JANNET障害分野NGO連絡会 メールマガジン 第200号記念号 4・5月合併号 2020年5月28日発行 ―目 次―  200号発刊にあたって 〜JANNET会長、協力者、現・旧役員からのメッセージ〜 インフォメーション 1. 国連障害者の権利条約(UNCRPD)締約国情報 2. 地域共生社会開発実践ガイド改訂版の発行 200号発刊にあたって 〜JANNET会長、協力者、現・旧役員からのメッセージ〜 【ご挨拶】 認定NPO法人 日本ポーテージ協会 会長/JANNET会長  清水 直治 「障害インクルーシブ社会の実現に向けて」 JANNET(障害分野NGO連絡会)が、毎月1回発行している情報誌「JANNETメールマガジン」が、200号を迎えました。 JANNETは、アジア太平洋およびその他の地域における、障害分野の国際協力・交流を行う市民社会組織のネットワークとして、1993年に設立されました。現在では、障害分野で国際協力活動に従事している日本のNGO・NPOが正会員・賛助会員として25団体、および個人会員20名が加盟しています。 そしてこの間、CBR/CBID(地域に根ざしたリハビリテーション/地域に根ざしたインクルーシブ開発)の実践や障害インクルーシブ開発を主要なテーマに、活動に取り組んできました。近年ではさらに、国連の「障害者権利条約」をはじめ、「アジア太平洋障害者の権利を実現するためのインチョン戦略」や「持続可能な開発目標(SDGs)」などの実施と達成を見据え、各国の人たちとの対等なパートナーシップのもとに、加盟団体や個人の多様な活動・ネットワークを通じて、「誰ひとり取り残さないインクルーシブ社会の実現」を目指して、活動を展開しております。 今後とも、JANNETの活動をご理解いただくとともに、よろしくご支援・ご協力をお願い申し上げます。 【協力者からのメッセージ】 認定NPO法人 国際協力NGOセンター(JANIC)理事長  本木 恵介 本木と申します。初めまして。私は、JANICと共にかものはしプロジェクトの代表を務めており、インドでの人身売買の被害者の当事者運動を支援しています。今思い返してみると、そうした活動にのめりこんでいったきっかけの一つは、学生時代に重度の知的障碍者の介助の有償ボランティアをしたことにあるように思います。その時に、その方と共に世田谷区の会議に参加して、当事者としての意思を表示されていたのが強く印象に残っています。世界をより豊かで良い場所にするリーダーを目の当たりにしたのです。 いま世界中で新型コロナウィルス感染症が拡大し、深刻な事態を引き起こしています。そしてより一層、厳しい状況に追い込まれる人たちが急増すると思います。その時に、JANNETのネットワークの皆さま、また共に活動されている障碍者の皆さまの力こそが、さまざまな垣根を超え、この危機を好機として活かし、共に生きる社会をつくることに大事なのではないかと直感しています。私たちJANICも共に頑張っていきたいと思いますのでこれからもよろしくお願いします。 【ご挨拶】 公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 副会長/JANNET前会長  松井 亮輔 JANNETメールマガジンがこの4月で200号を迎えること、本当におめでとうございます。これまでの関係者の皆様のご尽力に対してこころから感謝申し上げます。 JANNETをはじめ関係団体などの精力的な支援活動により、国内外における障害者プログラムおよびサービスはこれまで比較的着実に拡充されてきましたが、このところの新型コロナウィルス感染症の世界的大流行で先進国でも医療崩壊が懸念される一方、重症者の救命に必要な医療機器やその発症を予防するためのマスクや消毒液などが不足し、そのため重度・重複の障害のある人たちなど、切実に必要とする人たちにそれらが届かないといった事態が続いています。ましてや途上国におけるそれらの人たちはきわめて深刻な状況に置かれていると思われます。 こうした状況を打開し、持続可能な開発目標(SDGs)が目指す、「誰一人取り残さない」社会の実現に向けて、JANNET会員団体が、国内外の関係団体などと協力して今後さらに積極的な取組みを展開されるよう期待させていただきます。 【役員よりメッセージ】 社会福祉法人 日本視覚障害者団体連合/JANNET広報・啓発委員  田畑 美智子 JANNETメルマガ200号という記念の折に、経験のないような感染症危機に直面し、世界中の人たちが何らかの影響を受け不安を感じている昨今。私を含め障害当事者もプラスアルファで不安や暮らし難さを感じていますが、新型コロナ対応をインクルーシブにしようという動きも少しずつ湧き上がっているのは心強い限りです。