JANNET障害分野NGO連絡会  メールマガジン 第104号 2012年3月30日発行 + 昨年3月11日の東日本大地震で被災された皆様、そのご家族様へ心よりお見舞い申し上げます。 JANNETの会員で、被災地にて支援活動を開始した団体の状況をお知らせしています。 URL: http://www.normanet.ne.jp/~jannet ++ 目次 + トピックス 1.「JANNET研究会 スリランカのCBR - CBRマトリックスで見てみよう!-」(2月29日)参加報告 2.ESCAP政府間準備会合ひらかれる(3月14日〜16日) 3.「CSR推進NGOネットワーク」から「NGOと企業の連携推進ネットワーク」へ + インフォメーション 1.JANNET役員会(3月24日開催)について 2.新団体会員のご案内 3.23年度JANNET会費納入について(再) 4.国連障害者の権利条約批准国情報 + イベント情報 1.2012年JANNET総会ならびに拡大作業委員会のお知らせ ++ トピック 1 「JANNET研究会 スリランカのCBR - CBRマトリックスで見てみよう!-」(2月29日開催)参加報告 JANNET会員 宮本 亮平                                                                現職の市役所職員として青年海外協力隊に参加してCBR(地域に根差したリハビリテーション)に従事し、帰国後は市での勤務の傍ら、CBRを日本の(まずは自分の勤務する市の)地域における福祉に応用することはできないかを大学院にて研究している私としては、今回のJANNET研究会は是が非でも参加したい内容でした。 主内容となった「スリランカにおけるCBRの取り組み」では、約20年前から国家プログラムとしてCBRプログラムが始められ、現在では328郡中262群において何らかの形でCBRプログラムを行っているというスリランカで、約10年間同プログラムに従事してきた加藤氏の事例報告であり、その到達点と課題を伺うことが出来ました。専用の予算の不足、CBRワーカーの質と量、地域におけるCBR委員会の主体性の確保など、私が従事したエルサルバドルと同様の課題がある中で、啓発および障がい者(児)の活動の場の確保や、福祉サービス拡充に向けた取り組みが印象的でした。CBRマトリックスによる考察も発表されましたが、その分析を活用した活動の展開が今後みられる事を期待します。 松本大学准教授の尻無浜氏による「CBRと日本の地域福祉に関する対話」では、同氏が携わる「山形村かもーるパーク構想」を例に、日本の地域におけるCBR実現に向けた課題とコミュニティビジネスの視点が必要であることなど、参考になりました。 NPO法人起業支援ネットの鈴木氏による「草の根ささえあいプロジェクト」の事例報告では、支援者の成功事例だけではなく失敗事例を集めて分析し、支援者の関わりによってより貧困や社会的孤立に近づけてしまうパターンを検討し、ネットワークの重要性に行きついたことは、非常に貴重な成果であると感じました。 今回の研究会は、日本の地域福祉にCBRを通じた提案を行うために、非常に参考になるものでした。私も研究と実践を重ね、皆様方とともに少しでも日本、および世界の福祉の向上に貢献できればと思います。 + トピック 2 ESCAP政府間準備会合ひらかれる APDF事務局長 松井 亮輔 この3月14日(水)から16日(金)までの3日間にわたってバンコクで、アジア太平洋障害者の十年実施最終年評価ハイレベル政府間会合(以下、ハイレベル会合)のための地域準備会合(以下、準備会合)がESCAPの国際会議センターでひらかれました。参加者は、23カ国と2地域(香港とマカオ)の政府、国際機関および市民社会団体(CSO)の関係者約160名(うち日本関係者は、全体で27名)でした。 同会合の主な目的は、今年10月29日(月)〜11月2日(金)韓国のインチョン市で開催されるハイレベル会合に諮られる新十年(障害者の権利実現の十年)(2013年〜2022年)の政策ガイドラインとなる「インチョン戦略案」(10のゴール、23のターゲットおよび47の指標などから構成)についての検討でした。準備会合に諮られた案は、昨年12月14日〜16日同じくバンコクで開催された地域ステークホールダー会議での検討を経て、大幅に修正されたものです。 12月の会議と今回の準備会合との大きな違いは、前者がCSOを中心としたもので、CSO参加数には制限はなく、また発言も自由にできたのに対し、今回は参加できるCSOは15団体(うち障害当事者団体は11)に絞られ、また発言もインチョン戦略案の各項目についての各国政府による発言の後、15のCSOを代表して統一意見をのべるという方式がとられたことです。