JANNET障害分野NGO連絡会 メールマガジン 第176号 4月号 2018年4月27日発行 ―目 次―  トピックス 1. -連載企画3ー モンゴルにおける障害平等研修の広がり      ウランバートル市における障害者の社会参加促進プロジェクト JICA専門家 千葉寿夫 2. JPTA国際的な事業について 公益社団法人日本理学療法士協会  秘書広報課国際事業支援係 主任 伊藤智典 インフォメーション 1. 国連障害者の権利条約(UNCRPD)締約国情報 2. 外務省主催「平成30年度 NGOインターン・プログラム」募集開始ご案内 3. JICA能力強化研修「障害と開発」コースのご案内について 4. PARC自由学校2018 http://www.parcfs.org/ 受講生募集中 5. 第6回「笑顔をあきらめない。」写真コンテスト(2018年)開催決定! 6. Social Impact for 2020 and Beyond 未来予想から未来意志へ イベント情報 1. 5月は「フェアトレード」月間! ネパール産フェアトレードのコーヒーを味わうナイト(5/18(金)開催) 2. 「She with Shapla Neer」開発秘話トークイベント(5/26(土)開催) 3. 「南スーダン難民の子どもたちを学校へ」―1,000円で2人の子どもに1年間分の文房具を届けられます  4. よく分かるSDGs講座シリーズ/長崎大学大学院 熱帯医学・グローバルヘルス研究科 トピックス    -連載企画3- 1.モンゴルにおける障害平等研修の広がり     ウランバートル市における障害者の社会参加促進プロジェクト JICA専門家 千葉寿夫          モンゴルでは「障害の社会モデル」や障害者権利条約の「障害の人権モデル(相互モデル)」という概念が十分に普及していません。行政機関の一部、また障害者団体の指導者の中には、理解している人もおりますが、社会一般となるとその言葉すら聞いたことがない人がほとんどだと思います。 そこで我がプロジェクトでは、JICAがこれまで38カ国で実施してきた「障害平等研修(以下、DET)」を取り入れています。DETは、社会にある障害を発見し、それらを解決するための行動を考えるワークショップ型の研修で、講師(ファシリテーター)は障害者が担います。 モンゴルでは2016年12月に初めてDETファシリテーターを育成する養成講座が実施され、16名のファシリテーターが誕生しました。そして2017年1月からDETをモンゴルで実施したのですが、現在まで実施回数は150回を越え、参加者は5,000人以上に上っています。参加者からは、障害を初めて理解できた、目からウロコが落ちたなど反響が大きく、モンゴル・ファシリテーターの積極性も相まって、活動が大きく広がっています。特に2017年2月から労働社会保障省の研修計画に組込まれ、ウランバートル市役所、その下の9区の区役所や労働福祉サービス課、家族青少年発達課などでも実施され、行政機関でも「障害の社会モデル」の理解が進んでいます。 ウランバートル市のバヤンズルフ区では、研修実施後に「優しい地域づくり」ワーキンググループが発足し、地区役場に障害者用の駐車場を設置したり、役場のスロープを改善したりと、早速、環境改善に取組みました。また最近はDETとアクセシビリティ・チェックをセットで行い、社会モデルを理解したあとに、役所の改善に取組む事例も見られています。 2018年4月には、第二回DETファシリテーター養成講座が実施され、新たに18名がファシリテーターになりました。モンゴルでは、これから益々DETが拡大し、障害の社会モデルの理解が進んでくると思います。この理解が社会に普及して初めて、2016年に制定された障害者権利法の効力が大きく発揮されるのではないでしょうか。モンゴルの未来に期待しています。 2. JPTA国際的な事業について 公益社団法人日本理学療法士協会  秘書広報課国際事業支援係 主任 伊藤智典    公益社団法人 日本理学療法士協会の秘書広報課では、本会の国際的な活動を支援しています。今年度4月、理学療法士の国際組織であるWorld Confederation for Physical Therapy(WCPT:世界理学療法士連盟)の学会を2023年に招聘する準備を開始することになりました。世界理学療法士連盟の事務所はイギリスにありますが、5月にはWCPTのCEOを招聘して講演を行い、また意見交換や懇親会等を行いました。  6月にはタイで開催されたWCPTのアジア地域の学会(Asia Western Pacific) 学会に出席する役員の出張支援および、シンガポールへ研究員の公募ならびに推薦と渡航・就労支援、7月には南アフリカで開催されたWCPT学会への本会会長の出張支援、8月には政府の要請を受けた一人としてベトナムで開催される会議へ参加する会長の出張支援を行いました。  9月にはロシアへの役員出張支援とあわせ、内閣官房と共催で第一回アジア理学療法フォーラムを開催し、14か国・地域の理学療法士協会の代表者を招いて盛大に終えることができました。同月はグローバルフェスタも開催され、その際はJANNETの広報啓発委員会として、半日間でしたが開設準備を支援させていただきました。  