そして、このように横断的な対応が必要な時こそ、様々な団体の連携や知見の共有が日ごろから出来ているか否かで対応力が変わるのではないか。そのためにも、JANNETがネットワークとして更に広範なステークホルダーと繋がっていくことを切に願っています。 社会福祉法人 日本視覚障害者団体連合/JANNET広報・啓発委員  伊藤 丈人 JANNETメールマガジン4月号(200号記念号)発行に寄せて メルマガを通じた情報提供に、改めて感謝申し上げます。 JANNETメルマガを届け続けてくださった時代を振り返りますと、障害者権利条約の批准、差別解消法の施行など、障害者を取り巻く法制度面において一定の成果が見られました。 それらが実現される過程において、JANNETの枠組みを通して継続された当事者と支援者の協力、ネットワークの確立が、大きな力となり、活動の支えとなってきたかと思います。 その一方で、私たち視覚障害者の当事者運動を巡っては、会員の高齢化と若年層の組織率低下に直面し、組織の存在感維持に関して、厳しい状況にあるのも事実です。 皆さんとの交流や協力を通じて得られた力を、私たちも日頃の地道な活動に繋げ、共生社会を目指す取り組みを、粘り強く続けていければと思います。 一般財団法人 全日本ろうあ連盟/JANNET広報・啓発委員  嶋本 恭規 新型コロナウイルスの蔓延により、これまでにない未曽有事態に恐怖を覚えます。 また聴こえない仲間たちは国や行政からコロナ関連の情報に保障がなく声を上げてきました。通常時からきちんと対処していればと思うばかりです。 この様な事態時に障害者は忘れられ去られてしまう、後回しにされてしまいがちです。まだまだ差別解消には遠い状況です。障害別を越えて手を合わせて、私たちの国を住みやすい国にしていこうではありませんか! 公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 企画課/JANNET広報・啓発委員  原田 潔 JANNETが発足した1993年は、アジア太平洋障害者の十年がスタートし、障害分野での国際協力元年とも言える年だったように思います。2020年の今、新型コロナウイルスの蔓延により、世界が力を合わせなればならない時です。渡航制限で海外に足を運ぶことはできませんが、幸いインターネット等を通じて、海外の仲間たちと言葉や取り組みを共有することができます。これまでの活動で培ってきた連携の力を、共に発揮できればと思います。 公益社団法人 日本理学療法士協会 国際事業課 主任/JANNET研修・研究委員  伊藤 智典 JANNETは今年で27歳になりました。これもひとえに皆さまのおかげと心からお礼を申し上げます。 記憶に残るのは2015年、新宿京王プラザホテルさんで開催したアジア太平洋CBR会議です。 ボランティアさんなど運営のご協力を得て、物理的な障壁や情報をふくむアクセシビリティを可能な限り確保して開催された2日間、強い信念と熱気が宿った会になったことは心に強く刻まれています。 JANNETは障がいを持つ人をとりのこさない活動をする各種団体が意見交換する大切な場。 今後もCOVID-19に負けない活動を展開していきますのでご支援のほどよろしくお願いいたします。 一般社団法人 日本作業療法士協会 国際部長/JANNET研修・研究委員  大庭 潤平 JANNETメルマガ200号記念号の刊行おめでとうございます。これまでにご尽力なさった担当者の皆様はじめ委員の方々に感謝と敬意を表します。このメルマガで障害分野の国際協力・交流について日々学ばせていただいています。本当に貴重な情報の発信源だと感じています。今後のJANNETの益々のご発展とメルマガの300号を目指して一層のご活躍を祈念いたします。   公益財団法人 アジア保健研修所(AHI) 研修担当/ JANNET研修・研究委員  清水 香子 障害分野の今の動きを、横に(海外―日本)、縦に(草の根ー国際)、ナナメにつなぎ幅広い学びを生み出す。それは、障害を共通項に、それぞれの専門性と活動の場を持つ団体が集うJANNETだからこそできること。この得意技?は、インクルーシブな社会を目指す時、今後より一層求められ、生き、既存の(脆弱な)構造を超える創造性ある取り組みに繋がっていくことでしょう。その場づくりに、AHIも共に取り組み学んでいきたいと思います。 認定NPO法人 日本ポーテージ協会 副会長兼事務局長/JANNET企画委員  谷島 邦雄 JANNETの活動のこれから ほんの3か月前までとは、全く違った社会状況となってしまいました。障害分野の国際協力・交流を行う市民社会組織のネットワークであるJANNETの活動も、大きな岐路に立たされています。今とにかく大切なのは、自分を含めたすべての人の命を守ることです。