JANNET障害分野NGO連絡会  メールマガジン 第102号 2012年1月31日発行 + 3月11日の東日本大地震で被災された皆様、そのご家族様へ心よりお見舞い申し上げます。 JANNETの会員で、被災地にて支援活動を開始した団体の状況をお知らせしています。 URL: http://www.normanet.ne.jp/~jannet++ 目次 トピックス 1.「ふわりんインクルージョン〜支援者のエンパワーメント〜」参加報告(1月14-15日) 2.援助効果にかかる第4回釜山閣僚級会合についての報告会(1月16日) インフォメーション 1.23年度JANNET会費納入のお願い 2.国連障害者の権利条約批准国情報 イベント情報 1.スリランカCBR報告およびCBRマトリックスでの当てはめワークショップ(2月29日)のご案内 ++ トピック 1 「ふわりんインクルージョン〜支援者のエンパワーメント〜」参加報告 アジア保健研修所(AHI) 林 かぐみ                                                   「ふわりんインクルージョン〜支援者のエンパワーメント〜」(2012年1月14日・15日 愛知県)に参加しました。  この集いは、2011年10月のJANNETセミナーの講師、(社福)むそう(愛知県半田市)の戸枝陽基さんたちが昨年初めて開催、その参加者がその後も継続して集まりを続け、第2回の開催にいたったものです。講師4名の話に続き、ワークショップが1日半という密度の濃さ。様々な場面で福祉に携わる人たちのほか、社会の「生きにくさ」に関心を寄せ、それぞれのやり方で変えていきたいという思いを持つ人たちが参加されていました。  基調講演は、反貧困ネットワークの湯浅 誠さん。新たな貧困層が生まれている背景に、国、企業、正社員が中軸となってきた日本の社会保障の傘がすぼまり、雨にぬれる人たちが増えてきているとその構図が指摘されました。ダイバーシティ研究所の田村太郎さんからは「共生」や多様なアクター間の「協働」が、日本福祉大学の原田正樹さんからは地域福祉の考え方が語られました。加えて、「CBRのことを話してと頼まれ」たJANNET事務局の上野悦子さんと戸枝さんとの対話の中で、むそうの活動とCBRマトリックスの各要素との照らし合わせも示されました。  私自身は正直、CBRに寄せられるその関心はどこからという「?」から参加したのですが、基調講演のテーマ「制度にのらない人の制度を考える」がすでに答えの一部となりました。制度や人的・物的資源が不十分な中で生み出され、実践が重ねられてきたCBR。そこから日本の現状への示唆が得られるのではないかというまなざしが向けられていたのです。制度にのらないとあきらめるのではなく、人と人がつながり、情報と資源を共有することで、変化を起こしていこうというメッセージを一人ひとりが受け取った2日間でした。                   David Wernerの絵(WORD版をご覧ください) “Disabled Village Children”(David Werner)の中の挿絵。戸枝さんは「この状況は私たちの身の周りにもたくさんある。これを変えるためには、ネットワーキングは欠かせない」とコメント。 + トピック 2 援助効果にかかる第4回釜山閣僚級会合についての報告会 JANNET会長 松井 亮輔  1月16日夕、国立オリンピック記念青少年センターで、昨年11月29日〜12月1日韓国釜山で開催された「援助効果にかかる第4回釜山閣僚級会合」(以下、釜山HLF)の報告会がありました。この会を主催したのは、JANNETも加入している国際協力NGOセンター(JANIC)で、出席者は約70名でした。その内容は、釜山HLFに参加した日韓のNGO代表、外務省、JICAから「釜山HLFの成果と課題」についての報告とパネルディスカッションです。  釜山HLFでは、2002年のモントレー開発資金会議以降のODA援助効果を高めるための国際的な取組みを振り返り、今後の方向性が示されたということですが、その最大の特徴は、同会合に向けて世界の市民社会団体(CSO)が結束して準備にあたり、史上はじめて政府や国際機関と並んで交渉テープルにつき、声をひとつにして積極的な提言活動を行ったことです。  JANNETをはじめ障害分野での国際協力に関心を持っている団体にとってきわめて注目すべきことは、12月1日に採択された同会合の成果文書「第4回援助効果向上に関するハイレベル・フォーラム効果的な開発協力のための釜山パートナーシップ」の「共通の目標を達成するための共有の原則」として「人権、ディーセントワーク(人間らしい働き甲斐のある仕事)、ジェンダー平等、環境の持続可能性」に並んで「障害」が明記されたことです。  当日の報告者に成果文書に障害が明記された経緯について質問しましたが、明確な答えは得られませんでした。同会合の準備段階から女性団体や労働組合などはロビー活動を精力的に展開したのに対し、障害NGOによるそうした活動は低調だったということです。にもかかわらず、障害が明記されたのは、同会合中サイドイベントとしてフィンランドと米国の開発援助機関が「障害インクルーシブ開発」についてのセミナーを行ったことが挙げられるということです。  HLFは今後も継続的にひらかれるようですが、「障害インクルーシブ開発」への関心を高め、現実化するには、障害NGOがこうした会合に参加し、ロビー活動などを積極的に行う必要があることをあらためて痛感させられた次第です。        ++ インフォメーション 1.23年度JANNET会費納入のお願い 平成23年度の「JANNET会費納入依頼状」を現在、会員の皆様に向けて発送いたしております。会費額、お振込先(銀行口座)は依頼状にご案内しております。お振込期限は、2月20日(月)とさせていただいておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 事務局 + 2.国連障害者の権利条約批准国情報 ( 関連サイト: http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/right.html ) 1. アルジェリア 2. アルゼンチン 3. オーストラリア 4. オーストリア 5. アゼルバイジャン 6. バングラデシュ 7. ベルギー 8. ボリビア 9. ボスニア・ヘルツェゴビナ 10. ブラジル 11. ブルキナファソ 12. カナダ 13. チリ 14. 中国 15. クック諸島 16. コスタリカ 17. クロアチア 18. キューバ 19. チェコ共和国 20. デンマーク 21. ドミニカ 22. エクアドル 23. エジプト 24. エルサルバドル 25. フランス 26. ガボン 27. ドイツ 28. グアテマラ 29. ギニア 30. ハイチ 31. ホンジュラス 32. ハンガリー 33. インド 34. イラン 35. イタリア 36. ジャマイカ 37. ヨルダン 38. ケニア 39. ラオス 40. ラトビア 41. レソト 42. マラウイ 43. モルディブ 44. マリ 45. モーリシャス 46. メキシコ 47. モンゴル 48. モンテネグロ 49. モロッコ 50. ナミビア 51. ネパール 52. ニュージーランド 53. ニカラグア 54. ニジェール 55. オマーン 56. パナマ 57. パラグアイ 58. ペルー 59. フィリピン 60. ポルトガル 61. カタール 62. 大韓民国 63. ルワンダ 64. サンマリノ 65. サウジアラビア 66. セルビア 67. セイシェル 68. スロバキア 69. スロベニア 70. 南アフリカ 71. スペイン 72. スーダン 73. スウェーデン 74. シリア 75. タイ 76. チュニジア 77. トルクメニスタン 78. トルコ 79. ウガンダ 80. ウクライナ 81. イギリス 82. タンザニア連合共和国 83. ウルグアイ 84. バヌアツ 85. イエメン 86. ザンビア 87. アラブ首長国連邦  88 エチオピア 89. マレーシア 90. リトアニア 91. アルメニア 92. ナイジェリア 93. モルドバ共和国 94. シエラレオネ 95. セネガル 96. セントビンセント及びグレナディーン諸島 97. 欧州連合 EU 98. ルーマニア 99. トーゴ 100. コロンビア 101. ベリーズ 102. キプロス 103. パキスタン 104. バーレーン 105. ルクセンブルク 106. カーボヴェルデ 107. インドネシア 108. ミャンマー 109. マケドニア (2012年1月31日現在) 国連 批准国リスト(英語): http://www.un.org/disabilities/countries.asp?navid=12&pid=166 ++ イベント情報 1.スリランカCBR報告およびCBRマトリックスでの当てはめワークショップのご案内 以下のように開催いたします。 【日 時】 2月29日(水) 午後6時〜9時 【場 所】 戸山サンライズ 2階 大会議室 【スリランカ報告・講師】加藤 尚子 氏(作業療法士) 【リソースパーソン】尻無浜 博幸 氏(松本大学)、鈴木 直也 氏(NPO起業支援ネット) 申込み方法、詳細に付きましては、後日JANNETホームページならびにメーリングリストにてお知らせいたします。どうぞよろしくお願いいたします。 事務局 ++ 編集後記  新しい年を迎え、いかがお過ごしでしょうか。 2012年は、アジア太平洋障害者の十年最終年です。域内では、この十年間の評価と、来年から開始される新たな十年に向けての協議が進められますが、新たな十年では、障害者権利条約の推進がテーマとされており、その動向が注目されます。 なお国内でも、権利条約の批准に向けた障害者制度改革や、来年からの国内新長期計画の策定の議論が、新たな「障害者政策委員会」の下で進められていきます。 また、ミレニアム開発目標(MDGs)以降の目標設定の動きも気になるところです。 今年も引き続き、障害分野の最新動向について、情報発信・共有を進めていきたいと思いますので、JANNETメルマガをよろしくお願いします。 原田 潔 ++ JANNET事務局では、会員の皆様よりメールマガジンに掲載する国際活動に関する情報を募集しております。団体会員様のイベント情報などありましたら事務局までご連絡ください。 JANNET障害分野NGO連絡会 〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1財団法人日本障害者リハビリテーション協会内 【JANNET事務局直通】 TEL:03-5292-7628 FAX:03-5292-7630 URL: http://www.normanet.ne.jp/~jannet/