JANNET障害分野NGO連絡会 メールマガジン 第199号 3月号 2020年3月31日発行 ―目 次―  トピックス 〜会員団体の活動紹介〜 1. AHI(アジア保健研修所)のご紹介〜AHIの研修とは?〜 公益財団法人 アジア保健研修所(AHI) 職員 清水 香子 2.「HAPIC」参加報告 公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 参与 上野 悦子 インフォメーション 1. 国連障害者の権利条約(UNCRPD)締約国情報 2. 2020年 AHI国際研修(国内からも)参加者募集中 3. 国連ESCAP最新の出版物”Disability at a Glance 2019”(ひとめでわかる障害関連情報2019) の紹介 イベント中止・延期のお知らせ 1. 第3回CBR/CBID世界会議 2. 第24回RI世界会議 トピックス 〜会員団体の活動紹介〜 1.  AHI(アジア保健研修所)のご紹介〜AHIの研修とは?〜 公益財団法人 アジア保健研修所(AHI) 職員 清水 香子           AHI(Asian Health Instituteアジア保健研修所)は愛知県日進市にあるNGOです。1980年の設立以来、アジアで活動する保健開発ワーカーを日本に招き、リーダーシップを育成する参加型の研修を行っています。現在30か国に711名の元研修生がいます。 〇アジアってどこからどこまで?:広―くアジアです。東・東南・南アジアの研修生がほとんどですが中央・西・北アジアからも受け入れます。 〇保健開発ワーカー(研修生)って?:保健とついていますが医療従事者でない人が大多数。住民が自分たちで問題に気づき解決にむけて取り組む場を作る、地元NGOのスタッフや住民グループのリーダー(当事者リーダー)たちです。とりくむ課題も、衛生・栄養といった保健に直結するものから収入向上・環境・教育・ジェンダー・障害・政策提言まで多種多様です。 〇でも保健ってつくからには医療や衛生の課題を扱うのですよね?:違うとも、そうともいえます。健康であるためには医療制度やインフラが整い十分な収入がまず必要です。その先には、格差がなく排除されず権利が守られ、豊かな人間関係が育まれているといった環境もなくてはいけません。研修では、保健の切り口から村―地域―国―グローバルな視点で社会の構造を分析します。そこから研修生は、分野を超えた課題の相互のつながりを発見し、自分の活動を捉え直し、課題解決のアイディアを探ります。 〇どんなリーダーシップ?:地域住民が主役・主体となった活動を支える、ファシリテーターとしての価値観、資質や態度を意味します。自らが先頭に立って導く技術を学ぶ研修ではありません。 〇「参加型」?:研修生はお互いの経験や課題、意見を共有し、学び合います。研修はある意味、村での活動の「ラボ」。活動における住民と同様に、自分たちで目標を設定し、何を、いつ、どのように学ぶかも自分たちで決めます。食事や掃除も協働作業。異なる背景を持つ人とともに活動する難しさを体験し、乗り越える方策を考える場になります。 *COVID-19の影響と状況をみつつではありますが、今年も8月30日〜10月11日(於日進市)、上記の研修を開催します!ご応募・ご見学、お待ちしております。インターンも募集中です。 詳細は→http://ahi-japan.sakura.ne.jp/english/html/ 2.  「HAPIC」参加報告    公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 参与 上野 悦子 JANIC(国際協力NGOセンター) は、2月14日に国際ファッションセンター(東京、両国)にて、HAPIC(ハピック)という会議を開催しました。HAPICとは英語のHappiness Idea Conferenceの頭文字を取ったもので、「課題解決の先へ」という副題がつけられ、テーマを「ブレークスルー」(突破)としたように、課題解決のために革新的なアイデアを出し合おうという意図が込められていたようです。 主催者は、当時、新型コロナウィルスの感染拡大の影響について悩んだ末、香港から招聘する予定だった、基調講演者(アムネスティ香港代表ライーズ ペイグ)の来日をぎりぎりになって取りやめ、ビデオメッセージに変更するなどの工夫により開催を決断しました。 HAPIC開催の背景には、国際協力を行うNGOを取り巻く環境が変化していること、社会課題が一つの国にとどまらくなっていること、国際協力に携わる人や組織が多様化してきたことなどが挙げられています。 これまで途上国で地道な協力活動を行ってきたNGOは、外務省やJICAなどの政府と連携することがあり、NGOの持つ専門性や現場での経験は評価されてきました。しかし新しい国際協力大綱が発表されて以来、企業や自治体などが国際協力に関わるようになり、改めてNGOの存在意義を見直す機会にしたい、ということが根底にあるねらいのように思いました。 今回のHAPICの参加者は主催者発表で約300人。プログラムでは冒頭のスペシャルセッションが全体会、続いて10の分科会が開催され、最後にまとめの全体会があり、分科会の感想が発表されました。分科会はそれぞれ持ち方に工夫があり、長い時間をかけて準備してきたことがうかがえました。