JANNET障害分野NGO連絡会 メールマガジン 第79号 2010年2月25日発行 ―目次― +++++ トピックス 1.警察も納得させるソムヨットのアイデア 〜近状から(2010年 新春) 2.国際セミナー「障害者の新しい雇用−インクルーシブな雇用の実現」 報告 (2010年1月31日) 3.CSR推進NGOネットワーク 第5回定例会 報告 (2010年1月27日) +++++ インフォメーション 1.AAR緊急支援活動 2. JANIC緊急災害活動状況報告書のご紹介 3.国連障害者の権利条約批准国情報 (2010年2月25日現在) +++++ イベント情報 1.JANNET報告会&役員会 (2010年3月14日) 2.第12回 高齢障害者のための移動と交通に関する国際会議 +++++ トピック 1 警察も納得させるソムヨットのアイデア 〜近状から 特定非営利活動法人 ヒーリングファミリー財団 中山 晴夫 現在当財団のメンバーはほぼ全員が知的障がいですが、3人のスタッフは全員身体に何らかの障がいをもっています。私たちにとって、彼らの仕事をする環境や通勤も大切な問題です。先日マイ(小児麻痺 前スタッフ:縫製担当)が家の都合で実家に帰ったため、その代わりに現在ポーン(車椅子使用:数年前建設現場で仕事中に事故で脊椎を損傷)が研修中です。そのポーンが内臓の手術のためしばらく入院していましたが、久しぶりに財団に顔を見せてくれました。 これまで彼女の通勤はソムヨット(スタッフ)が担当していましたが、彼のオートバイのサイドカーの幅が狭いため、ポーンが車椅子に座ったままで乗り込むことができませんでした。毎回ソムヨットがポーンをかなり無理をしての後部座席に座らせ、車椅子を折りたたんでサイドカーに積むと言う形で一緒に通勤 していましたが、毎日のこの作業は身体に障がいのあるソムヨットには大変なことです。 また手術後のポーンの身体では、それもかなり負担が掛かるとの相談を受け、ソムヨットのオートバイのサイドカーを改造することにしました。改造されたサイドカーはソムヨットらしい“Accessible”なアイデアが各所に見られる、つぎはぎリサイクルで少し傾いている作品となりましたが、何とか車椅子に座ったままサイドカーに乗れるようになったようです。姿はともかく「日本では少なくともナンバープレートが無いと公道を走ることができないよ!」と言うのですが、「マイペンライ!(問題ありません)警察とも道で何度も会いましたが、笑顔をで挨拶してます」との説明でした。障がい者に対して心優しいタイのおまわりさんに感謝!! こんな私たちですが今年も宜しくお願いいたします。 今年も年始から車椅子プロジェクトも開始します。 http://hffcm.org から Blogもご参照ください。 +++++ トピック 3 国際セミナー「障害者の新しい雇用−インクルーシブな雇用の実現」 報告 浦和 大学総合福祉学部 寺島 彰   2010年1月31日(日)に標記のセミナーが灘尾ホールを会場に開催されました。主催は、(財)日本障害者リハビリテーション協会と日英高齢者・障害者ケア開発機構で、英国大使館の後援をいただきました。 本セミナーは、2000年3月から障害者の社会参加、まちづくり、インクルージョン、雇用などをテーマに開催してきています。最近は、ソーシャル・ファームをテーマに議論を深めています。 ソーシャル・ファームとは、社会的企業の1つで、障害者、ホームレス、刑務所の出所者など雇用されることが困難な人々を雇用することを目的とする企業で、所得格差など多くの問題点をもつ新自由主義経済の後をうけて、次世代の社会を救うための新しい企業形態として期待されています。 我が国でも、一昨年、ソーシャル・ファーム・ジャパンが設立され、ソーシャル・ファームをいかに発展させるかが、本セミナーのテーマになりました。炭谷茂日英高齢者・障害者ケア開発機構日本委員会副委員長の基調講演の後、イギリスとドイツから3名の講師を招聘し、それぞれの経験をお話いただいた後、日本の講師を交えてパネルディスカッションで議論しました。おもに、ソーシャル・ファームを設立する際の資金の確保の方法と、ソーシャル・ファームに対する国家の支援について、会場からの積極的な発言もあり、活発な議論が行われました。 +++++ トピック 4 CSR推進NGOネットワーク 第5回定例会 報告 社会福祉法人 東京へレン・ケラー協会 福山 博 1月27日(水)午後、オリンピック記念青少年総合センターにおいて、標記の会議が、35名の参加者で行われました。 まず始めに11月30日に行われた第4回定例会「BOPビジネスとCSR」に関するパネルディスカッションの報告が行われました。(同定例会の資料(PDFファイル)はJANNET事務局にありますので、必要な方はご請求ください。)  次いで、「企業と国際協力NGOの連携のためのガイドライン」(ドラフト)について、5つのグループに分かれて討議が行われました。予定では、最後に各グループで話し合った内容を全体でシェアする予定でしたが、ドラフトは、コアメンバーが分担執筆したものを単純に継ぎ足したものであったため、「レイアウトがまったく考えられておらず読みにくい。章立てがなっていない。語彙を統一すべきである。誤字・脱字が多すぎる」など、問題点を指摘する声が続出。このためシェアする時間も問題点の討議に当て、最後にどのような経緯を経て、同ガイドラインを完全なものにするか決めました。  この日の意見は2月4日(木)に開催された臨時コアメンバー会合で統合され、2月9日(火)に「ファイナルドラフト」としてMLで各団体に送信されました。その上で、3月に拡大コア会合を開催し、同月内に「企業と国際協力NGOの連携のためのガイドライン」初版である「ver.1」を完成させ、同ガイドラインは2〜3年毎に見直してバージョンアップをする計画です。 * 上記、ガイドラインの「ファイナルドラフト」(PDFファイル)はJANNETの役員には2月10日に一斉送信されましたが、必要な方はJANNET事務局にご請求ください。