はがき通信ホームページへもどる No.116 2009.4.25.
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◆特集!「はがき通信」懇親会in京都2008


 昨年の9月19日(金)〜9月21日(日)に年に1度仲間が一堂に会して集った京都懇親会2008で、懇親会のようすや自由行動での(バリアフリー情報も含む)観光についてのご投稿を114号の特集に引き続きご紹介させていただきます。
 なお、今までの特集(連絡方法・私の入浴・車いすの工夫あれこれ・私の常備薬・尿路管理・頸損と合併症・パソコン入力の工夫・暑さ対策)および連載特集の「介護する側、される側」は、次号でも引き続きご投稿をお待ちしております。どうぞよろしくお願いいたします。



 <特集> ガイドブック片手に京都観光


 今年も都合で、2日目から参加。なので、一番楽しみなレセプションに参加できませんでした。残念・・・。2日目の自由観光、去年より念入りに旅行ガイドブックを見て、京都を散策してみました。今日の目標は、下鴨神社と銀閣寺。まずは「下鴨神社」へ、京都駅から地下鉄に乗って、鞍馬口駅で降りました。晴天、暑い!! でも、さあ〜がんばるぞ〜、出発!
 同志社大学、京都御所の前を通って下鴨神社方面へ向かいました。歩くこと30分、賀茂川橋到着。下鴨神社へ行く前に、もう一つの目的、ガイドブックお勧めⅰの「出町ふたばの豆大福」を食べることです。その「出町ふたば」は、賀茂川橋を渡って7、8分のところにありました。ガイドブックに載っていたとおり、すごい人の行列。暑いけど、がんばって並びました。しかし、夫は並ぶのが嫌いです。途中何度も「やめよう」と言ったけど、「あなたも絶対食べるんだぁ!って言ってたでしょ」と並び続けました。お店の方が、「暑いでしょう〜、車イスは地面に近いから暑いよね。注文を受けて、お持ちしましょうか?」と声をかけて下さいました。温かい心遣い、嬉しかったです。でも皆さん並んでおられるので、順番を待ちました。この苦労も味のうちですからね。どれもこれもおいしそうで、4個買う予定が8個も買ってしまいました(笑)。
 その後、古くて情緒ある「出町商店街」をブラブラして、下鴨神社へ向かいました。川沿いには柳が植えられていて、ときおり顔にあたって、賀茂川って雰囲気でいい感じ。出町から歩くこと20分、下鴨神社入口へ到着。下鴨神社へ続く「糺(ただす)の森」を通りました。樹齢何百年のもみじの緑のトンネル、紅葉はもっときれいなんだろうなぁ・・・。下鴨神社は、縁結びの神様とあって、若いカップルや夫婦連れが多かったです。境内は、細かい砂利が敷き詰められ、とても風情あるものではあったけど、手動車イスでは動きにくく、夫がウイルさせながら汗だくになって押してくれました。
 下鴨神社のすぐ近くにある、ガイドブックお勧めⅱの「みたらし団子茶屋」へ行きました。みたらし団子発祥の地として有名なお店のようです。さすがです、女性客で一杯! 団子屋さんを出ると2時を回っていました。さあ昼食を・・・といっても時間が時間で、お店が休憩中。暑さにバテて「あっさりと冷たいお蕎麦が食べたいよねぇ」と捜しながら道を歩いていると、あの「出町ふたば」へ帰って来ました。相変わらずすごい行列でした。そしてようやく、お蕎麦屋さんを発見! “そば処田舎亭”「車イスでも大丈夫ですよ、どうぞ〜」と笑顔で迎えて下さっても、店内は狭くお客さんも一杯。でも席を広く作って下さり入れました。お腹が満腹になると、時計はすでに3時半。





