JANNET障害分野NGO連絡会 メールマガジン 第187号 3月号 2019年4月1日発行 ―目 次―  トピックス 1. -連載企画14ー JANNETとDPUBの連携・日本への情報発信 ウランバートル市における障害者の社会参加促進プロジェクト(DPUB) JICA専門家 千葉寿夫 2. アジア地域事務局創立35周年&第30回アジア地域代表者会議inタイに参加して 世界ろう連盟アジア地域事務局長 嶋本 恭規 3. 第5回UNESCAP、新アジア太平洋障碍者の10年実施に向けた作業委委員会 日本盲人会連合/JANNET広報・啓発委員長 田畑美智子 インフォメーション 1. 第4回 アジア太平洋CBID会議2019開催決定(2019年7月2日-3日) 2. 国連障害者の権利条約(UNCRPD)締約国情報 3. RI アジア太平洋地域会議 マカオ 2019年6月26日(水)-28日(金) 4. 人道的行動における障害データに関するプロジェクト                (Humanity&Inclusion) イベント情報 1. 第11回国際障害者法サマースクール アイルランド              6月17日(月)-21日(金)  2.第196回APEXセミナー 3月30日(土) 「今後の持続可能な社会形成のための技術体系をめぐって −2018年度適正技術情報収集ワーキンググループ報告会−」 3. C20サミット参加者募集 締切:4月7日 トピックス    -連載企画14- 1.JANNETとDPUBの連携・日本への情報発信 ウランバートル市における障害者の社会参加促進プロジェクト(DPUB) JICA専門家 千葉寿夫         2月25日から3月2日まで日本に出張し、JANNET勉強会「モンゴルの障害者?政府の取り組みと障害者団体との連携」を開催しました。また大阪、名古屋、東京と周り、名古屋でも同題のセミナーを実施、さらにモンゴルに関連する企業やNPOを訪問させて頂きました。 今回は、7月2,3日にウランバートルで実施される「CBID-AP会議(アジア太平洋・地域におけるインクルーシブ開発会議)」の発表者や参加者を募ることが主目的だったのですが、同時に我々のプロジェクトがどんな活動をしているのか、日本の皆さんにお伝えする良い機会にもなりました。我々は、フェイスブックやこのメルマガを通して情報発信をしていますが、それだけでは不十分。直接届けたいと思っていたところ、日本出張のチャンスを得ることができました。セミナーには、東京で40名、名古屋で30名ほどの人にお集まり頂き、モンゴルの障害政策、NGOとの連携、DPUB活動など、多くの情報を伝えることができました。モンゴルの障害統計、障害白書、7000人を超える障害平等研修の実施、物理アクセシ許認可制度の課題、障害者政策委員会の設立や障害者開発庁の設置など、最近のモンゴルでは多くの発展が見られます。一方で、障害者団体間の連携不足、法律の未実施、形式だけの政策委員会など多くの課題も見られます。この課題を解決するために、日本の知見をCBID-AP会議を使って国際的に発信して欲しいというのが、今回のセミナーで日本の関係者にもっとも伝えたいことでした。 CBID-AP会議の発表締切は3月30日、参加の締切は5月30日になっています。ぜひ多くの方とモンゴルでお会いできると幸いです。また我々のフェイスブックやJICAウェブサイトもぜひ御覧ください。 写真:障害政策を発表するウヌルバヤル労働社会保障省事務次官 写真:NGOと政府との連携について発表する自立生活センターのオンダラフバヤール氏 DPUBフェイスブックページ(日モ)もぜひ御覧ください。 https://www.facebook.com/jicadpub/ 2.アジア地域事務局創立35周年&第30回アジア地域代表者会議inタイに参加して 世界ろう連盟アジア地域事務局長 嶋本 恭規    2018年12月11日〜14日 第30回アジア地域代表者会議をタイ・バンコクにて開催しました。 開会式ではろう学校生徒による劇のオープニングから始まり、タイ政府及び賛同者からの挨拶がありました。 素晴らしい出演カメラワークや映像が用意され、これから始まる会議へのモチベーションがあがる内容でした。アジア地域事務局設立35周年を記念にしたパネルも並んでいました。ろう者たち自身の自信表れを社会にアピールする大事な企画でした。  アジア地域代表者会議では、代表者会議の開催を各国のろう協会が担いやすくするために、ガイドラインの修正及び運営委員会役員の選挙を世界ろう者会議の場で役員改選の年にならないように調整の協議がなされました。 今後の会議開催予定は2019年7月に世界ろう者会議(フランス・パリ)、2020年インドと決まりました。                         会議の終盤では、アジア地域事務局設立35周年、記念すべき年ということで、35周年パーティーも開催し、盛大にお祝いを行いました。  35年間の思い出映像を作成し、参加者の皆さまと共に懐かしみました。