JANNET障害分野NGO連絡会 メールマガジン 第189号 5月号 2019年6月1日発行 ―目 次―  トピックス 1. -連載企画16ー 障害者団体の結束 ウランバートル市における障害者の社会参加促進プロジェクト(DPUB) JICA専門家 千葉寿夫 2. バングラデシュ・コンピューター評議会メンバー等との意見交換会報告 (公財)日本障害者リハビリテーション協会 参与 寺島 彰 インフォメーション 1. 障害者権利条約 JDFパラレルレポート完成報告会 2019年6月4日(火) 2. 国連障害者の権利条約(UNCRPD)締約国情報 3. RI アジア太平洋地域会議 マカオ 2019年6月26日(水)-28日(金) 4. 第7回イノベーション、アクセス、生涯学習を通じたSDGs達成のためのアフリカフォーラム開催 エチオピア・アディスアベバ 2019年10月7日(月)-11日(金) 5. 第24回アジア知的障害会議 ネパール 2019年12月2日(月)-6日(金) イベント情報 1. ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業第20期生成果発表会 2019年6月1日(土) 2. 第4回 アジア太平洋CBID会議2019 (JANNET参加) 2019年7月2日(火)-3日(水) 3. 第11回国際障害者法サマースクール アイルランド                      6月17日(月)-21日(金) 4. 第2回東京国際ろう映画祭 5月31日(金)-6月3日(月)  トピックス -連載企画16- 1.障害者団体の結束 ウランバートル市における障害者の社会参加促進プロジェクト(DPUB) JICA専門家 千葉寿夫         モンゴルの障害者団体に結束の兆しが見えてきました。モンゴルでは1997年と2008年に障害者の国家協会を設立しています。団体がバラバラに活動するのではなく、協力して活動した方が、政府との交渉力も強くなる。このような思いからの設立ですが、どちらも失敗しました。利害対立、予算不足、リーダーシップの欠如、協調性に欠けるなど、様々な原因が指摘され、みんながそれを乗り越えたいと思っていますが、なかなか上手く行きませんでした。今回は3度目の正直です。 障害者団体の連携を学びにタイに行ったのが、今年の2月です。それからわずか3ヶ月で、現在、多くの団体で障害者団体の連携が議論されています。4月には聴覚障害者が一同に介し、連携について議論しました。国家協会を設立した人たちを中心に、失敗しないための連携についても話し合い、さらに大統領からも障害者団体の結束を促す声が上がっています。そんな中、つい先日も主要な障害者団体が集合し激しい議論が交わされました。モンゴルの議論は、日本と比べるとかなり激しく、率直です。 ただ残念ながら、前回の議論ではまとまりませんでした。皆さん、連携が必要という部分では同意したのですが、ではどうやって、どんな形態で、誰がリーダーとなって、などとなると議論が混迷します。でも今回の試みはまだ始まったばかり。最初は、意見を出し合うのが重要と思います。同時に、今回は無理に団体を設立せずに、まずはフォーラムやネットワークというゆるやかな形の連合を目指す声が多く聞かれます。モンゴルに必要な障害者団体の連携を、JICA/DPUBでも支援していきたいと思っています。 写真:聴覚障害者団体の会合の写真 DPUBフェイスブックページ(日モ)もぜひ御覧ください。 https://www.facebook.com/jicadpub/ 2. バングラデシュ・コンピューター評議会メンバー等との意見交換会報告 (公財)日本障害者リハビリテーション協会 参与 寺島 彰 2019年5月29日(水)、13:30から15:00まで、戸山サンライズ第1小会議室において、バングラデシュ・コンピューター評議会(Bangladesh Computer Council:BCC)のメンバーを中心とした視察者5名と日本の参加者との意見交換会が開催されました。主催は、(公財)日本障害者リハビリテーション協会です。 BCCは、1990年に法律に基づき設置された政府機関で、郵政・電気通信省(Ministry of Post and Telecommunications)の情報通信技術局(Information and Communication Technology Division)が所管しており、障害者のICT支援の視察のために日本を訪問されました。 5人とも政府職員で、Mr. Mohammad Monowar Uz Zaman(プロジェクト統括責任者)、Mr. Md. Ariful Islam(計画省モニタリング評価局副局長)、Mr. Md. Monirul Islam(情報通信技術局次長)、Mr. Madho Sudun Chando(BCC地域統括部長)、Mr. Md. Golam Rabbani(プロジェクト副部長)です。