JANNET障害分野NGO連絡会 メールマガジン 第218号 11月号 2021年11月30日発行 ―目 次―  トピックス 〜会員団体の活動紹介〜 1. モップやドーナツでお馴染みのダスキンが設立した財団です! 公益財団法人ダスキン愛の輪基金 統括室長 横山 かおる 2. 第8回「リハ協カフェ」参加報告 国際医療福祉大学 成田保健医療学部 教授/国際リハビリテーション研究会 代表 河野 眞 3. グローバルフェスタJAPAN2021の報告 野毛坂グローカル 奥井 利幸 インフォメーション 1. 国連障害者の権利条約(UNCRPD)締約国情報 イベント情報 1. 第9回「リハ協カフェ」 2021年12月24日(金) トピックス 〜会員団体の活動紹介〜 1. モップやドーナツでお馴染みのダスキンが設立した財団です! 公益財団法人ダスキン愛の輪基金 統括室長 横山 かおる   公益財団法人ダスキン愛の輪基金は、共生社会の実現を目指し1981年、株式会社ダスキンとダスキンのフランチャイズ加盟店の支援により設立されました。 株式会社ダスキンの創業者が“祈りの経営”という独自の経営理念を打ち立て、事業展開していました。“祈りの経営”とは、人を育てる、惜しみのない愛をささげる、というものです。その精神を受け継ぎ、障がい者支援事業をすることになりました。 一つは、「ダスキン障害者リーダー育成海外研修派遣事業」です。 日本の障がいのある人たちに海外で3カ月〜1年間までの間、自身で決めたテーマで研修をする個人研修。現在は、障害者権利条約への取り組みをグループで学ぶミドルグループ研修も実施しています。 40年間で17カ国へ528名を派遣。研修修了生は、大学教授や弁護士、自立生活センターの運営、パラリンピック選手、映画監督など多岐にわたり、活躍しています。 もう一つの事業は「ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業」です。 アジア太平洋地域の障がいのある若者を日本へ招聘し、福祉や文化を学んでいただきます。完全公募の形をとり、約10か月間の日本での研修は、日本語・日本語手話で行うというユニークな事業です。 21年間で29の国と地域から146名が参加。帰国後は、研修中に指導を受けた関係団体と連絡をとりながら、母国で初めての自立生活センターの設立や今まで困難であった公務員や国際機関での勤務など努力を重ね、それぞれが道を切り開いています。 両事業とも“リーダー”という言葉を入れています。研修で得た知識や経験を自分のものだけにせず、仲間や後輩、周りの人へ還元し、誰一人取り残さない社会を作って欲しいとの願いからです。 最後に「ドーナツを買うことで誰かの幸せにつながる」取り組みを紹介します。これは、前述のダスキンの創業者がミスタードーナツの事業提携を決断した日・1月27日のミスタードーナツ店舗での売り上げの一部を財団へ寄付いただいています。 1月27日は、お近くのミスタードーナツへ足を運んでください。   2. 第8回「リハ協カフェ」参加報告      国際医療福祉大学 成田保健医療学部 教授/国際リハビリテーション研究会 代表 河野 眞 ※去る2021年10月30日に開催した、(公財)日本障害者リハビリテーション協会主催『第8回「リハ協カフェ」』にてご登壇いただいた内容を、まとめていただきました。 去る10月31日(土)、今回で第8回目となるリハ協カフェに発表者として参加いたしました。今回は、本年9月7日〜9日の日程でデンマークにて開催された第24回RI世界会議がテーマでした。これは本来昨年開催予定だったものが、COVID-19パンデミックの影響で今年に延期され、さらに対面とオンラインのハイブリッド形式で開催されることになったものです。 実際、今回のRI世界会議では、開催延期や開催方法の変更が影響したのか、日本人による演題発表は数件にとどまり、その点では前回第23回に比べると低調だったように感じます。ただ、そのような状況であるからこそ、今回のリハ協カフェで共有の機会を持つことは重要であると感じつつ発表を行いました。 当日は、河野から「ポスト紛争期のミャンマー・カレン州における障害のある人たちの生活実態調査」と題したRI学会での発表演題の共有を行い、その後、湯沢由美氏(医療法人丹沢病院 精神保健福祉士)が「地域で働く実践家から見た、国際学会参加を通した国際貢献と臨床に持ち帰るもの」と題した発表を行いました。 