はがき通信ホームページへもどる No.134 2012.4.25.
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「はがき通信」collection(4)

過去に「はがき通信」に掲載された投稿文を再録するというコーナーです。
 特集に関連することを掲載させていただきました。




 向坊氏の通信 自立のあゆみ ヘルパー1人によるトランスファー 
〈6号・1990年11月発行〉


 高位頸損者は腕のカがないので、ヘルパーが2人でベッドから車イスに運んでくれることが多いものです。
 しかしリフターもなく非力なヘルパーが1人しか居ないような在宅の重度の人は図のように前方大車輪型車イスを利用し、バックレスト(背もたれ)を着脱自由にしておくと、トランスファーが由由にできて便利です。



[ベッドから車イスへ移乗するばあい:手順]
 (1)身障者の足を引っ張って、お尻を車イスのバックレスト(背もたれ)までもってくる。
 (2)ベッドの反対側に回って、身障者の頭を持ち上げてシートに座らせる。
 (3)車イスのバックレスト(背もたれ)を締める。
 
 簡保の宿天井リフト 
〈85号・2004年1月発行〉

 こんにちは、久しぶりに2回めのおたよりします。
 先日阿蘇の簡保の宿の身障者の部屋がとれたので体験がてら1泊2日で行ってきました。
 皆さんの参考にはならないとおもいますが簡単にレポートします。天気は最高によく車イスでの乗り降りにはなりよりでした。


 宿には午後6時前に無事到着しました。いきなり大ガックリしたのはリフトが故障中で修理も間にあわずみんな人力でおこなうはめになりました。事前に連絡してほしかった。パンフレットにはシャワーキャリヤーで大浴場に入れるみたいにかかれてるが段差等で介助が1人つくがかなり難しいと思いました。部屋は3Fのエレベータ隣で十分な広さで私の電動でもOKでした。またベッドは電動でマットは固めです。全体的に細かいとこで不満はありますがまあまあ満足いくものでした。


H.H.


 旅先のトランスファー 
〈102号・2006年11月発行〉


皆さんだいたい自宅でのトラスファーには器械をお使いだと思いますが、器械のない旅先ではどうしているでしょうか。体の軽い障害者なら屈強な男性介助者が1人で「お姫様だっこ」という手もありますが、なかなかそうもいきません。広島懇親会にご出席のかたがたに車イスからベッドへ移るばあいの必要人数・道具・方法などを聞いてみました。
 ほとんどは2人の介助者が障害者の上半身と下半身をかかえて移すというものです。つまり、車イスをなるべくベッドに近づけ、ひじ掛けをはずす(リクライニング車イスのばあいは背もたれを後ろに倒しておく)。上半身担当が障害者の背後からわきの下に腕を差しこみ、下半身担当はひざのあたりをかかえ、「イッセーノ、セ」で車イスからベッドへ移す。いったんベッドの端に置き、つぎに中央へ移す——という方法です。これを「基本形」と呼ぶことにしましょう。
 【介助者1人】
 車イスをベッドに斜めにつけ、フットレストを上げるという点は皆さんほぼ共通しています。このあと、ご主人に手伝っていただくS川さんは、ご主人の肩と首に腕をまわし腰を持ち上げてもらい、ベッドに移るという方法。ある程度腕が使えるということでしょうね。腕をまわすのでなくご主人の肩にあごを乗せるというのはQ留井さん。「夫の両膝で私の両膝をはさみ、私のズボンのウエスト部分を夫が両手で持ち上げ、車イスからベッドへ90度、くるりと回転して移す」そうです。車イスを斜めにつけるのではなく直角につけるのですね。ひじ掛けの外れないF田さんは、腰を前にずらしてからおこなうそうです。
 また車イスにすわった障害者が、斜め前でかがんでいる介助者の肩に上半身をあずけ、介助者は障害者の腰のあたりを持ち上げるという方法もあるようです。さらにこんな方法もあります。車イスをベッドに直角につけ、障害者は足をベッドにのせ前屈する。介助者がななめ後ろから障害者の尻を持ち上げぐるりと回転する。かかとを中心点にして4分の1回転するわけですね。ただしこの方法は、フットレストがベッドの下に入らないと足がベッドに届かないかもしれません。
 ふだん使い慣れている介護ベッドとちがい、ホテルのベッドは下があいていません。床走行式のリフターを持ち込むY脇さんは、ベッドの下に漫画雑誌などをかませてすきまを作るそうです。
 【介助者2人】  
 基本形。介助者が障害者のわきの下からまわした手を前で組む、あるいは障害者の手首をつかむとさらに安定します。介助者が家族など馴れたひとならいいのですが、そうでないばあいは直前に方法を説明する必要があります。M原さんは「一度、私の体重感覚を知っていただくために、垂直に持ち上げてもらい、重さの感覚をおぼえてもらいます」といいます。ホテルのボーイを頼むときは事前に電話しておくべきでしょう。
 【介助者3人】
 体の大きい障害者のばあいは、基本形に加えベッド上にも介助者を1人配置、障害者の腰や太ももを支える。車イスのひじ掛けが外れないばあいには、軽い障害者でも3人めがいたほうが尻をこする心配がないでしょう。
 【介助者4人】
 体のうんと大きなひとや、わきの下に腕を入れられると激痛が走るひとのばあい、車イスに前もって大きめのバスタオルなどを敷いておき、トランスファーのさいはその四隅をもってもらう(車イスはリクライニングしておく)。車イスに敷きっぱなしでも褥瘡(じょくそう)の心配はないそうです。ベッドにかぎらず、飛行機の座席に移るときにも使えるとI藤さんはいっています。
 トランスファー・システムのある施設、たとえばかんぽの宿なら安心かというと、ほとんど使われてないらしく、壊れていたり、従業員が不慣れのことが多い。設置方法そのものが間違っていることもあります。人力トランスファーのコツを覚えておくことは、旅の安全に欠かせません。
 

東京都:F川

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