そのためCSO関係者は、準備会合の前日の13日午後から深夜にかけ同戦略案の各項目について統一意見を取りまとめました。 同戦略案は、今回の議論を踏まえ、さらに修正されたものが、ハイレベル会合に諮られることになります。CSOは、今回同様の方式での参加が認められています。 なお、この準備会合と並行してESCAPとレオナード・チェシア障害部との共催で「障害インクルーシブ・ミレニアム開発目標(MGD)と援助の効果性に関する会議」が同国際会議センターで開催されましたが、そこには障害インクルーシブ開発にかかわるJICAをはじめ、300名近くの国際機関や国際NGOなどの関係者が参加していました。準備会合と同時開催だったため、その会議にはでられなかったのは、残念でした。 +       トピック 3 「CSR推進NGOネットワーク」から「NGOと企業の連携推進ネットワーク」へ 東京ヘレン・ケラー協会  福山 博  3月1日午後、早稲田奉仕園にて、「CSR推進NGOネットワーク」の第6回定例会が開催されました。 内容は、今年度の活動を振り返って、次年度の活動計画のたたき台を作ることで、そのためにブレインストーミングを行いました。その結果、多彩な意見が出ましたので、その内容を、後日、コアメンバーがまとめて次回(次年度第1回定例会)に反映するということになりました。 ところで、2012年4月1日付で、「CSR推進NGOネットワーク」は名称を「NGOと企業の連携推進ネットワーク」に改称します。以前から、「名称が実態に即していない」との根強い批判があり、それに応えたもので、これは妥当なことだと思います。 これにあわせてキャッチコピーやロゴマークも作成し、ホームページもリニューアルされます。 なお、<キャッチコピー>は「違いを力に、貧困のない世界を作ろう」です。 ++ インフォメーション 1.JANNET役員会(3月24日)開催について  標記役員会が以下の日程で開催されました。今年度のJANNET事業総括と来年度の事業計画について意見を交わす機会となりました。本役員会の内容については、5月に予定されている総会で皆様にご報告させていただきます。 どうぞよろしくお願いいたします。   日 時:2012年3月24日(土)14時15分〜17時   会 場:戸山サンライズ 2階 中研修室 事務局 + 2.新団体会員のご案内 JANNET団体会員として新たに、以下の団体が加わりましたのでご紹介いたします。 「南太平洋医療隊」(代表:河村 康二氏)  URL: http://www.spmt.jp/         代表の河村氏は、これまでも個人会員としてJANNETの活動にご参加いただいておりました。医療隊では、河村氏をはじめとした歯科関係者が中心となり、JICA草の根技術協力事業の実施、トンガ王国で口腔衛生に関する保健指導、医療器材の提供等の活動を続けています。 JANNETディレクトリーにもその活動を以前よりご紹介いただいています。 皆様、どうぞよろしくお願いいたします。 事務局 + 3.平成23年度JANNET会費納入について(再) 本メルマガにおいてたびたびご案内しております平成23年度の「JANNET会費納入」についてご連絡いたします。その後も多くの皆様からのご入金をいただきまして誠にありがとうございます。 会費のご入金を確認できていない皆様につきましては、再度お願いのご連絡を既にメールにてさせていただきました。本日、3月30日(金)を締め切りとしておりましたが、4月以降も引き続きご入金を受付けておりますのでお手続きをお願いします。ご不明な点がございましたら事務局・佐々木までご連絡ください。どうぞよろしくお願いいたします。 事務局 + 4.国連障害者の権利条約批准国情報 ( 関連サイト: http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/right.html ) 1. アルジェリア 2. アルゼンチン 3. オーストラリア 4. オーストリア 5. アゼルバイジャン 6. バングラデシュ 7. ベルギー 8. ボリビア 9. ボスニア・ヘルツェゴビナ 10. ブラジル 11. ブルキナファソ 12. カナダ 13. チリ 14. 