ここで、プロジェクトとは、EPWDICT(Empowerment of Persons with Disabilities including Neuro Developmental Disorder (NDD) through ICT)という障害者のエンパワメントを推進するプロジェクトを指します。 意見交換会では、最初にBCCの概要、続いで、EPDICTプロジェクトの概要について、バングラデシュ側から説明がありました。 その内容を少し紹介しますと、BCCは、2009年にはじまったデジタル・バングラデシュの推進の中核的機関としての役割を担っており、インフラの整備、e政府、人材養成、ICT産業育成などを行っています。例えば、ネットワーク環境を整備したり、学校にスマート・クラスルームを作ったり、地域にe-センターをつくるなどのインフラの整備、学生、教員、公務員、一般などに、ICT訓練を実施したり(2009年から2017年に26,000人を訓練した)、資格制度を創設したり(JICAの支援による)、さまざまなとりくみをしているとのことでした。 その活動の一環として障害者のICT支援も行っており、2011年からICTを活用した障害者のエンパワメントに取り組んでいるとのことです。2017年からは、EPWDCTというプロジェクト名で、ソフトウェアの開発、ICTリソースセンターの建設、障害者の訓練、職業支援などを実施しています。 障害者の訓練では、教材作成、指導者の育成、ICT訓練の実施、e−ラーニング環境の整備、職業斡旋データベースの構築などを行っているそうです。このプロジェクトにより、2,800人の障害者を訓練し、その60%が就職したとのことです。2018年には、176名がICT関連の企業などに就職したそうです。 プレゼンテーションの後、JANET会員、国際協力関係者、大学関係者、日本障害者リハビリテーション協会職員などの日本の参加者と意見交換を行いました。 写真1:意見交換会の様子(1)バングラデシュ・コンピューター評議会メンバーからの報告 写真2:意見交換会の様子(2)参加者の質問へ答えているバングラデシュ・コンピューター評議会メンバー ************************************************************************************** インフォメーション 1. 障害者権利条約 JDFパラレルレポート完成報告会 2019年6月4日(火) 〜2019年障害者権利委員会事前質問事項に向けて〜 日本障害フォーラム(JDF)は、市民社会から国連に提出することができる「パラレルレポート」を、幅広い関係者と協議しながら作成し、国連でのよりよい審査と勧告に役立て、国内での条約実施と施策の向上につなげるため、パラレルレポートの作成に取り組んできました。本年5月に事前質問事項向けのJDFパラレルレポートが完成しました。そのため、下記の通り報告会を開催いたします。是非JANNET会員のみなさまもご参加ください。   日時:2019年6月4日(火) 13:30〜15:35 場所:衆議院第一議員会館1階多目的ホール   (東京都千代田区永田町 2-1-1) 参加費:無料 ※手話通訳、要約筆記、点字資料あり  お申込みフォーム:https://forms.gle/xXAyJnbYttnVBcAW8  【JDF事務局】 電話03−5292−7628 FAX03−5292−7630 E-MAIL:jdf_info@dinf.ne.jp *最新情報はこちら http://www.normanet.ne.jp/~jdf/ 2. 国連障害者の権利条約(UNCRPD)締約国情報 (関連サイト:http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/right.html) 署名国・地域数162/ 締約国・地域数 178 (2019年5月末現在) https://treaties.un.org/Pages/ViewDetails.aspx?src=IND&mtdsg_no=IV-15&chapter=4&lang=en 3. RI アジア太平洋地域会議 マカオ 2019年6月26日(水)-28日(金) テーマ:共に、誰も取り残さず、障害インクルーシブで権利に根ざした進歩 会場:ベネチアン・マカオ、パリジャン・マカオ(2会場) <登録方法>  オンライン登録(https://www.rimacau2019.org/conference/) 早割登録 4/15まで 通常登録 5/31まで <主催者ホームページ> https://www.rimacau2019.org/ <プログラム> 6/26 9:00-10:30 開会 開会スピーチ    11:00-12:30 