 次は銀閣寺、ここから歩いて3,40分かかるらしい。「タクシーに乗る?」って聞いたけど、夫は歩く気満々。というわけで、歩いて行くことにしました。車イスに乗っているだけなのに、震動から来る痛みと、座位バランスをとるための筋緊張と暑さで、そろそろ私の体は限界。しかし夫ががんばる!と言うので、私もがんばらないと・・・。途中コンビニでドリンクを2本買ってエネルギー補給。京都大学あたりから緩い坂道とでこぼこ道が始まり、夫の息切れが始まった(笑)。そして40分、やっと哲学の道、銀閣寺へ到着。しかし銀閣寺をお参りするには、去年の清水寺の悪夢を思い出すような急な坂道を登らないといけない。「やめようか?」と言うと、「せっかくだから行こう」と夫、ゼイゼイ言いながら押してくれました。やっとたどり着いた銀閣寺・・・でも残念なことに工事中。見られたのは骨格だけでした。ガックリーーー!! 2年は工事が続くそうです。
 聞法会館へ向かうのに、ノンステップバスを利用しようと思いましたが、バス停は乗車待ちの人で一杯。私たちも疲れきって、そんな様子を見ると気力もうせ、ついにタクシーに乗りました。「銀閣寺見られなくて残念だった」と言うと、運転手さんが「めったに見えない銀閣寺の骨格が見られて、もうけものだと思って」と笑われました。なるほどね・・・。
 翌日は午前中の懇親会に参加。少人数でしたが、元気そうで懐かしい顔に会えたので嬉しかったです。朝から降り出した雨も上がり、瀬出井さんと一緒に昼食を済ませ、また京都観光をとタクシーに乗りました。しかし目的地が決まらない。夫は平安神宮がいいのでは、と言う。私は南禅寺あたり・・・。運転手さんも「ところでどちらへ行かれます〜?」と困った様子。結局2人の意見はまとまらず、運転手さんのお勧めで金閣寺に決まりました。





 金閣寺はさすがです。すごい観光客です。35,6年前、修学旅行で来たけど記憶にない景色ばかり・・・。「おおーー!金閣寺!」人込みを縫いながら、いろんな角度から見ましたが、美しい。でも感動もつかの間、大きな雷と共に大粒の雨が降り出して来ました。急いで入場口の休憩所へ避難。間もなく豪雨になり、結局ここで1時間半、足止め状態になりました。傘を差していてもビチョビチョになるので、ときおり皆さん避難されて来て、休憩所はギュウギュウ。足元も水浸し。そんな中でも、金閣寺参拝の観光客は次から次からやって来ます。
 小降りになった時を見計らって、急いで休憩所を出て、ビチョビチョのままタクシーに乗り込みました。そうしたら、間もなく晴れ間が・・・。そんなこんなで、今年もいろいろとあった、楽しい京都でした。

広島市:M.K.



 腰折れ俳句(8)


地を惜しむやうに畑打つ母なりぬ
女一喝男おぼろになるばかり
さくら散るきざはしに散る肩に散る
花守りの如きつとめを果たしたき
思ひ出になるまで青き踏みにけり






 自然に学びなさいと先人は言った。姪と絵を通じて遊んでいるとそのことを思い起こさずにはいられない。なすべきはひたすらに観察すること。一事が万事なのであります。こどもになって絵を描きたいと思いそれを成したピカソはえらい! ところで目薬というものは慣れませんね。

熊本県:K.S.



 「外へ出ようや!」シンポジウムに参加して


 第2回全国頸髄損傷者連絡会・日本リハビリテーション工学協会合同シンポジウム「外へ出ようや! 様々なバリアを乗り越えて外に出るための工夫」が2009年3月7日(土)・ニチイ学館神戸ポートアイランドセンターの大会議室であり、東京から新幹線に乗って参加してきました。生まれて初めての神戸です。初めは知らなかった催しだったのですが、兵庫頸損連絡会のTさんのご紹介でぜひ参加しようと思い参加させていただきました。「外出する」をキーワードに熱い気持ちで皆が取り組んでました。ディスカッションではDPIのIさんの言葉は印象的でした。





 休憩時間中に僕が乗ってる電動車イスの輸入業者大阪支店の方々がきていて、ちょっと面白いコントロールを開発してて、ぜひ購入したいと思い、名刺交換をしました。クイッキー646という車種なのですが、なかなかよいチンコントロールがみつからず。これだ!と思ったのですが、東京に帰って本社に問い合わせると、まだ市場調査の段階だそうでガッカリです(笑)。
 花鳥園で行われた懇親会では楽しい出会いと美味しい料理を堪能させていただきました。
 2日目は姫路にあるTさんのNPO法人の事業所をみせていただき社会貢献してるんだなぁととても感激いたしました。
 まあ、神戸からの運転はTさんの事業所でたまにお手伝いしていらっしゃる、看護大学生の通称さかなさんが迎えにきていただきF1並みの運転技術に電動車イスもビックリです。





 本当に楽しい神戸と姫路でした。この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました。

東京都:T.S.



