TOPページ>連帯挨拶 自立支援法訴訟原告 家平悟(2009年10月30日 全国大フォーラム)

みなさんこんにちは、私たちは障害者自立支援法訴訟の原告です

今日の澄み渡った青空を見ていると、自立支援法がはじまって以来、3年半も続いてきた悪夢のような出来事を、ようやく、終わらせることができる。そんな強い思いが沸き上がってきます

働きに行って、なぜ、利用料を払わないといけないのか?
歩くことやトイレに行くこと、コミュニケーションをとる、といった人間誰もが行なう日常の営みに対して、なぜ、お金を払わないといけないのか?
24時間介護が必要であっても、なぜ、自治体の裁量でいとも簡単に支給量が減らされるのか?
私たちが一人の人間として当たり前に暮らしたい、社会の中で自立した生活を送りたい、とどんなに願っても、いまの法制度では、生きる権利さえ守られていないのが実態です。

このような許し難い現実がある中で、天下の悪法と言われた「障害者自立支援法」が日本国憲法に謳われている生存権や平等権などに違反していることを司法の場で明らかにするために、そして、この悪法を根本的につくりなおさせるために、運動のひとつの手段として、私たちは訴訟に立ち上がりました。
これまでに3回の全国一斉提訴が行なわれ、原告は70名、14地裁でたたかわれています。

この訴訟を通じて感じることは、障害者運動の底力と共同・連帯することの大切さです

各地方裁判所での裁判には、毎回100名や200名以上の仲間がかけつけてくれ、私たち原告を励まし、勇気と元気をくれます。また、訴訟の支援募金などには、幅広い市民の方々が応援してくれます。
そして何よりも、この10.30全国大フォーラムをはじめ、全国各地で繰り返し行なわれてきたデモや集会、議員や行政への働きかけなど、全国の仲間の絶え間ない運動があったからこそ、私たちの訴訟も社会に訴える力を増していることを痛感しています。

反貧困運動をはじめ、さまざまな運動が人権を無視した法制度を許さない包囲網となっています。そして、このことが政権交代を実現し、社会保障の切り捨てにストップをかける力となり、障害者施策をめぐっては、自立支援法の廃止と当事者の参画の新法づくりを約束することにつながったと確信しています。

長妻新厚生労働大臣の自立支援法の廃止表明を受け、訴訟についても、国は、全面的に争うというこれまでの姿勢を方向転換し、今後は争わず、話し合いによって解決したいという申し入れがありました。

私たち原告と支援者はこの間、この新展開について話し合ってきました。結果、この事態については、運動がなしえた大きな前進と捉えつつ、現時点では、自立支援法は何も変わっていないのだから、政府との話し合いには応じるが、原告の納得いくまで訴訟は継続することになりました。私たちは、今後、訴訟と協議を同時にすすめることが、人権を保障する新しい法制度をつくる一歩になると考えています。

会場のみなさん、全国の障害のあるみなさん、そして、国民のみなさん。
私たち障害者自立支援法訴訟原告は、訴訟や運動を通して、障害がある人も、障害がない人も誰もが安心して暮らしていける社会の実現に向けてがんばります。
引き続き訴訟へのご支援とご協力をお願いするとともに、さらに大きな国民的な共同運動を広げるために、私たち自身も努力することを決意して、共同・連帯のごあいさつといたします。
ともにがんばりましょう。

 障害者自立支援法訴訟 原告  家平悟
 ■