河野の発表内容はRI学会の演題をそのまま日本語で再演するだけでなく、学会では語り切れなかった、調査全体の結果をお伝えするものとしました。発表後の質疑応答では、現地の状況を確認するご質問をいくつもいただき、調査結果を別の角度から確認する機会を得ることが出来たと感謝しています。 湯沢氏の発表は、RI学会の概要を含め、ご自身の国際学会への参加経験と共に、国際学会への参加意義を大いに語る内容でした。きっとカフェ参加者の皆さんの国際学会参加モチベーションを高めたに違いないと感じました。 当日は40名近い申し込みがあり、質疑応答だけでなく、終了後のアンケート結果を拝見しても、熱心な参加者が多かった印象です。COVID-19の状況は予断を許しませんが、引き続き、リハ協カフェがこのような研鑽機会を提供してくれることを期待します。 3. グローバルフェスタJAPAN2021の報告 野毛坂グローカル 奥井 利幸 10月9日(土)、10日(日)にグローバルフェスタJAPAN2021が実施されました。 外務省、国際協力機構(JICA)、国際協力NGOセンター(JANIC)の共催で、例年であれば東京のお台場で実施される日本国内最大級の国際協力、多文化共生のイベントです。 昨年は残念ながら中止になりましたが、今年はオンライン配信と有楽町の東京国際フォーラム(リアル会場)でのハイブリッド開催で2年ぶりに実施されました。 JANNETや加盟団体の難民を助ける会(AAR)・日本キリスト教海外医療協力会(JOCS)・ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)・野毛坂グローカルはオンラインで出展しました。日本中、世界中からオンラインで訪問できることは、今まで遠方などで参加を断念していた人も気軽に来ることができ、多くの人にとってメリットが大きいと思います。オンラインでの視聴者数は2日間で累計6,764人におよびました。 リアル会場でのブース展示は、国際機関3団体、NGO/NPO 26団体など合計44団体に制限され、JANNET加盟団体では野毛坂グローカル1団体のみの出展となりました。  しかし、出展団体が少ないにも関わらず、リアル会場への訪問者は2日間で3,593人になり「現地に行く」ことに飢えている人も多いことを実感しました。 通常の団体のリアルなブースの出展目的は、「来場者に情報やメッセージを伝える」ことだと思いますが、野毛坂グローカルでは一方的な情報の伝達ではなく、「学びあい」を大切にし、双方向の情報交換を大切にしてきました。来場者とブース担当者との交流はもちろん、できるだけ多くの人に交代でブース担当をしていただき、担当者どうしの交流や、他の出展団体との交流も積極的に行いました。オンラインイベントのみでは味わうことのできない貴重な経験をさせていただいたと思います。なにより、顔と顔と合わせる場の大切さと喜びを実感した機会ではなかったかと思います。 一方で、やはり会場に来ることができない人もいます。今回、野毛坂グローカルはブース会場にパソコンを持ち込み、オンラインでリアルなブースに来ていただく試行も行いました。入院中の人やALSの人もお越しいただき、ブース担当者と直接交流をするなど、通常のオンラインイベントとは一味違った交流もできたと思います。 リアルイベントの良さと、オンラインとの組み合わせの可能性はまだまだありそうだと感じたグローバルフェスタでした。 ******************************************************************************** インフォメーション 1.国連障害者の権利条約(UNCRPD)締約国情報 (関連サイト:http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/right.html) 署名国・地域数164/ 締約国・地域数 184 (2021年11月末現在) https://treaties.un.org/Pages/ViewDetails.aspx?src=IND&mtdsg_no=IV-15&chapter=4&lang=en イベント情報 1.第9回「リハ協カフェ」 2021年12月24日(金) 公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会では、海外からの訪問者の報告会等を実施しておりましたが、本年度は、新型コロナウイルスの影響で海外関連の報告会の実施は難しい状況にあります。