はがき通信ホームページへもどる No.133 2012.2.25.
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特集!「はがき通信」懇親会in横浜2011(その2)

 
前号の特集に引き続き、昨年10月14日(金)〜10月16日(日)に開催された横浜懇親会のご投稿(後編)をご紹介いたします。




 特集 2011年横浜懇親会が無事に終わりました 


 今年の懇親会は私の地元・神奈川での開催となり、スタッフの一人として関わらせてもらいましたが、いろいろと体験することができました。
 当日はお昼前に集合。食事後、いざ大ホール(県民センター)の会場設営へ。まずはイスの位置の確認から。あとで元通りにするので記録写真。続いて横断幕や、講演のための機材設営。ドタバタと戦闘状態に。でも、なぜかみんなでやると楽しいです(もっとも私は見ているだけでしたが)。今回は北里の学生(OT)さんが6人お手伝いに来ていただき助かりました。準備ができ上がった頃には、一同で記念写真。
 14時の定刻通りに「今年で第16回となる懇親会の開会宣言」。私が司会を兼ねての宣言。例年ですと一人ずつ前に出て来て近況報告をお願いするのですが、会場の広さや遠方の方の到着も遅く、円陣になっての自己紹介となりました。今回、第一部の参加者は新潟、広島、東京、神奈川と住む地域は違えど同じ頸損仲間。話題は地元の制度のこと。在宅就労やお互いの体調等で話しができました。特に新潟から参加の2人には雪国や地方ならではの苦労も伺いましたが、2人ともたくましく頑張られている様子でした。また、時間に余裕がありましたので、会場の方々からも自己紹介を兼ねてひと言ずつ話していただきました。
 さて、10分程度の休憩後、講演の開始です。今年の「はがき通信」横浜懇親会は、外部から講師の先生をお招きして講演をしていただくことになりました。テーマは「車いすとクッションで二次障害を防ぐシーティング」。講師は、アビリティーズ・ケアネット株式会社・営業本部・特販主幹で自らも脊髄を損傷されました佐野俊也(さの としや)さん。ドイツでシーティング(フィッティング)マスターという資格を取得されています。頸損にとっては褥瘡防止は重要なこと(テーマ)だと考えお願いしました。実は佐野さんとは、以前に他団体主催のセミナーで帰りに名刺を交換させていただいたのがご縁でした。なかなか平日の金曜日ですと講師となって下さる方も少ない中での依頼でした。レセプションでも同席させていただき話しをお聞きました。講演も週3回くらい行うハードスケジュール。旅行を含めた海外経験も多数。なかでもアメリカは、差別禁止法が徹底していて車いすでも利用しやすいとの感想でした。また、受傷して数年後、褥瘡で神奈川リハにも入院していたとか。その時に誰かに会っていたかも知れません。営業という仕事柄か、面白く人間味あふれる方でした。
 時間も押し詰まり質疑応答です。なかなか質問者が現れず、私からロホのエア圧の調整の仕方について質問を。何度か司会をやっていますと会場全体を見渡せる席の影響なのか、話しやすいのか質問するのにも気兼ねなくできます。ふだんの私では考えられないのですが、司会者の役柄とでもいうのでしょうか。
 後半は4ヶ所に設けた場所での座圧測定。皆さんそれぞれに分散してもらい実際の測定。身体を持ち上げてもらい、センサー(布地)をマットの上に敷き体圧分散の様子です。私も診断してもらいましたが、ほぼ良好です。PC画面を見ましたが、立体感がありわかりやすかったです。佐野さんや社員の皆さん、お手伝いいただいたスタッフの皆さんお疲れ様でした。講演内容につきましての詳細は、他の方の原稿をご覧になって下さい。それにしましても10/14はお天気は悪かったのですが気温は高く、会場の中は暑かった!!
 2部のレセプションは司会をMさんにバトンタッチ。ただ、打ち合わせは当日・会場で行う予定だったのでかなり焦りがあったようです(相変わらず綱渡りで反省)。さすがに司会慣れしているMさん。任せて安心です。開会宣言は瀬出井さん。挨拶は松井先生。そして乾杯の挨拶はOさんに。と、ここまで予定が消化してひと安心の相変わらずの私でした。最後は全員で記念撮影。参加者48名、お疲れ様でした。
 2日目はフリーで、皆さん各地へ。私は小田原にある学校の学園祭のあと箱根へ。箱根も年々、バリアフリー化していて使いやすいです。ただ、勾配がきつい所やEV(リフト)の荷重が250kgまでと制限のある場所もあります。行く前には事前に確認をしてからお出かけ下さい。



