URL:http://www.normanet.ne.jp/~jannet ++ 目次 トピックス 1.アジア太平洋DPIによる障害者新10年推進会議(8月17日-21日、インド) 2.新十年にむけたアジア・太平洋NGOネットワーク会議(9月1-2日、韓国)に参加して 3.マレーシアCBR会議報告会(9月5日) ++ インフォメーション 1.9月5日JANNET役員会報告 2.JANNET英文ニュースレター、およびJANNETメールマガジン100号記念号(予告) 3.国連障害者の権利条約批准国情報 ++ イベント情報 1.グローバルフェスタ2011 2.2011年度第3回JANNET研究会 3.第2回アジア太平洋CBR会議 ++ トピック 1 「インドでのアジア太平洋DPIによる障害者新10年推進会議」 DPI(障害者インターナショナル)アジア太平洋議長  中西 正司                                                              DPIアジア太平洋ブロックによる、アジア太平洋障害者の新10年推進のための会議が8月17日から21日までニューデリーのシャングリラホテルで開催されました。参加者は300名、21カ国のDPI国内組織代表とESCAP、ILO、UNHCRが参加しました。  会議は、ESCAPと共同でのMake the Right Real(権利の実現を)キャンペーン推進の決意表明、権利条約実施状況の報告、条約の効果的実施に関するグループディスカッションなどで構成され、最終的にニューデリー宣言を採択しました。  アジア太平洋には、第2次の障害者の10年の最終年イベントを開催する韓国のDPO(障害当事者団体)が韓国DPOの新10年行動計画案を独自に作っており、また、DPIアジア太平洋ブロックでは既に2010年の8月に新10年のための国連行動計画の原案がつくられていました。この2つの原案をまとめて1つのDPO案をつくるのがこの会議の目的の1つでした。そのために最終日には2つの原案の対照表を作り、それらを合体させて作業をおこないました。幸いにも2つの案は理念的な文章が中心の韓国案と具体的な行動目標をしるしたDPIAP案が共存しうる内容であったため、また、補完しあう関係であったため、容易に統一案が作成できました。今後この案はESCAPに提案され、ESCAPインチョン行動計画の中にDPOの声としてとりいれられていく予定です。 ++ トピック 2 新十年にむけたアジア・太平洋NGOネットワーク会議に参加して JDF国際委員長 寺島 彰  会議は、2011年9月1日から9月2日まで、ソウル(韓国)のハイソウルユースホステルで開催されました。会議の目的は、「アジア太平洋障害者の十年」の新十年にむけて、障害者権利条約の批准と実施のためには、アジア太平洋地域におけるNGOの連携が重要であることから、NGOの連携に関する好事例についての情報交換をするということでした。そのために、日本、中国、パキスタン、フィージーから障害NGOの代表者が招待されました。日本は、JDFの小川代表が招待されましたが、現在体調を崩されていることから、森政策委員長と寺島が代理で参加しました。また、この会議には、アジア太平洋地域の8か国から若い障害者リーダーたち10人も招待されており、議論に参加していました。  主催は、APDF会議組織委員会で、来年10月に、仁川(韓国)において「第2次アジア太平洋障害者の十年」の最終年を記念する行事が大々的に開催されることになっており、この会議はそれを盛り上げるためのキャンペーンの目的ももっているようです。 プログラムは、下表のとおりでした。この中に、CRPD委員会委員長のロン・マッカラム氏(オーストラリア)による講演がありますが、同氏は、自身全盲の視覚障害者で、初代の委員長です。CRPD委員会は、国連にできた障害者権利条約(CRPD)の実施状況をモニタリングする組織で、加盟国が権利条約批准後2年以内(それ以後は4年毎)に実施状況に関するレポートを提出してきますので、それを参考に各国の権利条約の実施状況をモニタリングする役割を担っています。  いろいろな国々からの参加もあり、カルチャープログラムもあり、ソウル宣言の採択もあり、国会議員による昼食会も開催されるなど、華やかな会議になり、キャンペーン会議としての役割は十分果たせたのではないかと思います。 