JANNET障害分野NGO連絡会 メールマガジン 第173号 1月号 2018年1月31日発行 ―目 次―  トピックス 1. 国際リハビリテーション研究会 第1回学術大会のご報告 河野 眞/日本作業療法士協会/国際医療福祉大学成田保健医療学部   2. “視点の違いに気付ける”コーディネーター研修を受けて 一色美月/松本大学地域総合研究センター/特別調査研究員 インフォメーション 1. 国連障害者の権利条約(UNCRPD)締約国情報 2. 知的障害者らの読書を支援「LLブックフェアー」 3. バイエル薬品、デジタルヘルス・スタートアップ助成プログラム「第4回Grants4Apps Tokyo」最優秀賞受賞者発表   4. 第6回「笑顔をあきらめない。」写真コンテスト(2018年)開催決定! 5. Social Impact for 2020 and Beyond 未来予想から未来意志へ イベント情報 1. 誰一人取り残さない地域社会づくり成果発表会(2月12日13:30〜17:00)申込締切:2月5日(月) 2. 2/3開催:国際化市民フォーラム in TOKYOとSDGs トピックス 1.国際リハビリテーション研究会 第1回学術大会のご報告 河野 眞/日本作業療法士協会/国際医療福祉大学成田保健医療学部          2017年11月19日(日)、国際医療福祉大学成田キャンパスにて、国際リハビリテーション研究会の記念すべき第1回学術大会が開催されました。  保健医療分野の国際協力にかかわる専門領域としては、これまでに国際保健や国際看護が歴史を積み重ねてきましたが、リハビリテーションの国際協力に関する領域は確立されてきませんでした。今回の学術大会は国際リハビリテーションという新たな領域を立ち上げる試みの一環となっています。  大きな学会と比べると非常にささやかではありますが、100名を超える参加者を迎え、17演題の発表が行われました。一般演題発表の他には、基調シンポジウム、講演、課題別討論会など多彩な企画が実施され、演者も病院で勤務する日本人リハ専門職だけでなく、国際協力コンサルタント会社やNGOで勤務するリハ専門職、ネパール育ちのチベット人作業療法士、国際協力に取り組む視覚障害者など多様性に富む顔ぶれとなっていました。  参加者には青年海外協力隊希望者や学生などが多く、若い世代の国際協力への関心の高さが表れていたように思います。国際リハビリテーションを新しい領域として確立することを通して若い世代が活躍できる空間を作り出せればと感じました。  国際リハビリテーション研究会では以下の活動に取り組む予定です。つまり、 @学術空間の創設・管理 A職域の維持・拡大 B国際リハ技術の標準化。 C追加セラピストの要請。 以上の4点です。  例えば、B「国際リハ技術の標準化」というテーマでは、適正技術がその対象の一つになりうること、そして、本研究会として適正技術のモニタリング・評価手法の確立を目指す必要性について課題別討論会で確認されました。  国際リハビリテーション研究会はまだまだ立ち上がったばかりで足元のおぼつかない弱小集団ではありますが、来年度の第2回学術大会も含め、より多くの方の協力を得られることを期待しています。 写真1:演題発表から 写真2:暖かくも活発な質応答 写真3:会場の様子 2.“視点の違いに気付ける”コーディネーター研修を受けて 松本大学地域総合研究センター 特別調査研究員/一色美月    私は長野県松本市で地域づくりをメインに活動しております。縁あって平成28年度からCBID研修に参加させていただき、地域をあらゆる視点から見る機会を設けることができました。今回のコーディネーター研修では、障害や貧困といった困りごとを抱えた方を支援している専門職の方たちと同じ土俵に立って学びを深めました。今までは地域に持ち帰って私たちなりのやり方に変えていたので、専門職の皆さんとは知識や視点が異なり、目新しいことばかりでした。ワークショップの開催を目的とするのではなく、この団体と繋がりたい、人と人を繋げたい、アイディアを出してほしい、地域にこんな人が住んでいることを知ってほしいなど、複数の視点から捉えていることに改めて気付きました。研修の中で、ワークショップで使用する事例を「1グループ3人、90分で仕上げてください」と課され、動揺する参加者たち。もちろん私もです。私はケースを持っていないので、ヒアリングを行うばかりでしたが、専門職によって着目点が違っていて、1つの事例の中にも様々な視点が入っていました。なんとか仕上げまではこぎつけましたが、時間が経つほどもっとこうすれば分かりやすかったのでは?と感じました。  私は専門職ではありません。“地域づくり”に出てくる方は高齢者なんてとんでもない!パワフルな70代の方たちばかりで、そんな方たちと接していると、現在進行形で“困っている人”は視界には入ってきません。