JANNET障害分野NGO連絡会 メールマガジン 第114号 2013年1月31日発行 ** 『本年も、どうぞよろしくお願いいたします。』 事務局 ** 目次 トピックス 1.ふわりんクルージョン報告(1月13日開催) 2.コーヒーアワー「障害と開発」シリーズ第37回 概要報告(1月16日開催) * インフォメーション 1.国連障害者の権利条約批准国情報 * イベント情報 1.JANNET役員会およびCBR世界会議報告会 ** トピック 1 ふわりんクルージョン2013に参加して 上野 悦子  NPOふわりと日本地域共生協議会共催によるふわりんクルージョンが1月12日と13日にスカイツリーの下にある東京ソラマチで開かれました。昨年に引き続き、CBRを話してほしいと頼まれて参加しました。毎回ソーシャルインクルージョンの実現のために多分野から切り込んでいる集まりです。  今回の参加者は約200人で、テーマは「今、改めて地域生活のススメ」でした。特徴と思われるのは、建築が進んでいる発達障害のある人達のためのオーダーメイドのケアホーム(行動援護ハウス)についての報告を兼ねていたことと、社会福祉法人むそうがいよいよ東京で事業を展開するというのでそのお披露目を兼ねていたことです。東京で暮らす重度の心身障害を持つお子さんの在宅医療にむそうが福祉の視点から連携するという事業です。  2日目のシンポジウムの1つ目は、社会福祉法人むそうをCBRの視点、社会イノベーションの視点で見るとどうなのか、ということで参加者には普段なじみの無さそうな見方に触れていただく趣旨でCBRが盛り込まれました。2つめのシンポジウムは、ほぼ建築が終わっているいくつかの行動援護ハウスについて、設計からしっかりと取り組んだ例が紹介されました。ケアのコンサルタントによる、詳細なアセスメントシートは圧巻でした。次はフォトセッションと題して、写真集『みとり人』で知られる、フォトジャーナリスト、國森康弘氏が「命が愛情というぬくもりに出会う瞬間に」と題して、様々な人たちとの出会いを300枚の写真で見せてくれました。言葉では表せないインパクトのある写真ばかりでした。  最後のシンポジウムでは、在宅医療専門のあおぞら診療所の前田医師、看護師、それに福祉からかかわる社会福祉法人むそうの戸枝さんが登壇し、医療と福祉の連携実践に向けて決意を語る、という熱気あふれる内容でした。連携には時には大きなチャレンジが伴います。CBID(地域社会で住民がかかわる地域作り)を日本でも広めたいという私たちも、このような真摯な取り組みにきちんと向き合って行けるのか、私たちの本気度も試されているように思いました * トピック 2 コーヒーアワー「障害と開発」シリーズ第37回 概要報告(1月16日開催) 日本障害者リハビリテーション協会 原田潔    世界銀行東京事務所、JANNET、日本財団が共催するコーヒーアワー「障害と開発」シリーズ第37回が、1月16日に世界銀行情報センター(東京都千代田区)で開催されました。今回は、「アジア太平洋地域の新たな時代を担うリーダー達が抱負を語る!」のテーマで、日本障害フォーラム(JDF)幹事会議長の藤井克徳さんと、日本盲人会連合に所属され、JANNET役員をつとめられている田畑美智子さんが講演しました。  藤井さんは、昨年10月末に韓国・インチョンで開かれた、国連ESCAPハイレベル政府間会合において、障害者の権利擁護で活躍する「障害チャンピオン賞」を受賞しています。  田畑さんは、昨年11月にバンコクで開かれた世界盲人連合(WBU)総会の折に、アジア太平洋地域協議会会長に選出されています。  まさしく、お二人とも、国内の障害者運動に根差しながらも、国際的に広く認知されたリーダーです。  藤井さんからは、インチョン会合で採択された、新アジア太平洋障害者の十年(2013年〜)の政策文書である「インチョン戦略」についてのお話がありましたが、国連・障害者の十年(1983〜)以来の、日本と同地域の関わりを振り返りつつ、国内の政策テーマともリンクさせながらの講演が印象的でした。  田畑さんからは、モンゴルやラオスでの障害と開発の活動などについてお話がありましたが、WBUの組織論も交えながらの講演で、最前線での取り組みの様子が伝わってきました。  身近な国内に、障害当事者であるお二人の優れたリーダーがいることは、とても心強く思います。今後ともお二人とともに、活動を深めていきたいと感じました。                                                                    ** インフォメーション 1. 国連障害者の権利条約批准国情報 ( 関連サイト: http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/right.html ) 標記批准国の国と地域の数は以下の通りです。               計:127の国と地域 (2013年1月29日現在) 国連批准国リスト(英語): http://www.un.org/disabilities/countries.asp?navid=12&pid=166 ** イベント情報 1.JANNET役員会およびCBR世界会議報告会のご案内  今年度末の役員会および、昨年11月末にインドで開催されたCBR世界会議参加者による報告会を以下の日程で開催いたします。  CBR世界会議報告会には会員の皆様もご自由に参加いただけますので、短い時間ではございますがご参加を希望される方は事務局・佐々木(sasaki.yuka@dinf.ne.jp)までご連絡いただきますようお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。 【日時】3月8日(金)18時15分(18時開場)〜19時(CBR世界会議報告会)             19時〜21時(JANNET役員会) 【場所】戸山サンライズ 2階 中会議室 事務局  ** 編集後記   2013年最初のメルマガはいかがでしたでしょうか。  今年は、「権利の実現」をテーマとした新アジア太平洋障害者の十年のスタートの年です。また、ミレニアム開発目標(MDGs)以降の課題に関する国際的な議論も本格化します。  ちなみにMDGsの目標達成期限とされる2015年には、すでにご存じのとおり、アジア太平洋CBR会議が日本で開催されるほか、国連防災世界会議の日本開催も決まっています。東日本大震災からの復興に、障害に関わる課題をどう主流化していくかという視点は、障害と開発のテーマとも密接に関わってきますので、このことも含めて、日本からの国際的な発信が求められるところです。  新たな一年も、そのような動向を踏まえつつ、ご一緒に活動を続けていければ幸いです。 原田 潔 ** JANNET事務局では、会員の皆様よりメールマガジンに掲載する国際活動に関する情報を募集 しております。団体会員様のイベント情報などありましたら事務局までご連絡ください。 JANNET障害分野NGO連絡会