はがき通信ホームページへもどる No.82 2003.7.25.
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 施設や家族のもとから出て自立生活を始めませんか? 


 秋田県内では、47都道府県で唯一1人暮らしの長時間要介護の全身性障害者がいないため、ヘルパー制度も伸びていません。これを解決するためにバックアッププロジェクトを行います。他県では、1日16時間や24時間介護の必要な障害者がヘルパーや他人介助者を確保して1人暮らしをしています。このような障害者がいる地域ではヘルパー制度が伸び、それ以外の障害者もヘルパー制度を必要なだけ受けやすくなっていきます。

 当会では、47都道府県のどこに住んでいても同じようなサービスが受けられるように交渉の方法の支援や、「最初の1人」の自立支援を技術的、金銭的にサポートしています。 今回は特に秋田市か、その周辺で1人暮らしをしたい全身性障害者を募集します。1日16〜24時間の介護が必要なかたを想定していますが、それ以外のかたもお問い合わせください。

・自立のあと、一定期間の介助者の費用のサポートをいたします。
・制度交渉してヘルパー制度を伸ばすバックアップをいたします。
・アパートを借りる方法なども研修でサポートいたします(毎日介助がつくばあいはきちんと方法を学べば簡単に借りることが可能)。住宅改造も可能です。
・研修参加の交通費や介助費用は助成いたします。
・自立生活をするための技能プログラムを受講していただきます。

 なお、複数応募があるばあいは、当会他が進めている公益的な障害福祉活動に参加していただけるかたを優先いたします。

 秋田県以外でも、空白市町村で1人暮らしをして24時間ヘルパー制度を作る交渉をしていただける最重度の24時間要介護の障害者を募集しています。さまざまなサポートをいたします。ぜひお問い合わせください。


[問い合わせ先]  (全国障害者介護保障協議会)  担当:大野・川元     
http://www.kaigoseido.net/  E-mail: kaijo@anet.ne.jp


 玉葱、雨天好時の外出バトル 


 雨の日に好んで外出したい人は稀であろう。車イス者の外出に雨の予想や降り続いていたらどうなんでしょうね。状況にもよろうが、必要性の薄い外出は中止の方向で決まるのでは?

 玉葱の妻悪(楽居)は大の雨嫌いも手伝って、天気図に雨の予想が出ると勝ち誇ったように外出中止を玉葱に迫る。散歩に近いような外出や日用品程度の買物、個人的な友人との待ち合わせなどで出かけるには夫婦のバトルに勝たねばSTOPの発令が出てしまう。そして、渋々と外出キャンセルの電話をすることとなる。
 楽居の言い分は、玉葱おやじには雨に逆らって出かけるほどの用事はない!と言い切る。そして、外出時の運転手さんやボランティアさん、ヘルパーさんなどの介助や介護の人が、雨を突いて関わってくれることの大変さを説くのである。雨の日に出かけなければならない必然性もないことを見透かして外出を止めさせようとする。
 当の玉葱は予定の変更や中止を嫌うが、他者の意図での変更や中止を云々するものではない。しかし、天候を理由に玉葱のお出かけを阻止する妻悪には心外である。当然、夫婦間の熾烈な(?)対立が起こるのである。
 日常の夫婦関係も微妙に押され気味の玉葱おやじは理屈コネコネで雨天決行を目論むが妻悪のご命令には逆らい難いひ弱さを露呈する。間を置き、機を見計らって外出の許諾を伺うのが常のことである。
 妻悪の切り札は、健常者でも雨の外出を嫌うのに大した用事もないのに予定を立てたから何が何でも出かけるというのは玉葱おやじの強引愚舞上(自分勝手な)輩だと非難する。他者の好意に付け込む傲慢さが分らんの? もう少し自重して周りの人を大切にしてよ……・。
 外出にわざわざ時間と労を割いてもらっているのに雨ぐらいで中止は・…・玉葱の言い分も湿度の高い高気圧と低気圧の前線では火花にならず。

 梅雨よトットト去れ! でも、雷雲も怖いね。妻悪を雨好きにする方法教えてよ。
広島県:玉葱おやじ  E-mail: ecosakohata@do2.enjoy.ne.jp