10月にはオーストラリアの学会に招聘された役員の出張支援と、再度CEOを招聘する研修会の準備・運営、11月にはアメリカ・アビリティーズの会長のインタビュー通訳、12月にWCPTから2名の現地視察を受け入れて各所に同行し、役員業務支援、会議準備と運用を行いました。  年明けには、シンガポールから一時帰国した本会研究員の役員会会議での準備およびコーディネートを行い、2月は次年度のアジア理学療法フォーラムの開催と日韓合同理事会議に向けた準備しました。この記事を執筆している3月は、フランスで開催予定の会議の役員出張支援とあわせて、台湾で開催される本会事業、アジア次世代リーダーミーティングの運用を支援しています。  これら理学療法を軸とした国際的な活動を通じ、我々は障がいを持つ人、持たない人々の「尊厳ある自立」と、その「くらし」を守ることができるように貢献しています。 ************************************************************************************** インフォメーション 1. 国連障害者の権利条約(UNCRPD)締約国情報     (関連サイト:http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/right.html)     署名国・地域数161/ 締約国・地域数 177 (2018年4月末現在) https://treaties.un.org/Pages/ViewDetails.aspx?src=IND&mtdsg_no=IV-15&chapter=4&lang=en 2. 外務省主催 「平成30年度 NGOインターン・プログラム」募集開始のご案内      新規団体募集(募集枠 6団体)      国際協力に対する関心の高まりを背景に、市民による国際協力の担い手であるNGOへの就職を希望する若い人材が増えています。 本プログラムでは、NGOへの就職を希望する若手人材のために門戸を広げると同時に、若手人材の育成を通じてNGOによる国際協力活動を拡充するため、インターン育成をNGOに委託し、育成にかかる一定の経費を支給するものです。本プログラムは平成22年度に創設された制度で、これまで91名のインターンが本プログラムを修了し、その多くの経験者が国際協力分野にて現在も活躍しています。 本年度の新規採用団体の募集について、詳しくは、下記をご覧ください。 http://www.joca.or.jp/upload/item/5776/File/H30boshuyoukou_2.pdf 応募期間:平成30年4月12日(木)から5月8日(火)まで 応募締切:平成30年5月8日(火) [必着] 結果発表:平成30年5月28日(月)(予定) 3. JICA能力強化研修「障害と開発」コースのご案内について   能力強化研修「障害と開発:開発プロセスへの障害者の参加に向けて」コース ■ 趣旨 障害者の開発課程への参加の重要性の高まりを受け、本コースでは「障害と開発」への理解とその分析枠組みやアプローチの獲得を通じ、案件の形成や実施の際に「障害と開発」の視点を組み込むことのできる人材の育成を目指します。 「障害と開発」における知識の獲得は講義形式で、「障害と開発」のおける分析枠組みやアプローチの獲得はワークショップ形式で行います。また、ダイアログ・イン・ザ・ダークという体験型の研修を通して「障害と開発」への理解をさらに深めます。 ■ 日程 2018年7月9日(月)〜13日(金) ■ 募集人数 16名程度 ■ 応募締切日 2018年5月11日(金)12時必着(応募書類必着) ■ 応募方法 詳細は下記ホームページ内の募集要項をご確認ください。 【能力強化研修TOPページ】 URL: https://www.jica.go.jp/recruit/kyokakenshu/top.html 【募集要項】 URL:https://www.jica.go.jp/recruit/kyokakenshu/ku57pq000014rskb-att/disability_and_development_requirements.pdf ■ お問い合わせ先 〒162-8433 東京都新宿区市谷本村町10-5 独立行政法人国際協力機構 市ヶ谷ビル 研修管理室 宛 TEL: 03-3269-3471  FAX: 03-3269-2078 E-mail: hrgtc@jica.go.jp 4. 第6回「笑顔をあきらめない。」写真コンテスト(2018年)開催決定! http://www.japanpt.or.jp/general/activity/photocon/06/ * 募集作品概要 「笑顔をあきらめない。」をメインテーマとし、理学療法士の活動に関するオリジナリティあふれる写真作品を、医療・介護・研究・スポーツなど様々な領域にて幅広く募集します。 * 応募期間   2018年1月9日〜6月15日まで   (データ受付)最終日の23:59まで   (郵送)最終日の郵便切手消印日もしくは宅配便受付日 * 応募方法 応募要項の内容について、必ず了承したうえ専用投稿フォームまたは郵送にてご応募ください。 