 3日目は日産本社ギャラリーへ移動。1階の車両展示は、最近流行の電気自動車がありましたが、私個人としては、スカイライン!憧れの車種へ。一回りするとなぜか皆さん福祉車両へ。やはり興味津々。あれこれと意見を申し上げて恐縮です。いざ会議室へ。さすがに本社です、入場に際しては規制は厳しいです。会議室では進行役は瀬出井さん、気軽な話しができました。来年は福岡で、藤田さんよろしくお願いいたします。ここで最後の記念撮影をして解散。


               ●日産本社ビルにて

 今回も多くの方に関わっていただきました。この場を借りてお礼申し上げます。また、初めてお目にかかる方を含め皆さんにお会いし話しができたことは嬉しい限りです。参加された皆さんありがとうございました!
 

神奈川県:F.H.


 特集 神奈川の旅 


 10月14日(金)、予定通り8時30分自宅発。最寄りのJR中山寺駅から新大阪駅へ。半年ぶりの新大阪駅は店舗などがあちこち変わっていて迷ってしまいそう。ホームに出てみると新ホームや北側に駅ビルを建てている様子が見て取れて隔世の感。新幹線内で早めの昼食をとって新横浜駅へ。5年ぶりの新横浜駅も北側がすっかり変わっていた。ここからがぶらり旅の始まり。
 ツレが行きたいというので地下鉄で桜木町駅へ、ここもすっかり……。そういえば横浜の地下鉄にもホームドアが付き始めたようだ。横浜ランドマークタワー最上階のスカイガーデンでしばし休憩。
 集合時刻が迫ってきたのでみなとみらい線みなとみらい駅から横浜駅へ移動。駅が異様に暗い。少ないところでは蛍光灯が半分程度しか点灯していない。電気を人質にして原発を押しつける電力会社、節電ブームを悪用して安全を軽視する鉄道会社の術中にはまっているのか、誰も文句を言わない。


 ●横浜ランドマークタワー(桜木町駅前にて)

 講演会場は何度か利用させてもらった「かながわ県民センター」。到着と同時に講演が始まる。講演内容は編集部に任せて。。。講演会終了後何人かと挨拶を兼ねて話した。ML、マイミク、Facebookと接点はさまざまだ。中でもHママに会えたことは改めて生きる力をもらった気がする。
 地下街経由で横浜ベイ・シェラトンにチェック・イン。さらに迷路のような地下街を案内してもらって、横浜駅東口の崎陽軒本店へ。レセプションはイタリアン&中華バイキング。お好みの魚料理&スイーツも多く、満足、満腹。関西エリアからの参加は1人だったこともあり、懐かしい顔ぶれが多かった。
 そんな中、Rさんの参加は嬉しかった。Rさんは、僕がミクシィで主催するコミュニティ「重度四肢麻痺者」のメンバーで、僕の誘いを読んで参加されたということだ。ふだんからインターネットのさまざまなツールを使って情報発信をしているが、ほとんど反応はない。しかし、年に1人でもこういう人に出会うと、不毛の大地に木を植えているような虚しさから解放される。ありがたい話だ。
 記念撮影をして、学生時代の友人が書いた本の宣伝をして、コンビニで朝食と飲み物を買って、ホテルへ戻ってさっさと寝る。トリプルはベッドだらけで窮屈だが、パズルのように動かすと意外に使える。今回久しぶりに複数介助者で参加したが、金銭的な負担は大きいが気持ちが楽になる。
 朝から強い雨の10月15日(土)、この日は一日観光ということだが何も用意していない。沖縄でもそうだったが行き当たりばったりだ。ただ、一昨年の東京大会のときにIさんが、一泊だけで帰る僕に「次はいいとこ案内しますからね」と言ってくれたことを無責任にもあてにしていた。ことば通りIさんは鎌倉・湘南プランを用意していてくれた。まずはFさんのバリアフリー・ルームで朝シャン。
 首領Iさんに連れられ、女帝Sさん、Οやじさん、熊本Kさん、松井先生らとJR横浜駅から鎌倉駅へ。全員合羽装着、車輪付きてるてる坊主状態で鶴岡八幡宮へ。境内に入った頃に雨が上がり、風は残ったものの旅日和に。首領Iさんの神通力は健在。鶴岡八幡宮は歴史の舞台になった大階段はバリアフルでどうしようもないので、歴史を見ていた大銀杏(の切り株)を見て、お土産に曲玉お守りを買って参拝終了。参拝後、参道の天ぷら屋さんで昼食、まさか13人全員が入ることになるとは……、恐るべし、「はがき通信」。
 鎌倉駅集合ということでお土産散策自由行動。一刀彫りを探すが、いいもの見つけられず。鎌倉駅で休憩していると首領Iさんが転倒したとの報。病院へ向かった首領Iさんに替わって女帝Sさんが案内を引き継ぎ、旅路は続く。首領Iさんのことは心配ではあるが、この際、プランをとことん楽しむことが本人のためか……。


