JANNET障害分野NGO連絡会 メールマガジン 第233号 2月号 2023年2月28日発行 ―目 次―  トピックス 〜会員団体の活動報告〜 1. 創業100周年記念式典で、韓国のチェ・ドンイク氏に岩橋武夫賞 社会福祉法人 日本ライトハウス 理事 竹下 亘 〜会員団体の活動報告〜 2. ヒーリングファミリー財団活動報告 特定非営利活動法人 ヒーリングファミリー財団 理事長 大垣内 勇 インフォメーション 1. 国連障害者の権利条約(UNCRPD)締約国情報 イベント情報 1. ICTサポートシンポジウム(第4回) 2023年3月13日(月) 2. 第5回アジア太平洋CBID会議2023(カンボジア) 2023年3月15日(水)〜17日(金) トピックス 〜会員団体の活動報告〜 1. 創業100周年記念式典で、韓国のチェ・ドンイク氏に岩橋武夫賞 社会福祉法人 日本ライトハウス 理事 竹下 亘 日本ライトハウスの創業は1922(大正11)年、中途視覚障害の岩橋武夫(1898年〜1954年)が大阪の自宅でエスペラントの学習書を点字出版したことに始まります。以来、日本初・世界13番目のライト・ハウス会館の開館(昭和10年)、ヘレン・ケラー・キャンペーンの実施(昭和12年と昭和23年)、アジア盲人福祉会議の開催(昭和30年)、職業・生活訓練センターの開設と盲導犬訓練事業の開始(昭和45年)、盲人情報文化センターの新築移転(昭和54年)、点字情報技術センターの新築(1991年)、視覚障害リハビリテーションセンターの再編(1992年)など、視覚障害者のニーズを先取りする事業を次々に展開してきました。 この間、お支え下さった皆様への感謝を込めて、日本ライトハウス創業100周年記念式典を2023年3月3日、メルパルクホール大阪で開催します。第1部では、瑶子女王殿下をはじめ厚生労働省、大阪府、大阪市、日本盲人社会福祉施設協議会、日本視覚障害者団体連合の代表の祝辞を頂戴し、長年ご支援いただいた方々に感謝状を差し上げた後、第40回岩橋武夫賞贈呈式とヴァイオリニスト川畠成道氏の記念演奏を行います。第2部では、「Go Forward! 101年目からの日本ライトハウスに求められるもの」をテーマに、100年の歩みを振り返った後、利用者代表4人から「日本ライトハウスを通して社会に期待すること」と題した発表と職員を交えた意見交換を行います。 岩橋武夫賞は、アジア・太平洋諸国等で視覚障害者の教育やリハビリテーション、福祉事業等に活躍・貢献した方を顕彰するものです。今回の受賞者であるチェ・ドンイク(Choi DongIc)氏は、韓国ソウルのシロアム視覚障害者福祉会常任理事、兼シロアムインターナショナル副会長として国際協力に尽力。ウガンダ、タンザニアへの教育支援とミャンマー、フィリピン、ベトナムへの情報化支援事業を続けているほか、世界唯一と言える「韓国点字法」の制定に多大な貢献をされました。 当法人は、岩橋武夫とヘレン・ケラーの固い絆を基盤として、国際協力を目標に掲げてきましたが、近年は実のある協力事業が出来ていません。けれども、この岩橋武夫賞を足場に、今後も世界各国の視覚障害等の方々や団体と交流を深め、少しでも国際貢献したいと願っています。 岩橋武夫賞の受賞者は、日本障害者リハビリテーション協会発行「アジア太平洋地域の障害者支援活動」(2007年12月号)に掲載されましたので、それ以降の受賞者を紹介させていただきます。敬称略。   30回(2007年)=Br. Graeme James Leach(パプアニューギニア・キリスト教神父) 31回(2008年)=Mr. Lawrence F.Campbell(米国・国際視覚障害者教育協議会会長) 32回(2009年)=Mr. John Keith Holdsworth(オーストラリア盲導犬協会元会長) 33回(2010年)=Mr. Randy Weisser(フィリピン・Resources for the Blind理事長) 34回(2012年)=Dr. Sun-Tae Kim(韓国・シロアム視覚障害者福祉会創設者) 35回(2014年)=Mr. Wong Yoon Loong & Mrs.Christina Anne Lau Mei Kheng(マレーシア盲人協会雇用訓練部長) 36回(2016年)=国際視覚障害者援護協会(石渡博明理事長) 37回(2017年)=Mr. Aung Ko Myint(ミャンマー盲人協会会長) 38回(2018年)=田中徹二(日本点字図書館理事長) 39回(2020年)=田畑美智子(世界盲人連合アジア太平洋地域協議会会長)         2. ヒーリングファミリー財団活動報告      特定非営利活動法人 ヒーリングファミリー財団 理事長 大垣内 勇 ヒーリングファミリー財団(HFF THAI)は、2002年10月から3年間、タイ・チェンマイを中心に、JICAとさをりひろばにより実施された「草の根技術協力事業(旧開発パートナー事業)」の障害者プログラムがプロジェクト終了後に設立された団体でした。 