 大きな目標 

C4、C6、四肢マヒ、48歳

 昭和49年に交通事故により頸損になりました。5年間の入院生活を送ったのち自宅に帰り、両親・姉たちと生活をはじめました。昭和62年に母、平成元年に父と相次いで亡くなり、あとは姉たちに介護をしてもらいながらの療養生活も30年近くになりました。その間外に出ることもなく家族とのみの生活でした。
 2年くらい前に急に不安におそわれ不眠になり、うつ症状、パニック症状、低ナトリウム血症と心と体のバランスを崩し、入院・通院とイヤでも外に出て行かざるをえなくなりました。
 まるで長い冬眠から覚めた熊のようで社会と自分とのギャップに戸惑っています。焦らず、ゆっくりと自分に言い聞かせながらも、何かに追いかけられているように焦っている自分がいます。

 現在の大きな目標は、電動車イスにのり、自分の手で現実の社会に一歩を踏み出していくことです。小さな一歩ですが、大きな希望です。

  (2003.6.29)
M・M


 目標「仕事を探す」(関係情報大募集) 

46歳、C4、頸損歴11年め、施設7年め、人工呼吸器・電動車イス使用

 今から4年前、1999年6月、私は完成してまだ間のない白亜の病院の地上11階にある結核病棟の個室から、梅雨の信濃川の水かさの増減を眺めていました。結核菌陽性に加えてMRSAも陽性のため、病棟隔離に加えて病室隔離まで必要でした。結核の治療というのが退屈で朝食に薬を服用するだけ、MRSAに至っては抗生剤も効かないのですからひたすら清潔に努めるのみ。昼夜3時間毎の体位交換の他は、ラジオを聴くか外を眺めるしかありません。結核は3ヵ月間続けて陰性にならないと退院許可が出ませんので、いつ退院できるかもわかりません。人口呼吸器の単調なシュポシュポという音に合わせて「あせらず、あかるく、あきらめず」と私のお題目を心で唱えます。滅菌服で身体を包み滅菌マスクで表情も判然としない看護婦さんとの短い会話くらいが楽しみでしたが(?)さいわい私のばあいは結核でも最も軽いほうだったようで、4ヶ月程度で退院できました。また退院時の検査でMRSAも陰性になり、施設での居室隔離からも開放されました。
 その後、1週間×3回程度の発熱その他による入院がありましたが、これまで4年間すこぶる健康に過ごすことができています。健康になってくるとこれまで(頭の中では目一杯考えていても)口にはできなかった希望を徐々に表明するようになりました。何事も明かさなければ始まらない

 さて、その方法は、施設にはケース会議なる仕組があります。個々の入所者の担当看護師、担当介護員(=寮父母)それに支援員(=指導員)とその各上司が集まって、入所者の現状と今後を話し合います。これまでは入所者もその家族も別途希望等は聞かれても会議に参加することはありませんでしたが、今後は支援費制度とともにケース会議が今まで以上に身近になってくるかもしれません。さて私は厚かましくも、結核退院の2年後からこの会議用資料を事前にしかも「勝手に」提出させてもらっています。きっかけは担当寮母さんから「ケース会議どうしよう」と聞かれたからですが。

 2001年10月、2002年6月、2003年6月と都合3回作成してきました。継続は力なり。このツールは希望の表明だけに留まらず、あるいは目標の実現にも貢献してきたのではないかと思われます。というのも、これを作成することによって自分の希望の焦点がはっきりしてきますし、常にこれを頭の隅に留めて置けば思わぬ情報を拾うこともあります。また、周囲の人が考える「私の進むベきベクトル」を同一方向に向け、私の具体的要望を理解してもらいやすい効果があるようです。施設生活者に限らず、在宅にあってもぜひ試してみてはいかがでしょう。

 内容は、「これまでの成果」と「反省」、これらを踏まえた「当面の目標」です。「当面」というのは思ってはいても「口にさえできない」と自ら判断される目標は避け、概ね1年をめどとする意味です。1年経過した時、その「目標」が「成果」になっているか「反省」になっているかが、このツールを継続できるかどうかの分かれ目になるように思われます。