プログラム: [9月1日]14:00−21:00  開会式  歓迎挨拶 リー・ナキョン(韓国女性視覚障害者協会会長)  開会挨拶 キム・ヒョンシク(APDF副会長・CRPD委員会委員)  講演「第2次10年で国内および地域のNGOが成し遂げたことと新10年におけるNGOの役割」       キム・ヒョンシク(APDF副会長・CRPD委員会委員)  パネルディスカッション1   パネラー ビマル・ナラヤン(PDF会長、フィージー)        アビア・アクラム(HIコーディネータ、パキスタン)        韓国からの3名のパネラー  講演「第2次10年で国内および地域のNGOが成し遂げたことと新10年におけるNGOの役割」       キム・ミジュー(APDF会議組織委員会会長)  パネルディスカッション2   パネラー 森祐司(JDF政策委員会委員長、日本) コン・レイ(中国障害者協会国際部、中国)        リー・ウォンキョウ(KCCIL会長)        韓国からの3人のパネラー  夕食  カルチャープログラム [9月2日]10:00−13:00  歓迎挨拶  パク・キョンソク(APDF会議組織委員会)  講演    ロン・マッカラム(CRPD委員会委員長、オーストラリア)         「障害者権利条約の批准を推進するためのNGOの役割」  全体討論   司会   キム・ヒヨンシク(APDF副会長・CRPD委員会委員)   パネラー アビア・アクラム(HIコーディネータ、パキスタン)        ビマル・ナラヤン(PDF会長、フィージー)        コン・レイ(中国障害者協会国際部、中国)        寺島彰(JDF国際委員会委員長、日本)            韓国から3人のパネラー  ソウル宣言採択  パク・エンス(国会議員)招待による昼食会 14:00−15:00   参加者:4人の外国からの招待者、APDF会議組織委員会委員、国会議員、厚生省職員 ++ トピック 3 9月5日 マレーシアCBR会議報告会(第2回JANNET研究会) 特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン 平本 実 特定非営利活動法人 難民を助ける会 野際 紗綾子  昨年11月13日から15日にかけてマレーシア・クアラルンプールにて開催されたアジア太平洋CBR会議にJANNET会員団体として参団しました。去る9月5日に開催された第2回JANNET研究会において、同じく参団した難民を助ける会の野際紗綾子氏と共にこの報告を行いました。  会議開催のきっかけとなったのは2010年のWHOのCBRガイドラインの改訂。歴史的には医療に焦点を当てて始められたCBRですが、この新しいガイドラインではその目指すところは「地域に根ざしたインクルーシブな開発 (Community Based Inclusive Development = CBID)」であるということが明確に示されました。障がいだけを専門とせず開発全般を担うワールド・ビジョンのようなNGOにとっても、地域開発援助の中で障がいに取り組む明確な根拠となります。  研究会では、会議の中で報告されたワールド・ビジョン・ベトナムにおける障がいに対する取り組みの変遷に加えて、近年、すべての活動に障がいのメインストリーミングを行うべく取り組みを始めたワールド・ビジョン・インドの状況についても報告をいたしました。  本年11月29日〜12月1日にはフィリピン、マニラにて第2回アジア太平洋CBR会議が開催されます。この会議を通してCBIDの目標がさらに前進するように、日本をはじめ多くの地域、またさまざまな開発のアクターが集うことを願ってやみません。 平本 実  9月5日の第2回JANNET研究会において、ワールド・ビジョン・ジャパンの平本実氏とともに、昨年11月にマレーシアで開催されたアジア太平洋CBR会議の報告をさせて頂きました。平本氏に続いて、私は、同会議分科会における難民を助ける会の2つの発表を中心に報告しました。  1つ目の発表は、寄贈車椅子についての日本の関連団体による勉強会の流れです。世界銀行によると、世界で約6,500万人が車椅子を必要としているにもかかわらず、うち2,000万人が保持していない中、途上国には多くの車椅子が寄贈されています。しかし、利用者の障害や生活環境に合致していない、適切なメンテナンスがないなど、様々な課題があることを中心に発表しました。2つ目の発表は、ミャンマー(ビルマ)におけるCBR活動についてです。本報告は、当会のヤンゴン事務所の職業訓練校の代表である、現地職員が初めて発表しました。