JANNETでは、同「ファイナルドラフト」に関する意見やコメントをとりまとめて、CSR推進NGOネットワークに提案したしたいと思いますので、ご意見がある方は、JANNET事務局宛E-mailにてお寄せください。 +++++ インフォメーション 1.認定NPO法人 難民を助ける会による被災地での緊急支援活動 JANNET団体会員である認定NPO法人 難民を助ける会が、インドネシアとフィリピンの被災地において、緊急支援、特に障害者支援の活動を展開しています。詳細は以下のサイトをご覧ください。 ・フィリピン台風緊急支援速報 http://www.aarjapan.gr.jp/lib/act/act0910-3philippinesvictim.html ・スマトラ沖大地震緊急支援活動 http://www.aarjapan.gr.jp/lib/act/act0910-4sumatra.html +++++ 2.JANIC 各被災地でのNGOによる人道支援に関する活動速報リンクのご案内 JANNETが加盟しているJANIC(国際協力NGOセンター)では、NGOによるフィリピン台風16号、サモア沖地震、スマトラ沖地震における被災地の支援活動状況について紹介しています。ぜひご覧下さい。 HP:http://www.janic.org/news/ngo.php +++++ 3.国連障害者の権利条約批准国情報 ( 関連サイト:http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/right.html ) 1. バングラデシュ 2. クロアチア 3. キューバ 4. エクアドル 5. エジプト 6. エルサルバドル 7. ガボン 8. ギニア 9. ホンジュラス 10. ハンガリー 11. インド 12. ジャマイカ 13. ヨルダン 14. マリ 15. メキシコ 16. ナミビア 17. ニカラグア 18. パナマ 19. ペルー 20. フィリピン 21. カタール 22. サンマリノ 23. スロベニア 24. 南アフリカ 25. スペイン 26. チュニジア 27. ケニア 28. サウジアラビア 29. ニジェール 30. オーストラリア 31. ブラジル 32. チリ 33. タイ 34. アルゼンチン 35. 中国 36. パラグアイ 37. トルクメニスタン 38. ニュージーランド 39. ウガンダ 40. オーストリア 41. コスタリカ 42. レソト 43. 大韓民国 44. ルワンダ 45. スウェーデン 46. オマーン 47. アゼルバイジャン 48. ウルグアイ 49. ドイツ 50. バヌアツ 51. グアテマラ  52. イエメン 53. モロッコ 54. スーダン 55. クック諸島 56. モンゴル 57. イタリア 58. 英国 59. ベルギー 60. シリア 61. ブルキナファソ 62. ハイチ 63. デンマーク 64. セルビア 65. ドミニカ 66. マラウイ 67. ポルトガル      68. ラオス 69. チェコ 70. トルコ 71. セイシェル 72. イラン 73. モンテネグロ     74. タンザニア       75. ボリビア 76. アルジェリア     77.モーリシャス (2010年2月25日現在) ・国連 批准国リスト(英語): http://www.un.org/disabilities/default.asp?id=257 +++++ イベント情報 1.JANNET報告会 & 役員会 (2010年3月14日) JANNETでは3月14日に、今年度の活動報告会を開催いたします。先日無事終了した、インド現地研修会および12月に開催されたCBR AP Network会議についても皆様に報告する予定です。また報告会終了後は、引き続き役員会を開催いたします。興味がある方はご参加下さい。 日時: 2010年3月14日(日) [報告会] 13:00〜15:00  [役員会] 15:00〜17:00 場所: 戸山サンライズ中研修室 (新宿区戸山1-22-1) +++++ 2.高齢障害者のための移動と交通に関する国際会議 2010年6月2日から4日にかけて、香港リハビリテーション協会(Hong Kong Society for Rehabilitation)が第12回 高齢障害者のための移動と交通に関する国際会議12th International (Conference on Mobility and Transport for Elderly and Disabled Persons (TRANSED 2010) )を開催します。会議のテーマは、「すべての人のための持続可能な交通と旅行(Sustainable Transport & Travel for All)」です。参加方法等、詳細については、http://www.transed2010.hk/front/ をご覧下さい。 +++++ 編集後記 今回も、タイ、インド、イギリス、そしてCSR推進の活動と、幅広い話題でのメルマガとなりました。最近はインターネットなどを通じて、各国の、また各分野のさまざまな情報が素早く入手できるようになりましたが、メルマガの編集を担当していると、改めてその多様な取り組みに意識を喚起される思いです。 今後ともJANNETでは「NGO連絡会」として、さまざまな情報、取り組み、そして人をつなぐ役割を深めていければと思います。 編集委員: 原田 潔 (財団法人 日本障害者リハビリテーション協会) +++++ JANNET事務局では、会員の皆様よりメールマガジンに掲載する国際活動に関する情報を募集しております。 団体会員様のイベント情報などありましたら事務局までご連絡ください。 JANNET障害分野NGO連絡会 〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1財団法人日本障害者リハビリテーション協会内 【JANNET事務局直通】 TEL:03-5292-7628 FAX:03-5292-7630 Email: eueno@dinf.ne.jp URL: http://www.normanet.ne.jp/~jannet/