JANNET 障害分野NGO連絡会

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会員/関連団体からの報告・発信

■障がい児対策から始まったベトナム版母子健康手帳の開発と活用

ベトナムの子ども達を支援する会
事務局長 板東あけみ

「ベトナムの子ども達を支援する会」は、1990年からベンチェ省で活動を始めました。当初は特別支援学校や病院の建設・備品などの協力を行っていましたが、並行して在宅の障がいのある子ども達の診断や相談活動も始めていました。その中で脳性麻痺のアテトーゼタイプが多いことや、保護者並びに村診療所の職員が、早期に障がいを発見できていないことがわかってきました。その経験から、1998年8月にベンチェ省保健局へ母子保健事業団の和英併記の母子健康手帳を紹介しました。それが現在に至る流れの始まりです。

初めは7村での試行使用から始まり、2004年からは省内160村全村での使用に至りましたがその間に4回の改訂が行われ、ベトナムの政策や地域の実情に合わせた手帳になりました。

私は大阪大学の院生として2006年からベトナム保健省と母子健康手帳の開発と活用について共同研究を始めました。ベンチェ省で開催した第5回国際母子健康手帳シンポジウムで、ベトナム保健省を始めとする政府幹部や、他省の保健局代表が、大きな関心をよせました。その後ハノイでの第1回母子手帳国家会議や東京での第6回母子手帳国際会議を通じて、ベトナム保健省担当者の手帳開発への意識が高まり、2009年には保健省版母子健康手帳が開発されました。それを使った共同研究を、北部山岳地域で少数民族の多いハーザン省で行っています。今回はベンチェ省の経験を活かして、福祉分野の局幹部や省立障がい児センターにも母子健康手帳の導入についての研修を受けて頂き、これから母子健康手帳の普及で障がいが以前にも増して、早期に且つ多く見つかる可能性があるので、その対応を考えておいて頂くようにお願いをしています。

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