結果発表 「日本理学療法士会ホームページ」にて、7月17日(理学療法の日)公開予定 *入賞者には郵送(またはメール)で通知を致します。 * 贈賞   最優秀賞(1点) 賞状・賞金5万円   優秀賞(2点) 賞状・賞金3万円   佳作(数点) 賞状・賞金5千円 * お問い合わせ 以下のフォームよりご連絡ください。https://support.japanpt.or.jp/contact/?site=jpta&inq=133213   ※選考基準についてのご質問にはお答えしかねます。    5. PARC自由学校2018 http://www.parcfs.org/ 受講生募集中 (連続講座) 共に生きる社会のつくり方 ─「相模原障害者殺傷事件」から考える 久野研二/立岩真也/川口有美子/一木玲子 /太田修平/上岡陽江/及川博文/松本哲 2016年の「相模原障害者殺傷事件」は、日本社会が見て見ぬふりをしようとしてきた問題を浮き彫りにしました。「障害者」、とりわけ知的・精神障害に直面する人びとを隔離することが生み出す社会のひずみが具現化したものともいえるかもしれません。この本質を問うことなく、犯人個人の問題として事件を過去のものへと流してしまうことは第二、第三の殺傷事件を黙認する社会にほかなりません。その一方で障害の有無から発生する亀裂を乗り越え、共に生きる社会をつくる取り組みはこれまでに少なからず行われてきました。それは障害の種類によっても異なる多様なものであり、また障害以外の排除とも戦う活動がいくつも取り組まれてきました。日本社会の隔離・差別・排除の構造に向き合うとともに、「共生社会」に近づくために行われてきた試みについて学び、話し合い、動き出すための講座です。 ●2018年6月-11月 ●金曜日 19:00-21:00 あるいは土曜日午後 ●全9回/定員30名 ●受講料 30,000円 申込・詳細はこちらから http://bit.ly/fs2018-02 ●受講を申し込みたい方は ウェブサイトから、または電話・メール・FAXで必要事項をご記入の上、お申込みください。 ●申し込み締切:2018年5月8日(火)必着 ●メール・FAXでのお申し込み 下記の情報をご記入のうえ、 office@parc-jp.org FAX:03-5209-3453までご連絡ください。 ―記入事項―   1. お申し込みのクラス名   2. お名前(ふりがなも)   3. 性別、生年月日   4. ご住所   5. 電話番号、携帯番号、FAX番号   6. Eメールアドレス   7. その他連絡先(急な休講時のご連絡のため)   8. 自由学校への参加は    1. はじめて 2. 以前受講していた(年度、クラス名)   9. PARCの会員ですか    1. はい 2. いいえ 6. Social Impact for 2020 and Beyond 未来予想から未来意志へ(NPO法人ETIC) * 社会課題取り組み中MAP、SDGs取り組み中MAP 社会課題をチャンスと捉えて、ポジティブに次の社会を創ろうとする。 私たちはまさにこれから必要なその力を「未来意志」と呼ぼうと思います。 そして2020年とその先の未来のために、未来意志でつながる仲間を募ります。 企業や行政、そして個人の未来意志をつなぎ、イノベーターどうしが持つ 能力と情熱を掛け算させて促進しながら、まだ見ぬイノベーションを生み出していける。 そんなプラットフォームを提供します。 * 未来意志プラットフォームへの参加  https://2020.etic.or.jp/ このサイトでは企業や行政、そして個人がつながることで日本がかかえる人口減少社会、高齢化社会、過疎化、エネルギー不安などの社会課題を解決することを目的としています。       <NPO法人ETIC  http://www.etic.or.jp/etic/index.html>        イベント情報 1. 5月は「フェアトレード」月間! ネパール産フェアトレードのコーヒーを味わうナイト(5/18(金)開催) 週末を控えた金曜の夜。自分でハンドドリップしたネパール産のフェアトレードコーヒーを味わいながらフェアトレードについて考えてみませんか?コーヒー豆栽培を行っているネパールの生産者の生活や現状を写真や動画を交えて元ネパール駐在員がお話します。遠いネパールに想いをはせるいつもと違った夜にしませんか? <お申込みフォーム> https://www.shaplaneer.org/eventform/ ※キャンセル待ちの方への連絡や会場準備の都合上、お申込後に欠席される場合は必ずお早めにご連絡ください。     【日時】2018年5月18日(金) 19:00〜21:00     【場所】早稲田奉仕園内セミナーハウス104号室 [地図] https://www.hoshien.or.jp/map/ (東京都新宿区西早稲田2-3-1早稲田奉仕園内) ・東京メトロ東西線 早稲田駅 徒歩5分 ・副都心線 西早稲田駅 徒歩8分     【定員】 12名     【参加費】 1,000円     【講師】クラフトリンクグループ 長瀬桃子・宮原麻季   【お問い合わせ先】   (特活)シャプラニール=市民による海外協力の会 担当:上嶋   電話:03-3202-7863  Fax:03-3202-4593  E-mail:event@shaplaneer.org 2. 