 ひとくちインフォメーション 


 ◆本の紹介
 『事故ル!18歳からの車いすライフ』




 生まれたとき・・・2710グラム、五体満足。今の体・・・重度障がい者。障がいの原因・・・交通事故による頸椎損傷(18歳のとき)。入院生活・・・13カ月。車いすでやったこと・・・予備校通学、大学通学、旅行、買い物、障がい者運動、一人暮らし(継続中)、恋愛(秘密事項)。障がい者になり、手も足も動かせなくなったけれど、周りに助けられながら一人暮らし。生きるって大変だけど、障がい者になるともっと大変。それでも人生を楽しく生きている、ある障がい者の記録。
 安藤 信哉 著 幻冬舎ルネッサンス 出版 1,365円(税込)


 ◆クローズアップ2009:障害者虐待防止へ期待 超党派議員立法の動き、本格化

 障害者虐待防止法が超党派による議員立法を目指してようやく動き出した。自民、公明両党の与党プロジェクトチーム(PT、座長・馳浩自民党衆院議員)が法案の骨子をつくり、初会合では他党へ協力を呼びかけることを確認した。90年代後半以降、報道などで次々と発覚した虐待問題を受け、何度か浮上しては消えていった法案の成立に関係者は大きな期待を寄せる一方、課題も指摘されている。【野倉恵、芳賀竜也】

 ◇事件続きやっと本腰
 「午前7時から午後10時まで働いた」「休日は月2日で外出できなかった」「歯磨きはほとんどしていない。風呂は月2回」「里帰りは23年間で1回」−−。07年6月、札幌市の食堂で住み込みで働いていた知的障害のある男女3人(31〜51歳)が保護された。
 13〜30年間も無報酬で働かされた上、障害年金も横領された「奴隷状態」だったなどとして、男女らは08年2月、食堂の経営会社などを相手取り、約4500万円の損害賠償を求めて提訴した。札幌市は01年、療育手帳更新の際に従業員と面談し「過酷な労働の疑いがある」と把握していたのに、弁護士に促され3人を保護する18日前まで一度も現場を調べなかった。
 「防止法があれば事件は起きなかったかもしれない」。食堂の元経営者を刑事告発した八木宏樹弁護士は、そう指摘する。
 障害者への殴打や拘束、年金搾取などは「しつけ」や「管理」などと説明されるケースが多く、以前はなかなか表面化しなかった。
 しかし、96年に水戸市の段ボール加工工場で社長が従業員に手錠をかけ地下に閉じ込めるなど虐待の実態が判明。翌年、福島県の知的障害者施設でも入所者への薬物過剰投与などが発覚した。
 さらに04年、福岡の知的障害者施設で施設長による入所者への暴行が明らかになったのを機に、05年には障害児を持つ議員らを中心に法制化の機運が高まった。虐待する側の「理由」がどうあれ、障害者への虐待を明確に禁じて通報を義務付ける法案の提出が自民、民主、公明各党で模索された。
 だが、同年の「郵政解散」で事情が一変。昨年も臨時国会への提出が検討されたが、福田康夫首相の退陣で露と消えた。
 今国会への提出の動きは「近づく選挙向け」との冷めた見方もあるが、札幌市の事例が判明したことなどから「もうこのまま放置できない」(与党議員)との声が強まったことも背景にある。