それぞれの“現場”で足を運ばれている専門職の方と話すたびに、本当に困っている人を私は取りこぼしているのではないかという不安に駆られます。だからこそ、地域に住んでいるみなさんからちょっとした困りごとの相談を受けたときに繋げられるような、専門職が利用者や患者という見方ではなく地域に住んでいる○○さんという見方になれるような、そんな仕組みづくりに注力したいと感じました。 写真1:事例作成グループ 写真2:会場調査 写真3:地域共生社会開発実践ガイド 写真4:集合写真  ************************************************************************************** インフォメーション 1. 国連障害者の権利条約(UNCRPD)締約国情報  (関連サイト:http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/right.html)  署名国・地域数160/ 締約国・地域数 175 (2018年1月末現在) https://treaties.un.org/Pages/ViewDetails.aspx?src=IND&mtdsg_no=IV-15&chapter=4&lang=en 2. 知的障害者らの読書を支援「LLブックフェアー」 知的障害や自閉症、読み書きなどの障害がある人でも読みやすく、分かりやすい本「LLブック」を展示販売するフェアが、大阪市中央区のカフェ&ギャラリー「路地カフェ」で開催されました。 http://www.nnn.co.jp/dainichi/news/180116/20180116023.html 3. バイエル薬品、デジタルヘルス・スタートアップ助成プログラム「第4回Grants4Apps Tokyo」 株式会社OTON GLASS 島影圭佑 氏が最優秀賞受賞    バイエル薬品株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:ハイケ・プリンツ、以下バイエル薬品)と公益財団法人NEXT VISION(所在地:神戸市中央区、代表理事:三宅養三,以下NEXT VISION)は1月21日、「神戸アイセンター」(神戸市中央区)のオープニング記念イベントの一環として、バイエル薬品のデジタルヘルステクノロジー助成プログラム「第4回Grants4Apps Tokyo」(以下、G4A)の最終選考会・表彰式と、視覚障害のある方の就労を支援するNEXT VISIONによる「isee! “Working Awards”」の表彰式を、同時開催いたしました。 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000019857.html 4. 第6回「笑顔をあきらめない。」写真コンテスト(2018年)開催決定! http://www.japanpt.or.jp/general/activity/photocon/06/ * 募集作品概要 「笑顔をあきらめない。」をメインテーマとし、理学療法士の活動に関するオリジナリティあふれる写真作品を、医療・介護・研究・スポーツなど様々な領域にて幅広く募集します。 * 応募期間   2018年1月9日〜6月15日まで   (データ受付)最終日の23:59まで   (郵送)最終日の郵便切手消印日もしくは宅配便受付日 * 応募方法 応募要項の内容について、必ず了承したうえ専用投稿フォームまたは郵送にてご応募ください。 結果発表 「日本理学療法士会ホームページ」にて、7月17日(理学療法の日)公開予定 *入賞者には郵送(またはメール)で通知を致します。 * 贈賞   最優秀賞(1点) 賞状・賞金5万円   優秀賞(2点) 賞状・賞金3万円   佳作(数点) 賞状・賞金5千円 * お問い合わせ 以下のフォームよりご連絡ください。https://support.japanpt.or.jp/contact/?site=jpta&inq=133213   ※選考基準についてのご質問にはお答えしかねます。    5. Social Impact for 2020 and Beyond 未来予想から未来意志へ(NPO法人ETIC) * 社会課題取り組み中MAP、SDGs取り組み中MAP 社会課題をチャンスと捉えて、ポジティブに次の社会を創ろうとする。 私たちはまさにこれから必要なその力を「未来意志」と呼ぼうと思います。 そして2020年とその先の未来のために、未来意志でつながる仲間を募ります。 企業や行政、そして個人の未来意志をつなぎ、イノベーターどうしが持つ 能力と情熱を掛け算させて促進しながら、まだ見ぬイノベーションを生み出していける。 そんなプラットフォームを提供します。 * 未来意志プラットフォームへの参加  https://2020.etic.or.jp/ このサイトでは企業や行政、そして個人がつながることで日本がかかえる人口減少社会、高齢化社会、過疎化、エネルギー不安などの社会課題を解決することを目的としています。 <NPO法人ETIC  http://www.etic.or.jp/etic/index.html> イベント情報 1. 誰一人取り残さない地域社会づくり成果発表会(2月12日13:30〜17:00)   日本障害者リハビリテーション協会ではWHOの考えを取り入れて、地域で困っている人のことをみんなで考えてアイデアを出し合う研修プログラムを開発し、2016年度3か所(松本市新村地区、富山県入善町のNPO法人工房あおの丘、名古屋市にある一般社団法人しん)で実施しました。2017年度は、2016年度実施者から新たな3か所(松本市の鎌田地区および奈川地区、黒部市にあるNPO法人宇奈月自立塾、大府市にある共和病院)に伝えていくという方法で研修を実施しました。 2016年度実施については事業評価を行い、予想しなかった波及効果が見られています。 これまでの成果について成果発表会を以下のように開催しますので、ご案内します。 前半は2017年度研修実施者からのご報告、後半では2016年度実施者と講師にご登壇いただくパネルディスカッションを開催します。 どなたでもご参加いただけますので、お誘いあわせの上、どうぞご参加ください。  * お申し込みフォーム:https://goo.gl/forms/Gk9vfpIBQVn09gBa2 * 日時:2017年2月12日(月・祝)13:30-17:00 受付開始13:00 * 会場:品川フロントビル会議室A(地下1階) JR品川駅港南口から徒歩3分  URL:http://shinagawafront.com/access/ * 参加費:無料 定員:150名 2. 2/3開催:国際化市民フォーラム in TOKYOとSDGs 本フォーラムは、経済のグローバル化、少子高齢化が進展する中で、在住外国人の増加と定住化の傾向は今後ますます進んでいくとの認識に立ち、在住外国人を取り巻く課題や問題点、国際協力の在り方などについて、都民に限らず広く関心のある方々と考える機会です。 「誰一人取り残さない世界」という観点から、在住外国人と日本社会の関係を考えることは、日本国内でのSDGsへの取り組みを考える機会にもなりえます。 国際化市民フォーラム in TOKYO https://www.tokyo-icc.jp/forum.html * 開催日時:平成30年2月3日(土) 午前 1・2分科会 10:00?12:30 午後 3分科会  13:30?16:00 * 開催場所:なかのZERO西館 3F(中野区中野2-9-7) * 定員:各分科会 50名 * 参加費:無料 * インターネット申込: https://www.tokyo-icc.jp/forum_form/forum_form.html 編集後記  2018年最初のメルマガをお届けします。全国的に寒い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。  さて今年は障害者権利条約が日本で批准されてから4年目ですが、国内批准日の去る1月20日には、これを記念したライトアップが東京の臨海副都心で行われました。権利条約の実施状況に関する日本の審査が、国連で2020年に行われる見込みですが、現在、国内の障害者団体等が、市民社会によるパラレルレポート作成の取り組みを進めているところです。  昨年はアジア太平洋障害者の十年(2013-2022)中間年でしたが、前半5年の評価を経て、後半5年の行動計画が採択され、今年5月の国連ESCAP総会で正式に承認される予定です。この行動計画では、障害者権利条約や持続可能な開発目標(SDGs)と相互に関連させながら取り組みを進めていくことが述べられています。  こうした動向も踏まえながら、今年も取り組みを進めていきたいと考えているところです。  今年もよろしくお願いいたします。  原田潔(日本障害者リハビリテーション協会 /JANNET広報・啓発委員) JANNET事務局では、会員の皆様よりメールマガジンに掲載する国際活動に関する情報を募集 しております。団体会員様のイベント情報などありましたら事務局までご連絡ください。 JANNET障害分野NGO連絡会 〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1 公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会内 【JANNET事務局直通】 TEL:03-5292-7628 FAX:03-5292-7630 URL: http://www.normanet.ne.jp/~jannet/ 1