「She with Shapla Neer」開発秘話トークイベント(5/26(土)開催) バングラデシュとネパールに暮らす女性たちが手作りした、大人気のフェアトレードブランド「She with Shapla Neer」のSheソープとSheリップバーム。紆余曲折あった商品開発や販路開拓のストーリーなど、現場での石けん作りの様子などを写真や動画を交えてお話します。実際にSheソープの使用感を試していただける体験コーナーもあります。 【日時】2018年5月26日(土) 13:30〜15:30 【場所】シャプラニール東京事務所 [地図] https://www.hoshien.or.jp/map/ (東京都新宿区西早稲田2-3-1早稲田奉仕園内) ・東京メトロ東西線 早稲田駅 徒歩5分        ・副都心線 西早稲田駅 徒歩8分 【定員】 8名 【参加費】 500円 【講師】クラフトリンクグループ 赤井希・野口歩 【お申込みフォーム】https://www.shaplaneer.org/eventform/ ※キャンセル待ちの方への連絡や会場準備の都合上、お申込後に欠席される場合は必ずお早めにご連絡ください。 【お問い合わせ先】 (特活)シャプラニール=市民による海外協力の会 担当:上嶋 電話:03-3202-7863  Fax:03-3202-4593  E-mail:event@shaplaneer.org 3. 「南スーダン難民の子どもたちを学校へ」―1,000円で2人の子どもに1年間分の文房具を届けられます  南スーダン難民の子どもたちに文房具を届けるための募金にご協力をお願いします。 2016年7月の南スーダン国内の戦闘の激化により、大量の難民がウガンダに押し寄せました。翌8月に開設されたビディビディ難民居住地には、約30万人が生活しています。その6割が18歳以下の子どもです。AARは同年9月より支援を開始し、学校の校舎の建設や通学かばんの配付などを行っています。しかし、子どもたちが勉強するための文房具が足りません。ノートがないために課題や宿題ができず、授業について行けなくなり、通学をあきらめる子どもも出てきました。 学校に行かなければ、子どもたちのさまざまな可能性が閉ざされてしまいます。AARは、文房具を届けるための募金キャンペーンを開始しました。 1,000円で2人の子どもに、1年間に必要なノートやペンを届けることができます。どうかみなさまのご協力をお願いします。 【実施期間】 2018年4月1日〜5月31日 【目標金額】 500万円 【対  象】 ウガンダのビディビディ難民居住地でAARが運営を支援している小中学校に通う生徒約10,000人 【イベント詳細】AARホームページ         http://www.aarjapan.gr.jp/join/event/2018/0531_2505.html 4. よく分かるSDGs講座シリーズ/長崎大学大学院 熱帯医学・グローバルヘルス研究科 アジア・アフリカの保健医療の現場を中心に、SDGsの全体像を習得し、企業・教育現場・市民社会などでSDGsを推進するためのヒントを探すための講座シリーズです。 第2回 5月11日(金)  18:30 - 20:40 テーマ:SDGsの具体的な取り組み事例紹介 「長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科SDGs研究センター創設記念シンポジウム」 【場所】国立国際医療研究センター 研修センター棟5F会議室 【申し込みフォーム】http://www.tmgh.nagasaki-u.ac.jp/sdgs_kouza/y20180511.html 編集後記  新年度が始まり、1か月が経とうとしております。皆様、いかがお過ごしでしょう か。今頃は疲れが出やすい時期かと思います。GWにはできるだけ休息をとり、英気を 養っていただければと思います。  今号では、2つの取り組みについてご紹介いただきました。JICAの取り組みとして のモンゴルでの障害平等研修の広がりについてと、日本理学療法士協会による国際的 な活動についてです。こうした活動にご尽力いただくことに感謝するとともに、1つ 1つの取り組みが多くの人々の自立と社会参加に必ずつながっていくと、信じます。  皆様方の団体の活動についても、どうぞ編集部にお寄せください。お待ちしていま す。 (伊藤丈人/JANNET広報・啓発委員) JANNET事務局では、会員の皆様よりメールマガジンに掲載する国際活動に関する情報を募集 しております。団体会員様のイベント情報などありましたら事務局までご連絡ください。         JANNET障害分野NGO連絡会 〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1 公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会内 【JANNET事務局直通】 TEL:03-5292-7628 FAX:03-5292-7630 URL: http://www.normanet.ne.jp/~jannet/