中でも注目されたのは、「Under 30:次世代NGOが作る未来」というサブタイトルの分科会で、3人のスピーカーはNGOを代表している若い人たちで、それぞれの組織運営上の悩みを率直に語り、参加者が活発に意見を出して本質的な議論が繰り広げられたこと、それを可能にしたモデレーター(NPO e-Education代表の三輪開人氏)が秀逸だったことなどが報告されました。 JANNETからの参加は今回は事務局からの2名でしたが、来年また開催されるようなら会員団体もぜひ参加して意見交換に参加されることをお勧めします。参加者どうし議論に参加するとお互いにプラスになるのでは、と思いました。     ************************************************************************************** インフォメーション 1.国連障害者の権利条約(UNCRPD)締約国情報 (関連サイト:http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/right.html) 署名国・地域数163/ 締約国・地域数 181 (2020年3月末現在) https://treaties.un.org/Pages/ViewDetails.aspx?src=IND&mtdsg_no=IV-15&chapter=4&lang=en 2.2020年 AHI国際研修(国内からも)参加者募集中 AHIでは、2020年の国際研修の参加者を募集中です。今年のテーマは「変化を創りだす次世代リーダーシップ育成」。アジア各国の若者グループのリーダー、または若者の育成をしているNGO職員などが対象です。また今年は、日本国内からも若手リーダーの参加者を募集します。(応募条件など、詳しくは募集要項をご参照ください) 日程:2020年8月30日(日)〜2020年10月11日(日) 場所:アジア保健研修所(愛知県日進市) 募集締切は、2020年4月22日(水)です。 ぜひ、みなさまの地域で活動されている若者や、アジア各国の関係団体に情報共有をお願いいたします。 *AHI国際研修については下記を参照ください。 http://ahi-japan.jp/ildc/ *募集要項・応募用紙は下記の英文サイトからダウンロードできます。 http://ahi-japan.sakura.ne.jp/english/html/modules/pico/index.php?content_id=13 *応募・問い合わせ先:研修事務担当(大熊) application@ahi-japan.sakura.ne.jp ※本号トピックスの「1. AHI(アジア保健研修所)のご紹介〜AHIの研修とは?〜」参照。     なお、アジアの団体等に研修の案内を転送いただく際には、下記の案内文(英文)をご利用ください。 -----------英文案内文ここから---------- Dear Friends, We Asian Health Institute (AHI) would like to send you our 2020 Training Course Outline and Application Form. In this year, AHI will run International Course on Leadership for Community Health and Development from August 30th(Sun) to October 11th(Sun), 2020. The theme of this year's course is Youth Empowerment for Making Change. It is targeted at two specific groups: (1) Community Youth Leaders, and (2) NGO workers involved in Youth Empowerment. A “team application” for a group of one or two youth leaders and an NGO worker who collaborate in a specific area is also welcome. The application deadline is April 22, 2020. If you know any appropriate youth leaders you are working with or NGO workers in charge of youth empowerment in your organization or other organizations, please share this information with them. For details of the course objectives, participants' criteria, financial requirement and application procedure, please find the course outline. The course outline and application form are also downloadable from the