JANNET障害分野NGO連絡会 メールマガジン 第122号 2013年9月27日発行 ++ 目次 トピックス 1.「視覚障害者ボウリングヨーロッパ・オープン開催」 「IBSA(国際視覚障害者スポーツ連盟)定期総会開催」 「タイ視覚障害児の理数科基礎教育に関する教員の資質向上支援プロジェクト第5回ワークショップ開催」 2.第3回アジア・太平洋発達障害会議報告 + インフォメーション 1.書籍のご案内(2件) 2.事務局からのお知らせ@ 3.事務局からのお知らせA 4.2014年度(第34期)ダスキン障害者リーダー育成海外研修派遣事業の募集始まる 5.国連障害者の権利条約批准国情報 + イベント情報 1.グローバルフェスタJAPAN2013 『ボランティア求む!』 2.10月27日JANNET研究会およびJANNET20周年記念イベント ++ トピック 1 「視覚障害者ボウリングヨーロッパ・オープン開催」 「IBSA(国際視覚障害者スポーツ連盟)定期総会開催」 「タイ視覚障害児の理数科基礎教育に関する教員の資質向上支援プロジェクト第5回ワークショップ開催」 青松 利明 国際視覚障害者交流・協力ネットワーク + 「視覚障害者ボウリングヨーロッパ・オープン開催」 全日本視覚障害者ボウリング協会 会長 青松利明  2013年8月23日から9月1日まで、チェコ共和国・プラハで第2回IBSA視覚障害者ボウリングヨーロッパ・オープン選手権大会が開催された。IBSAとは、国際視覚障害者スポーツ連名の略称である。10カ国から42名の視覚障害者ボウラーが参加し、熱戦を繰り広げた。視覚障害者ボウリングの国際大会の歴史はまだ10年程度であり、参加国数が徐々に増えている段階である。今回も、イスラエルやスロバキアが初めて参加した。  競技は個人戦・ダブルス戦・3人チーム戦・4人チーム戦・個人総合戦の5種目が実施された。開催国チェコが悲願のメダルを獲得したこととポーランドの強さが目立つ大会となった。日本からは、全日本視覚障害者ボウリング協会の推薦により日本パラリンピック委員会から5名の選手が派遣され、金1、銀2、銅3と計6個のメダルを獲得した。  大会運営は、IBSAのテンピンボウリング技術小委員会委員長である青松利明が指揮し、チェコ盲人スポーツ協会の少数精鋭のスタッフによる緻密な計画により滞りなく全日程を終 了した。 競技結果:http://www.ibsasport.org/sports/tenpin-bowling/results/ ---------- + 「IBSA(国際視覚障害者スポーツ連盟)定期総会開催」 国際視覚障害者スポーツ連盟 テンピンボウリング技術小委員会 委員長 青松利明  2013年8月29日から9月1日まで、デンマーク・コペンハーゲンにおいて、IBSAの4年に一度の定期総会および関連のセミナーや会議が開催された。加盟国のうち諸事情により参加できなかった国もあるが、40カ国が出席した。総会では、2期8年間会長として活動したフィリピンのマイケル・バレド氏による活動報告や決算報告、規約の改正等がおこなわれた。9月1日におこなわれた新体制の選挙では、デンマークのジャニー・ハンマーショイ氏が女性として初の会長に選出された。  また、4年に一度開催されているIBSAワールドゲームズに関して、時期ホスト国である大韓民国の組織委員会を代表し、視覚障害のある国会議員のチェ・ドンイック氏がプレゼンテーションをおこなった。大会機関は2015年5月8日から18日で、ソウルを中心に陸上・ゴールボール・サッカー・ボウリング等10競技が実施される。 ---------- + 「タイ視覚障害児の理数科基礎教育に関する教員の資質向上支援プロジェクト第5回ワークショップ 開催」 筑波大学附属視覚特別支援学校 青松利明  2013年8月5日から9日まで、タイ王国のペブリ盲学校にて、「タイ視覚障害児の理数科基礎教育に関する教員の資質向上支援プロジェクト」の第5回目のワークショップが開催された。このプロジェクトは、JICA「草の根技術協力事業(地域提案型)」として、2011年から3年間の予定で実施されてきたものである。タイに限らず、開発途上国では指導法がわからないために視覚障害児への理数教育が軽視されてきた現状がある。このことに対して、全盲で国会議員でもあるモンティアン・ブンタン氏等が呼びかけ、タイにおけるその分野の充実・発展を目指し、日本において蓄積されてきた専門性を技術移転することを目的にプロジェクトが進められてきた。  このプロジェクトでは、タイにおいて3年間で5回(各回5日間)のワークショップを開催してきた。