JANNET障害分野NGO連絡会 メールマガジン 第198号 2月号 2020年2月28日発行 ―目 次―  トピックス 〜会員団体の活動紹介〜 1. 日本障害者リハビリテーション協会の紹介 公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 村上 博行・仁尾 志保 2. NGOと企業の連携推進ネットワーク第56回定例会プログラム 「本音で語る、SDGs時代の共創モデル 〜SDGs実施指針改訂版を通じて市民と企業の共創を考える〜」参加報告 公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 参与 上野 悦子 インフォメーション 1. 国連障害者の権利条約(UNCRPD)締約国情報 2. 『CBRからCBIDへ』発行のお知らせ 3. 「第24回RI世界会議」参加ツアーのご案内 イベント情報 1. 第3回CBR/CBID世界会議 2020年7月28日(火)-30日(木) イベント中止・延期のお知らせ 1. 令和元年度 音声教材の効率的な製作方法等に関する調査研究事業  「デイジー教科書事例報告会 2. JANNET研究会「とりのこさない スポーツ×国際協力」 トピックス 〜会員団体の活動紹介〜 1.  日本障害者リハビリテーション協会の紹介 公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 村上 博行・仁尾 志保         日本障害者リハビリテーション協会は、障害者のリハビリテーションに関する調査研究と国際的連携のもとに障害者のリハビリテーション事業の振興を目的として1964年に設立されました。総裁には常陸宮殿下を賜っています。 国際リハビリテーション協会(RI)の日本の窓口としての役割を果たし、リハビリテーションの専門家や障害当事者の幅広い参加を得て、リハビリテーションの振興と障害者の社会参加の促進を目指す活動を続けています。 JANNET創設メンバーである松井亮輔氏(本協会 副会長・前JANNET会長)の助言を得ながら設立段階よりJANNETの事務局を担当しています。 わかりやすい活動としては、皆様が街で良く見かける国際シンボルマーク(車いすマーク)の正しい普及・啓発活動をRIからの委託を受けて行っています。 国際研修事業としては、国際協力機構(JICA)からの委託を受け、年2回程、障害当事者や関係者等が法律や事業、制度の整備に関わることを学ぶコースを実施しています。また、JANNET賛助会員でもあるダスキン愛の輪基金からの委託を受けて「ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業」で毎年5人程、海外からの障害当事者の研修生の受け入れも実施しています。JANNET会員の皆様の中には研修先としてお世話になっている団体も数多くございます。ご協力を頂きありがとうございます。 CBR・CBIDについては、JANNETと協力して海外から講師を招いたセミナーを開催した他、2015年には第3回アジア太平洋CBR会議を開催しました。 情報関係の事業としては、障害保健福祉研究情報システム(DINF)等の他、デジタル図書(DAISY)の開発及び普及推進事業を実施しています。近年では文部科学省の委託を受けて小中学校の教科書のDAISY化を行い、全国の読み書き障害児童に向けて配信を行っています。既に1万人以上に利用されています。 国内の活動としては、日本障害フォーラム(JDF)をはじめとした障害者団体等との協力を行っています。また、総合リハビリテーション研究大会を開催しています。今年度は郡山市において第41回研究大会を開催しました。次回は2020年10月2日・3日に横浜にて予定しています。 事務所の所在地は、全国障害者総合福祉センター(戸山サンライズ:新宿)です。厚生労働省の委託を受けて運営を行っております。会議等の際は、ぜひご利用くださいませ。   2.  NGOと企業の連携推進ネットワーク第56回定例会プログラム 「本音で語る、SDGs時代の共創モデル 〜SDGs実施指針改訂版を通じて市民と企業の共創を考える〜」参加報告           公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 参与 上野 悦子 JANICが年2-3回開催しているNGOと企業の連携推進ネットワーク定例会(参加者36名、うちNGO14、企業11、その他11)が2月6日に開かれ、参加しました。 今回の目的は、2017年から2019年に第3期計画が終了したことを踏まえ、今後はアクションを生み出すことを話し合うことでした。 JANIC事務局から、これまでを振り返り、前回第55回ではNGOと企業との共創モデル(共同で新たに創り出す)を生み出すことについて意見交換したことを報告。今回は、前回の会以降の動きについて、分野(ユニット)ごとのキーパーソンから報告がありました。(1.ビジネスと人権、2.途上国開発全般・開発資金、3.ジェンダー、4.保健、5.環境、6.防災・減災) また、この定例会ではSDGsを主なトピックとして取り上げられたことからSDGsジャパン事務局長の新田英理子さんから、SDGs実施指針改訂版(SDGs推進本部 令和元年12月20日付)策定の経緯と概要説明があり、新田氏は、枠組みは変わらないがジェンダー平等が加わったことは評価できると述べました。 続く分野別グループでは、筆者は保健ユニットに参加しました。参加者は私を含む4名でチームリーダーでシェア(国際保健NGO)の西山美希さん、ワールドビジョンジャパン、経済人コー円卓会議日本委員会からの参加でした。議論に多くの時間が費やされたのは、SDGsの基本理念である「誰も取り残さない」は実現されているのかどうかに関してでした。 主な議論は次の通り。 ・「誰も取り残さない」の対象者は、子ども、女性、障害者、高齢者、難民、少数民族、移民などであることが報告されているが、企業はこの理念を実現できているのかについて疑問があること。 ・「誰も取り残さない」考えから実践にどうつないでいったらいいかがわからない、という企業が多いと思われる。 ・企業はSDGs推進については、外資のコンサルタントに企画を依頼することがよく見受けられ、その中身はデータ分析により自社の事業戦略と結びつけてSDGs実施の策定を検討することが多いと思われる。「誰も取り残さない」ためには目に見えない変化に注目することが大事だが企業にアプローチするには、企業の考え方を把握することが求められる。   今回の定例会に出て「誰も取り残さない」ことは障害分野だけではないことが理解できます。SDGsへの他の分野での取り組みや、企業の方針がどう作られていくかなどに視野を広げる視点をもつことが障害分野でも必要なのではないかと感じました。    ************************************************************************************** インフォメーション 1.国連障害者の権利条約(UNCRPD)締約国情報 (関連サイト:http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/right.html) 署名国・地域数163/ 締約国・地域数 181 (2020年2月末現在) https://treaties.un.org/Pages/ViewDetails.aspx?src=IND&mtdsg_no=IV-15&chapter=4&lang=en 2. 『CBRからCBIDへ』発行のお知らせ 2019年7月にモンゴルで開催された、第4回アジア太平洋CBID会議で発表されたマヤ・トーマスさん(障害、CBRとインクルーシブ開発ジャーナル)の講演録の日本語訳を発行しました。各種研究会、CBRを学びたい人や実施している人、大学の副読本などにお使いください。原文もあります。     目次はこちらのとおりです。 ・CBRとCBID ・必要性ー1981年〜現在 ・縦展開か横展開か? ・MDGからSDGへ ・CBRの妥当性の検証の継続 ・新たな問題 ・高齢化 ・ニュー・アーバン・アジェンダ ・社会保障     問合せ先:日本障害者リハビリテーション協会 電話 03-5273-0601 soumu@dinf.ne.jp 一冊 500円です。     3. 「第24回RI世界会議」参加ツアーのご案内 2020年9月8日から9月10日まで、デンマークのオーフスで行われます「第24回RI世界会議(24th Rehabilitation World Congress 2020)」に合わせまして、日本障害者リハビリテーション協会では「RI世界会議参加ツアー」を企画いたしました。ノーマライゼーション発祥の地で開催されるこの機会に、ぜひ皆様に世界のリハビリテーションの最前線に触れていただければと思い、ご案内させていただきます。     【第24回RI世界会議デンマーク(オーフス)参加ツアー】 旅行期間:2020年9月6日(日)〜9月12日(土)7日間 訪問都市:デンマーク(オーフス& コペンハーゲン) 旅行代金:402,000円(2名1室の場合) 490,000円(1名1室の場合) ※会議の登録料は含まれません。各自でお申込みをお願いいたします。 RI世界会議申し込みURL:https://www.riworldcongress2020.com/registration お手伝いが必要な時は日本障害者リハビリテーション協会にご相談ください。尚、早割の申し込み締め切りは3月15日です。 最少催行人員:10名 募集人員:20名 申込締切:2020年3月31日(火) お問い合わせ:公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会   〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1  TEL:03-5273-0601 FAX:03-5273-1523 E-mail:kokusai@dinf.ne.jp      担当:村上・仁尾(にお)     ※詳細チラシPDFは下記URLからご覧いただけます。 https://www.jsrpd.jp/wp-content/uploads/2020/02/RI世界会議(デンマーク)9月ツアーのご案内.pdf       イベント情報 1. 第3回CBR/CBID世界会議 2020年7月28日(火)-30日(木) 日時:2020年7月28日(火)―7月30日(木) 場所:ウガンダ テーマ:「誰も取り残さないー障害者のコミュニティでの人権実現のため地方から世界までの多分野連携」 発表要旨の申し込みは2020年1月31日まで。? ※なお、第一回CBR世界会議は2009年にインドで開催、第2回CBR世界会議は2016年にマレーシアで開催されました。 https://cbrglobalnetwork.org/ イベント中止・延期のお知らせ 1. 令和元年度 音声教材の効率的な製作方法等に関する調査研究事業 「デイジー教科書事例報告会」 2020年3月8日(日) メールマガジン2019年12月号(196号)の「イベント情報」に掲載した上記イベントは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を考慮した結果、中止となりました。 2. JANNET研究会 「とりのこさない スポーツ×国際協力」 2020年3月21日(土) JANNETよりお知らせしていた上記イベントは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を考慮した結果、開催を延期することとしました(開催時期未定)。 ご参加、およびお申し込みを検討されていた皆様におかれましては、大変ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解の程、宜しくお願いいたします。 編集後記 今年1月末にニュージーランド・ウエリントンへ行きました。ニュージーランドでは手話言語法が2006年4月に制定。障害者権利条約は2006年12月に国連総会にて採択。障害者権利条約より早く制定した事になります。 アジア太平洋地域の各国に於いて、手話言語の啓蒙及び理解をどう取り組みをしていくか?手話言語法制定をしたニュージーランド、韓国、フィリピン及びフィジーと共に意見交換を実施しました。手話言語法制定後、どんな波及効果があったか?課題は何か?を報告頂きました。 またビクトリア大学の言語学、レイチェル・マッキー博士や手話言語の法制定に率いたホン・ルース・ダイソン議員の講演を頂きました。 手話言語への差別が多く、その解決は容易ではありません。 アジア太平洋地の仲間と共に“手話言語”をもっともっと発信していかなくではなりません。 (嶋本 恭規/JANNET広報啓発委員) JANNET事務局では、会員の皆様よりメールマガジンに掲載する国際活動に関する情報を募集しております。団体会員様のイベント情報などありましたら事務局までご連絡ください。 JANNET障害分野NGO連絡会 〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1 公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会内 【JANNET事務局直通】 TEL:03-5292-7628 FAX:03-5292-7630 URL: http://www.normanet.ne.jp/~jannet/ 以上