●横浜港 東北東方面の眺望(スカイガーデン)

 残されたメンバーで江ノ電鎌倉駅から長谷駅へ。住宅街を縫うように走る江ノ電は何とも風情がある。長谷駅から狭い歩道を10分ほど行くと鎌倉大仏殿高徳院。伽藍(がらん)がなくむき出しなのは、過去の津波で流されたからということを改めて聞くとやりきれない。
 江ノ電長谷駅から帰る熊本Kさん、松井先生と別れて、女帝Sさん、Οやじさんらとともにさらに西へ向かう電車は山と海の境目を走っていく。景色を見ているだけでサザンの曲のいろんな歌詞が頭をよぎる。♪〜江の島が見えてきた〜……。風が強いのでサーフィン日和だ。湘南江ノ島駅から少し海へ登っていくと突然視界が開け、巨大な江の島が視界に飛び込んでくる。こんなに大きかったかな? 砂州の上に建てられた橋の上を渡っていると、両側から押し寄せてきた波が橋の下でぶつかる。不思議だ。島の存在と海底の地形が砂州を作る。波動関数を解析するとそんなことはすぐに分かる。学生時代にさんざんやったはずなのに、実際の事象を見ると不思議だ。江の島では、首領Iさんの介助をしていたMさん一家が待ち構えていた。首領Iさんが負傷退場しているのは残念だが、Οやじさんにたかって酒盛り。明るいうちから……。
 再び湘南江ノ島駅へ戻り、江ノ電藤沢駅へ移動。これで江ノ電全線制覇。藤沢駅でJRに乗り換えて横浜駅へ戻る。コンビニで食べ物と飲み物を買ってホテルへ戻ると、首領Iさんが復活。まずは一安心。しかし、車イスはやや傷ついたようだ。軽く夕食後さっさと寝る。
 10月16日(日)、今日もFさんのバリアフリー・ルームで朝シャン。朝食後、チェックアウト&洗濯物を宅配送手続きをしていたら移動の集合時刻に遅刻。申し訳ない。事前に用意してた地図をたよりに、地下街経由で横浜駅を横切り、そごうからみなと何たらいうプロムナードを経由して日産グローバル本社ギャラリーへ。こちらでは、コンパニオンのミスフェアレディさんによる福祉車両のプレゼン。……でしたが、個人的にはV6ハイブリッド・エンジンや低公害ディーゼル・エンジンのダイキャスト・モデルの方に興味がありました。その後会議室をお借りして会議。
 解散後、みなとみらい線新高島駅から元町・中華街駅へ移動。混雑するメインストリートを避け、関帝廟(かんていびょう)道にある首領Iさんお薦めの茘香尊酒家(らいしゃんそんしゅか)でビュッフェ。価格もそこそこで、日曜昼でもゆっくり過ごせるお店、メニューは少なめだが、味はいい。2押しの肉焼売をお土産に購入(ちなみに1押しは水餃子、3押しは豚足)。
 混雑するメインストリートで豚まん宅配を手配。5年前に一緒に来た介助者からのお土産リクエスト。さらに急勾配の坂を登り「みなとの見える丘公園」へ。手動なら挫折必至。一休み。帰りは回廊経由でマリンタワー〜人形館〜山下公園〜氷川丸と写真撮影だけ。もう一度、中華街、横浜球場脇を抜けて関内駅から地下鉄で新横浜駅、新幹線で帰途へ。