そのため、「リハ協カフェ」として、リモートによる報告会を企画し、2020年8月より隔月で開催してまいりました。今回は、第9回目の開催です。 第9回は、9月7日〜9日にデンマークで開催された「第24回RI世界会議」でのご発表内容を、日本語で更に詳しくご講義いただきます。北村 弥生先生(長野保健医療大学 特任教授)より「自治体における障害者手帳所持者 を対象にした調査結果」、廣瀬 里穂先生(目白大学 保健医療学部 作業療法学科 助教)より「生活環境を多職種で共有した自宅復帰の支援 〜急性期病院でクライアントの活動と環境に焦点をあてて〜」についてご報告いただきます。 関係者以外にも広くご参加を募ります。皆様のご参加をお待ちしております。     日時:2021年12月24日(金)13:30〜15:15 場所:リモート開催(Zoom) 参加費:無料 ※情報保障あり 【プログラム】 13:30-13:35 開会挨拶 君島淳二(公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会 常務理事) 13:35-14:15 報告1「自治体における障害者手帳所持者を対象にした調査結果」 発表者:北村 弥生氏(長野保健医療大学 特任教授) 14:15-14:25 質疑応答 14:25-15:05 報告2「生活環境を多職種で共有した自宅復帰の支援〜急性期病院でクライアントの活動と環境に焦点をあてて〜 」 発表者:廣瀬 里穂氏(目白大学保健医療学部作業療法学科 助教) 15:05-15:15 質疑応答 15:15    閉会 *プログラムの内容に変更がある場合がございます。ご了承ください。 【申込方法】 以下のサイト、またはFAXにてお申し込みください。 https://www.kokuchpro.com/event/cafe9/ 申込受付:12月23日(木)15:00まで ※情報保障が必要な方は、12月17日(金)までにお申し込みください。 満員になり次第、締め切りとなりますので、ご了承ください。 お名前、ご所属、ご住所を明記の上、手話通訳、要約筆記、点字資料など必要があれば申し込み時にお知らせください。 参加登録された方へZoomのURLをお送りいたします。  【お申し込み、お問い合わせ先】 《公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会 国際課》 担当:村上・仁尾(にお) 〒160-0052東京都新宿区戸山1丁目22番1号 TEL: 03-5273-0601   FAX: 03-5273-1523    Eメール:kokusai@dinf.ne.jp 編集後記 今年もコロナ禍に振り回され、不要不急の外出を控える等の要請がなされ、我慢を強いられた生活となりました。 そんな中、7月・8月はオリンピック・パラリンピックが開催され、ほぼTV画面を通しての観戦になりました。 また仕事や活動の場面等、様々な会議や打ち合わせ等もオンライン化しました。 そんな中、情報弱者が取り残される事のないよう必死に食らい付く状況だったのではないかと思いました。 オリパラ開閉会式の手話言語通訳も然りでした。今後、コロナ禍でなくなってもオンラインを用いた活用は今後も増えていき発達するであろうと思われます。 より情報が溢れ、世界がせまくなっていきます。 SDGsの取り組みが叫ばれている中、誰一人取り残さない社会作りをどう作り上げていくか。 益々、重要課題となってきます。 (嶋本 恭規/JANNET広報・啓発委員) JANNET事務局では、会員の皆様よりメールマガジンに掲載する国際活動に関する情報を募集しております。団体会員様のイベント情報などありましたら事務局までご連絡ください。 JANNET障害分野NGO連絡会  〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1 公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会内 【JANNET事務局直通】 TEL:03-5292-7628 FAX:03-5292-7630 URL: http://www.normanet.ne.jp/~jannet/ 以上