また、毎年1回10日間、タイからの研修員の受け入れをおこなっている。ワークショップの参加者は盲学校教員または視覚障害のある児童・生徒に関わる通常学校の教員で、定員は30名でおこなわれてきた。このうち、1年目3名、2年目5名、3年目7名が来日し、筑波大学附属視覚特別支援学校等で授業見学・教材研究等の研修も受けている。  日本側としては、元筑波大学教授鳥山由子先生をプロジェクトリーダーとし、同附属視覚特別支援学校の理科・数学担当教員らを中心にこのプロジェクトを実施してきた。また、日本国内の視覚障害児に対する理数教育支援プロジェクトである「科学へジャンプ」の事務局をしてきた財団法人九州先端科学技術研究所が事務局となっている。  タイ側としては、全国に13校ある盲学校のうち9校を運営しているキリスト教視覚障害者財団(The Christian Foundation for the Blind in Thailand: CFBT)とタイ盲人協会(Thailand Association of the Blind: TAB)が協力団体として関わっている。  今回のワークショップでは、「3次元立体の触察」、「図表・地図の触察」、「酸化と還元の実験」、「音に関する実験」、「乳幼児の指導」、「点字試験問題の作成」等のテーマで実践的な講義と実技がおこなわれた。  ワークショップ終了後、今後のプロジェクト方針についての検討会が実施され、タイが中心となり、タイにおける専門性の向上とアセアン諸国に対するさらなる技術移転に向けて日本側も協力しながらプラニングしていくことが話し合われた。 + トピック 2 第3回アジア・太平洋発達障害会議報告 沼田 千、子 公益社団法人日本発達障害連盟  第3回アジア・太平洋発達障害会議(主催:日本発達障害学会、日本学術会議、共催:早稲田大学教育・総合科学学術院、国際協力機構東京国際センター)が、平成25年8月22日〜24日に、”Multiformity and Diversity: Combining Individual Care and Community Based Supports”をテーマとして早稲田大学で開催されました。参加者は415名、内214名が海外勢です。なお、全体の84%は日本を含めたアジア・太平洋諸国出身者で、「アジア・太平洋会議」の呼称に相応しい会でした。  主なプログラムは、講演、一般発表者によるシンポジウム、ポスター発表等で、講演テーマは共生教育、重度重複障害児の教育、てんかんと知的障害、アジア・太平洋地域における人権に関する法律、障害者権利条約でした。また、一般発表は300題を超える応募から厳選された175題で、それぞれの発表の後には活発な議論と意見交換が行われました。例えば、筆者の参加した政策に関するシンポジウムでは「診断がサービスにつながらない途上国の現実」がデータを基に示され、フロアからは政府に期待する「甘さ」と地域社会を巻き込むことの重要性を指摘する発言が相次ぎました。  一般発表の中には本日本発達障害連盟がJICAより受託する集団研修コース「地域住民による知的障害者支援」終了生による7題がありました。手前味噌ではありますが、その全てが現実的且つ有効な事業でしたので、この場をおかりして1題をご紹介します。発表者はブラジルの精神科医と自閉症児の母親で、内容は自閉症理解を目的としたドキュメンタリー映画作りです。映画のタイトルは「A Special Day」。時に重く、時に明るい映像は不思議なエネルギーに満ちており説得力がありました。なお、映画はこの8月にブラジルで大きな賞を得、今後はテレビ放映の可能性もあるとのこと。蛇足ですが、本連盟は邦訳版を作成する予定です。完成の暁にはお知らせしますのでご期待ください。                                                                   ++ インフォメーション 1.書籍のご案内 書籍について2件ご案内いたします。 @日本盲人会連合・田畑美智子さんより以下、情報提供をいただきました。  デンマーク盲人協会の副会長、ジョン・ハイルブランさんが昨年、闘う視覚障害者を紹介した本、「Shared Vision-just because you can’t drive a car」を編纂しました。デンマークの方が書かれていますが、全て英語です。 欧米やアフリカ、中南米等、ジョンさんの長年に亘る国際的な視覚障害者運動を通じて出会った人たちに就いて、独白という形で、時折ユーモアも入れて語らせています。