いずれの発表も、報告後、会場の参加者から多くのフィードバックを頂き、関心の高さに大きく勇気づけられました。  CBR会議への参加助成をいただいたJANNETには、心から御礼を申し上げる同時に、学ばせて頂いたことを今後の活動に還元するよう、ベストを尽くす所存です。 野際 紗綾子 ++ インフォメーション 1.9月5日JANNET役員会報告  本役員会では、20年にわたる日本点字図書館でのご活躍等について春の叙勲を受けられた田中徹二副会長と世界PT連盟から国際貢献賞を受賞された田口順子研修・研究委員長に、役員からお祝いの品を渡しました。なお、本役員会の議事録はこちらよりご覧ください。 http://www.normanet.ne.jp/~jannet/gijiroku/110905yakuinkai.html ++ 2.JANNET英文ニュースレター、およびJANNETメールマガジン100号記念号(予告) <英文ニュースレター> 現在、会員の方々の協力を得ながら鋭意作成を進めている英文ニュースレター。今回の内容は、JANNET加盟団体の活動をまとめたディレクトリー形式です。海外の団体の方々にも広く紹介することが出来ますので、ぜひご活用ください。 <メールマガジン100号記念号> おかげさまで、まもなく第100号目を迎えることとなるJANNETメールマガジン。100号を記念し、特別号として発刊します。過去の研修会の一覧や、海外の著名人からのメッセージ、役員の紹介など、内容も盛りだくさん。皆さん、お楽しみに! ++ 3.国連障害者の権利条約批准国情報 ( 関連サイト: http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/right.html ) 1. アルジェリア 2. アルゼンチン 3. オーストラリア 4. オーストリア 5. アゼルバイジャン 6. バングラデシュ 7. ベルギー 8. ボリビア 9. ボスニア・ヘルツェゴビナ 10. ブラジル 11. ブルキナファソ 12. カナダ 13. チリ 14. 中国 15. クック諸島 16. コスタリカ 17. クロアチア 18. キューバ 19. チェコ共和国 20. デンマーク 21. ドミニカ 22. エクアドル 23. エジプト 24. エルサルバドル 25. フランス 26. ガボン 27. ドイツ 28. グアテマラ 29. ギニア 30. ハイチ 31. ホンジュラス 32. ハンガリー 33. インド 34. イラン 35. イタリア 36. ジャマイカ 37. ヨルダン 38. ケニア 39. ラオス 40. ラトビア 41. レソト 42. マラウイ 43. モルディブ 44. マリ 45. モーリシャス 46. メキシコ 47. モンゴル 48. モンテネグロ 49. モロッコ 50. ナミビア 51. ネパール 52. ニュージーランド 53. ニカラグア 54. ニジェール 55. オマーン 56. パナマ 57. パラグアイ 58. ペルー 59. フィリピン 60. ポルトガル 61. カタール 62. 大韓民国 63. ルワンダ 64. サンマリノ 65. サウジアラビア 66. セルビア 67. セイシェル 68. スロバキア 69. スロベニア 70. 南アフリカ 71. スペイン 72. スーダン 73. スウェーデン 74. シリア 75. タイ 76. チュニジア 77. トルクメニスタン 78. トルコ 79. ウガンダ 80. ウクライナ 81. イギリス 82. タンザニア連合共和国 83. ウルグアイ 84. バヌアツ 85. イエメン 86. ザンビア 87. アラブ首長国連邦  88 エチオピア 89. マレーシア 90. リトアニア 91. アルメニア 92. ナイジェリア 93. モルドバ共和国 94. シエラレオネ 95. セネガル 96. セントビンセント及びグレナディーン諸島 97. 欧州連合EU 98. ルーマニア 99. トーゴ 100. コロンビア 101. ベリーズ 102. キプロス 103. パキスタン 104. バーレーン 105. ルクセンブルク (2011年9月28日現在) 国連 批准国リスト(英語): http://www.un.org/disabilities/countries.asp?navid=12&pid=166 ++ イベント情報 1.