そのうえで、JANNETが掲げるスローガン「誰ひとり取り残さないインクルーシブ社会の実現」のために何ができるのかを考え、活動そのものを再構築していかなくてはならなくなったと考えています。 特定非営利活動法人 難民を助ける会[AAR Japan]支援事業部 マネージャー/JANNET企画委員  野際 紗綾子 JANNETメールマガジンが200号を迎え、とても嬉しく、心強く思っております。AAR JapanがJANNETの会員になってから、皆様の温かいご指導のもと、これまでに多くの職員が様々な勉強会、委員会、国際会議に参加し、世界各国の活動に還元することができました。心より御礼申し上げます。2020年4月、新型コロナウィルスが世界で猛威を振るっていますが、JANNETでのこれまでの長年の蓄積とネットワークは、きっと未来の、すべての人に優しい世界づくりに貢献していくことと信じています。これからも、どうぞよろしくお願いいたします。 公益社団法人日本キリスト教海外医療協力会/JANNET監事  小池 宏美 JANNETメールマガジンが200号を迎えたことを、とても嬉しく、心強く思います。JANNETは障がいのある無しに関わらず、すべての人々が互いを尊重し、支え合って暮らす社会を作ることを目指して活動を続けています。その理念は素晴らしいものです。今は活動が制約される状況が続いていますが、そのような中、メールマガジンによる情報発信はとても重要と考えます。顔を合わせての活動が再開される日が待っていることを信じて、読み手も書き手も希望を失わずに歩みたいと思います。 きょうされん 常任理事/JANNET監事  安川 雄二 困難を乗り越えて JANNETの皆さんの地球規模での素晴らしい活動に心から敬意を表します。 現在世界、そして日本は新型コロナウイルス感染症の拡大により、外出やイベントなどの自粛が呼びかけられ、人と人との距離を取ることが大切だと強調されています。しかし、障害のある人々、特に障害の重い人ほど「人による支え」が不可欠であり、今最も不安な気持ちで、そして不自由な生活をされているのでは心が痛みます。なんとかこの状況を乗り越えて、堂々と障害者権利条約に謳われた権利が実現できるように皆で力を合わせて頑張っていきましょう。 【前役員よりメッセージ】 国際リハビリテーション研究会 代表/JANNET前幹事  河野 眞 JANNETは障害分野・リハビリテーション分野における国際協力団体のネットワークとしてユニークな存在です。中でも特徴的なのは、そのネットワークにおける障害当事者団体の存在だと思います。 私たち国際リハビリテーション研究会は個人の集まりであり、その成り立ちはJANNETと異なりますが、その関心や目的はJANNETと共有しています。今後もそれぞれが活動を通して刺激し合い、この分野が発展することを期待しています。 特定非営利活動法人 アジアの障害者活動を支援する会(ADDP) 会長/JANNET前幹事  前島 冨子 JANNETメールマガジン200号記念に寄せて 今年はお花見の賑わいも新緑の可愛い芽吹きも鑑賞する暇もなしに梅雨入りの報告が届いてしまいました。令和2年はコロナ禍に取り込まれてもう半年が過ぎようとしています。 例年だと当会のADDPラオス事務所に日本からのインターン生が押しかけて彼等の受け入れスケジュールを計画することに大わらわなのですが…。今年は出入国が制限され、静かな日常となっております。最近就活の条件として、海外ボランティアの経験が有益との噂があり、わずか10日間ぐらいの予定でインターン生として参加する学生が増えています。実はこの10日間の軽い気持ちで参加した学生達の中から実は本物の途上国支援のプロフェッショナル人材も生まれています。彼等がJANNETメールマガジンにつながったり、FBで新しい友人を得たり、迷いながら汗を流している姿に感動する人生の長い一部を他の人に全力で寄り添う経験が自分自信の生き方に役に立つ日が必ずあるとインターン生に伝えたいと思います。JANNETメールマガジンの200回もの素晴らしい発信は多くの関係者を繋げ、新しい活動の発露となっていることに心より感謝を申し上げたいと思います。     帝京平成大学健康メディカル学部理学療法学科 准教授/JANNET前幹事  知脇 希 メールマガジン200号発行に至るまでには、皆様のご協力とともに事務局のご尽力が不可欠であったと思います。感謝申し上げます。 私は、JANNETの活動に参加したことで、理学療法士以外の方とお知り合いになり、自分の世界を広げることができました。今後も皆様にとってそのような場であってほしいと願っています。 COVID-19により世界の様相が変わる中、障がい分野にとって追い風となることもあれば、向かい風になることもあると思います。