日本では、2007年に日タイ修好120周年記念事業(テーマ:微笑は心をつなぐ愛のかけ橋)においてタイのみなさんの活動を佐賀で発表する取り組みがきっかけとなり、活動が始まりました。翌2008年からはチェンマイを訪問・交流するスタディツアーが開始され、参加者がチェンマイの活動を見学・交流するとともに、日本で使われなくなった車いすをチェンマイに届ける「車いすプロジェクト」も同時に行っています。 2009年に、国際協力や障がいがあってもなくても住みやすい街づくり等を目的としたNPO法人を取得しました。 2010年には社会福祉士と介護福祉士が協力して、日本の介護技術をタイに紹介する、「日タイ介護技術協力プロジェクト」を行い、チェンマイの人々だけでなく、タイの歯科医のみなさんにもその様子が紹介されました。 2012年10月には佐賀県多久市にて、障害者総合支援法における、生活介護・就労継続支援B型事業所を設立しました。事業所の名前は「国際協力・障がい者支援センター愛のかけはし」とし、チェンマイのヒーリングファミリー財団のみなさんとも協力して活動しています。製品の一つにひまわりコースターがありますが、これはチェンマイで途中まで制作したものを佐賀で完成させるというものです。 2015年には、スタディツアーに参加してくれた佐賀女子短期大学の学生さんの発案で教育支援基金を設立し、現地のボランティアがチェンマイ近郊の村で障害児の支援を行ってきました。 新型コロナの影響でタイとの交流ができない中、昨年は嬉しい報告がありました。小さな頃から支援をしてきたクリームちゃんがチェンマイのラジャパット大学に入学しました。クリームちゃんは軽い知的障害と身体障害があり、家庭環境も複雑でしたが、教育支援基金のサポートもあり、現地ボランティアのマイさんが根気強く支援を続けてきた成果となりました。 スタディツアー・車いすプロジェクトの取り組みは2019年まで毎年継続してきましたが、2020年以降は新型コロナウイルスの影響で、残念ながらタイに渡航することはできていませんが、今年こそはタイに行くことができるのではないかと期待しています。   ******************************************************************************** インフォメーション 1.国連障害者の権利条約(UNCRPD)締約国情報 (関連サイト:http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/right.html) 署名国・地域数164/ 締約国・地域数 186 (2023年2月末現在) https://treaties.un.org/Pages/ViewDetails.aspx?src=IND&mtdsg_no=IV-15&chapter=4&lang=en イベント情報 1.ICTサポートシンポジウム(第4回) 2023年3月13日(月) 当協会では今年度、「障害者等のICT機器利用支援事業」による「ICTサポート連携事務局」を設置し、全国のICT支援について情報共有する仕組みの構築、実態調査、事例共有等のためのシンポジウム等の取り組みを行っています。 最終回となる第4回シンポジウムは、「ICTサポート全国連絡会議」とも位置づけ、過去3回の議論を踏まえながら、ICTサポートセンター(地域生活支援事業)を中心とする、全国的な連携と支援の広がりについて、共に考えます。 障害者等のICT機器利用支援事業 人と未来をつなぐ〜ICTサポート全国連絡会議〜 ICTサポートシンポジウム(第4回) 日時:2023年3月13日(月)13:00〜15:30 開催形態:オンライン開催(zoomウェビナー) 参加費:無料(事前登録制) ※手話通訳、要約筆記、テキストデータあり 主催:公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会 プログラム: 13:00 主催者挨拶  公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会 常務理事 君島 淳二 挨拶  厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部企画課自立支援振興室長 13:10  いよいよスタート! 