はがき通信ホームページへもどる No.90 2004.11.25.
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 懇親会に初参加 


 「はがき通信」懇親会に初参加した神奈川のF.Hです。京都懇親会ではお世話になりました。頸損会とは違うかたとお会いできて、また自分の守備範囲が広がったような気がします。ビデオを活用してのハワイの話しは、自分も行ってみたいと感じさせられるものがありました。
 2日めは嵐山方面のトロッコ電車へ。台風の影響で2日間の営業停止、私が利用する日に営業再開。5両編成の最後尾。この車両だけ天井なし。電動車いすでの乗車も可。ただし、用意してくれたスロープは急勾配(きゅうこうばい)。後ろから人に支えてもらっての乗車。駅の都合上、往復しました。3日めは国立博物館を見学。
 楽しい2泊3日の旅でしたが、やはり疲れからか、その後かぜを引いてしまいあえなくダウン。あれだけ体の負荷をかけないようにと思いながらも残念。外国は遠いのか。
 最後の話しのなかで、同性介助? 異性介助? という話しがありました。私は親元離れて10年になりますが、生活の中では同性がほとんどです。一長一短がありますが、同性だと神経を使わないので気が楽なのかもしれません。
 瀬出井さんはじめスタッフの方々はお疲れ様でした。
 

           <トロッコ電車>
神奈川県:H・F E-mail: h-futosi@wa2.so-net.ne.jp


 「はがき通信」に感謝 


 「はがき通信」87号に掲載していただいた、S.Kの母です。掲載されて、1人の大人のかたからメールがありました。Sと同じ原因不明の胸椎硬膜外血腫のかたでした。それから、T.Sちゃんのお母さんにも連絡を取り、いろいろとお話を聞かせていただくことができました。こういった出会いはなかなかないので、「はがき通信」にとても感謝しています。
 股関節整復オペ後の経過も良く、腰が安定したので姿勢が良くなり本人も楽そうです。再来年には幼稚園に入園予定です。それまでに、歩行器やクラッチでの歩行が可能になれば……と思っています。 
K・H E-mail: cookiehanbun@hotmail.com


 あきらめない 

37歳、T12〜L1

 初めてお便りさせていただきます。私は、スキーの事故で両下肢が動かなくなって8ヶ月が経ちました。その間、自分の中でいろんな葛藤がありました。自分の中では「もう一度自分の足で立ってやる!」という気持ちが転院するまではありましたが、いざ転院して入院生活を送っていると主治医からは「歩ける可能性は数%」という診断結果でした。理解はしようとしている自分がいるのですが、諦めたくない、という自分もいました。入院中PTに行くのも嫌で嫌で、ほとんど真剣にはやらなかったのが今となっては良かったのだと思ってます。
 入院中、読売新聞の取材を受けた僕は、ネットで自分の掲載された記事を追っていくうちに「小樽の右近氏」の記事を見つけました。その時は半信半疑で内容を確認する程度でした。後日、再転院し、そこで知り合った25歳の青年と知り合いになり、話していくうちに「実は来週退院して小樽に行くんです」。僕は“これはきっと自分にも行けと神様が言ってるんだ”と都合良く解釈しすぐに小樽の右近氏にメールで連絡を取り、7月に訪樽しました。
 自分の足で立つ喜び、健常の頃の視線等感動でいっぱいになり、涙を流したことは忘れません。この感動を糧に今も毎日訓練に励んでいます。最近では両足太股に“自分の足が付いてる”という感覚が出てきたり、排尿が腹圧で出るようになったり、2ヶ月前にできたジョクソウが医者では「半年以上かかる」と言われたがかなり小さくなり回復に向かっていたり、膝の浮腫み(むくみ)がなくなったり、さまざまな体の変化が出てきています。
 「諦めの気持ちを持たなくて良かった」と思うと同時に、これからも諦める気持ちはまったく持っていません。僕は頑張ろうと思うと辛いので、頑張らないで頑張ります。
東京都:Y・A


 受傷3年・情報少なく痛みに悩まされる 


 はじめてお便りします。「はがき通信」を読ませていただいています。私の夫は、3年前にC5の頸髄損傷になりました。2年の入院の後、自宅に帰って1年になります。
 はじめから「足は火にくべたように熱い。手は雪の中につっこんだように冷たい」と言っていました。雨ツブが当たっても痛いということもあります。それでも、痛みを口に出さずにすむような時もあったのですが、近ごろ、強い痛みを訴えるようになりました。剣山の上に立っているようなとか、足首をねじってちぎられるようなとか言います。そのうちに体中が硬くなって全身が痛くなります。一番ひどい時は救急車で病院に行きましたが、別に治療もなく、持って行った薬を飲むだけでした。今は、近所の先生に往診していただいて痛み止めの注射をするぐらいです。
 1ヶ月に1回病院に行って、診察と膀胱ろうの処置をしてもらっています。良くしてもらっていますが、専門ではないので頸損の情報が入らないのではないかと思ったりしています。
 「はがき通信」を読んで思うことは、皆さんよく遠いところへ出かけられるということです。いろいろ準備にも時間がかかると思いますが、本人の出かける気力も大変なものだと思います。夫は外へ出るのは好きですが、長時間になると座っているのが辛くなるので今までで一番長い外出は往復4時間くらいです。
 今は、週1回のデイサービスと1泊2日のショートステイ、ヘルパーさんによる自宅での介助入浴などで日々を送っています。調子が良い時には電動車いすで散歩に出ることもあります。春ごろにはパソコンでハガキを書いたりしていましたが、近ごろはその気力もありません。何か楽しみがあればいいのですが、1日中テレビを見ているだけです。7歳になるネコがいます。元気なころからかわいがっていたので、やさしく話しかけて一緒に寝ています。近くには夫のような人はいないので、情報も少なくもどかしい思いをしています。直接会って話ができる人がいたらいいなあと思います。またお便りさせていただきます。
 
島根県:M・Y/S


 写真だより 


 「はがき通信」には友人ということで匿名で書いてきたが、アテネパラリンピックに今回初出場した「通信」の購読者でもある佐藤京子さん。C5の不全である彼女は立位と少し歩行ができるため、「脳性まひ1・車いす1」にクラス分けされてしまう。円盤投げで銀メダル、砲丸投げで4位。
 頸を3度も傷め、そのたびに徐々に身体の自由が利かなくなり、そのうえに増悪した痛みを抱え、ドーピングで禁止薬物に指定されてしまった痛み止めの薬をやめてまでも彼女の支えである陸上を取り、挑んだ最高の夢の舞台。立派な成績だと思うが、1等賞が大好きな彼女には「不本意」な成績。頂点だけを目指して臨んだことを私もよくわかっているから。しかし、彼女はすでに次の北京大会に向けて歩み出そうとしている。
 北京では金メダルを、それもワールドレコードでね! ……そして、彼女の痛みとの戦いもこれからも続く。   

文:瀬出井 弘美(編集委員)


   <佐藤京子さん・銀メダル>
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