 ◇擁護センター人材、職場調査の担当、学校での通報・・・課題多く
 判断能力にハンディがあり自ら訴えることが難しい人のため、周囲が虐待を早期に発見し救済する。そうした議員立法の先例が、00年に全会一致で成立した児童虐待防止法だ。同法は暴力や暴言、わいせつ行為、放置を虐待と定義。発見者に通報を義務付け、施設職員や教員などに早期発見の努力義務を課し、通報者を守秘義務違反に問わないとした。児童相談所の安全確認義務も明記した。
 こうした規定を引き継いで05年に同じく超党派の議員立法で成立した高齢者虐待防止法は、定義に経済的虐待を加え、通報先を市町村とし、市町村職員は立ち入り調査や一時保護ができるとした。
 障害者虐待防止法についても与党PTは12日の初会合で、超党派での成立を目指すことを確認した。
 法案には職場での虐待防止も加わった。「職場での虐待は『せっかく入れた会社だから』と埋もれがちだが、障害者の社会参加のためにこそ防止すべきだ」(高木美智代・与党PT副座長)との考えからだ。
 だが、法案に詰めるべき点は多い。障害者虐待への対応の核として都道府県に置かれる権利擁護センターは、虐待に精通した人材の確保が課題となる。
 職場への調査をどこが担うかも問題だ。知的障害者の元工員が社長を訴えた裁判では03年、元工員の窮状を聞きながら適切に対応しなかったとして、大津地裁が労働基準監督署の怠慢を認めたが、「逮捕権限を持つ労基署が直ちに調査に入るのは強権的。対応は職業安定所の方が望ましい」(与党議員)との意見も強い。その一方、調査経験の乏しい職安で対応できるかという懸念もある。
 また、法案は学校と病院での虐待には通報を義務付けず、学校は校長、病院では管理者に、防止や対応の「包括的義務」があると規定するにとどめた。「学校内での健常者へのいじめは通報せず、障害者への虐待だけを通報するのか、といった難しい問題がある」(同)うえ、精神科病院では精神保健福祉法で定められた病院内での細かい規定と調整が必要なのだという。


 ▼障害者虐待防止法案骨子(与党PT案)
▽誰であっても障害者を虐待してはならない
▽虐待は身体的、心理的、性的、経済的なものと放置
▽家庭や施設、職場では、生命や身体に重大な危険がある虐待を受けたとみられる障害者を発見した場合は、誰にでも通報義務がある。しかし、学校や病院での虐待に通報義務はない
▽施設職員や教員、医師、事業主らに虐待早期発見の努力義務
▽通報による不利益扱いを禁止
▽都道府県に対応窓口の権利擁護センターを設置
▽家庭での虐待は市町村が立ち入り調査し一時保護も
▽施設の虐待は市町村から報告を受けた都道府県が調査
▽勤務先での虐待は都道府県から報告を受けた労働局が調査
▽学校での虐待は防止を学校長に、病院では管理者に義務付け
▽国と自治体に防止などの責務
(情報提供:平成21年3月18日 毎日新聞)











【編集後記】



 アメリカで、21年前のバイク事故で下半身マヒになり20年間車イス生活を送っていた男性が、毒グモにかまれ病院に運び込まれたときに、看護師が足に痙攣が起きていることに気付き、男性もかまれたときにマヒした足で痛みを感じ、検査してみると足の神経が回復していることがわかったそうです。なんと5日後に歩くことができるようになり、担当した医者も「奇跡としか言いようがない」とビックリしているという出来事があったそうです。なんか都市伝説になりそうな出来事ですが、気になる方は「毒グモ 車イス」をキーワードに検索して下さい。
 さて、今年の「はがき通信」懇親会は、東京で麸澤さんを実行委員長に、会場と宿泊場所は第一ホテル両国(TEL: 03-5611-5211・東京都墨田区)、日程は10月16日(金)〜10月18日(日)で準備を進めていただいております。ツインルーム25室・バリアフリールーム1室を予約、電車でのアクセスはA.JR両国駅徒歩6分(東京駅より秋葉原駅乗り換えで約30分)、B.都営大江戸線両国駅徒歩2分です。6月号で懇親会の詳細なご案内と申し込み方法等をお知らせいたします。また、来年の懇親会は、3月頃に沖縄を検討中です。どうぞよろしくお願いいたします。
 次号の編集担当は、瀬出井 弘美さんです。



編集委員:藤田 忠







………………《編集委員》………………
◇ 藤田 忠  福岡県 E-mail:fujitata@aioros.ocn.ne.jp
◇ 瀬出井弘美  神奈川県 E-mail:h-sedei@js7.so-net.ne.jp

………………《広報委員》………………
◇ 麸澤 孝 東京都 E-mail:fzw@nifty.com

………………《編集顧問》………………
◇ 松井和子 和歌山県立医科大学
◇ 向坊弘道  (永久名誉顧問)

(2008.4.1.時点での連絡先です)

発行:九州障害者定期刊行物協会
〒812-0069 福岡県福岡市東区郷口町7−7
TEL&FAX: 092-629-3387
E-mail: qsk@plum.ocn.ne.jp

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