障害者ICT機器支援ポータル「インクルサポーター」のご紹介 -デモを中心に- 西澤 達夫 (公財)日本障害者リハビリテーション協会 参与 13:20 障害者等へのICT機器利用支援実態調査」報告−全国のICTサポートの現状と課題− 調査結果概要: 田中 元(株)日本能率協会総合研究所 主任研究員 調査結果から見えてくる課題と「連携事務局」の役割: 君島 淳二 日本障害者リハビリテーション協会 13:40 シンポジウム 「ICTサポートの全国的な連携に向けて」−全国連絡会議の今後の開催と、センター未設置自治体の支援に向けて− 1.特別報告 (1)ICTサポートセンター新規設置自治体より 愛媛県保健福祉部障がい福祉課 (2)ICTサポートセンターによらない取り組みの事例 篠原智代 かがわ総合リハビリテーション福祉センター (休憩)(10分) 2.パネルディスカッション(順不同・一部依頼中) 飯村 富士雄 (特非)札幌チャレンジド 札幌市障がい者ICTサポートセンター 山口 俊光 新潟市障がい者ITサポートセンター/新潟大学特任講師 福祉メディアステーション/(一財)岐阜県身体障害者福祉協会 猿渡 聖子 佐賀県障害者ICTサポートセンター ゆめくれよん+        進行 渡辺 崇史 日本福祉大学健康科学部 教授     15:30  閉会 ※プログラムは予告なく変更する場合がございます。 お申込み: 締め切り 3月8日(水) ・下記必要事項に記入のうえ、E-mailで事務局までお送りください。 ・WEBフォームからもお申し込みいただけます。 <ウェブフォーム https://forms.gle/m7ShKuUnCRQnSGzi7 > ※お申込みいただいた方にはZoomウェビナーのアドレスをお送りします。 【申込み必要事項】 お名前: ご所属: ご連絡先E-mail(必須): 必要事項〔手話通訳 ・ 要約筆記 ・ テキストデータ(スクリーンリーダー用) その他(                           ) 【お問い合わせ・お申し込み】 日本障害者リハビリテーション協会 ICTサポート連携事務局(原田、本田) 事務局E-mail: ict_support@jsrpd.jp TEL: 03-5273-0218   FAX: 03-5273-1523 ※最新プログラムはこちら https://www.jsrpd.jp/ict/    2.第5回アジア太平洋CBID会議2023 2023年3月15日(水)〜17日(金) 第5回アジア太平洋CBID会議が下記の日程で開催いたします。JANNETも発表者(ポスター発表)として参加いたします。 開催日:2023年3月15日(水)〜17日(金) 会場:Sokha Hotel Phnom Penh(カンボジア・プノンペン) テーマ:CBIDを通じたCOVID-19パンデミック時およびその後の障害者の社会的・経済的エンパワメントの強化 主催:カンボジア王国政府/CBID APネットワーク 【第5回アジア太平洋CBID会議ホームページ】: https://cbid5.dac.gov.kh/ ※現地発表者による、参加報告会を3月28日(火)13:30からオンラインにて開催予定です。日本障害者リハビリテーション協会と共催で「リハ協カフェ」として開催します。 皆様のご参加を、お待ちしております! 詳細・申し込みURL:https://www.jsrpd.jp/cafe15/ 編集後記 今年の3月半ば頃には、コロナ禍による制限がいよいよ緩和されようとしています。この3年間、思うように行動できなかったり事業ができなかったり、海外へ行く事も、来日する事も安易ではありませんでした。 また、マスク装着により表情が分からない不安が、これで払拭される事はとても嬉しい事です。 ダスキン愛の輪事業も再開し、以前のように研修生を迎え入れて交流を兼ねて研修をしていただける状態になる事が、まもなくできるようになると思うと楽しみで仕方ありません。 また、毎年10月初めに外務省及びJICA、JANICが主催、開催しているグローバルフェスタですが、今年はJANNETも対面で出展するという明るいニュースが出てきそうです。何よりもJANNET設立30周年を迎える年です。素晴らしい内容になるよう精鋭で取り組んでいますので、楽しみにお待ちください! (嶋本 恭規/JANNET広報・啓発委員長) JANNET事務局では、会員の皆様よりメールマガジンに掲載する国際活動に関する情報を募集しております。団体会員様のイベント情報などありましたら事務局までご連絡ください。 JANNET障害分野NGO連絡会  〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1 公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会内 【JANNET事務局直通】 TEL:03-5292-7628 FAX:03-5292-7630 URL: http://www.normanet.ne.jp/~jannet/ 以上