JANNET障害分野NGO連絡会 メールマガジン 第190号 6月号 2019年6月28日発行 ―目 次―  トピックス 1. -連載企画17ー 地方への挑戦 ウランバートル市における障害者の社会参加促進プロジェクト(DPUB) JICA専門家 千葉寿夫 2. 第20期ダスキン・アジア研修生有志5名 感動・感謝の成果発表会  (公財)ダスキン愛の輪基金 常務理事 山本典芳 インフォメーション 1. JANNET2019年度総会 2019年7月27日(土) 2. 国連障害者の権利条約(UNCRPD)締約国情報 イベント情報 1. RI地域会議マカオ報告会 8月2日(金)15:00-16:30 2. 第7回イノベーション、アクセス、生涯学習を通じたSDGs達成のためのアフリカフォーラム開催 エチオピア・アディスアベバ 2019年10月7日(月)-11日(金)                   3. 第24回アジア知的障害会議 ネパール 2019年12月2日(月)-6日(金) トピックス -連載企画17- 1.地方への挑戦 ウランバートル市における障害者の社会参加促進プロジェクト(DPUB) JICA専門家 千葉寿夫         我々のプロジェクトは人口の半分が集中するウランバートル市を対象に実施しています。だから地方に行く機会が限られるのですが、実はウランバートル市もかなり広く、バガノール区は中心部から130キロも離れています。人口2万7千人の小さな街ですが、非常に綺麗で、アクセシビリティも市内中心部より良いのではないかと思えます。ただ外出している障害者をあまり見かけません。先日、このバガノール区で自治体職員と障害者を対象にセミナーを実施しました。 「障害の社会モデル」って知っていますか、という質問に、多くの参加者は聞いたこともないと答えてくれました。2006年に障害者権利条約が採択されてからもう13年が経ちますが、途上国の地方では社会モデルさえ知らない障害者がたくさんいることを、改めて知らされました。多くの地方行政官も障害を医療や福祉と捉えています。そこでDPUBでは、まず障害平等研修を実施し、社会モデルの理解を深めた上で、障害者権利条約や障害者の人権、障害者運動について講義を行い、障害が社会問題であることを伝えます。もちろん、そんなに簡単に障害者が権利に目覚め、活動を開始することはないのですが、それでもセミナー後には何らかの変化を感じます。障害者が自分自身を責めるのではなく、社会に問題があることに気づき、また行政官も社会改善が必要と理解してくれます。そんな変化が、少しずつモンゴルで生じているように思います。 このバガノール区は区長と障害担当課長の理解が深く、障害者の意見を積極的に受け入れようとしています。障害者支部委員会を設置し、行政官と障害者の意見交換の場も設けています。地方の障害理解はまだ低いですが、ウランバートルの一地方でこのような変化が見られることは非常に喜ばしいですし、これがモンゴル全国に広がればと願っています。   DPUBフェイスブックページ(日モ)もぜひ御覧ください。 https://www.facebook.com/jicadpub/ 2. 20期ダスキン・アジア研修生有志5名 感動・感謝の成果発表会 (公財)ダスキン愛の輪基金 常務理事 山本典芳 2019年6月1日、戸山サンライズで ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業 第20期生の成果発表会が開催されました。 ダスキン愛の輪基金は、1981年、ミスタードーナツ創業10年目を迎えた年、また国連の提唱する国際障害者年にちなんで、ミスタードーナツ障害者リーダー米国留学派遣としてスタートしました。 現在、2つの事業を展開しています。 1つ目は、地域社会のリーダーとして貢献したい、と願う障がいのある若者を海外に研修派遣する事業です。帰国後は、その貴重な体験を活かし、様々な分野で活躍されています。1981年以来38年間で512名の研修生を派遣しています。   2つ目は、1999年から開始したアジア・太平洋の障がいのある若者を日本へ招いて障がい者福祉を学んでいただく事業です。20年間で、28の国と地域から137名が研修を修了されました。   第20期生は、2018年9月25日 大阪のダスキンスクールで開講式を執り行いました。3カ月間 日本語(日本語手話)を勉強し、集団研修・個別研修を経て、発表会を行いました。 ブータン初の研修生・ヨンテンさん(視覚障がい)、ネパールのスニタさん(聴覚障がい)、スリランカのユキさん(聴覚障がい)、ミャンマーのミョーミンさん(肢体)、台湾のナンさん(肢体)の5名。   成果発表会では、研修生全員、堂々と日本語(日本語手話)で、日本での体験を発表し帰国後の目標や夢を語られ、約10カ月間で成長された姿に感動を覚えました。 日本語・日本語手話をご指導いただいた先生方、ホームステイのホストファミリー、研修を受けいれてくださいました関係機関の皆様、そして運営委託先の(公財)日本障害者リハビリテーション協会の皆様、多くの支えによって、感動・感謝の研修が実施できています。 ミスタードーナツの募金や寄付、法人会員・個人会員の会費など、あたたかい支えによって継続できていることに、心から感謝申し上げます。今後も、本事業が多くの支えによって、継続できることを願っています。 ************************************************************************************** インフォメーション 1. JANNET2019年度総会 7月27日(土)13:00〜 2019年度JANNET総会を開催いたします。今回は、総会と第4回アジア太平洋CBID会議へ参加した方の報告会も同時に開催いたします。是非、ご参加ください。 日時:2019年7月27日(土)総会13:00〜14:50、報告会15:00〜17:00 会場:戸山サンライズ2F 大会議室 *詳細については、JANNETホームページまたはメーリングリストにてお知らせいたします。 2. 国連障害者の権利条約(UNCRPD)締約国情報 (関連サイト:http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/right.html) 署名国・地域数162/ 締約国・地域数 178 (2019年6月末現在) https://treaties.un.org/Pages/ViewDetails.aspx?src=IND&mtdsg_no=IV-15&chapter=4&lang=en イベント情報 1. RI地域会議マカオ報告会 8月2日(金)15:00-16:30 国際リハビリテーション協会(Rehabiligtation International:RI)は 、6月26日(水)〜28日(金)アジア太平洋地域会議をマカオで開催。 RIは、1922年に設立された世界的な民間組織で、世界100カ国以上の障害者団体、 障害者サービス提供団体、政府組織、障害関係研究者、支援者などが加盟しています。日本障害者リハビリテーション協会は日本の窓口です。本会議の報告会を開催します。 日時:2019年8月2日(金)15:00〜16:30 場所:戸山サンライズ(東京都新宿区戸山1−22−1)  主催:日本障害者リハビリテーション協会 参加費:無料 定員:40名 プログラム: 15:00- 開会あいさつ        15:10- 報告者         松井 亮輔(法政大学名誉教授・日本障害者リハビリテーション協会副会長)        寺島 彰(日本障害者リハビリテーション協会参与)         他       16:30- 閉会 2. 第7回 視覚障害に関するアフリカフォーラム開催  エチオピア・アディスアベバ 2019年10月7日(月)-11日(金) 2019年視覚障害に関するアフリカンフォーラム開催イノベーション、アクセス、生涯学習を通じたSDGs達成のための 会議登録方法など下記URLをご覧ください。 URL:https://www.perkins.org/get-involved/events/africa-forum 3.  第24回アジア知的障害会議 2019年12月2日(月)-6日(金)    この会議では、知的障害、発達障害のある本人の皆さんによる意見発表、体験の交流が活発に行われます。本人、支援者、家族、専門家や行政担当が一堂に会して、熱い想いと知恵を語りあい「共に生きる社会」を目指すものです。 大会期間:2019年12月2日(月)〜6日(金) 主催:アジア知的障害連盟 大会HP https://afid24.org/ テーマ:Equity, Equality and Inclusion of People with Intellectual Disability 言語:英語、日本語    参加者募集:旅行期間2019年11月30日(土)-12月8日(日)9日間 旅行地:ネパール・カトマンズ 旅行代金:東京、名古屋、大阪、福岡発 共に224,500円 ホテル:Hotel Yak&Yeti(大会会場と同じ) 申込み締切り:2019年9月25日(水) 企画:公益社団法人 日本発達障害連盟 http://www.jldd.jp/ 問合せ先:ティ・シィ・アイ・ジャパン株式会社 電話03-3580-6311(担当:小林) 編集後記 皆様、日本盲人会連合より参加しております伊藤です。 メルマガ190号を最後までお読みいただき、どうもありがとうございます。 今号では、ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業 第20期生の成果発表会について紹介されています。15年ほど前、僕は本プログラムでタイとネパールから 来ていた研修生に日本語の点字を教えるという機会を頂戴しました。その時一緒に点字を学んでくれた2人は、現在まさにアジアの視覚障碍者のリーダーとして活躍して います。現在でもお会いすることがありますが、僕の方が多くを教えていただいています。 ダスキン愛の輪基金の皆様、多くの協力者の皆様のご尽力によりこの研修制度が継続されていることに、障害者の1人として心より感謝申し上げます。 来月号もどうぞお楽しみに! (伊藤丈人/JANNET広報啓発委員) JANNET事務局では、会員の皆様よりメールマガジンに掲載する国際活動に関する情報を募集しております。団体会員様のイベント情報などありましたら事務局までご連絡ください。 JANNET障害分野NGO連絡会 〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1 公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会内 【JANNET事務局直通】 TEL:03-5292-7628 FAX:03-5292-7630 URL: http://www.normanet.ne.jp/~jannet/ 以上