全体会1 A ,B(インチョン戦略、権利条約、SDGs)    12:30-14:00 ランチイベント(WHO、RI関連)    14:00-16:00 全体会2 A,B,C(リハプランニング、RI100周年、テクノロジー)    16:30-18:00 分科会A 8セッション 6/27 9:00-10:30 全体会3 A,B,C,D(職業、障害児の親、女性障害者、教育)    11:00-12:30 分科会B 8セッション    12:30-14:00 ランチイベント    14:00 全体会4 A,B,C,D(メンタルヘルス、ICF、認知症)    15:30 分科会C 8セッション    18:00-21:00 エンターテイメント 6/28 9:00-12:30 A. スタディーツアー、B. ICFワークショップ、C. リハ専門家との円卓会議    12:00-14:00 ランチイベント    14:00-15:30 全体会5  A,B,C(アクセスビリティ、IT、防災)    15:30-16:00 閉会 4. 第7回 視覚障害に関するアフリカフォーラム開催  エチオピア・アディスアベバ 2019年10月7日(月)-11日(金) 2019年視覚障害に関するアフリカンフォーラム開催イノベーション、アクセス、生涯学習を通じたSDGs達成のための 会議登録方法など下記URLをご覧ください。 URL:https://www.perkins.org/get-involved/events/africa-forum 5.  第24回アジア知的障害会議 2019年12月2日(月)-6日(金) この会議では、知的障害、発達障害のある本人の皆さんによる意見発表、体験の交流が活発に行われます。本人、支援者、家族、専門家や行政担当が一堂に会して、熱い想いと知恵を語りあい「共に生きる社会」を目指すものです。 大会期間:2019年12月2日(月)〜6日(金) 主催:アジア知的障害連盟 大会HP https://afid24.org/ テーマ:Equity, Equality and Inclusion of People with Intellectual Disability 言語:英語、日本語    参加者募集:旅行期間2019年11月30日(土)-12月8日(日)9日間 旅行地:ネパール・カトマンズ 旅行代金:東京、名古屋、大阪、福岡発 共に224,500円 ホテル:Hotel Yak&Yeti(大会会場と同じ) 申込み締切り:2019年9月25日(水) 企画:公益社団法人 日本発達障害連盟 http://www.jldd.jp/ 問合せ先:ティ・シィ・アイ・ジャパン株式会社 電話03-3580-6311(担当:小林) イベント情報 1.ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業第20期生成果発表会 2019年6月1日(土) ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業第20期生が、約10ヶ月間の研修を修了し、6月中旬に帰国いたします。そこで、各研修生が日本での研修を振り返り、その総まとめとして成果発表会を下記の通り開催されます。ご来場の皆さまに研修生の成長した姿をご覧いただき、彼らと共に帰国後の目標や夢を語らう場といたします。是非、ご参加ください。 期日:2019年6月1日(土)13:30〜16:10 会場:戸山サンライズ 大研修室 (東京都新宿区戸山1‐22‐1 地図:http://www.normanet.ne.jp/~ww100006/tizu.htm) 共催:ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業 第20期生、公益財団法人 ダスキン愛の輪基金、公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 参加費:600円(当日受付にてお支払い/介助者無料) *事前申込がない場合、資料の準備ができない場合がございます。予めご了承下さい。 定員:100名(先着順) ■ 申込み方法 申込用紙にご記入の上、5月27日(月)までに事務局宛、お申し込みください。 また、HP上からもお申込いただけます。 URL:http://www.normanet.ne.jp/~duskin/infomation/2019/clipmail.html ■ 事務局・問合せ先 日本障害者リハビリテーション協会 企画研修部研修課(〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1) TEL:03-5273-0633  FAX:03-5273-1523  Email:inquiry@dinf.ne.jp 2. 