中国 15. クック諸島 16. コスタリカ 17. クロアチア 18. キューバ 19. チェコ共和国 20. デンマーク 21. ドミニカ 22. エクアドル 23. エジプト 24. エルサルバドル 25. フランス 26. ガボン 27. ドイツ 28. グアテマラ 29. ギニア 30. ハイチ 31. ホンジュラス 32. ハンガリー 33. インド 34. イラン 35. イタリア 36. ジャマイカ 37. ヨルダン 38. ケニア 39. ラオス 40. ラトビア 41. レソト 42. マラウイ 43. モルディブ 44. マリ 45. モーリシャス 46. メキシコ 47. モンゴル 48. モンテネグロ 49. モロッコ 50. ナミビア 51. ネパール 52. ニュージーランド 53. ニカラグア 54. ニジェール 55. オマーン 56. パナマ 57. パラグアイ 58. ペルー 59. フィリピン 60. ポルトガル 61. カタール 62. 大韓民国 63. ルワンダ 64. サンマリノ 65. サウジアラビア 66. セルビア 67. セイシェル 68. スロバキア 69. スロベニア 70. 南アフリカ 71. スペイン 72. スーダン 73. スウェーデン 74. シリア 75. タイ 76. チュニジア 77. トルクメニスタン 78. トルコ 79. ウガンダ 80. ウクライナ 81. イギリス 82. タンザニア連合共和国 83. ウルグアイ 84. バヌアツ 85. イエメン 86. ザンビア 87. アラブ首長国連邦  88 エチオピア 89. マレーシア 90. リトアニア 91. アルメニア 92. ナイジェリア 93. モルドバ共和国 94. シエラレオネ 95. セネガル 96. セントビンセント及びグレナディーン諸島 97. 欧州連合EU 98. ルーマニア 99. トーゴ 100. コロンビア 101. ベリーズ 102. キプロス 103. パキスタン 104. バーレーン 105. ルクセンブルク 106. カーボヴェルデ 107. インドネシア 108. ミャンマー 109. マケドニア 110. モザンビーク 111. ブルガリア (2012年3月30日現在) 国連 批准国リスト(英語): http://www.un.org/disabilities/countries.asp?navid=12&pid=166 ++ イベント情報 1.2012年JANNET総会ならびに拡大検討委員会のお知らせ 2012年度JANNET総会、同日続けておこなわれる拡大検討委員会についてご連絡いたします。現在、開催日時のみ決定しておりますので以下にご案内いたします。開催場所、詳細につきましては決まり次第、ML等で皆様にお知らせいたします。 【日時】5月19日(土) 13時〜15時 (総会)            15時〜17時 (拡大検討委員会) なお、拡大検討委員会は、2015年アジア太平洋CBR会議開催に関して、会員の誰もが参加できるフリーディスカッションの場にしたいと考えております。 どうぞよろしくお願いいたします。 事務局 ++ 編集後記  私はこの編集後記をバンコクから羽田に戻る機内で書いています。昨年本紙でもご紹介した、日本からタイへの「視覚障害児に対する理数教育の指導者要請」を目的としたワークショップの第2回目を終えて帰国する途中です。 バンコクから車で2時間ほど離れたペチャブリの盲学校を会場におこなわれた5日間のプログラムには、タイ全国から盲学校や通常学校の教員・大学の障害児教育関連の教員・視覚障害者支援施設の職員など30名以上の参加者があり、熱心に受講していました。また、タイ国内の盲学校で英語を教えるフィリピン人教師も4名参加しており、今後タイへの支援がフィリピンへとさらに広がる兆しを感じることができました。国際協力が少しずつ進展していることを実感できることはとてもうれしいことだと思いました。新年度がスタートするこの時期に改めてやりがいを感じたタイへの旅でした。 本号では、JANNET研究会の報告の他、国内外の新しい動きの紹介が掲載されております。日々の活動に追われる中、私自身広い視野で物事を考えることを忘れがちですが、メルマガの内容を参考に活動していきたいと思っています。 青松 利明 + JANNET事務局では、会員の皆様よりメールマガジンに掲載する国際活動に関する情報を募集しております。団体会員様のイベント情報などありましたら事務局までご連絡ください。 + JANNET障害分野NGO連絡会 〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1財団法人日本障害者リハビリテーション協会内 【JANNET事務局直通】TEL:03-5292-7628 FAX:03-5292-7630 URL: http://www.normanet.ne.jp/~jannet/