グローバルフェスタ2011 前月号でもお知らせいたしましたが、グローバルフェスタ2011が以下の通り開催されます。 【開催日程】 10/1(土)、10/2(日) 10:00〜17:00 【会場】   日比谷公園 イベントの詳細につきましてはこちらをご覧ください。 http://www.gfjapan.com/ 今年もJANNETの出展が決定し、事務局では加盟団体の活動紹介ならびに冊子等の販売をおこないます。加盟団体出展によるタイで作られたエコバック、コースター等も併せて販売いたします。さらには個人会員の方も同じブース内にてフィリピンからの商品を販売いたします。皆様、お時間がございましたら、ぜひお立ち寄りください。 なお、JANNET割当ブースは【O23】(オレンジエリアの23番)です。場所に付きましては、こちらをご覧ください。 http://www.gfjapan.com/gfj_contents/zone_top.html ブースでお手伝いいただくボランティアを引き続き募集いたしております。お手伝いが可能な方はぜひ事務局までご連絡ください。 【連絡先】 JANNET事務局: 上野、佐々木 TEL: 03-5292-7628  FAX: 03-5292-7630 E-mail: sasaki.yuka@dinf.ne.jp ++ 2.2011年度3回JANNET研究会 本メールマガジン、メーリングリスト等で既にお知らせしておりますが、標記研究会を、発表者に戸枝陽基氏をお迎えし、以下の通り開催いたします。多くの皆様のご参加をお持ちしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 【テーマ】日本の地域福祉とCBID/CBR 〜街ぐるみの包括的福祉に向けて〜 【日 時】10月29日(土) 午後1時〜4時30分 【場 所】戸山サンライズ 2階大研修室B 【発表者】戸枝陽基(NPOふわり・社会福祉法人むそう理事長) 【ファシリテーター】石本 馨(日本福祉大学健康科学部、日本作業療法士協会)           清水香子(アジア保健研修財団) 【参加費】会員1,000円、非会員2,000円、学生500円 【情報サービス】手話通訳、ノートテイカー、点字プログラムをご用意しますので必要な方は参加申込の際に一緒にお申し込みください。 【お申込方法】下記JANNETホームページからお申込ください。 http://www.normanet.ne.jp/~jannet/kenkyukai/111029kenkyukai.html 【お問い合わせ】 JANNET事務局 上野、佐々木 TEL: 03-5292-7628 FAX: 03-5292-7630 E-mail: sasaki.yuka@dinf.ne.jp ++ 3.第2回アジア太平洋CBR会議 標記会議がフィリピンにて以下の日程で開かれます。詳細は以下のページをご覧ください。 http://www.cbrcongress.com/ 【日程】 2011年11月29日〜12月1日 【場所】 フィリピン・マニラ 【テーマ】『CBR:Building Communities for Everyone』 【お申込】こちらのページから直接、お申込ください。http://www.cbrcongress.com/registration.php  ++ 編集後記  100号の記念発刊を控えたニュースレター。様々な団体の、様々な立場の方が、長い時間をかけて創りあげてきたJANNETと、その歴史に圧倒されます。障がいの有無にかかわらず、地域の異に拘らず、まっすぐに貫いてきた志は人々の思いを突き動かすことでしょう。まだまだ若輩者。さしあたり「200号!」を目指して邁進してまいりますが、まずは100号をお楽しみに。今後とも皆様、どうぞよろしくお願い申し上げます。 伊藤 智典             ++ JANNET事務局では、会員の皆様よりメールマガジンに掲載する国際活動に関する情報を募集しております。 団体会員様のイベント情報などありましたら事務局までご連絡ください。 JANNET障害分野NGO連絡会 〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1財団法人日本障害者リハビリテーション協会内 【JANNET事務局直通】 TEL:03-5292-7628 FAX:03-5292-7630 URL: http://www.normanet.ne.jp/~jannet/