この中には、前期に世界盲人連合アジア太平洋地域協議会(WBU-AP)会長だった日本盲人会連合の指田忠司さんや、世界盲人連合前会長のマリアン・ダイヤモンドさんも含まれます。 この書籍がこの度、電子書籍等様々なフォーマットでネットからダウンロードできるようになりました。 http://www.e17.dk/medier/39311 ダウンロードではなく、DAISYのCDや紙媒体の印刷でご希望の方は、田畑までご連絡下さい。 (電子メール:tabacchi@par.odn.ne.jp) + A山口 薫JANNET名誉会長 歌集「在り慣れし日々」のご出版およびJANNETへのご寄贈の お知らせ 山口名誉会長が長年、作られてきた短歌の数々を1冊の歌集として出版され、増刷の機会にJANNETにご贈呈くださいました。 ご希望の方にはお送りいたしますので、事務局までご連絡ください。なお冊数に限りがございますので先着順とさせていただきます。 【連絡先】 事務局・佐々木 TEL: 03-5292-7628 E-mail: sasaki.yuka@dinf.ne.jp + 2.事務局からのお知らせ@ 財団法人自治体国際化協会発行の「自治体国際化フォーラム」10月号/第288号にJANNETが紹介されました。 『クローズアップNGO・NPO』(ページ40-41) なお、該当記事(PDF版)は標記団体ホームページにてご覧いただけます。 http://www.clair.or.jp/j/forum/forum/pdf_288/14_closeup01.pdf この冊子は、全国の自治体の国際交流協会等を対象に6,000部発行されています。冊子についてのお問い合わせ先は下記までお願いいたします。 【財団法人自治体国際化協会】 http://www.clair.or.jp/    TEL: 03-5213-1722、 FAX: 03-5213-1741、 E-mail: forum@clair.or.jp + 3.事務局からのお知らせA  下記2件についてJANNETホームページにアップしましたことをご案内いたします。 ●国連総会で議論が行われている、ポストMDGsと障害に関連する情報 9月23日に開かれた「障害と開発に関するハイレベル政府間会合」の成果文書 http://www.normanet.ne.jp/~jannet/mdgs/index.html ●国連総会前に行われた、外務省とNGOとの懇談にJANNETが提出した要望書http://www.normanet.ne.jp/~jannet/teigen/index.html + 4.2014年度(第34期)ダスキン障害者リーダー育成海外研修派遣事業の募集始まる  1981年、国連・国際障害者年にスタートした「ダスキン障害者リーダー育成海外研修派遣事業」は、第34期の海外研修派遣生の募集を開始しました。  この事業の趣旨は、障害者が海外で研修することにより、地域社会に貢献するリーダーとなることを支援することです。  今回は、一人で長期間研修する「個人研修」、グループで短期間の研修をする「知的障害者グループ研修」、同じくグループで短期間研修する「視覚障害者ジュニアリーダー育成グループ研修(高校生から20歳程度対象)」、マサチューセッツ州立大学ボストン校で研修する「スタディ・イン・アメリカ研修」の4分野で募集がおこなわれます。募集締め切りは11月末です。 お問合せ先は以下の通りです。 【公益財団法人ダスキン愛の輪基金】  〒564-0063 大阪府吹田市江坂町3-26-13 ダスキン江坂町ビル  電話06-6821-5270(平日9:30〜11:30/13:00〜17:00)、ファクシミリ06-6821-5271 http://www.ainowa.jp/ *上記情報提供:青松利明氏 + 5.国連障害者の権利条約批准国情報 ( 関連サイト: http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/right.html ) 新たに標記批准国となった国と地域は以下の通りです。                 134. クウェート               計:134の国と地域  (2013年9月26日現在) 国連批准国リスト(英語): http://www.un.org/disabilities/countries.asp?navid=12&pid=166 ++ イベント情報 1.グローバルフェスタJAPAN2013 『ボランティア求む!』 先月号でもお知らせしました通り、国際協力活動を行っている政府機関、NGO、企業などが一堂に会する国内最大の国際協力イベントであるグローバルフェスタJAPANがまもなく開催されます。