 電動車イスでの移動範囲が施設内に限定されていたのを、近くの病院からさらには少し離れた町でのオセロ大会参加にまで拡大できたのも、あるいは夜はテレビを見るだけという状況から自由にパソコン・読書ができるようになったことにも、このツールは貢献してくれたと考えています(ともに健康・安全and/or人への迷惑が制約(管理)の理由でした)。結核で寝たきりの時を思えば、とても大きな前進です。

 さて本題。今年ついに「仕事を探す」を目標に入れてしまいました。「得る」ではなくちょっと控えめに「探す」としたのがミソですが、本人は大真面目です。先日行政の担当のかたに文書で「身体障害者療護施設で仕事ができないという制度上の問題があるのでしょうか?」という質問をしたところ、「制度上、特に問題はありません。ただし、仕事の内容については制限が出てくるかも知れません。実際、施設にいながらにして所得を得ている人もいます」という文書回答をいただきました。

 人工呼吸器を付けていても仕事をしている例、施設にいながらにして所得を得ている例、四肢マヒでも税金を納めている例等、雑誌でもホームページでも、「仕事を探す(得る)」そのヒントなりともご存じのかたはぜひともお知らせください。

 私のことは、今回の「ケース会議用資料」と合わせて下記ホームページに紹介していますのでご覧になってください。あるいは問合せいただければ個別のメールで売り込ませていただきます。以上

  (2003年6月30日記) 
T・H  E-mail: th36th@hotmail.com

 「3A+Aのページ」  http://www.h4.dion.ne.jp/~the-36th/


 毎年梅雨時6月に思うこと 


 「通信」の皆様この梅雨の季節をいかがお過ごしでょうか。今日は梅雨の中休みというのでしょうが久しぶりに見る太陽の輝きはもう真夏のような日差しが感じられます。

 お陰様で主人も私も元気に過ごしております。気温も30度近くにはなり、もうそろそろクーラーをと考えていますが、今のところマイナスイオン発生器の付いた扇風機2台をフル回転させ自然に近い風で涼しさを楽しんでいます。窓という窓を開け外の空気も取り入れるようにしています。今はまだ梅雨も明けず気温も不安定でクーラーを入れないほうが良いのではと考えています。クーラーで冷やすことにより主人は風邪を引いたり、右手足(動かない手足)が冷たくなり痛みも出るようです。我慢できる限り扇風機を使い頑張ってみようと思います。6月という月は主人にとって注意しなければならない月です。2年前に風邪から肺炎を起こし高熱を出して全快するまで1ヶ月もかかりました。このときの体験が恐ろしく忘れられません。昨年も、今年も風邪を引かないように注意をしてきました。そのために6月を無事に乗り越えることができました。

 7、8月と夏の厳しい暑さを乗り越えることができるようにクーラーはいつごろから入れるか今年も主人の体調を見ながら入れたいと思っています。1年、また1年と年齢を重ねることに、日々の生活・介護に神経を使い疲れる私です。今のところ、現状維持を保つのが精一杯というところです。

 今年も早いもので1年の前半が過ぎ後半へ入ろうとしています。介護に当たる私にとってとにかく一日一日を大切に何事もなく元気に過ごせるようにと願いつつ生活しています。家族が元気で毎日を送ることが何よりの幸せと心から思う私です。

 では「通信」の皆様時節柄お身体に気を付けてお過ごしくださいますように。

S・Y


 床ずれの治し方の提案 


 大抵の床ずれは腰の後部中心にできます。その患部の空気が替わる仕組みをつくってやるようにしました。腰の両側に入れる棒枕を板状のマット(三つ折りのベッドマットなどを利用)にして昼夜使います。また、消毒薬のイソジンは新生細胞を破壊するばあいもあるので、使ってもすばやく他の消毒液で流し、2種類以上の液で消毒を完全に行うならば、軟膏は極端に言えば、何でもいいようです。ガーゼも消毒済みの清潔なものを使います。絆創膏は電気用の絶縁テープがかぶれなくてよかったです。

編集顧問:向坊 弘道
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