JANNET障害分野NGO連絡会  メールマガジン 第103号 2012年2月29日発行 + 3月11日の東日本大地震で被災された皆様、そのご家族様へ心よりお見舞い申し上げます。 JANNETの会員で、被災地にて支援活動を開始した団体の状況をお知らせしています。 URL:http://www.normanet.ne.jp/~jannet ++ 目次 + トピックス 1.DANIDAプロジェクト、ラオスでのモニタリング報告(1月7-15日) 2.第19回海外技術協力セミナー・第10回国際交流セミナーへ参加して(1月28-29日) + インフォメーション 1.23年度JANNET会費納入について(再) 2.国連障害者の権利条約批准国情報 + イベント情報 1.CBR-AP会議 報告会(3月24日)のご案内 + トピック 1 DANIDAプロジェクト、ラオスでのモニタリング報告 日本盲人会連合 田畑 美智子                                                  モンゴルとラオスでのDANIDA資金による視覚障害団体の能力開発プロジェクト第2期が、昨年の1月から始まっています。今般、第2期の活動を中心とした進捗のモニタリングを目的に、1月7日から15日まで、ラオスの首都ビエンチャンと、北部の古都ルアンパバーンを訪問しました。  渡航前にデンマークと、現地で検証する内容に就いて、プロジェクトで使用しているログフレームから抽出しポイントを絞る準備をしました。現地では、盲人協会のトップにこれらの内容を確認すると共に、全国レベルや支部レベルでの理事、更に女性委員会委員や、ルアンパバーン支部のコーディネータと、夫々インタビューし、協会の会長以外の人たちの考えも伺いました。 更に、地方で目下パイロット調査を行っているのですが、この過程で見つかった農村部に孤立して暮らしている視覚障害者を訪問する機会がありました。30年前に友人同士のトラブルに巻き込まれ、不発弾で失明したこの男性は、失明直後に妻と2人の子どもが逃げ出し、その後会う機会は無かったといいます。今回のプロジェクトは団体の能力開発が資金使途なので、貧困対策に直接支出するものではありません。この事例の後、盲人協会のトップと貧困対策の話になりました。今後の課題として、既存の枠組みで貧困問題にどのように取り組むか、WBUAPとプロジェクト全体に突きつけられた課題の1つと言えそうです。 + トピック 2 第19回海外技術協力セミナー・第10回国際交流セミナーへ参加して 埼玉医科大学国際医療センター 理学療法士 小泉 裕一 日時:平成24年1月28日(土)〜29日(日) 場所:杏林大学 主催:作業療法士協会、理学療法士協会国際部 国際協力、その漠然とした概念に興味をそそられて今回のセミナーへ参加しました。東日本大震災後、日本も多くの国から支援を受けたことは記憶に新しいことだと思います。では日本の国際協力は?私にできることは?今回のセミナーで、その問いに対する答えが垣間見えたような気がしました。 田口順子先生による基調講演では、これまでのリハビリテーション分野における国際協力を中心に述べられました。理学療法士の初代青年海外協力隊員が派遣されたのがおよそ30年前とのことで、理学、作業療法士法が施行されたのが47年前ですので、歴史が浅い中でも技術支援が始まっていました。先人達の偉大さを感じるとともに、経験の少ない私にも何かできることはあるのではないかと思いました。 大泉啓一郎先生による特別講演では、アジアの現状について述べられました。日本の高齢化が叫ばれる中、実はアジア全体が今後直面する問題であり、既にその局面に入っているいということでした。開発途上国のリハビリテーション支援は小児分野での需要が多いという話を聞いたことがありますが、今後は高齢者リハビリテーションに対する需要も増えてくることが予測され、より日本の技術が活かせるのではないかと思いました。 講演後は参加者によるディスカッション、実践報告がされました。国際協力へ関わっている方、関わりたい方、全員が同じ目線で意見を交わす中で、開発途上国では日本では考えられない問題点であったりアプローチであったり、専門分野だけでなく広い視野を持ち関わることが大切であると感じました。またその異質な経験は、日本社会においても貴重な経験になることは間違いないです。現に震災支援においても協力隊経験者やNGOが活躍しているという話をよく耳にします。 冒頭の問いに対する答えは今ここでは述べられませんが、私もこれから国際舞台へ飛び出し、自らの経験を社会へ還元していきたいと思えたセミナーでした。   ++ インフォメーション 1.平成23年度JANNET会費納入について(再) 本メルマガ先月号でお知らせいたしました平成23年度の「JANNET会費納入依頼状」を会員の皆様にお送りいたしました。すでに多くの皆様からのご入金をいただきまして誠にありがとうございます。 なお例外を除き、会員の皆様にはお振込期限を2月20日(月)とさせていただきました。お振込がまだの皆様につきましては、急ぎお手続きをお願いできましたら大変助かります。