アジア地域事務局の設立に助言をいただいた故イェーカー・アンダーソン氏や歴代アジア地域事務局長を始め、若きあの人などの映像や、アジア青年部の立ち上げや仲間の出会いの喜びの映像などが映し出されました。世界ろう連盟理事長、コリン・アレン氏を始めアジア地域事務局役員そして、障害者権利条約の権利委員会委員であるタイのブンタンさん(盲)も共にシャンパンで盛大に祝杯を挙げ、参加した皆さまと共に楽しみ、35周年を迎えたことを喜び合いました。  社会に向けて、ろう者のことを知ってもらう、手話言語を知ってもらう、国連を動かし、各国の政府を動かし、法律を整備し、みんなの人権が守られていくことを切に願います。会議に出席し改めて、ろうあ者の人権や権利を主張することは非常に大事なことであると思うと同時に、共に頑張ってゆこう!と気持ちを引き締める事ができた会議でした。これがアジア地域のろう者の発展の源です。  写真:第30回アジア地域代表者会議 出席者集合写真 写真:第30回アジア地域代表者会議で講演する嶋本氏 写真:障害者権利条約の権利委員会委員であるタイのブンタンさん(盲)と嶋本氏 写真:写真:35周年記念パーティーの様子 3. 第5回UNESCAP、新アジア太平洋障害者の10年実施に向けた作業委委員会   日本盲人会連合/JANNET広報・啓発委員長 田畑美智子   新アジア太平洋障碍者の10年実施のための作業委員会は、今回で5回目の開催となりました。一昨年の中間レビューを受け、政府・市民団体の入れ替えが一部ありましたが、引き続き夫々15組織、併せて30組織で委員会を構成しています。 第4回での提言や、中間レビューでの指摘を受け、今回より、インチョン戦略にある10のゴールの中から、2つ乃至は3つのゴールに絞って議論することになりました。これまではどちらかと言うと会議運営やモニタリングの手続き論に終始していた印象ですが、第5回はアクセシビリティと社会保障に焦点を絞った二日間で、具体的なゴールをターゲットにアジェンダを組んだのは正解だったと、多くの参加者が認識共有していました。 アクセシビリティに就いては、国連の電子政府(注1)に関する調査、国連としてのアクセシビリティ推進に向けた考え方、UNESCAPが二年に一度出版する障害に関する統計冊子のテーマがアクセシビリティであること、等、アジェンダが盛りだくさんなうえに、前回・前々回と話題になった航空関係のアクセシビリティや搭乗拒否、情報アクセシビリティなど、当事者からも障害種別ごとに意見や提言が多く、今までになく活発なセッションでした。個人的には、UNESCAP構内の会議室番号が分からず、階段のコントラストが低いので怖くて降りられずと、インフラのアクセシビリティに関する改善をお願いしたいところでした。 また、多くの発表が音声解説等無いパワーポイントだったり、計画の文書を採択する際に当初は印刷物の配布のみだったり、情報アクセシビリティに関しても改善をお願いしたいです。 社会保障については、中々満足なモデルが無い現状のため、好事例を参加者に呼び掛けていました。 SDGsの進捗に関するVoluntary National Reportが、毎年数十か国単位で提出されていますが、障害分野との連携が殆ど見られず、UNESCAP側も参加者側にも危惧が見られました。せっかく障害の言及を(SDGsで)7か所勝ち取ったので、こうした次のステップへの継承が重要だと思います。 次回は来年早々、ジェンダー・防災・雇用のゴールについて検証します。 障害当事者団体の参加が前期より若干少なくなった印象を受けました。非公式な場ですが、当事者団体は、支援団体に比べ、資金繰りが厳しい団体が多く、今後は財政面を含めた支援が無いと参加が難しい団体が多くなってくるのではないかと、議論されていました。 写真:第5回作業委員会での参加者集合写真 注 (注1)行政手続にコンピューターやインターネットなどの情報技術を導入し、業務の効率化や行政情報の透明化を図ったシステム、および行政機構のこと。 ************************************************************************************** インフォメーション 1. 第4回 アジア太平洋CBID会議2019開催決定 第4回アジア太平洋CBID会議の開催が決定いたしましたので、ご連絡いたします。 開催日:2019年7月2日〜3日 会場:シャングリラホテル(モンゴル・ウランバートル) 住所:19 Olympic Street, Sukhbaatar District-1, Ulaanbaatar 14200 Mongolia テーマ:CBIDを通じた持続可能な社会開発と経済成長 主催:モンゴル政府(労働社会保障省)    CBID APネットワーク(旧CBR APネットワーク) 2015年に東京で第3回アジア太平洋CBR会議が開催されましたが、第4回は名称を「アジア太平洋CBID会議」と改めて開催いたします。 