日時、場所は以下の通りです。 【開催日】 2013年10月5日(土)〜10月6日(日) 【会場】  日比谷公園(東京都千代田区) 期間中は、会場内にて国際協力に関するイベント、ワークショップの開催があり、さらにエスニックな料理、飲み物を販売するブースも数多くあります。 イベントの詳細につきましては右記をご覧ください。 http://www.gfjapan.com/ JANNETテントブース番号は【Y9】、設置場所はイエローエリアに決定しました。テント内では、JANNET会員活動の展示案内に加えて、加盟団体および個人会員による、アジア各国の関係団体で作製された布バック、衣類、お菓子の販売も予定されていますので、お時間のある方はぜひお立ち寄りください。 当日の出展準備、展示販売等のボランティアを現在も募集しております。ご協力いただける方は事務局までご一報ください。 どうぞよろしくお願いいたします。 【連絡先】 事務局・佐々木 TEL: 03-5292-7628 E-mail: sasaki.yuka@dinf.ne.jp +     2.JANNET研究会「障害インクルーシブな開発とは?(仮)」、JANNET20周年記念レセプション開催のご案内(第1報) すでに会員MLでご案内しましたように、CBRガイドラインをテーマとした標記JANNET研究会、続けてJANNET20周年記念レセプションを下記日程で開催いたします。 【日時】 2013年10月27日(日) 10時〜17時(研究会) *研究会終了後、レセプションを予定しています。会費は約3,000円の予定です。 【場所】 JICA地球ひろば(市ヶ谷)2階 国際会議場(JR市ヶ谷駅から徒歩10分) <講 演> ◆インドの実践 アルビナ・シャンカーさん、モビリティ・インディア(義肢装具センター、インド゙)所長  (逐次通訳付き) ◆日本の実践 渡辺ゆりかさん、草の根ささえあいプロジェクト代表理事 *会の後半のワークショップではCBRマトリックスを使って考えてみます。ファシリテーターにはNPO法人起業支援ネット副代表理事の鈴木直也さんをお迎えします。 ◇参加費:会員1,000円、非会員1,500円、学生500円 ◇手話通訳と点字プログラムを用意します。車いす使用者は駐車場利用可能(詳細は後日)。 ◇参加者には、CBRガイドラインの日本語訳(CD版)とCBRガイドライン概要版を配布!  CBRガイドラインについて知る、絶好の機会です。お見逃しなく! 【詳細、申込み】下記URLよりご覧ください。お申込みはホームページ内から申込用紙をダウンロード、ご記入の上、事務局までお送りください。(送付先は申込用紙内に記載) http://www.normanet.ne.jp/~jannet/kenkyukai/131027kenkyukai.html 近々、より詳しいご案内(第2報)をJANNETホームページに掲載および、会員MLにて皆様にお送りする予定としております。 皆様のご参加をお待ちしております。どうぞよろしくお願いいたします。 事務局 ++ 編集後記   2013年9月7日国際オリンピック委員会総会において、2020年のオリンピック・パラリンピックの開催地として東京が選ばれました。東京では1964年以来の開催となります。多額の費用がかかるこの大イベントについて国民の中にも様々な意見があると思います。しかし、この大イベントをきっかけに、障害者スポーツに対する社会的理解が促進され、障害者のスポーツ環境が充実し、スポーツに参加できる障害者が増えることを願っています。  今号では、視覚障害者のスポーツに関わる記事を二つ掲載いたしましたが、これからも機会を見てこのような話題をお伝えできればと思っております。 国際視覚障害者交流・協力ネットワーク 代表 青松利明 ++ JANNET事務局では、会員の皆様よりメールマガジンに掲載する国際活動に関する情報を募集 しております。団体会員様のイベント情報などありましたら事務局までご連絡ください。 JANNET障害分野NGO連絡会 〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1 公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会内 【JANNET事務局直通】 TEL:03-5292-7628 FAX:03-5292-7630 URL: http://www.normanet.ne.jp/~jannet/