ご不明な点がございましたら事務局・佐々木までご連絡ください。どうぞよろしくお願いいたします。 事務局 + 2.国連障害者の権利条約批准国情報 ( 関連サイト: http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/right.html ) 1. アルジェリア 2. アルゼンチン 3. オーストラリア 4. オーストリア 5. アゼルバイジャン 6. バングラデシュ 7. ベルギー 8. ボリビア 9. ボスニア・ヘルツェゴビナ 10. ブラジル 11. ブルキナファソ 12. カナダ 13. チリ 14. 中国 15. クック諸島 16. コスタリカ 17. クロアチア 18. キューバ 19. チェコ共和国 20. デンマーク 21. ドミニカ 22. エクアドル 23. エジプト 24. エルサルバドル 25. フランス 26. ガボン 27. ドイツ 28. グアテマラ 29. ギニア 30. ハイチ 31. ホンジュラス 32. ハンガリー 33. インド 34. イラン 35. イタリア 36. ジャマイカ 37. ヨルダン 38. ケニア 39. ラオス 40. ラトビア 41. レソト 42. マラウイ 43. モルディブ 44. マリ 45. モーリシャス 46. メキシコ 47. モンゴル 48. モンテネグロ 49. モロッコ 50. ナミビア 51. ネパール 52. ニュージーランド 53. ニカラグア 54. ニジェール 55. オマーン 56. パナマ 57. パラグアイ 58. ペルー 59. フィリピン 60. ポルトガル 61. カタール 62. 大韓民国 63. ルワンダ 64. サンマリノ 65. サウジアラビア 66. セルビア 67. セイシェル 68. スロバキア 69. スロベニア 70. 南アフリカ 71. スペイン 72. スーダン 73. スウェーデン 74. シリア 75. タイ 76. チュニジア 77. トルクメニスタン 78. トルコ 79. ウガンダ 80. ウクライナ 81. イギリス 82. タンザニア連合共和国 83. ウルグアイ 84. バヌアツ 85. イエメン 86. ザンビア 87. アラブ首長国連邦  88 エチオピア 89. マレーシア 90. リトアニア 91. アルメニア 92. ナイジェリア 93. モルドバ共和国 94. シエラレオネ 95. セネガル 96. セントビンセント及びグレナディーン諸島 97. 欧州連合EU 98. ルーマニア 99. トーゴ 100. コロンビア 101. ベリーズ 102. キプロス 103. パキスタン 104. バーレーン 105. ルクセンブルク 106. カーボヴェルデ 107. インドネシア 108. ミャンマー 109. マケドニア 110.モザンビーク (2012年2月29日現在) 国連 批准国リスト(英語): http://www.un.org/disabilities/countries.asp?navid=12&pid=166 ++ イベント情報 1.CBR-AP会議 報告会のご案内  昨年、11月29日〜12月1日にマニラで開催された標記会議への参加者による報告会を以下の通りおこないます。 【主 催】障害分野NGO連絡会(JANNET) 【日 時】3月24日(土) 午後1時〜2時 【場 所】戸山サンライズ 2階 中研修室 【報告者】河野 眞 氏 (日本作業療法士協会)      杉浦 公則 氏 (難民を助ける会) お問い合わせ、お申し込みにつきましては、事務局 (sasaki.yuka@dinf.ne.jp) までお願いいたします。 事務局 ++ 編集後記  東日本大震災から早くも一年が過ぎようとしています。しかし、完全な復興からはまだまだ程遠い状況です。さらに、原発事故による放射能汚染の影響は収束するどころか、広がりつつあります。原発の安全性の神話が崩れた今、自然エネルギーの活用とか節電とか叫ばれていますが、その前にもう一度、人間にとって発展とは何かを考え直すベきではないかと思います。発展とは、物質的な豊かさと快適さ、効率性の向上であると信じて、それに必要なエネルギーを求めて来た結果、このような事態が起きたとも言えるでしょう。また、効率性と障害者の権利は相入れ難いものです。これから発展するであろう国々のためにも、人間にとって発展とは何かを健常者も障害者も一緒になって皆で考えて行くことができればと思っています。 河原 雅浩 + JANNET事務局では、会員の皆様よりメールマガジンに掲載する国際活動に関する情報を募集しております。団体会員様のイベント情報などありましたら事務局までご連絡ください。 JANNET障害分野NGO連絡会 〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1財団法人日本障害者リハビリテーション協会内 【JANNET事務局直通】 TEL:03-5292-7628 FAX:03-5292-7630 URL: http://www.normanet.ne.jp/~jannet/