会議の詳細につきましては、決まり次第随時ご連絡いたします。ご期待ください。 CBID2019紹介ページ http://www.apcbid2019.mn/ *オンライン登録も始まっています。 2. 国連障害者の権利条約(UNCRPD)締約国情報     (関連サイト:http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/right.html)     署名国・地域数162/ 締約国・地域数 177 (2019年3月末現在) https://treaties.un.org/Pages/ViewDetails.aspx?src=IND&mtdsg_no=IV-15&chapter=4&lang=en 3. RI アジア太平洋地域会議 マカオ 2019年6月26日(水)-28日(金) テーマ:共に、誰も取り残さず、障害インクルーシブで権利に根ざした進歩 会場:ベネチアン・マカオ、パリジャン・マカオ(2会場) <登録方法>   オンライン登録(https://www.rimacau2019.org/conference/)  早割登録 4/15まで  通常登録 5/31まで  <主催者ホームページ>  https://www.rimacau2019.org/ <プログラム> 6/26 9:00-10:30 開会 開会スピーチ    11:00-12:30 全体会1 A ,B(インチョン戦略、権利条約、SDGs)    12:30-14:00 ランチイベント(WHO、RI関連)    14:00-16:00 全体会2 A,B,C(リハプランニング、RI100周年、テクノロジー)    16:30-18:00 分科会A 8セッション 6/27 9:00-10:30 全体会3 A,B,C,D(職業、障害児の親、女性障害者、教育)    11:00-12:30 分科会B 8セッション    12:30-14:00 ランチイベント    14:00 全体会4 A,B,C,D(メンタルヘルス、ICF、認知症)    15:30 分科会C 8セッション    18:00-21:00 エンターテイメント 6/28 9:00-12:30 A. スタディーツアー、B. ICFワークショップ、C. リハ専門家との円卓会議    12:00-14:00 ランチイベント    14:00-15:30 全体会5  A,B,C(アクセスビリティ、IT、防災)    15:30-16:00 閉会 4. 人道的行動における障害データに関するプロジェクト(Humanity&Inclusion)  このプロジェクトは、Humanity&Inclusionによって実施されています。人道支援活動における障害者の参加のためのデータ収集に関する新しいeラーニングです。2016年7月から2019年3月まで実施されました。このプロジェクトでは、ワシントングループの質問票(WGQ)を人道的対応の文脈で使用するためのテストと評価を行い、その結果を人道的アクターによるWGQの使用に関する学習の開発に使用しました。 詳細は、こちら↓    https://humanity-inclusion.org.uk/en/disability-data-in-humanitarian-action イベント情報 1.第11回国際障害者法サマースクール アイルランド 2019年6月17日(月)-21日(金)          今年のサマースクールは、「障害者と家族生活への権利」がテーマです。  障害者と家族生活の権利には、家族を形成する権利、子供を生む権利、結婚する権利、市民社会に入る権利、プライバシーの権利、障害のある親から子供を分離させない権利などが含まれます。 サマースクールでは、障害者が家庭生活に対する権利を行使する際に直面する特定の課題にどのように対処すればよいのか、検討します。 詳細は、下記ホームページをご覧ください。↓ https://cdlp.clr.events/event/127934:11th-international-disability-law-summer-school 2.第196回APEXセミナー 3月30日(土) 「今後の持続可能な社会形成のための技術体系をめぐって −2018年度適正技術情報収集ワーキンググループ報告会−」 下記日時にて、第196回APEXセミナーが開催されます。詳細は、お問合せ先ホームページをご覧ください。 【日時】2019年3月30日(土) 14:30〜17:30 (受付開始:14:00) 【会場】JICA 東京国際センター(幡ヶ谷) セミナールーム406  〒151-0066 東京都渋谷区西原2-49-5 (アクセス)京王新線 幡ヶ谷駅下車(南口より) 徒歩8分、  地下鉄千代田線 代々木上原下車(北口1より) 徒歩12分 (地図)http://www.jica.go.jp/tokyo/office/access.html 【定員】35名 【参加費】適正技術フォーラム・APEX会員:300円、一般:800円 【プログラム】 14:30 - 15:50 第一部 適正技術関連の文献調査  (15:50-16:00 休憩) 16:00−17:30 第二部 アジアの適正技術関連団体の現地調査 (終了後、懇親会あり) ★第一部、第二部とも、特定非営利活動法人APEX代表理事の田中直から基調報告 を行い、ワーキング・グループのメンバーからコメントや意見をいただいたあと、 参加者の方々と質疑・議論を行います。 ★なお、この適正技術情報収集ワーキンググループは、2019年度以降も継続して 行われる予定です。ご関心がおありの方は、ふるってご参加下さい。 【主催】特定非営利活動法人APEX 【共催】 適正技術フォーラム (このイベントは独立行政法人環境再生保全機構地球環境基金の助成を受けて開 催します。) 【お申込方法】下記の申込みフォームを送信いただくか、下記にe-mail、FAXで、お名前、ご連 絡先明記の上、お申込み下さい。https://atfj.jp/activity/kenkyukai/kenkyukaiform/ 【お問い合わせ】(認定)特定非営利活動法人APEX 国内事業・広報担当         ジェンキンソン 陽(みなみ) 〒110-0003 東京都台東区根岸1-5-12 TEL:03-3875-9286 FAX:03-3875-9306 Email: info@atfj.jp HP: https://atfj.jp/ 3.C20サミット参加者募集 締切:4月7日※本イベントは原則として完全事前登録制です。   今年のC20サミットは3日間開催されます。初日は、SDGゴール16「平和と公正」に焦点を当て、アジアにおける市民社会スペース、ジェンダー&LGBT、腐敗と民主的ガバナンス、市民社会への資金的制限、科学・技術と市民社会、子どもへの暴力(SDGターゲット16.2)など、多様な分科会を通じて考え、「東京デモクラシーフォーラム宣言(仮)」を発表します。 2日目と3日目は、特別セッションとして、G20議長である安倍総理に出席いただき(調整中)、C20が作成した政策提言書(C20 Policy Pack)を手渡し、さらにC20の各ワーキング・グループによるワークショップや分科会を開催、提言書に盛り込まれた内容を紹介します。また、G20の実質的な議論を形成しているシェルパトラックおよび財務トラックの代表をG20政府から招待し、市民社会との対話を予定しています。詳細は、下記お問合せ先をご覧ください。   【日時・場所】2019年4月21日(日)9:00-19:30(※時間は調整中)  聖心女子大学グローバルプラザ(東京都渋谷区広尾4-2-24 聖心女子大学4号館)  http://kyosei.u-sacred-heart.ac.jp/access/  2019年4月22日(月)、23日(火)9:00-19:30(※時間は調整中)  虎ノ門ヒルズフォーラム(調整中)(東京都港区虎ノ門1-23-3 虎ノ門ヒルズ森タワー5階)  http://forum.academyhills.com/toranomon/access/ 【言語】英語(一部、日英通訳あり) 【参加費】無料 【申込ページ】https://civil-20.org/c20_summit_registration_is_now_open_until_7_april/ 【締切】2019年4月7日(日) 【お問い合わせ】2019 G20サミット市民社会プラットフォーム http://www.civil-20.jp/#_9 編集後記  2019年2月21日、22日にESCAPワーキンググループ会議へ世界ろう連盟アジア地域  事務局として出席してきました。今回の目的は一部、交代したCSOメンバーに” 手話は言語である”事を知って頂く。日本財団と共に”手話は言語である”プレ ゼンを行いました。それらに対する反響は大きいものでした。手話は言語である 事を認識できたと思います。  また副議長もさせて頂く機会をもらい、手話通訳を交えながら進行と言う光景は さらなるアピールができたと思います。 障害者権利条約の条文に”手話は言語である”はバンコク草案であった事を知っ て頂く、素晴らしい機会でした。 (世界ろう連盟アジア地域事務局長/JANNET広報啓発委員 嶋本 恭規) JANNET事務局では、会員の皆様よりメールマガジンに掲載する国際活動に関する情報を募集 しております。団体会員様のイベント情報などありましたら事務局までご連絡ください。         JANNET障害分野NGO連絡会 〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1 公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会内 【JANNET事務局直通】 TEL:03-5292-7628 FAX:03-5292-7630 URL: http://www.normanet.ne.jp/~jannet/