第4回 アジア太平洋CBID会議2019 (JANNET参加) 2019年7月2日(火)-3日(水) 第4回アジア太平洋CBID会議の開催が下記の日程で開催いたします。JANNETも発表者として参加いたします。 開催日:2019年7月2日(火)〜3日(水) 会場:シャングリラホテル(モンゴル・ウランバートル) 住所:19 Olympic Street, Sukhbaatar District-1, Ulaanbaatar 14200 Mongolia   テーマ:CBIDを通じた持続可能な社会開発と経済成長 主催:モンゴル政府(労働社会保障省) CBID APネットワーク(旧CBR APネットワーク)     2015年に東京で第3回アジア太平洋CBR会議が開催されましたが、第4回は名称を「アジア太平洋CBID会議」と改めて開催されます。 CBID2019紹介ページ http://www.apcbid2019.mn/ *オンライン登録も始まっています。     3. 第11回国際障害者法サマースクール アイルランド 2019年6月17日(月)-21日(金)      今年のサマースクールは、「障害者と家族生活への権利」がテーマです。 障害者と家族生活の権利には、家族を形成する権利、子供を生む権利、結婚する権利、市民社会に入る権利、プライバシーの権利、障害のある親から子供を分離させない権利などが含まれます。 サマースクールでは、障害者が家庭生活に対する権利を行使する際に直面する特定の課題にどのように対処すればよいのか、検討します。 詳細は、下記ホームページをご覧ください。↓ https://cdlp.clr.events/event/127934:11th-international-disability-law-summer-school 4. 第2回東京国際ろう映画祭(渋谷)2019年5月31日(金)-6月3日(月) 第2回東京国際ろう映画祭が、5月31日(金)から6月3日(月)まで渋谷・ユーロライブで行われます。東京国際ろう映画祭は、ろう者の社会や芸術の発展と育成、また誰もが自由にに映画と芸術の興味を共有できる場や聴者とろう者の相互理解の場を創出することを目的とし開催されます。 また、関連企画としてワークショップ・シンポジュウムが開催されます。HPを参照ください。 第2回東京国際ろう映画祭 期間:5月31日(金)-6月3日(月) 場所:渋谷ユーロスペース HP:https://www.tdf.tokyo/ 関連企画 「ろう者の言語、歴史、文化とオーラルヒストリー」 日時 : 2019年6月5日(水)19:00〜21:05 (受付18:30〜) 会場 : イタリア文化会館 1階エキジビションホール (九段下駅(2番出口)から徒歩 10分/半蔵門駅から徒歩 12分/市ヶ谷駅から徒歩 15分)〒102-0074 東京都千代田区九段南2丁目1?30 参加費:一般:前売券800円 当日券1,000円 / TDFサポーター:前売券 500円 当日券700円 定 員:80名 (定員に達し次第、締め切らせていただきます) HP:https://www.tdf.tokyo/event2019 編集後記  私は第2次ベビーブーム世代です。第3次ベビーブームが起きなかった背景には、非正規雇用が増え、経済的に困窮している人間が多い世代となったことがあると思います。また8050問題などと、厄介な世代として扱われることも多いように思います。 私たちは、世代として団結するという動きは大きくは起きていない世代です。団結して交渉する、ということができれば、現状は異なるものになったのでしょうか。 今回のモンゴルからの報告では、障害者が団結することが困難であった過去について報告がありました。3度目の今回に期待したいと思います! 本号では、6、7月の興味深い様々なイベントが掲載されています。6月は議員会館にてパラレルレポート完成報告会が、7月にはモンゴルでCBID会議が開催されます。こちらも団結してよい方向に進むことを願っています。 JANNETでは皆様からの情報を募集しています。お気軽にご連絡ください。 (知脇希 公益社団法人日本理学療法士協会/JANNET広報啓発委員) JANNET事務局では、会員の皆様よりメールマガジンに掲載する国際活動に関する情報を募集 しております。団体会員様のイベント情報などありましたら事務局までご連絡ください。 JANNET障害分野NGO連絡会 〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1 公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会内 【JANNET事務局直通】 TEL:03-5292-7628 FAX:03-5292-7630 URL: http://www.normanet.ne.jp/~jannet/ 以上