今後も情報共有し、必要な活動を継続していきましょう。 一般社団法人 日本作業療法士協会 常務理事・教育部長/山形県立保健医療大学 作業療法学科教授/JANNET前幹事  藤井 浩美 JANNETメールマガジン200号記念号発刊おめでとうございます。私は2015年6月から2019年5月まで、日本作業療法士協会国際部長としてJANNETに関わらせて頂きました。この間、リハビリテーションを推進する者として、色々と学ばせていただきましたことを心から感謝致しております。現在は、その経験を基にして、同協会教育部長として、作業療法の卒前・卒後教育の向上に取り組んでおります。この先も、JANNETと本協会の良好な関係が続くように努力いたします。 公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 参与/JANNET元事務局長  上野 悦子 メールマガジン200号発行をお祝いします。 パンデミック収束後の世界について、国際的な思想家の一人、ジャック・アタリ氏(フランスの経済学者)はNHKの番組で、利他主義に向かうことを主張しました。JANNETの会員団体が国内外で進めてきた、取り残される人を出さない活動が後押しされる予測ではないでしょうか。 ポストコロナの時代は、新たな価値を創る時でもあります。JANNETがネットワークとして新しい道を切り拓く機会になればと思います。 ************************************************************************************** インフォメーション 1.国連障害者の権利条約(UNCRPD)締約国情報 (関連サイト:http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/right.html) 署名国・地域数163/ 締約国・地域数 181 (2020年5月末現在) https://treaties.un.org/Pages/ViewDetails.aspx?src=IND&mtdsg_no=IV-15&chapter=4&lang=en 2.地域共生社会開発実践ガイド改訂版の発行 日本障害者リハビリテーション協会では、2015年の第三回アジア太平洋CBR会議を東京で共催した結果、CBIDの考え方を日本の地域で応用できないかと「地域共生社会開発プログラム」を開発し実施してきました。 本プログラムの普及のため、2017年度に実践ガイドを作成しましたが、2020年3月にその改訂版(新訂・地域共生社会開発 実践ガイド)を発行しました。 改訂版では、地域共生社会開発プログラムを始めるまでの経緯や枠組みおよび2016年から実施している実施事例を巻末に掲載しました。地域福祉や地域づくりに携わる方や関心のある方にご利用いただければ幸いです。 お問い合わせ:(公財)日本障害者リハビリテーション協会 URL:soumu@dinf.ne.jpまで。         編集後記 JANNETメールマガジン200号記念号がここに発刊となり、事務局としても誠に感無量です。JANNETに深く関わってくださっている方々から、この大変な状況の中でもたくさんのメッセージをいただきました。どんな人も取り残されてはならないと、それぞれの分野で出来ることを考え行動する、皆様の熱い想いが伝わってまいります。 この状況が明けた時、様々な出来事が以前と同じではなくなることでしょう。ですが、これを機会に更に前向きにチャレンジし、その大きな変革が更に人々を取り残さないことに繋がっていくと信じております。 皆様方におかれましては引き続きくれぐれもご自愛くださいませ。そして今後の更なる皆様のご活躍を信じて、心よりお祈り申し上げます。 事務局も、皆様のご活躍のサポートができるようこれからも精進してまいります。今後とも変わらぬご指導ご鞭撻の程よろしくお願いいたします。 (村上 博行・仁尾 志保/JANNET事務局) JANNET事務局では、会員の皆様よりメールマガジンに掲載する国際活動に関する情報を募集しております。団体会員様のイベント情報などありましたら事務局までご連絡ください。 JANNET障害分野NGO連絡会 〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1 公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会内 【JANNET事務局直通】 TEL:03-5292-7628 FAX:03-5292-7630 URL: http://www.normanet.ne.jp/~jannet/ 以上