link below. http://ahi-japan.sakura.ne.jp/english/html/modules/pico/index.php?content_id=13 Thank you for your cooperation. For further inquiries, please do not hesitate to contact to:Secretariat for the training program, AHI E-mail: application@ahi-japan.sakura.ne.jp *NOTICE: The E-mail address is for application and related inquiry only.     Sincerely yours,     Ms. HAYASHI Kagumi General Secretary, Asian Health Institute     3. 国連ESCAP最新の出版物”Disability at a Glance 2019”(ひとめでわかる障害関連情報2019) の紹介 国連ESCAP(アジア太平洋経済社会委員会)は、これまでにも障害に関する域内各国の状況を示す“Disability At a Glance(ひとめでわかる障害事情)という報告書を2006年から発表してきましたが、最新版を発表しました。(2019年12月に”Disability At a Glance 2019”) これまではESCAP域内の国の障害に関するデータ紹介が多かったのですが、2019年版では、建物、交通、情報・コミュニケーションなどを含むアクシシビリティの向上に関することをテーマに取り上げています。アジア太平洋地域の国々ではアクセシビリティ改善への努力が行われてきましたが、まだまだ不十分であることから、報告書では持続可能な開発を達成するための戦略として、アクセシビリティ向上への投資の重要性に焦点をあてています。 詳しくはこちらのURLからご覧ください。 https://www.unescap.org/publication-series/disability-glance     イベント中止・延期のお知らせ 1. 第3回CBR/CBID世界会議 2020年7月28日(火)-30日(木)     今年7月にウガンダで開催を予定していた第3回CBR/CBID世界会議について、主催団体のCBRグローバルネットワークから「開催国ウガンダ政府との協議の結果、新型コロナウイルスの世界的感染拡大の状況をとらえ、2020年末までに開催を延期する」というお知らせが送られてきました。 正式な開催日は4月末をめどに決定し、お知らせするとのこと。なお、発表要旨(アブストラクト)の締め切り日は変更しないということです。 2. 第24回RI世界会議 2020年9月8日(火)-10日(木) デンマークのオーフスで開催を予定していた「第24回RI世界会議」について、RI事務局から「新型コロナウイルスの世界的感染拡大の状況を鑑み、第24回RI世界会議の開催を来年2021年9月7日〜9日に延期する」というお知らせが送られてきました。 それに伴い、(公財)日本障害者リハビリテーション協会で企画、ご案内していた「第24回RI世界会議デンマーク(オーフス)参加ツアー」2020年9月6日(日)〜9月12日(土)も中止させていただきます。参加希望のお申し込みをいただきました皆様、お申し込みを検討されていた皆様におかれましてはご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解の程宜しくお願いいたします。 編集後記 皆様、最後までお読みいただき、ありがとうございます。 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、各地でのイベント、研修会、会議等が中止または延期となっております。(本メルマガでもそうしたご案内が増えています。) 各団体において、中止や予定変更に関する対応にご尽力される皆様に、感謝申し上げます。 折しも年度末を迎え、年次総会当の会議の季節でもあり、書面決済やオンライン会議など、さまざまな対応策が模索されているかと思います。 こんな厳しい状況だからこそ、一堂に会して議論することの大切さを見つめなおすと同時に、どんなことはオンラインで代替できるが、どんなことはやはり対面で行うべきかなど、活動の在り方や意義を問い直す機会としていきたく思います。 感染拡大防止に向けた小さな努力をしつつ、一日も早い終息を願います。 (伊藤 丈人/JANNET広報啓発委員) JANNET事務局では、会員の皆様よりメールマガジンに掲載する国際活動に関する情報を募集しております。団体会員様のイベント情報などありましたら事務局までご連絡ください。 JANNET障害分野NGO連絡会 〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1 公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会内 【JANNET事務局直通】 TEL:03-5292-7628 FAX:03-5292-7630 URL: http://www.normanet.ne.jp/~jannet/ 以上