       ●日本丸をバックに

 3日間楽しく過ごせた。準備スタッフの皆さん、ありがとうございました。

兵庫県:うめ吉


 特集 鎌倉と野球観戦 

42歳、C6、頸損歴23年

新幹線で新横浜駅に16時、横浜駅に17時に着き、夕食レセプションから参加しました。3年ぶりのに懇親会参加で懇親会参加者の仲間に久しぶりにお会いして、長期入院中の大変だったことから思うととってもうれしかったです。来年の福岡懇親会のことも報告させていただき、初対面の方とも打ち解けて話ができるのは「はがき通信」懇親会ならではと思いました。
 準備段階として京都懇親会以来、寺社仏閣・仏像がより大好きになり、懇親会前にどこに観光に行くのか調べて計画を立てるのが一つの楽しみになっています。それに今後横浜に確実に行けるかどうか分からず、行けるときにとの思いがありました。
 なかなか行く機会のない横浜に行くのに、テレビでは分からない横浜スタジアムの球場の雰囲気を感じたいと思い調べると、横浜×ヤクルト戦が15時よりあり、車イス席予約の電話をして(1試合6組まで)予約完了。野球観戦までの時間は幕府のあった鎌倉が思い浮かび、定番の鎌倉大仏と鶴岡八幡宮にしました。
 そして鎌倉の歴史博物館にも行きたいと調べると、鶴岡八幡宮の境内に鎌倉国宝館があり、電話で問い合わせると別館の搬入用エレベーターを使い車イス可ということで、計画しました。アクセスは横浜駅〜鎌倉駅まで乗り換えなしで25分、利用するすべての駅がバリアフリーなのを確認して電車で行くことにしました。
 2日目は、鎌倉駅から江ノ電に乗り換え長谷駅で下車。電動車イスで約10分走行して、大仏様(阿弥陀如来像・国宝)が本尊の高徳院へ着き、ところどころにスロープがあり参拝。帰りの鎌倉駅までは、長谷駅へ10分かかるのが億劫なのと別の景色を見たいために、お寺前のバス停より、せっかくの機会であり、はじめてノンステップバスにスロープにて乗車して鎌倉駅まで戻りました。



 鶴岡八幡宮に行くときに、昼食は後手後手に回らないように、電動車イスで入れる参道のそば屋へ。この人出で土曜日の12時過ぎに客がいないのが気になりながら入りメニューを見ると、カツ丼1350円と観光地価格。食べ終えて店を出ると店先に値段表が掲げてあり、これから観光地では値段を確認してから入ることを学んだ。
 鎌倉幕府から尊崇された鶴岡八幡宮を参拝。鎌倉国宝館では、特別展「鎌倉×密教」の初日で、鎌倉ゆかりのありがたい密教の仏像が一堂に拝観できて、ホントは2時間くらいじっくり観たいが時間がなく、特別展目録を購入。特別展のため展示されていなかった常設展示品も観たかった。
 横浜スタジアムへは、横浜駅に戻り、乗り換えて5分のJR関内駅へ。横浜スタジアムへ到着するとチケット売り場や入場ゲートのある2階へは、長いスロープで上がり、入場ゲートから席まで若干のスロープにて、特別でない経路のエレベーターなしで車イス席に着きました。



 車イス席は1塁側ベンチの上あたり(3塁ベンチの上はナシ)にあり、球筋もよく見えて、野球そのものを、また野外球場は風を感じてイイと思っていると、途中30分くらい雨が降りやっぱりドームがイイと勝手なことを思いながらも、セリーグの選手はほとんど知らなくても、応援団、ピッチャー交代時のリリーフカー、ファールボールを追いかけ回す小学生などスタジアムの雰囲気を十分に楽しめました。ちなみに福岡ドームだと、車イス席(1、3塁側にアリ)はポール際の内野席の一番奥で球筋までよく見えず、入退場時は業務用エレベーターにて別経路で特別に案内されます。
 試合終了後に人の波にのまれながら徒歩3分の最寄り駅JR関内駅に着き、駅員さんより超満員のために着いた電車は見合わせて下さいとのことで、何本待てば乗車できるのか心配していると、次は混んでない状態で乗車できました。後日新聞で入場者数をみると8610人だそうで、スタジアムが満員3万人だと、試合終了後超満員が続きしばらく乗車は難しいと思いました。
 ホテルに戻ってお尻を見ると日頃より4時間ぐらい長く車イスに乗っていたことも関係して赤くなっていて、3日目に午前中の「はがき通信」会議後に、午後より計画していたみなとみらいは止めました。
 行き帰りの新幹線700系の車イス用個室は、電動車イスで回転でき500系より広くなっていました。パイプイスも常備されていて、電動車イス(ヘッドレストなし)をリクライニングして倒して、パイプイスの上に枕代わりのバッグを置いて、お尻に負担がかからないように、携帯電話で録画していた番組を聴きながら、褥瘡もできずに無事帰りました。
 横浜懇親会で、実行委員の方やお世話になった方々にお礼申し上げます。

編集担当:藤田 忠

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